腐男子が男しかいない異世界へ行ったら色々と大変でした

沼木ヒロ

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第二十五話

キール、寝込みを襲う(キール視点)

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 王都での買い物を終え、本屋に帰って来れたのは閉店間際だった。
 今日に限って、街道行きの馬車が中々つかまらなかった。

 俺はノインさんに買ってきた商品と食材、お釣りを渡していると、ヨタヨタフラフラしながら店内を歩くヤマトを見つけた。

「ヤマト君、大丈夫かなー?
 今日ね、王都騎士団の副長さんが歴史と地理の本を十五冊も買ってね、ヤマト君も馬車に運ぶの手伝ってたんだよ。
 あの本重たいのに何往復もしてたから、相当疲れたんじゃないかな」

と、ノインさんがレジカウンターで頬杖をつきながら呟いた。
 俺は、ヤマトと一緒に閉店作業してきます、とノインさんに伝え、ヤマトの元へと行った。

「ヤマト、大丈夫?」
 顔が青ざめて元気が無いヤマト。心配で思わず顔を覗き込んだ。
 ヤマトは薄く笑顔を浮かべて大丈夫、と言ったが、いつもと様子が違う。余程本が重たかったようだ。
 副長というのは……昨日騎士団長のディルトさんと一緒にヤマトを探していた赤髪の人か。
 どうしてこんなか弱いヤマトにまで重たい本を運ばせたんだ。
 副長アイツが全て運んだら良かったのに。

 横にいるヤマトの方をチラリと見る。
不謹慎だが、弱々しい姿のヤマトも儚い感じがしてとても可愛い。
 思わず下半身が熱を持って少し勃ってしまった。
 が、ヤマトがふいに俺の下半身を見た後、首を横に振り何処どこかへ行ってしまった。

 最悪だ、ヤマトは疲れてしんどいのに、横にいる俺がそんなヤマトを見て股間を膨らましているとか……幻滅されたかもしれない。

 そうだ、挽回ばんかいする為にも今日はここに泊まって、ヤマトの手助けをしよう。
 先日の風呂場でも迷惑を掛けたし……
 俺はノインさんにここに泊まる許可を貰い、ヤマトに今日は面倒を見させてほしい旨を告げた。
 ヤマトは遠慮したが、半ば強引に手伝うから、と話を推し進め納得して貰った。

 そして夜ご飯の時、俺がヤマトの食事を用意し食べさせてあげて、着替えも手伝ってあげた。
 でもさすがにトイレとお風呂はヤマトに断られてしまった。
 ヤマトの体に触れられるチャンスだったが、少し残念だ。

 夜、ヤマトが寝る前にマッサージをしてあげたいと思い、部屋を訪れた。
 ヤマトはベッドの上で本を読んでいたようだ。
 先程別れる時にもう大丈夫だから、と言われたし、少し迷惑だったかもしれない。
 トイレと風呂も断られたので、マッサージも断られるかな……そう思っていたら「じゃあ……お願いしてもいい?」と言われた。
 良かった……

 ヤマトにベッドにうつ伏せで寝てもらい、腰の上に股がり、服の上から肩から背中、腰にかけてゆっくり指圧した。するとヤマトが

「あーっ……キール、気持ちいい……」

 と、心地良さそうにうつ伏せのまま喋った。
 良かった、ヤマトに喜んで貰えているようだ。
 マッサージを始めて数十分後、腰の方をゆっくり指圧していると、ヤマトが「ありがとう、キール……」と小声で呟いた後、すうすうと寝てしまった。
 ヤマトが、リラックスしてそのまま寝てくれたようだ。嬉しい。
 俺は腕と足の裏側全体も軽くマッサージしてから、ゆっくりヤマトから離れ、体を動かし仰向けに寝かせてあげた。
 ふと、ヤマトの顔を見ると、ヤマトの口端からよだれが垂れていた。

(舐めたい……)

 俺は、そっとヤマトの口端を舐め、そのまま唇も舐めてキスをした。

(美味しい……唇柔らかい……
 ヤマト可愛い……もっとキスしたい)

 寝ているヤマトの口元に何度もキスをしているうちに、段々興奮してきた。
 ヤマトを起こさないように静かに上の服を首元までめくり上げる。
 薄ピンクの乳首が見え、我慢できずに吸い付き、ジットリ舐め回し舌で転がした。
 そして少し立ってきた乳首を舐めながら、ヤマトの下着の中に手を入れ、半立ちになっているモノを掴み、上下に擦った。
 するとヤマトはピクッと体が動き
「…………あ……ん……」
 と声を漏らした。

(まさか起きた……?)

 口と手の動きを止めてヤマトの様子を見る。
 スースー寝息が聞こえる……良かった、寝ている。
 もう片方の乳首を舐めつつ、続けてヤマトのモノを擦り続けた。
 寝ていて意識が無いのに、ヤマトの体は反応し、半立ちだったモノが硬く勃起した。先からは透明な液がジワッと出ていた。

 俺は自分の下着をずらし、お腹に当たる程ガチガチに硬く反り返ったモノを出し、自分のを手でシゴきながら、もう片方の手でヤマトのモノを掴み口でくわえ上下に舐めた。

(あぁ……ヤマトの……凄く美味しい)

 俺は夢中になって舐め続けた。
 愛おしすぎてどうにかなりそうだ。

「……う…………ん……」

 ヤマトは相変わらず寝ているが、体は感じてくれているのか、時々ビクッとし声が漏れていた。

(……寝ていて無意識なのに……俺の舌と手で感じてるヤマト……たまらない)

 このままヤマトの後ろの穴に入れて犯したい。
 けどそこまでやったらさすがに起きそうだし、この前童貞って言ってたから恐らく慣らさないと入らないだろう。
 いつか、俺のヤマトへの気持ちが通じて一つになれたら……
 そう思いながら、ヤマトのモノを上下に舐めながら、自分のモノを擦り続け、俺はビュクビュクと床に白濁した液を先から吐き出し、果てたのだった。



* * * * *



 床に飛び散った俺の液を、持っていたティッシュで拭き取り、ヤマトの体も軽く拭いて服を元に戻す。
 ヤマトの硬くなっていたモノは萎えてしまっていた。寝ているから当たり前か。
 本当なら最後までイカせてあげたいが、そこまですると途中で気付かれ、ヤマトが起きてしまう。
 睡眠の邪魔はしたくないので、名残惜しいけどこれでお終いにする。

 スヤスヤ寝ているヤマトの顔を見ると、胸が締め付けられもう少し傍にいたいと思い、今日だけ添い寝させて貰う事にした。
 ヤマトの頭を少し持ち上げ、俺の腕を下に置く。
 
(ヤマトに腕枕……幸せだ……)

 ヤマトの可愛い寝顔を眺めているうちに、段々と瞼が重くなり、そのままヤマトの隣で俺は眠りについた。



* * * * *



 その次の日位から、ヤマトの様子が少しおかしくなっている事に後から気付いた。

 俺はいつも通り、仕事中にヤマトの様子を少し離れた所から見ていた。
 今までは触ってくる客に対し、青ざめて拒否していたヤマトだったが、ここ最近は客に触られると顔を赤くし、艶っぽい声を出す様になった。

 ついさっきも、常連の男に肩を抱かれ、耳たぶを指でいじられていたヤマトが
「んあっ……や、やめて下さい……」
と顔を赤らめながら言っていて、そのヤマトの顔がいやらしくて思わず仕事中なのに勃ってしまった……

(ヤマト……どうしたんだろう……)

 後から体調が悪いのか聞いてみよう、そう思いながら入口方向を見ると、見たことのある白い制服姿の二人組が店に入ってきた。
 騎士団長のディルトさんと……ヤマトをこき使った赤髪の副長……
 無意識のうちに副長を睨んでいると、ディルトさんが俺に気付いて話しかけてきた。

「こんにちは、ヤマト君はいるかな。殿下からの頼まれ事で相談したい事があるんだが」
「……こちらです……」

 俺は二人をヤマトがいる場所へ案内した。

「ヤマト、お客さん……」

 さっきの常連客はおらず、ヤマトは一人で本の補充作業をしていた。
 ヤマトの顔がまだ少し赤い。
 俺はヤマトに大丈夫か聞こうと思ったその時、

「やぁやぁ、ヤマト君、久しぶり~! この前はお互い気持ち良かっ……」
「ウワァァァァーーッ!」

 赤髪の副長が大きな声でヤマトに何か言いかけ、ヤマトは慌てて副長の口を塞いだ。
 俺は訳がわからずキョトンとしてしまった。

「キール……なんでもない! 気にしないで!」
「えっ……う、うん……じゃあ、俺仕事に戻るから」

 ヤマトは明らかに動揺していた。
 あの副長と何かあったのか?
 嫌な予感がし、胸がざわついた。

 俺は居ても立っても居られず、逃げる様にしてその場を立ち去った。
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