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〘 お砂糖の魔法 ~From.エデル~ 〙
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〘 お砂糖の魔法 ~From.エデル~ 〙
『 エデル・シェン 』♂ …柔らかな笑顔と柔らかな低音の声が、周りを魅了する。気取らず、物腰柔らかで優しい性格。2800歳と、大人な男性。ハイ・エルフ。※人間年齢3・40代。最初は青年ほどの年頃。
―――――――――――――――――――――
――この物語は、広い海のどこかにある…【 エルフの島 】の、一つの物語…。この島では【 とある砂糖菓子 】が、たくさんのエルフ達に親しまれている。…人間にも親しみのある、あの…綺麗な砂糖菓子……。
――この島はエルフだけが住まう島。エルフの島と呼ばれているらしい。そんな島でも、ハイ・エルフは数が少なく、高貴で気高き存在とされている。その為か、他のエルフ達は、ハイ・エルフとの親交を深めようとはしない…。
※エデル青年。
ある日僕は、とある街に来ていた。島には二つの街がある。小さな島だけれど、真ん中に森を挟むようにして、街が広がっているんだ。――片方は〖 コイグスタン 〗と言う街で、ハイ・エルフとエルフが共存している。もう片方は〖 レーツェル 〗と言う街。ハイ・エルフだけが住まう街だ。
――― 『……えーと…大丈夫かい?』
コイグスタンの街に来た僕は、寂しそうな顔で俯く少女に出会った。少女は今にも泣きだしそうな…それとも、今まで泣いていたのか……そんな表情をしていた。
――― 『ラメラか、うん…素敵な名前だね。―――えーと……あ、あったあった!寂しがり屋のラメラに、コレをプレゼントするよ。』
少し話をしてみると……この街には上位階級のハイ・エルフ…そして、下級のエルフ達が共存しているが、身分の差でハイ・エルフ達は距離を取られてしまうと言う。彼女はその事で表情を雲らせていた。その少女は名前を教えてくれた。ラメラ……可愛らしい見た目によく合う、素敵な名前だと思った。そして僕はラメラに、この島で親しまれている砂糖菓子をプレゼントした。
――― 『砂糖から作られている、飴細工。【 金平糖 】…と言うんだよ。この金平糖には魔法があるんだ。〖 心が温まる魔法 〗…がね!』
魔法……エルフは誰もが魔力を持っている。属性の違いや能力差はあっても、魔法は身近な力…。でも、僕が言った金平糖の魔法は…ラメラへの僕の気持ち……ただ、それだけだった。魔力など、込められていない普通の金平糖だった。けれど、ラメラは、とても喜び素敵な笑顔を見せてくれた。僕が、勇気づけられたんだ。
――― 『どういたしまして。…さて、僕は用事があるから、そろそろ行くよ。またね、ラメラ!』
僕は、小瓶ごと金平糖をプレゼントし、街に来た用事を済ませるために、ラメラに別れを言い…その場を去った。――用事を済ませた後、同じ道をもどったが…その頃には、ラメラの姿は無かった。…その後、僕はレーツェルの街に戻った。あの一度きりで、僕はラメラと会うことは無かった。
※エデル人間年齢3・40代。
――数百年の時が経ち、僕の街に噂が流れた。
『 ――コイグスタンの街に…金平糖の……お店…』
――数百年前に、少女と…ラメラと出会った街……。そして、噂の店は〖 金平糖の店 〗。シンプルなものから、薬草の入ったもの…[[rb:彩 > いろ]]も味も、色々な物が揃えられている、と…。僕はどうしても気になった。直ぐに店へと向かった。
――店に着いた時、女性が店じまいを始めているようだった。しかし僕は…声を…かけたんだ……。数百年前の、可愛らしさではなく…とても美しくなっていたが、その女性は確かに…ラメラだった。
――ラメラは僕に気付いていなかった。数百年…僕も変わった。仕方がない。…僕は店内の金平糖を見させてもらった。噂通り、たくさんの彩と味がそろっていた。……しかし、僕が選んだのはシンプルなもの。思い出の…あの日、あの時、ラメラにプレゼントしたものと同じ、彩も味もシンプルな金平糖。
僕は尋ねた……
『 ――この金平糖に……〖 心が温まる魔法 〗は、あるかな?』
ラメラは涙を流しながら…『当店の金平糖、全てに…〖 心が温まる魔法 〗があります。』と、答えた。泣いていたけれど、それでも素敵な笑顔を見せてくれていた。
『……あの時の寂しい君は、もう居ないんだね。…素敵な女性になったね、ラメラ。』
――ラメラは、あの日あの時…僕が渡した金平糖のおかげだ、と。この店も、あの時の金平糖があったからだ、と…話してくれた。
――成長した君に、笑顔の君に会えて……僕はまた、勇気をもらった。
『…僕はエデル。エデル・シェン。この島のハイ・エルフだよ。……改めまして…宜しくね、ラメラ ((優しく微笑む))。』
――この物語は、広い海のどこかにある…【 エルフの島しま 】の、一つの物語…。長い時を経て、金平糖と言う砂糖菓子が繋いだ…一人の少女と僕の物語。
END
___あとがき___
エデル・シェン →【エーデル / シェーン】= 高貴 / 美しい
ラメラ・ティフル →【カラメッラ / ビューティフル】= 飴 / 美しい
店名 【 カラメッラ 】 = 飴
〘 お砂糖の魔法 ~From.エデル~ 〙
『 エデル・シェン 』♂ …柔らかな笑顔と柔らかな低音の声が、周りを魅了する。気取らず、物腰柔らかで優しい性格。2800歳と、大人な男性。ハイ・エルフ。※人間年齢3・40代。最初は青年ほどの年頃。
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――この物語は、広い海のどこかにある…【 エルフの島 】の、一つの物語…。この島では【 とある砂糖菓子 】が、たくさんのエルフ達に親しまれている。…人間にも親しみのある、あの…綺麗な砂糖菓子……。
――この島はエルフだけが住まう島。エルフの島と呼ばれているらしい。そんな島でも、ハイ・エルフは数が少なく、高貴で気高き存在とされている。その為か、他のエルフ達は、ハイ・エルフとの親交を深めようとはしない…。
※エデル青年。
ある日僕は、とある街に来ていた。島には二つの街がある。小さな島だけれど、真ん中に森を挟むようにして、街が広がっているんだ。――片方は〖 コイグスタン 〗と言う街で、ハイ・エルフとエルフが共存している。もう片方は〖 レーツェル 〗と言う街。ハイ・エルフだけが住まう街だ。
――― 『……えーと…大丈夫かい?』
コイグスタンの街に来た僕は、寂しそうな顔で俯く少女に出会った。少女は今にも泣きだしそうな…それとも、今まで泣いていたのか……そんな表情をしていた。
――― 『ラメラか、うん…素敵な名前だね。―――えーと……あ、あったあった!寂しがり屋のラメラに、コレをプレゼントするよ。』
少し話をしてみると……この街には上位階級のハイ・エルフ…そして、下級のエルフ達が共存しているが、身分の差でハイ・エルフ達は距離を取られてしまうと言う。彼女はその事で表情を雲らせていた。その少女は名前を教えてくれた。ラメラ……可愛らしい見た目によく合う、素敵な名前だと思った。そして僕はラメラに、この島で親しまれている砂糖菓子をプレゼントした。
――― 『砂糖から作られている、飴細工。【 金平糖 】…と言うんだよ。この金平糖には魔法があるんだ。〖 心が温まる魔法 〗…がね!』
魔法……エルフは誰もが魔力を持っている。属性の違いや能力差はあっても、魔法は身近な力…。でも、僕が言った金平糖の魔法は…ラメラへの僕の気持ち……ただ、それだけだった。魔力など、込められていない普通の金平糖だった。けれど、ラメラは、とても喜び素敵な笑顔を見せてくれた。僕が、勇気づけられたんだ。
――― 『どういたしまして。…さて、僕は用事があるから、そろそろ行くよ。またね、ラメラ!』
僕は、小瓶ごと金平糖をプレゼントし、街に来た用事を済ませるために、ラメラに別れを言い…その場を去った。――用事を済ませた後、同じ道をもどったが…その頃には、ラメラの姿は無かった。…その後、僕はレーツェルの街に戻った。あの一度きりで、僕はラメラと会うことは無かった。
※エデル人間年齢3・40代。
――数百年の時が経ち、僕の街に噂が流れた。
『 ――コイグスタンの街に…金平糖の……お店…』
――数百年前に、少女と…ラメラと出会った街……。そして、噂の店は〖 金平糖の店 〗。シンプルなものから、薬草の入ったもの…[[rb:彩 > いろ]]も味も、色々な物が揃えられている、と…。僕はどうしても気になった。直ぐに店へと向かった。
――店に着いた時、女性が店じまいを始めているようだった。しかし僕は…声を…かけたんだ……。数百年前の、可愛らしさではなく…とても美しくなっていたが、その女性は確かに…ラメラだった。
――ラメラは僕に気付いていなかった。数百年…僕も変わった。仕方がない。…僕は店内の金平糖を見させてもらった。噂通り、たくさんの彩と味がそろっていた。……しかし、僕が選んだのはシンプルなもの。思い出の…あの日、あの時、ラメラにプレゼントしたものと同じ、彩も味もシンプルな金平糖。
僕は尋ねた……
『 ――この金平糖に……〖 心が温まる魔法 〗は、あるかな?』
ラメラは涙を流しながら…『当店の金平糖、全てに…〖 心が温まる魔法 〗があります。』と、答えた。泣いていたけれど、それでも素敵な笑顔を見せてくれていた。
『……あの時の寂しい君は、もう居ないんだね。…素敵な女性になったね、ラメラ。』
――ラメラは、あの日あの時…僕が渡した金平糖のおかげだ、と。この店も、あの時の金平糖があったからだ、と…話してくれた。
――成長した君に、笑顔の君に会えて……僕はまた、勇気をもらった。
『…僕はエデル。エデル・シェン。この島のハイ・エルフだよ。……改めまして…宜しくね、ラメラ ((優しく微笑む))。』
――この物語は、広い海のどこかにある…【 エルフの島しま 】の、一つの物語…。長い時を経て、金平糖と言う砂糖菓子が繋いだ…一人の少女と僕の物語。
END
___あとがき___
エデル・シェン →【エーデル / シェーン】= 高貴 / 美しい
ラメラ・ティフル →【カラメッラ / ビューティフル】= 飴 / 美しい
店名 【 カラメッラ 】 = 飴
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