31 / 118
一章 再会
31 好きかもしれない side 香坂★
しおりを挟む
ずちゅっ、ぬぽり、ずんっ!
「あ、あ、あ」
ベッドの上で自分から聞こえる濡れた音を聞きながら、俺は目の前にある前島の身体にしがみついて声を上げていた。
俺がサッサと帰った目的も前島には「お察し」だったみてぇで、なんにも聞かずにベッドの上に二人してもつれこんで、今のコレだ。
まだ昨日、いや今朝の「熱さ」を覚えていた俺の身体は、あっという間に快楽に溺れてしまう。
「気持ちよさそ」
パンッ、パンッ!
「あ、ぅん」
激しく腰を打ち付けられ責められる快感で、さっきからペニスの先っぽから精液をタラタラと漏れている。両足だって大きく広げられたままだ。以前の俺なら屈辱でしかないだろうこの体勢に、もうすっかり慣れてしまった。人って短時間でこうも変わるもんなんだな。
「あぁっ!?」
惰性的に突っ込んでいた前島が、ふいにぐっと身体を倒してきて、俺のナカの深いところを抉ってくる。ツラい、けどイい。気持ちよさに酔いそうになっていると、乳首にカリッと前島の歯が当たった。
「んあ!」
変な快感が走って、俺は反射的に尻穴をギュウッと締めてしまう。それでまたナカが変な風にイイところに当たって、波のように気持ちよさに襲われる。
ってかコイツ、胸に噛みつきやがった!
「っつ、胸、とか」
「だって、目の前にあると食べたくなるじゃん?」
俺が苦情を絞り出そうとするのに、前島は飄々と返す。食べるってなんだ、俺は食いモンじゃねぇっての!
「あ、だめ、それ、触る、な」
俺の胸なんざ、筋肉で固くて触り心地がいいもんでもないだろう。なに好き好んで揉むんだか。
「あっ、ヤだ……!」
「ヤじゃないって、気持ちよさそうじゃん」
それでもしつこくされるとそんな胸でも快感を拾い出すんだから、自分の身体なのにマジで謎だ。
「あ、ヤバぃ、馬鹿になる」
「そ?」
俺がボウッとした頭で呟くと、前島が額にキスをしてから、腰を大きく動かす。キモチイイ、けど――
「なぁ、ん、あ」
「ん?」
俺が喘ぎ声をこらえて呼びかけると、前島は腰の動きをユルユルとしたものに変えた。いや、しゃべれるけれど、一旦止めるとかしねぇのな。けどマジで馬鹿になる前に、俺は今日の今に言っておきたくて、「いいから聞け」とその額をペシッと叩く。
「俺は、好きかとか、愛している、んっ、かとか、わかんねぇ」
「うん」
快楽と恥ずかしさとで、言葉をつっかえながら話す俺を、前島が聞いている。
「けど、お前と一緒に居る、自分のことは、好きかもしれねぇ」
俺と前島とは、別に劇的な出会いをしたわけでも、テレビドラマやマンガみたいな事件があったわけではない。なんてことのない、退屈な毎日を一緒に過ごしただけ。けれどΩになってからの俺には、そんな退屈な毎日なんてものはなかった。いや、Ωになる前、あの母が俺のことをαなはずだと思い込んでいたのがβだったあの時から、家庭というのは殺伐とした場所だった。誰かと隣で無言でマンガを読んで、たまにじゃれ合うような、そんな生活は経験ない。
戸山なんかも確かに気安いダチだけれど、あいつにとっての俺は「強い存在」だったから、甘えを見せることはどうしてもできなかった。これは俺のプライドでもあったから。
アニキのせいで高校の時の話を暴露する羽目になった時、前島からは「そんなの知らねぇよ」っていう反応が返って来る可能性だってあった。それをあの場で話を終わらせたのは、アニキの優しさだったんだろうな。あの場でαであるアニキが俺を保護していると言って、この界隈の交番に「目をつけておいてほしい」と言って前島のことを教えれば、コイツは俺に近付けなくなっていただろう。
俺の中のある種のトラウマを、サッサと解決して次に進ませようっていうアニキの心遣いで、賭けでもあった。前島が俺の手を取るかどうか、っていうな。
「あ、あ、あ」
ベッドの上で自分から聞こえる濡れた音を聞きながら、俺は目の前にある前島の身体にしがみついて声を上げていた。
俺がサッサと帰った目的も前島には「お察し」だったみてぇで、なんにも聞かずにベッドの上に二人してもつれこんで、今のコレだ。
まだ昨日、いや今朝の「熱さ」を覚えていた俺の身体は、あっという間に快楽に溺れてしまう。
「気持ちよさそ」
パンッ、パンッ!
「あ、ぅん」
激しく腰を打ち付けられ責められる快感で、さっきからペニスの先っぽから精液をタラタラと漏れている。両足だって大きく広げられたままだ。以前の俺なら屈辱でしかないだろうこの体勢に、もうすっかり慣れてしまった。人って短時間でこうも変わるもんなんだな。
「あぁっ!?」
惰性的に突っ込んでいた前島が、ふいにぐっと身体を倒してきて、俺のナカの深いところを抉ってくる。ツラい、けどイい。気持ちよさに酔いそうになっていると、乳首にカリッと前島の歯が当たった。
「んあ!」
変な快感が走って、俺は反射的に尻穴をギュウッと締めてしまう。それでまたナカが変な風にイイところに当たって、波のように気持ちよさに襲われる。
ってかコイツ、胸に噛みつきやがった!
「っつ、胸、とか」
「だって、目の前にあると食べたくなるじゃん?」
俺が苦情を絞り出そうとするのに、前島は飄々と返す。食べるってなんだ、俺は食いモンじゃねぇっての!
「あ、だめ、それ、触る、な」
俺の胸なんざ、筋肉で固くて触り心地がいいもんでもないだろう。なに好き好んで揉むんだか。
「あっ、ヤだ……!」
「ヤじゃないって、気持ちよさそうじゃん」
それでもしつこくされるとそんな胸でも快感を拾い出すんだから、自分の身体なのにマジで謎だ。
「あ、ヤバぃ、馬鹿になる」
「そ?」
俺がボウッとした頭で呟くと、前島が額にキスをしてから、腰を大きく動かす。キモチイイ、けど――
「なぁ、ん、あ」
「ん?」
俺が喘ぎ声をこらえて呼びかけると、前島は腰の動きをユルユルとしたものに変えた。いや、しゃべれるけれど、一旦止めるとかしねぇのな。けどマジで馬鹿になる前に、俺は今日の今に言っておきたくて、「いいから聞け」とその額をペシッと叩く。
「俺は、好きかとか、愛している、んっ、かとか、わかんねぇ」
「うん」
快楽と恥ずかしさとで、言葉をつっかえながら話す俺を、前島が聞いている。
「けど、お前と一緒に居る、自分のことは、好きかもしれねぇ」
俺と前島とは、別に劇的な出会いをしたわけでも、テレビドラマやマンガみたいな事件があったわけではない。なんてことのない、退屈な毎日を一緒に過ごしただけ。けれどΩになってからの俺には、そんな退屈な毎日なんてものはなかった。いや、Ωになる前、あの母が俺のことをαなはずだと思い込んでいたのがβだったあの時から、家庭というのは殺伐とした場所だった。誰かと隣で無言でマンガを読んで、たまにじゃれ合うような、そんな生活は経験ない。
戸山なんかも確かに気安いダチだけれど、あいつにとっての俺は「強い存在」だったから、甘えを見せることはどうしてもできなかった。これは俺のプライドでもあったから。
アニキのせいで高校の時の話を暴露する羽目になった時、前島からは「そんなの知らねぇよ」っていう反応が返って来る可能性だってあった。それをあの場で話を終わらせたのは、アニキの優しさだったんだろうな。あの場でαであるアニキが俺を保護していると言って、この界隈の交番に「目をつけておいてほしい」と言って前島のことを教えれば、コイツは俺に近付けなくなっていただろう。
俺の中のある種のトラウマを、サッサと解決して次に進ませようっていうアニキの心遣いで、賭けでもあった。前島が俺の手を取るかどうか、っていうな。
92
あなたにおすすめの小説
起きたらオメガバースの世界になっていました
さくら優
BL
眞野新はテレビのニュースを見て驚愕する。当たり前のように報道される同性同士の芸能人の結婚。飛び交うα、Ωといった言葉。どうして、なんで急にオメガバースの世界になってしまったのか。
しかもその夜、誘われていた合コンに行くと、そこにいたのは女の子ではなくイケメンαのグループで――。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます
なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。
そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。
「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」
脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……!
高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!?
借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。
冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!?
短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
Ωの不幸は蜜の味
grotta
BL
俺はΩだけどαとつがいになることが出来ない。うなじに火傷を負ってフェロモン受容機能が損なわれたから噛まれてもつがいになれないのだ――。
Ωの川西望はこれまで不幸な恋ばかりしてきた。
そんな自分でも良いと言ってくれた相手と結婚することになるも、直前で婚約は破棄される。
何もかも諦めかけた時、望に同居を持ちかけてきたのはマンションのオーナーである北条雪哉だった。
6千文字程度のショートショート。
思いついてダダっと書いたので設定ゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる