腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

文字の大きさ
73 / 96
第七十一話

腐男子、変態プレイに戸惑う

しおりを挟む
「エ、エバン君……」

 エバン君に机の上で押し倒され、数秒間見つめ合った。

「ヤマトさん……好きです。
 一目会った時からずっと。
 ずっとずっとヤマトさんとこうしたかったんです」

 エバン君は笑顔で俺を見下ろし、再び唇を重ねてきた。
 ヌルッと口の中にエバン君の生温かい舌が入ってきて、俺の舌を絡めとっていく。段々と口の中が唾液で溢れ、若干埃の臭いがする書斎内にピチャピチャと卑猥な音が鳴り響いた。

「んん……ハァッ、ハァッ、ヤマトさん……」

 興奮した様子のエバン君が唇を離し、首元に鼻をつけ、匂いを嗅ぎながらキスをし舐めてを繰り返し、段々下へ……ではなく俺の腕を持ち上げ、脇の下に鼻を擦り付けて深く息を吸ったり吐いたりしている。

「エバン君、あの、ちょっと、脇は……」

「んん……はぁぁ……何というイイ匂い……たまらないです……」

 エバン君の鼻から出る熱い息が脇に伝わってくる。俺、脇の匂いメチャクチャ嗅がれてる!
 若干変態プレイっぽい気がして、興奮しているエバン君に反して俺は若干素に戻ってしまった。

 エバン君は片手で反対側の俺の腕を持ち上げ同じ様に匂い、もう片方の手で自分の股間の方を抑えてモジモジしだした。
 俺の脇、臭くないよな……?
 エバン君的に一体どんな匂いになってんだ俺の脇の匂い……

 脇の匂いの事を考えていたら、そう言えばここに連れ込まれる前、トイレにも行きたかった事を思い出し、段々と尿意に襲われてきた。

「……あの……エバン君、こんな時にゴメン、俺トイレ行きたいんだけど……」

「……!! 大丈夫ですヤマトさん、僕に任せて下さい!!」

 俺のトイレ発言で何故か目つきが変わったエバン君は、イキナリ俺のパンツを下着ごとずらしてあらわになった俺の息子を優しく掴み、躊躇ちゅうちょなく口に咥えた。

「っうあぁ! ダメ、ダメだって、俺トイレに……オ、オシッコが出ちゃう……」

「っふ……大丈夫です、オシッコ出して下さい、僕が全部飲みます……いや、飲ませて下さひ……」

 エバン君が顔を赤らめ、悦に浸りながら再びじゅぽじゅぽと舌と唾を絡めながら舐めてきた。

「まっ、待って待って、ホントに……オシッコ……オシッコが出ちゃうから……!」

 エバン君、オシッコ出るって言ってるのにやめてくれない……! 本当に飲む気なのか!?
 エバン君を前に鑑定した時、性的嗜好の欄に確か匂いの文字と尿って文字があった……
 その時は尿の字に引っかかってちょっと気になってたけど、今の今まで忘れてた。
 エバン君は飲尿行為は勿論、尿に関する事で性的興奮を得られるんだ……

 エバン君にチンコを舐められて気持ちいいけど、今は尿意の方が勝っている為勃起していない。
 そしてこのままだと本当にエバン君の口の中でオシッコをしてしまう。
 恋人の口の中でオシッコとか、人間的にどうなんだ!?

 俺はエバン君の頭を両手で挟んでチンコから無理矢理離した。

「っ……駄目、やっぱ駄目だよ、トイレ行かせて、お願い」

「……ヤマトさん……僕、ヤマトさんの事が本当に大好きなんです……顔も髪も声も体付きも匂いも……ヤマトさんの体から出るオシッコも全て……
 実は僕、ちょっと変わった性癖があって、ヤマトさんの匂いに興奮して……あとヤマトさんの尿を……その、飲んだり体にかけてもらったりして貰いたいって何度も妄想して抜いちゃったり……
 だからこんなチャンス、もう当分無いかもしれません、だから僕からもお願いです、オシッコを、ヤマトさんのオシッコを飲ませて下さい……!」

 エバン君が両手を床について頭を下げ項垂うなだれている……
 エバン君、自分の恥ずかしい性癖をバラしてまで俺のオシッコを……

 でもやっぱり、今の俺には応えられない……

「んん……俺の事を好きって言って貰えて嬉しいんだけど、やっぱりエバン君の口の中にオシッコをするのはハードルが高くて……
 もう少し、一緒に暮らしてからじゃ駄目かな……」

 今すぐの飲尿プレイは無理だけど、今後一緒に暮らしていったらもしかしたら出来る様に……なるのかも……しれないのでエバン君にそう提案した。

「……分かりました。
 じゃあ、せめて一緒にトイレへついていくので、ヤマトさんがオシッコしている所……近くで見ても良いですか?
 今日はそれで我慢しますんで……」

 オシッコしている所を近くで見られるのも嫌だけど、飲まれるよりかは大分マシなので分かったと返事をし、一緒にトイレへと行った。
 ここの家はトイレ内も広く、男性用小便器と洋式便器が一つずつと大理石の様な石でできた手洗い器が設置されている。
 とりあえず、キールが入ってきたら恥ずかしいのと絶対怪しまれる為、トイレの鍵を閉めて小便器の前に立ち、パンツのファスナーを下げて息子を出し、オシッコをする準備をした。
 エバン君は俺の真横に膝立ちになり、左手で俺のお尻の方の服を掴んだ。

「ヤマトさん、オシッコいつでも出していいですよ」

 エバン君が心なしか、さっきより顔が生き生きしている気がする。
 誰かに近くで見られながらオシッコをするっていう行為もちょっと変態ッポイけど……んん、駄目だ、もう我慢できない。
 俺はエバン君にメチャクチャ見られながらオシッコをしてしまった。

(は、恥ずかしい…………)

 俺は羞恥で顔が赤くなってしまったが、エバン君は目を見開いて輝かせながら、最後まで凝視していた。

「ヤマトさんの排尿……生で見れた……」

 オシッコを出し切り、さっさと息子をしまいファスナーをしめている横で、エバン君は手の平を合わせて感慨深そうにしていた。

「ヤマトさん……ありがとうございます、もう一生忘れません」

「いやいや、恥ずかしいから忘れていいって」

 俺は手洗い器で手を洗いながら思わず突っ込んでしまった。

(エバン君……純粋そうで可愛い見た目なのに、恋人の中では一番変態ッポイ…………慣れるまで時間がかかりそうだ)

 持っていたハンカチで手を拭き、エバン君と一緒にトイレから出て、朝ご飯を食べにキールがいる厨房の方へと向かって行った。
しおりを挟む
感想 88

あなたにおすすめの小説

一人の騎士に群がる飢えた(性的)エルフ達

ミクリ21
BL
エルフ達が一人の騎士に群がってえちえちする話。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

処理中です...