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第2章 【異世界からの侵略者】
第2章7 【裏切り者】
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ヴァル「どういうつもりだ......ヒカリ」
ヴァルがヒカリに問いかける。ヒカリは依然としてヴァルに銃口を向けたままだった。
ヴェルド「まさかお前、裏切る気じゃねえだろうな?」
ヴェルドもヒカリに問いかける。
ヒカリ「裏切る?笑わせないで。私は最初からこういう立場としてあんた達に近づいたのよ」
ヒカリの瞳に感情が写っていない。それに、ヒカリにいつものような明るい感じが無い。
ヴァル「なん......でだ......」
ヴァルが唇をわなわなと震わせながら、その一言を呟いた。
ヒカリ「なんでかって?そんなの、あなた達はもう知っているはずよ。それとも、まだこいつらから聞いてないの?」
そう言うとヒカリは呆れたように肩をすくめる。
ヒカリ「知らないなら教えてあげる。私達はこの世界を侵略しに来たのよ」
ヒカリがそう冷たく言い放った。
ヴェルド「侵略......だと?なんでだ......」
ヴェルドもヴァルと同じように唇をわなわなと震わせながら言う。
ヒカリ「あなた達には分からないでしょうが、この世界にはとてつもない資源、そして、マナが溢れている。あなた達はそれを当たり前だと思っているでしょうけど、私達の世界はここまでとはいかない」
ヴァル「だから、それを自分達の物にするために来たのか......」
ヒカリ「半分正解、半分不正解」
ヒカリが口元に笑みを浮かべながら言う。だが、目には相変わらず感情が込もっていない。
ヴァル「どういうことだ」
ヒカリ「確かに私達はその資源やこの世界の力を奪いに来た。でもね、そもそもそんなもの本来なら要らないはずだったのよ」
ヒカリはコートから分厚い本を取り出し、バラバラとページをめくりながら言う。
ヴァル「じゃあ、なんで来たんだ......」
ヒカリ「それはね、私達の世界が残酷で、私達が解放軍であるから」
ヒカリの目がさっきまでとは違い、悲しげに見えた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ヒカリ「それはね、私達が解放軍だから」
私はヒカリとヴァル達の話をただただ黙って聞いていた。
警戒を怠ってはいないが、敵は攻撃するのをやめ、ずっとヒカリの後ろに佇んでいる。ヒカリが上の立場であるということか。
「おい、解放軍とはなんの事だ」
私は一向に話の進まないヴァルを見て、代わりにヒカリの目を見て言う。ヒカリの目は先程までとは違い、少し、悲しんでいるように見えた。何かある、そう考えるのは自然なことだろう。
ヒカリ「フウロ、あなた達は知らなくていいのよ。それはこっちの話だから」
フウロ「関係ないとは言うが、それでも何かしらの目的のためにここを、否、この世界を拠点としようとしているのだろう?」
私はヒカリに剣の切っ先を向け言う。ーーもう、こいつは敵だ。覚悟を決めるんだ、私。
ヒカリ「確かにその通りね。ーー話はこれくらいでいいでしょう。死んで」
そう言うとヒカリは開いていた本を閉じて私に向かって風魔法で攻撃してきた。
「っ......魔法は使えないはずでは......」
第一段目を避けは出来たが、ヒカリの方が1枚上手で避けた先にも攻撃を仕掛けていた。
旋風の切っ先が頬を鋭く撫で、少量の鮮血を流れさせた。
ヒカリ「さっきまでの話を聞いていたの?全て『演技』だったんだから、魔法が使えないってのも嘘である可能性だって普通に考えられたはずよ」
ヒカリはそう言いながら、今度は火属性魔法を使ってくる。
ヒカリ「ウォタルブレード」
更に、追加で水が弧を描きながらフウロの腹に直撃する。
「ッ......ハッ......」
血が溢れ出てくる。
ヒカリの魔法は全て各属性魔法の中でも上位魔法と呼ばれる魔法の威力を遥かに上回っている。
ヴェルド「アイスグラウンド!」
シアラ「ウォタル!」
ヒカリが更に追撃を加えようとする直前、ヴェルドとシアラがヒカリに向かって攻撃を仕掛ける。
ヒカリ「当たらないって言わなかったっけ?」
ヒカリはたった1歩動いただけで攻撃を全て回避する。完全に動きを見切っている。
ヒカリ「ジェネレイトアーク」
ヒカリの魔法が地を伝い、ヴェルドとシアラの足元で爆発する。
ヴェルド「ッ......今度は地属性の魔法かよ......」
ヴェルドの体が宙に舞い、シアラは近くの壁へと吹き飛ばされる。
ヒカリは他の奴らと違い、グランメモリを使っている様子はない。それでも、ここまでの力差があるとは......
「ヴァル......?」
ふとヴァルを見る。
ヴァルはずっと、どこを見ているのかも分からないような感じでひたすら、唇を震わせていた。
ヴァルは私たちの中でも1番の仲間思いだ。ヒカリが裏切り者であるということが、信じられないのだろう。しかし、そんな事がここで不利に働くとは……
「ヴァル!何をボーっとしている?ヒカリは敵なんだ。戦え!」
私は痛む腹を押さえ、腹の底から声を出す。
ヴァル「ッ......そうだ......」
私の声を聞いて、ヴァルはゆっくりと立ち上がる。
ヒカリ「ヴァル、怖いのなら逃げてもいいのよ。大人しくしていれば、殺すなんてことしないから」
ヒカリが冷たく言い放つ。
ヴァル「ーーうるせえ……、うるせえよ!」
ヴァルはそう叫びながらヒカリに向かって拳を振り上げ、突進する。だが、その迷いしか見えない攻撃は返って危険だ。
ヒカリ「ヴァルじゃ、私には届かない」
ヒカリは突き出してきたヴァルの拳を掴み、地面に向かって叩き落とす。
ヴァル「ッ......痛ってぇ......」
ヴァルが肩を押さえて疼めく。
ヒカリ「これで終わりね」
ヒカリが銃口をヴァルに向け、トドメを刺そうとする。
セリカ「なんで、なんでよ!ヒカリん!」
ヒカリがヴァルにトドメを入れる直前、セリカがヴァルの体を素早く拾い上げた。
ヒカリ「............」
ヒカリはただ黙っている。
セリカ「全部、全部嘘だったって言うの!?」
セリカが涙を流しながら叫ぶ。
セリカ「みんなと一緒に依頼に行って、みんなと一緒のご飯を食べて、私と一緒に同じ屋根の下で過ごした日々は全部嘘だったって言うの!?」
セリカの声は段々と大きくなって、最終的には悲鳴にも近い声になっていた。
ヒカリ「そうね。最初にあなたの前で倒れた時から全部嘘だったのよ」
ヒカリが冷たく言い放った。その目は、相変わらず悲しそうな瞳をしている。
ヒカリ「嘘だって思うのなら好きにしなさい。ただ、これは現実だから」
そう言うとヒカリは銃口の向きをセリカの額に向けた。
セリカ「なんで......なんでよ......」
セリカは尚もヒカリに問いかける。
「ーー今日はここまでね。あんた達、行くわよ」
ヒカリは諦めたように背を向け、この場から立ち去ろうとする。
いくら戦闘の継続が難しい者ばかりだったとしても舐めすぎだ。だが、今ここで奇襲をしかけたところで返り討ちになる未来しか見えない。それがとても悔しくて、思わず歯ぎしりをする。
「ーー本当に、全部嘘だったのか......?」
私は最後の力で立ち去るヒカリの背に向かって言う。
ヒカリ「……ねぇ、覚えてる?」
ヒカリは私に答える代わりにヴァルにそれだけ言い残し、仲間と共に消え去った。
ライガ「じゃあ、そういう事だ。次は無いと思えよ」
ライガとゴードも立ち去る。
「ヴァルを早く、エフィの所に連れて行こう」
しばらくして私はそう言った。自分の怪我も気になるところだが、こんなものか擦り傷に過ぎない。そんな事よりも、よく見るとヴァルの体にはあちこちに傷跡や火傷ができており、呼吸も大分弱まっていてかなり危険であると私は判断した。
ーー私には......何も出来なかった......
もう一度、悔しさで歯を食いしばった。
ヴァルがヒカリに問いかける。ヒカリは依然としてヴァルに銃口を向けたままだった。
ヴェルド「まさかお前、裏切る気じゃねえだろうな?」
ヴェルドもヒカリに問いかける。
ヒカリ「裏切る?笑わせないで。私は最初からこういう立場としてあんた達に近づいたのよ」
ヒカリの瞳に感情が写っていない。それに、ヒカリにいつものような明るい感じが無い。
ヴァル「なん......でだ......」
ヴァルが唇をわなわなと震わせながら、その一言を呟いた。
ヒカリ「なんでかって?そんなの、あなた達はもう知っているはずよ。それとも、まだこいつらから聞いてないの?」
そう言うとヒカリは呆れたように肩をすくめる。
ヒカリ「知らないなら教えてあげる。私達はこの世界を侵略しに来たのよ」
ヒカリがそう冷たく言い放った。
ヴェルド「侵略......だと?なんでだ......」
ヴェルドもヴァルと同じように唇をわなわなと震わせながら言う。
ヒカリ「あなた達には分からないでしょうが、この世界にはとてつもない資源、そして、マナが溢れている。あなた達はそれを当たり前だと思っているでしょうけど、私達の世界はここまでとはいかない」
ヴァル「だから、それを自分達の物にするために来たのか......」
ヒカリ「半分正解、半分不正解」
ヒカリが口元に笑みを浮かべながら言う。だが、目には相変わらず感情が込もっていない。
ヴァル「どういうことだ」
ヒカリ「確かに私達はその資源やこの世界の力を奪いに来た。でもね、そもそもそんなもの本来なら要らないはずだったのよ」
ヒカリはコートから分厚い本を取り出し、バラバラとページをめくりながら言う。
ヴァル「じゃあ、なんで来たんだ......」
ヒカリ「それはね、私達の世界が残酷で、私達が解放軍であるから」
ヒカリの目がさっきまでとは違い、悲しげに見えた。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ヒカリ「それはね、私達が解放軍だから」
私はヒカリとヴァル達の話をただただ黙って聞いていた。
警戒を怠ってはいないが、敵は攻撃するのをやめ、ずっとヒカリの後ろに佇んでいる。ヒカリが上の立場であるということか。
「おい、解放軍とはなんの事だ」
私は一向に話の進まないヴァルを見て、代わりにヒカリの目を見て言う。ヒカリの目は先程までとは違い、少し、悲しんでいるように見えた。何かある、そう考えるのは自然なことだろう。
ヒカリ「フウロ、あなた達は知らなくていいのよ。それはこっちの話だから」
フウロ「関係ないとは言うが、それでも何かしらの目的のためにここを、否、この世界を拠点としようとしているのだろう?」
私はヒカリに剣の切っ先を向け言う。ーーもう、こいつは敵だ。覚悟を決めるんだ、私。
ヒカリ「確かにその通りね。ーー話はこれくらいでいいでしょう。死んで」
そう言うとヒカリは開いていた本を閉じて私に向かって風魔法で攻撃してきた。
「っ......魔法は使えないはずでは......」
第一段目を避けは出来たが、ヒカリの方が1枚上手で避けた先にも攻撃を仕掛けていた。
旋風の切っ先が頬を鋭く撫で、少量の鮮血を流れさせた。
ヒカリ「さっきまでの話を聞いていたの?全て『演技』だったんだから、魔法が使えないってのも嘘である可能性だって普通に考えられたはずよ」
ヒカリはそう言いながら、今度は火属性魔法を使ってくる。
ヒカリ「ウォタルブレード」
更に、追加で水が弧を描きながらフウロの腹に直撃する。
「ッ......ハッ......」
血が溢れ出てくる。
ヒカリの魔法は全て各属性魔法の中でも上位魔法と呼ばれる魔法の威力を遥かに上回っている。
ヴェルド「アイスグラウンド!」
シアラ「ウォタル!」
ヒカリが更に追撃を加えようとする直前、ヴェルドとシアラがヒカリに向かって攻撃を仕掛ける。
ヒカリ「当たらないって言わなかったっけ?」
ヒカリはたった1歩動いただけで攻撃を全て回避する。完全に動きを見切っている。
ヒカリ「ジェネレイトアーク」
ヒカリの魔法が地を伝い、ヴェルドとシアラの足元で爆発する。
ヴェルド「ッ......今度は地属性の魔法かよ......」
ヴェルドの体が宙に舞い、シアラは近くの壁へと吹き飛ばされる。
ヒカリは他の奴らと違い、グランメモリを使っている様子はない。それでも、ここまでの力差があるとは......
「ヴァル......?」
ふとヴァルを見る。
ヴァルはずっと、どこを見ているのかも分からないような感じでひたすら、唇を震わせていた。
ヴァルは私たちの中でも1番の仲間思いだ。ヒカリが裏切り者であるということが、信じられないのだろう。しかし、そんな事がここで不利に働くとは……
「ヴァル!何をボーっとしている?ヒカリは敵なんだ。戦え!」
私は痛む腹を押さえ、腹の底から声を出す。
ヴァル「ッ......そうだ......」
私の声を聞いて、ヴァルはゆっくりと立ち上がる。
ヒカリ「ヴァル、怖いのなら逃げてもいいのよ。大人しくしていれば、殺すなんてことしないから」
ヒカリが冷たく言い放つ。
ヴァル「ーーうるせえ……、うるせえよ!」
ヴァルはそう叫びながらヒカリに向かって拳を振り上げ、突進する。だが、その迷いしか見えない攻撃は返って危険だ。
ヒカリ「ヴァルじゃ、私には届かない」
ヒカリは突き出してきたヴァルの拳を掴み、地面に向かって叩き落とす。
ヴァル「ッ......痛ってぇ......」
ヴァルが肩を押さえて疼めく。
ヒカリ「これで終わりね」
ヒカリが銃口をヴァルに向け、トドメを刺そうとする。
セリカ「なんで、なんでよ!ヒカリん!」
ヒカリがヴァルにトドメを入れる直前、セリカがヴァルの体を素早く拾い上げた。
ヒカリ「............」
ヒカリはただ黙っている。
セリカ「全部、全部嘘だったって言うの!?」
セリカが涙を流しながら叫ぶ。
セリカ「みんなと一緒に依頼に行って、みんなと一緒のご飯を食べて、私と一緒に同じ屋根の下で過ごした日々は全部嘘だったって言うの!?」
セリカの声は段々と大きくなって、最終的には悲鳴にも近い声になっていた。
ヒカリ「そうね。最初にあなたの前で倒れた時から全部嘘だったのよ」
ヒカリが冷たく言い放った。その目は、相変わらず悲しそうな瞳をしている。
ヒカリ「嘘だって思うのなら好きにしなさい。ただ、これは現実だから」
そう言うとヒカリは銃口の向きをセリカの額に向けた。
セリカ「なんで......なんでよ......」
セリカは尚もヒカリに問いかける。
「ーー今日はここまでね。あんた達、行くわよ」
ヒカリは諦めたように背を向け、この場から立ち去ろうとする。
いくら戦闘の継続が難しい者ばかりだったとしても舐めすぎだ。だが、今ここで奇襲をしかけたところで返り討ちになる未来しか見えない。それがとても悔しくて、思わず歯ぎしりをする。
「ーー本当に、全部嘘だったのか......?」
私は最後の力で立ち去るヒカリの背に向かって言う。
ヒカリ「……ねぇ、覚えてる?」
ヒカリは私に答える代わりにヴァルにそれだけ言い残し、仲間と共に消え去った。
ライガ「じゃあ、そういう事だ。次は無いと思えよ」
ライガとゴードも立ち去る。
「ヴァルを早く、エフィの所に連れて行こう」
しばらくして私はそう言った。自分の怪我も気になるところだが、こんなものか擦り傷に過ぎない。そんな事よりも、よく見るとヴァルの体にはあちこちに傷跡や火傷ができており、呼吸も大分弱まっていてかなり危険であると私は判断した。
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