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第四十話
腐男子、見張ってもらう
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結局、外で立ち話をしていたが肌寒くなってきたので一旦、三人共俺の部屋へ移動する事にした。
ロタは「わー、ココがヤマト君の部屋なんだねぇ」と嬉しそうに部屋中を見て回り、キールはドアの前に立ち、冷ややかな目でロタを見ていた。キール、怖い……
「それで? 副長さんはこれから毎晩、ここで見張りするんですか?」
キールは冷たい眼差しのままロタに聞いた。
「そのつもりだけど?
騎士団の仕事は基本的に夕方で終わるしね。
俺が任されてるのは共同施設の保全管理とディルトさんのサポートで、それ以外はたまに夜の見回りや討伐位だからね」
「で、でも……日中働いているのに、夜の見張りまでしてもらうとロタの寝る時間が」
俺はベッドの上で体育座りをしながら、部屋の中をウロウロしているロタに質問した。
ロタはサラッと夜の見張りをすると言ったが、それだとロタの睡眠時間が削られるんじゃないか?
「あぁ、それはダイジョーブ。
俺、夜には強いし、日中暇な時に昼寝するから。
朝になったら、ここの店主さんに見張りの許可取るからね。
あと宿舎にもしばらく外泊するって伝えとく」
ロタが俺のベッド横の窓際で、外を眺めながらそう答えた。
「分かりました……副長さんがいた方が正直心強いですしね。
じゃあ副長さんは向こうのドアの方にでもいて下さい。
俺はヤマトとイチャイチャしながら一緒に寝ます。
あぁ、見たかったら見ても構いませんから」
キールはベッドにいる俺の横に腰掛け、突然肩を抱き寄せロタが見ている前でキスをしてきた。
「んんっ!? んぅ……うぅ!」
キール、何やってんだ!?
お前は見られて良くても、俺が嫌だって!!
両手でキールの頭を持ち離そうとしたが、離れるどころか口の中にキールの舌が入ってきてベロベロ舐められている。
「んあ……う、やめ……ロ、ロタ……」
キールの背後で顔を赤らめながらこちらを見ているロタに手を伸ばし、助けを求めた。
「……ヤ、ヤマト君……」
ロタは俺の右手を掴み、引っ張って引き離してくれるのかと思いきや、俺の手に頬ずりをしだした。
「ヤマト君……好き……」
ちょ、ロ、ロタ……何してるんだよ!
そこは助けてくれる所じゃないの?
助けを求めるのは諦め、力を振り絞って顔を横に背け、キールのキスから逃れた。
「キールはあっちのベッドで寝て!
ロタは……どこかその辺の椅子に座ってて!
俺もう寝るから! おやすみ!」
俺は唾が垂れた口を手の甲で拭き、布団を頭まで被って横になった。
「可愛いなぁ、ヤマトってば……おやすみ。
副長さん、俺が寝ている間、ヤマトに変な事しないで下さいね」
キールが布団越しに俺の頭の辺りを撫で、ドア付近にあるベッドの方へ行ってくれた様だ。向こうの方でベッドが軋む音がした。
「ヤマト君、俺は外の様子を見てるからね。
安心しておやすみ」
ロタがそう声を掛けてくれた後、キールと同じ様にロタも布団越しに俺の頭の辺りを撫で、離れていった。
(……これ、おさまるかな……眠れないじゃんか……)
俺は先程キールとロタ二人にされた事で何故か硬くなってしまった股間を抑え、頭の中で掛け算を九の段から逆に数えながら鎮まるのを待っているうちに、いつの間にか眠りの世界へと落ちていった。
* * * * *
外から鳥の鳴き声がする……朝か……?
布団から起き上がり、辺りを見回すと、窓際に立っていたロタがこちらを向いた。
「おはよう、ヤマト君。もう起きたの?」
「ロタ……おはよう」
目をゴシゴシ擦りながら時計に目をやると六時……四時間位寝たようだ。
キールはまだ眠っているようで、寝息が微かに聞こえてきた。
「ロタ、本当にずっと起きて見張っててくれたんだ」
「んー、そりゃ勿論。ヤマト君の為だもん」
そう言いながらロタが俺の方に近寄って来て、ベッドに腰掛け、俺の髪を指で触ってきた。
「ヤマト君……寝癖ついてる。これはこれでまた可愛いね」
至近距離で髪の毛をくりくり弄られ、朝から顔が赤くなってしまった。
「あ、あまり見ないでよ、恥ずかしいだろ」
髪の毛を弄っているロタの指を払おうとしたら、その手をロタに掴まれた。
ロタは寝ているキールの方に目をやると
「ねぇ、ヤマト君……夜中の続き、してもいい?」
「夜中の……続き?」
ロタは俺の手を掴んだまま、そっと口にキスをしてきた。
唇か触れる程度の軽いキスで、更に小鳥が啄む様に口の周りや頬に短くキスを数回繰り返した。
あ、これBL本で見た事あるやつだ、確かバードキスとかいうやつ。
まさか俺がして貰う側になるとは思わなかったが……何かいいな、これ。
「あは……ヤバイ、俺、凄い嬉しい」
俺の顔から唇を離したロタが、俺の顔を見て頬を赤らめながら呟いた。
ロタ、すっかり純情キャラになっちゃったなぁ……
馬車で俺をメチャクチャに犯してきたあのロタは何処へいったんだ。
本当に俺の事を好きになってくれてるんだな……本命には弱いタイプって事なのかな。
そんな事を考えながらロタと見つめ合っていると、キールが寝返りを打ったので慌てて離れた。
スースーと寝息が聞こえた。良かった、まだ寝てる……けど、俺はそろそろ起きて朝食の準備とか支度をしなくちゃな。
「そ、それじゃ俺、朝食の準備とノインさん起きてるか見てくるから……」
俺は寝癖のついた部分を手櫛で整えながら、部屋を後にした。
ロタは「わー、ココがヤマト君の部屋なんだねぇ」と嬉しそうに部屋中を見て回り、キールはドアの前に立ち、冷ややかな目でロタを見ていた。キール、怖い……
「それで? 副長さんはこれから毎晩、ここで見張りするんですか?」
キールは冷たい眼差しのままロタに聞いた。
「そのつもりだけど?
騎士団の仕事は基本的に夕方で終わるしね。
俺が任されてるのは共同施設の保全管理とディルトさんのサポートで、それ以外はたまに夜の見回りや討伐位だからね」
「で、でも……日中働いているのに、夜の見張りまでしてもらうとロタの寝る時間が」
俺はベッドの上で体育座りをしながら、部屋の中をウロウロしているロタに質問した。
ロタはサラッと夜の見張りをすると言ったが、それだとロタの睡眠時間が削られるんじゃないか?
「あぁ、それはダイジョーブ。
俺、夜には強いし、日中暇な時に昼寝するから。
朝になったら、ここの店主さんに見張りの許可取るからね。
あと宿舎にもしばらく外泊するって伝えとく」
ロタが俺のベッド横の窓際で、外を眺めながらそう答えた。
「分かりました……副長さんがいた方が正直心強いですしね。
じゃあ副長さんは向こうのドアの方にでもいて下さい。
俺はヤマトとイチャイチャしながら一緒に寝ます。
あぁ、見たかったら見ても構いませんから」
キールはベッドにいる俺の横に腰掛け、突然肩を抱き寄せロタが見ている前でキスをしてきた。
「んんっ!? んぅ……うぅ!」
キール、何やってんだ!?
お前は見られて良くても、俺が嫌だって!!
両手でキールの頭を持ち離そうとしたが、離れるどころか口の中にキールの舌が入ってきてベロベロ舐められている。
「んあ……う、やめ……ロ、ロタ……」
キールの背後で顔を赤らめながらこちらを見ているロタに手を伸ばし、助けを求めた。
「……ヤ、ヤマト君……」
ロタは俺の右手を掴み、引っ張って引き離してくれるのかと思いきや、俺の手に頬ずりをしだした。
「ヤマト君……好き……」
ちょ、ロ、ロタ……何してるんだよ!
そこは助けてくれる所じゃないの?
助けを求めるのは諦め、力を振り絞って顔を横に背け、キールのキスから逃れた。
「キールはあっちのベッドで寝て!
ロタは……どこかその辺の椅子に座ってて!
俺もう寝るから! おやすみ!」
俺は唾が垂れた口を手の甲で拭き、布団を頭まで被って横になった。
「可愛いなぁ、ヤマトってば……おやすみ。
副長さん、俺が寝ている間、ヤマトに変な事しないで下さいね」
キールが布団越しに俺の頭の辺りを撫で、ドア付近にあるベッドの方へ行ってくれた様だ。向こうの方でベッドが軋む音がした。
「ヤマト君、俺は外の様子を見てるからね。
安心しておやすみ」
ロタがそう声を掛けてくれた後、キールと同じ様にロタも布団越しに俺の頭の辺りを撫で、離れていった。
(……これ、おさまるかな……眠れないじゃんか……)
俺は先程キールとロタ二人にされた事で何故か硬くなってしまった股間を抑え、頭の中で掛け算を九の段から逆に数えながら鎮まるのを待っているうちに、いつの間にか眠りの世界へと落ちていった。
* * * * *
外から鳥の鳴き声がする……朝か……?
布団から起き上がり、辺りを見回すと、窓際に立っていたロタがこちらを向いた。
「おはよう、ヤマト君。もう起きたの?」
「ロタ……おはよう」
目をゴシゴシ擦りながら時計に目をやると六時……四時間位寝たようだ。
キールはまだ眠っているようで、寝息が微かに聞こえてきた。
「ロタ、本当にずっと起きて見張っててくれたんだ」
「んー、そりゃ勿論。ヤマト君の為だもん」
そう言いながらロタが俺の方に近寄って来て、ベッドに腰掛け、俺の髪を指で触ってきた。
「ヤマト君……寝癖ついてる。これはこれでまた可愛いね」
至近距離で髪の毛をくりくり弄られ、朝から顔が赤くなってしまった。
「あ、あまり見ないでよ、恥ずかしいだろ」
髪の毛を弄っているロタの指を払おうとしたら、その手をロタに掴まれた。
ロタは寝ているキールの方に目をやると
「ねぇ、ヤマト君……夜中の続き、してもいい?」
「夜中の……続き?」
ロタは俺の手を掴んだまま、そっと口にキスをしてきた。
唇か触れる程度の軽いキスで、更に小鳥が啄む様に口の周りや頬に短くキスを数回繰り返した。
あ、これBL本で見た事あるやつだ、確かバードキスとかいうやつ。
まさか俺がして貰う側になるとは思わなかったが……何かいいな、これ。
「あは……ヤバイ、俺、凄い嬉しい」
俺の顔から唇を離したロタが、俺の顔を見て頬を赤らめながら呟いた。
ロタ、すっかり純情キャラになっちゃったなぁ……
馬車で俺をメチャクチャに犯してきたあのロタは何処へいったんだ。
本当に俺の事を好きになってくれてるんだな……本命には弱いタイプって事なのかな。
そんな事を考えながらロタと見つめ合っていると、キールが寝返りを打ったので慌てて離れた。
スースーと寝息が聞こえた。良かった、まだ寝てる……けど、俺はそろそろ起きて朝食の準備とか支度をしなくちゃな。
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