牧師に飼われた悪魔様

リナ

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第六章「恋する妖精」

★悪魔の魔力

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「――とゆうわけで、やろう」
「えっ、今ので終わんないのか!?どう考えてもここで終わった方がきれーなのに」
「きれーなだけで腹がふくれるのか?欲が発散できるか?俺様のコレがなんとかできると思うか?!」

 最期の言葉と同時に熱いものを押し付けられる。ギクリと体をゆらし下を向いた。

「お前っ少しは反省…」
「人間でもこれは生理現象だろ?」
「そうだけど…」

 躊躇してしまう。どうしても、森でのことを思い出してしまうのだ。俺はあの日から凄惨なあの出来事を、毎日悪夢で見ていた。そのため眠りが浅く、深く眠れないのだ。

「・・・ルト?」

 俺の異変に気づいたザクは、熱っぽい目でただ見下ろすだけで動きを止めた。何もしてこない。ザクのがこんなに熱いのに耐えているらしい。いつものように襲ってこないことに違和感を感じた。

「ザク?」
「もう絶対あんな風にしねえ。優しくする」
「…わかってる、けど」
「けど?」

 同意されトーンを上げるザク。早くも服を脱ぎ始めてるし。

「~~ああもうっ電気消せ、恥ずかしい!」
「っけけ」

 今更何言ってんだかと笑われる。うるさいな、と睨みつけた。

 ぱちんっ

 ザクが指をならすと部屋の電気が消え、真っ暗になった。少しずつ暗闇に目が慣れてくると、窓から入ってくる街の明かりが見えてくる。その明かりに照らされザクの姿がかろうじて確認できた。ちょっと暗すぎる気もしたけど、明るすぎるよりは全然ましだった。

「じゃ、さわるぜ」
「・・・」
「沈黙は同意ってことだよな?」
「・・・ん」
「っけけ、安心した」

 そう言ってザクが俺に手を伸ばす。長い爪が胸をなぞり、ゾクリと体が反応した。

「...っん!」

 声を我慢するために自分の指を噛もうとする。

「こら、噛むならこっちにしとけ」

 それに気付いたザクが俺の指を口から抜いて自分の指を噛ませた。ザクはこの暗闇でもしっかり見えてるようだ。じゃあ電気消した意味がないような。

「舐めるぜ」
「う…、あっ…」

 何かを言う前に熱いものが俺の胸を包んだ。声が我慢できず指の隙間から漏れる。ザクの舌は体中に移動し、俺の緊張をほぐそうとしてるかのように優しくゆっくりと舐めていった。

「...ん、あ...っふう」

 じきに俺の声にも違う色が出てくる。それを察したのかザクが舐めながら手を伸ばした。そして俺のを掴んでくる。

 ビクッ!!

 その瞬間、ザクに全てを支配されてるようで、怖くなる。

「愛してる」

 強ばった俺の頭を抱き、耳元で囁いてくる。何度も囁き、俺の緊張がほどけるのを待ってくれているようだ。その声が、吐息混じりでとても色っぽい。昼に見る馬鹿そうなアイツとは別人みたいで

「詐欺だ...」
「んあ?」
「なんでもない!」

 俺は枕に顔を埋め、投げやりに叫ぶ。すぐにまた動きが再開され、体が疼き出す。今度は俺がうつ伏せで、後ろから抱きしめられる姿勢になった。がら空きになった背中を舐められ、手で俺のものを扱われ、気持ちよさで何も考えれなくなった。

「っは...ハア..う、んん!」

 枕に顔を埋め、声を殺す。それでも漏れてしまうほど声が大きくなってきた。後ろでザクがかすれた声で笑っている。

「けけ、なんで、声殺すんだよ」
「し、らない!んん!!っあ、っ、ふ...ハア」
「まあ、こういうのも悪くないぜ。無理やりやってるみたいで、興奮するし?」
「お、まえ...死ね...ハア、ハア..んんっ」

 俺たちじゃそれ冗談じゃすまないぞときれそうになってると、背中を後ろから優しく抱かれる。

 ぎゅっ

 全身を包み込むように抱きしめ、頭を撫でられた。

「うそ、ホントは顔見たいです、ルト先生」
「誰が先生...ん、あ...ったく」

 枕を離し、顔を真っ赤にして仰向けになった。ザクと目が合う。暗いわりに意外と顔がはっきり見えてびっくりした。

「ざ、ザク・・・」
「っ...えっろ、エロルトだな」
「うっさい!..んんう!」
「っは、その顔、余裕、なくなるからやめろって...けけ、」
「...ん、おれ、も・・・そ、ろそろ、やばいっ」
「待て、慣らさねーと...」

 ふと、ザクは自分の指をくわえ込んだ。そして十分に舐めたあと、俺の下にそれをあてがってくる。そして、ゆっくりと、中に入ってきた。

「ああぁっ・・・!!」

 声を思いっきり上げてしまい、すぐに真っ赤になって顔を隠した。濡れた手でザクは、顔を隠す俺の手を握りどかしてくる。

「隠すなって、見せろ」
「はあ?こんな顔見て、んんっなにが、いいんだよっ!」
「いいから、見たいんだろ」

 答えになってない!

 と突っ込もうと口を開いたが、俺の中に埋まる指が動き出してそれは消えた。

「ああああっ、やめろ!う、動かすな!っん」
「こうしないと、お前が辛いんだろが」

 余裕のない声。俺と同じかそれ以上、切羽詰まってるように思えた。

(そりゃそうか...始まる前から張ってたしな)

 俺は痛そうなそれを探り当て、そっと手をそえた。そして上下にゆるく動かす。

「えっ...」

 ザクが驚いたように見てくる。俺は黙ったまま手を動かした。

「ルト・・・っ」

 戸惑ってるが俺の意思を読み取りまた指に集中しはじめるザク。

 俺の中をザクの指が何度も行ったり来たりしていて、むず痒くなってきた。物足りない感じになると指が増やされ、それが三本目まで行ったとき

「ざ、ザクっ、もう、ムリ...っあ、・・・はあ・・・」
「ハア、はあ、ルト・・・」

 指を引き抜き、ザクは俺から体を離した。何事かと見上げると、ハアハアと獣のように息を荒げたザクと目があう。

「ザク・・・?」
「いれさせて、ください」
「...」

 限界に近いザクの自身は今にもはち切れそうだった。息を荒げ余裕のないザク。俺を組み敷いた姿勢。見下ろす赤い瞳。

「!!」

 その瞬間、体が反応する。思い出してしまう。森でのこと。襲われたこと。やられた事。痛みを。俺はとっさに言葉を詰まらせる。

「...っ」

 なにか、何か言わないと。でも、喉は震えるだけで、何も言葉が出てこない。今のザクは怖くない、だけど・・・記憶の中の・・・森で暴走したお前は、怖い。繋がったらまたああなるのか?

 そう思うと、俺は。

「ルト、わるい」
「ザク…?」
「今日はやめとこう」
「えっ..」

 ザクが突然動きを止め、俺から離れていく。そのままベッドの端に座りこんだ。

「ザク・・・?」

 起き上がって、ジッとその背中を見つめる。もしかして。

「お前も怖いのか?」

 俺と繋がって我を失うのが。前のようになるのが、怖いのか。

「けけっ」

 ザクは強がるように渇いた笑いを零す。

「失うつもりはねーよ...ただ、また痛がらせたくはない・・・今の俺様にそんな余裕はねーからな」
「...ザクも不安になったりするのか」
「何失礼なこと言ってーっむぐ?!」

 キスで、次に溢れるはずだった言葉を遮った。

「っぷはっ、る、ルト?!」

 動揺するザク。俺はそんな奴の肩に寄りかかって頭をのせる。そうして小さく呟いた。

「この先のことが怖くない・・・って言えば嘘になる...でも、ザクので...あれを、森でのことを忘れたいんだ」
「...っ!!」

 ザクはその言葉を聞き、体をびくりと揺らした。そして耳元で吐息多めのため息をつかれる。

「はあ...お前、どんだけ..かわいいの」
「かわいくはない。」
「いや、かわいい、殺人的だ、くそっ...ま、じゃあ遠慮なく入れさしてもらおうかな」
「うわっ」

 抱きかかえられベッドにもう一度連れてかれる。

「どっちが楽なんだろ...前か後ろか」
「は。何の話?」
「いや、まあいいわ」

 そう言ってうつ伏せで寝る俺に覆いかぶさってくる。熱いそれを後ろにあてがい、押し当ててきた。

「ーっん!そ、それ」
「悪いが、ほんとに余裕ねーんだ、っ、いれるぞ」
「ああああぁっ!!!」

 ぐちゅりと音を立ててザクのが入ってくる。息が止まり、一瞬目眩がした。熱くて、大きくて、一度経験したそれは・・・前とは全く違って感じた。

「...っ、ハア...入ったな」
「んんんっう、あ、ああっう、動くなっ」
「っけけ、無茶言うなって」
「笑うなっんんっ!」

 やつが笑うとそれにならって中に入ってるそれも揺れた。その感覚が気持ちよくて、声が、我慢できない。

「んっ、くう・・・あ、ああ・・・はあっ」

 苦しくなってくると、ザクが俺の頭を撫でて落ち着かせる。

「ッハア...きっつ...」
「あっ、んんっ!!ザクっ」
「なんだ、よ...」
「も、やめ..むり、い、イっちゃ...!」

 激しく後ろから突かれ俺のモノが震え始める。もう限界だった。前を弄られてからしばらく経ってるし、何より未知の感覚が背後から溢れてくる。

(やば、い・・・気持ちいい)

 自分でやることも少ない自分では、到底味わったことのないレベルの快感だった。それはザクも同じだったようで、耳元にかすれた声が聞こえてくる。

「...っは、っハア...俺様も、そろそろだ」
「う、っく...んんっーひゃ?!」

 なんの合図もなしに足を開かされ、繋がった部分からイヤらしい、粘着質な音が聞こえてくる。そのまま俺の体をまわし、仰向けの体制にした。ザクと間近で見つめ合う。汗を首に流し、息を荒げてるザク。俺を突いてるそれ。自分の限界になったもの。すべてが見えて、急に恥ずかしくなる。と同時に後ろをきゅんと締め付けてしまった。その刺激に、ザクが低く唸る。

「うっ...急に締め付けんな、ルトのばかやろ・・・ぐっ!」
「だ、だって...!はず、はずかっ...」
「ハア..ハア...最後、ぐらいいいだろ?」
「ああんっ、ザク..!もう、ほんとっむりっ」
「わーってる、こっちだってとっくだ」

 そう言って、今までの比じゃなく強く激しく突いてきた。声を抑える暇もなく、それに応える。粘着質な水音と、荒い息遣いが部屋に響く。脳が沸騰しそうだ。

「はあ・・・はあ・・・っ、ルトッ」

 気持ちよさそうに細められてるザクの瞳。首を伝う汗がとても色っぽくて。駆け上っていくような快感に溺れ、弾けた。

「あっ、いっ...んんんっイク...!!」
「...っく...うっ」

 一番奥まで突かれ、そのままザクのも中で弾けた。

 ドクッドクン

 熱いものが勢いよく流れ込んできて、俺はその感覚にビクビクと体を痙攣させる。

「ああああ、ああぁ...っんんっ」

 中に、入ってきてる。荒くなった息を整えながら、注がれていく自分の中に意識を集めた。

「あつ、...てか、どんだけ長いんだよ...」
「..っく...はは、ルトがエロいからな」

 笑いながら全てを出し切り、満足げに俺にのしかかってくる。二人して脱力し、息を荒げ

(...)

 今更、現実を思い出した。俺なにやってんの。事後独特のこの悟る感じ。なんとも言えず絶望してると、ザクが腕を回してきた。

「どうだ、まだ怖いか?」
「...」
「ん~?」
「...怖い」

 怖い。気持ちよすぎて。そう心で呟いて

(これが悪魔の魔力なのか...)

 なんて思ったり。一人俺が笑ってるのを見てザクも笑った。

「じゃ、もういっかい」
「っはあ?」

 起き上がり、また大きくなってるそれを揺すぶり出す。いやいや待て!

「俺はもう、無理!」
「いけるいける」
「お前に聞いてないし!!って何動き出してっ・・・アっ・・・んんっ!死ねっ!!」
「っけけ」
「はあっはあ、馬鹿ザク!!!」

 そんな俺の悲鳴を無視して、ザクはそのあと三度ほど俺の中に出しやっと満足したとか。

「ほんと、この悪魔めっ...」

 そう毒づくと、ザクは嬉しそうに牙を見せて笑うのだった。
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