僕のΩは案外可愛い?

らんね

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一章 再会

31 好きかもしれない side 香坂★

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 ずちゅっ、ぬぽり、ずんっ!
「あ、あ、あ」

ベッドの上で自分から聞こえる濡れた音を聞きながら、俺は目の前にある前島の身体にしがみついて声を上げていた。
 俺がサッサと帰った目的も前島には「お察し」だったみてぇで、なんにも聞かずにベッドの上に二人してもつれこんで、今のコレだ。
 まだ昨日、いや今朝の「熱さ」を覚えていた俺の身体は、あっという間に快楽に溺れてしまう。

「気持ちよさそ」
 パンッ、パンッ!
「あ、ぅん」

激しく腰を打ち付けられ責められる快感で、さっきからペニスの先っぽから精液をタラタラと漏れている。両足だって大きく広げられたままだ。以前の俺なら屈辱でしかないだろうこの体勢に、もうすっかり慣れてしまった。人って短時間でこうも変わるもんなんだな。

「あぁっ!?」

惰性的に突っ込んでいた前島が、ふいにぐっと身体を倒してきて、俺のナカの深いところを抉ってくる。ツラい、けどイい。気持ちよさに酔いそうになっていると、乳首にカリッと前島の歯が当たった。

「んあ!」

変な快感が走って、俺は反射的に尻穴をギュウッと締めてしまう。それでまたナカが変な風にイイところに当たって、波のように気持ちよさに襲われる。
 ってかコイツ、胸に噛みつきやがった!

「っつ、胸、とか」
「だって、目の前にあると食べたくなるじゃん?」

俺が苦情を絞り出そうとするのに、前島は飄々と返す。食べるってなんだ、俺は食いモンじゃねぇっての!

「あ、だめ、それ、触る、な」

俺の胸なんざ、筋肉で固くて触り心地がいいもんでもないだろう。なに好き好んで揉むんだか。

「あっ、ヤだ……!」
「ヤじゃないって、気持ちよさそうじゃん」

それでもしつこくされるとそんな胸でも快感を拾い出すんだから、自分の身体なのにマジで謎だ。

「あ、ヤバぃ、馬鹿になる」
「そ?」

俺がボウッとした頭で呟くと、前島が額にキスをしてから、腰を大きく動かす。キモチイイ、けど――

「なぁ、ん、あ」
「ん?」

俺が喘ぎ声をこらえて呼びかけると、前島は腰の動きをユルユルとしたものに変えた。いや、しゃべれるけれど、一旦止めるとかしねぇのな。けどマジで馬鹿になる前に、俺は今日の今に言っておきたくて、「いいから聞け」とその額をペシッと叩く。

「俺は、好きかとか、愛している、んっ、かとか、わかんねぇ」
「うん」

快楽と恥ずかしさとで、言葉をつっかえながら話す俺を、前島が聞いている。

「けど、お前と一緒に居る、自分のことは、好きかもしれねぇ」

俺と前島とは、別に劇的な出会いをしたわけでも、テレビドラマやマンガみたいな事件があったわけではない。なんてことのない、退屈な毎日を一緒に過ごしただけ。けれどΩになってからの俺には、そんな退屈な毎日なんてものはなかった。いや、Ωになる前、あの母が俺のことをαなはずだと思い込んでいたのがβだったあの時から、家庭というのは殺伐とした場所だった。誰かと隣で無言でマンガを読んで、たまにじゃれ合うような、そんな生活は経験ない。
 戸山なんかも確かに気安いダチだけれど、あいつにとっての俺は「強い存在」だったから、甘えを見せることはどうしてもできなかった。これは俺のプライドでもあったから。
 アニキのせいで高校の時の話を暴露する羽目になった時、前島からは「そんなの知らねぇよ」っていう反応が返って来る可能性だってあった。それをあの場で話を終わらせたのは、アニキの優しさだったんだろうな。あの場でαであるアニキが俺を保護していると言って、この界隈の交番に「目をつけておいてほしい」と言って前島のことを教えれば、コイツは俺に近付けなくなっていただろう。
 俺の中のある種のトラウマを、サッサと解決して次に進ませようっていうアニキの心遣いで、賭けでもあった。前島が俺の手を取るかどうか、っていうな。
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