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第七十五話
腐男子、舐められる
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浴室へと行くと、既にディルトさんはシャワーを済ませた後で誰も居なかった。
俺は少し残念に思いながら、シャワーのお湯を出してササッと洗って出た。
(一人で抜く位なら、最初からディルトさんと一緒にお風呂に入れば良かった……)
タオルで髪の毛をガシガシと拭きながら自室へと戻り、ベッドに腰掛けて読みかけだった本に手を伸ばした。
今読んでいる本は人間に一目惚れした獣人の、種族を越えた切ない恋の話。確か人間の子の方に親同士が決めた許嫁がいる事が分かって、獣人が身を引こうとしている辺りまで読んだんだった。
本を持ったままベッドに寝転んでペラペラとしおりが挟んである場所までめくっていると、誰かがドアをノックした。はーい、と返事をするとキールが遠慮しがちに覗いてきた。
「……ヤマト、入ってもいい?」
「ん……何か用?」
目だけをキールの方にやり、本をペラペラめくっていると、キールはこっちへと歩み寄り俺が寝そべっているベッドに腰掛けた。
「用は特に無いんだけど、さっきの……食堂で俺がエバン君と出て行ったじゃない? ヤマトが気にしてるかなと思って」
「……んー、少し……」
「俺ね、エバン君に宣戦布告されたよ。
料理なら負けません、ヤマトさんの胃袋を掴むのは僕です! キールさんには負けません! ……って事をネチネチ長々と言われただけだよ」
「……そうなんだ」
俺は本から目線を外す事無くキールに返事をした。
なんだ、別に大した事なかったのか。気にして損したな。
そう思っているとキールが突然本を取り上げ、俺の顔の横に手をついて見下ろしてきた。
「っ……! キール、本返して……」
「ヤマト、少し怒ってた? もしかしてヤキモチ?」
「なっ……そんな訳……」
「ヤマトは人と話しをする時はいつも目を見て話してくれるのに、今日は本ばかり見て俺と目を合わせてくれないから。
あの時ヤマトを一人残して、俺とエバン君だけで内緒話したのがそんなに嫌だったんだ。
ヤキモチなんて、可愛いね、ヤマト」
キールが本を横の棚に置き、俺の上に覆いかぶさってきた。
ヤキモチ? ずっと胸に引っかかっていたこのモヤモヤ感、ヤキモチ焼いてたのか自分。え、誰に? キールに? それともエバン君に?
「大丈夫だよ、俺が愛してるのはヤマト一人だけだから」
キールはそう言いながら口にキスをしてきた。あっという間に口の中に舌を入れられ、舌を絡め取りながら上顎や喉の奥手前を舌でつつーっと舐められ、溢れてきた唾を吸われた。
「ん……美味しい、ヤマトの唾……」
コク、と喉を鳴らしながらキールの手が股間の方へと伸びたので、思わず手で止めた。
ディルトさんとのセックスで沢山出し、さらにその後自慰まで致したのでさすがにちょっと休憩したい。
「ま、待ってキール……そこはやめて……」
「何で? シャワー浴びてきたんでしょ? 俺が気持ち良くしてあげるから」
「いや、俺、その……さっき一人で抜いちゃったから……休憩したいというか何というか」
しどろもどろで答えると、キールはキョトンと呆気にとられた顔をしたが直ぐに怒った様な表情になって荒げた声を出した。
「一人でしたの!? 何で俺を呼んでくれなかったの!? ヤマトのを根元までずっぽり舐めたかったのに! ヤマトの精液を一滴残らず飲みたかったのに! なんて勿体ない……!」
「…………キール…………」
キールが超絶イケメンじゃなかったらドン引きしてたわ……いや、今も若干引いてるけど……
「ヤマト、今度ムラムラした時は絶対に俺を呼んでよね。飛んでくるから。ヤマトの望む事なんだってしてあげる。
前も後ろもふやけるまで舐めてあげるし、セックスもヤマトが満足するまでしてあげる。だから、ね、お願い」
キールが俺の耳元でそう呟いた後、耳をレロッと舐めて甘噛みした。小さな刺激に体がビクッと反応した。
「……っ……!」
「ね、ヤマト……」
キールが耳を甘噛みした後耳たぶを舐め、そのまま穴の中に舌を入れてきた。舌を出し入れされ、ゾワゾワッと鳥肌が立ち、体は更にビクビク震えた。
「っあっ……や、やだ、それやだ……!」
「ん……ホント感じやすいね、ヤマト。可愛い」
上から押さえ込まれたまま耳を執拗に舐められ、なんとも言えない感覚に耐えきれず俺はつい観念して
「分かっ……た、分かったから……やめて……!」
と返事をしてしまった。
「……ふ……絶対だよ? 俺が処理してあげるからね」
耳の穴に舌をズブズブ入れられ、もう片方の耳も指でクニクニと弄られ、鳥肌が立ったまま治らない。
「あっ……あぁっ……! わ、分かった、分かった……からぁ……!」
涙目になってそう答えると、キールはようやく耳から口を離してくれた。
「ゴメン、ヤマトが可愛すぎてついしつこくやっちゃった。待って、耳、拭いてあげる」
キールは俺がさっき頭を拭いていたタオルを手に取り、乾いている部分で耳を拭いてくれた。
「ハイ、綺麗になったよ。
それじゃ俺、そろそろ自分の部屋に帰るね。読書の邪魔してゴメン、また後でね」
キールはおでこにキスをし、手を振って部屋から出て行った。
俺は布団を頭の上まで掛け、またもや健気に勃ち上がってしまっていた自分の元気な息子を恨めしく見つめながら、ひたすら心を無にしてベッドの中でうずくまるのだった。
俺は少し残念に思いながら、シャワーのお湯を出してササッと洗って出た。
(一人で抜く位なら、最初からディルトさんと一緒にお風呂に入れば良かった……)
タオルで髪の毛をガシガシと拭きながら自室へと戻り、ベッドに腰掛けて読みかけだった本に手を伸ばした。
今読んでいる本は人間に一目惚れした獣人の、種族を越えた切ない恋の話。確か人間の子の方に親同士が決めた許嫁がいる事が分かって、獣人が身を引こうとしている辺りまで読んだんだった。
本を持ったままベッドに寝転んでペラペラとしおりが挟んである場所までめくっていると、誰かがドアをノックした。はーい、と返事をするとキールが遠慮しがちに覗いてきた。
「……ヤマト、入ってもいい?」
「ん……何か用?」
目だけをキールの方にやり、本をペラペラめくっていると、キールはこっちへと歩み寄り俺が寝そべっているベッドに腰掛けた。
「用は特に無いんだけど、さっきの……食堂で俺がエバン君と出て行ったじゃない? ヤマトが気にしてるかなと思って」
「……んー、少し……」
「俺ね、エバン君に宣戦布告されたよ。
料理なら負けません、ヤマトさんの胃袋を掴むのは僕です! キールさんには負けません! ……って事をネチネチ長々と言われただけだよ」
「……そうなんだ」
俺は本から目線を外す事無くキールに返事をした。
なんだ、別に大した事なかったのか。気にして損したな。
そう思っているとキールが突然本を取り上げ、俺の顔の横に手をついて見下ろしてきた。
「っ……! キール、本返して……」
「ヤマト、少し怒ってた? もしかしてヤキモチ?」
「なっ……そんな訳……」
「ヤマトは人と話しをする時はいつも目を見て話してくれるのに、今日は本ばかり見て俺と目を合わせてくれないから。
あの時ヤマトを一人残して、俺とエバン君だけで内緒話したのがそんなに嫌だったんだ。
ヤキモチなんて、可愛いね、ヤマト」
キールが本を横の棚に置き、俺の上に覆いかぶさってきた。
ヤキモチ? ずっと胸に引っかかっていたこのモヤモヤ感、ヤキモチ焼いてたのか自分。え、誰に? キールに? それともエバン君に?
「大丈夫だよ、俺が愛してるのはヤマト一人だけだから」
キールはそう言いながら口にキスをしてきた。あっという間に口の中に舌を入れられ、舌を絡め取りながら上顎や喉の奥手前を舌でつつーっと舐められ、溢れてきた唾を吸われた。
「ん……美味しい、ヤマトの唾……」
コク、と喉を鳴らしながらキールの手が股間の方へと伸びたので、思わず手で止めた。
ディルトさんとのセックスで沢山出し、さらにその後自慰まで致したのでさすがにちょっと休憩したい。
「ま、待ってキール……そこはやめて……」
「何で? シャワー浴びてきたんでしょ? 俺が気持ち良くしてあげるから」
「いや、俺、その……さっき一人で抜いちゃったから……休憩したいというか何というか」
しどろもどろで答えると、キールはキョトンと呆気にとられた顔をしたが直ぐに怒った様な表情になって荒げた声を出した。
「一人でしたの!? 何で俺を呼んでくれなかったの!? ヤマトのを根元までずっぽり舐めたかったのに! ヤマトの精液を一滴残らず飲みたかったのに! なんて勿体ない……!」
「…………キール…………」
キールが超絶イケメンじゃなかったらドン引きしてたわ……いや、今も若干引いてるけど……
「ヤマト、今度ムラムラした時は絶対に俺を呼んでよね。飛んでくるから。ヤマトの望む事なんだってしてあげる。
前も後ろもふやけるまで舐めてあげるし、セックスもヤマトが満足するまでしてあげる。だから、ね、お願い」
キールが俺の耳元でそう呟いた後、耳をレロッと舐めて甘噛みした。小さな刺激に体がビクッと反応した。
「……っ……!」
「ね、ヤマト……」
キールが耳を甘噛みした後耳たぶを舐め、そのまま穴の中に舌を入れてきた。舌を出し入れされ、ゾワゾワッと鳥肌が立ち、体は更にビクビク震えた。
「っあっ……や、やだ、それやだ……!」
「ん……ホント感じやすいね、ヤマト。可愛い」
上から押さえ込まれたまま耳を執拗に舐められ、なんとも言えない感覚に耐えきれず俺はつい観念して
「分かっ……た、分かったから……やめて……!」
と返事をしてしまった。
「……ふ……絶対だよ? 俺が処理してあげるからね」
耳の穴に舌をズブズブ入れられ、もう片方の耳も指でクニクニと弄られ、鳥肌が立ったまま治らない。
「あっ……あぁっ……! わ、分かった、分かった……からぁ……!」
涙目になってそう答えると、キールはようやく耳から口を離してくれた。
「ゴメン、ヤマトが可愛すぎてついしつこくやっちゃった。待って、耳、拭いてあげる」
キールは俺がさっき頭を拭いていたタオルを手に取り、乾いている部分で耳を拭いてくれた。
「ハイ、綺麗になったよ。
それじゃ俺、そろそろ自分の部屋に帰るね。読書の邪魔してゴメン、また後でね」
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