グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

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第2章 【異世界からの侵略者】

第2章10 【友】

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「ダメっ!」

 クロムがヒカリに攻撃を当てる直前、緑色の髪をした女の子が間に飛び込んできた。

 クロムは攻撃をギリギリのところで止め、目の前の少女を見据える。

クロム「誰だか知らんが、そこをどけ!」

 クロムが睨みを利かせて言う。

「ラクは殺させない」

 少女は淡々とそう告げた。

クロム「お前も奴らの仲間か」

「違う。私は解放軍なんかじゃないし、異世界から来たけど侵略者でもない!」

クロム「だったらお前はなんなんだ!」

「私はアルテミス。ラクの友達!」

 少女ーーアルテミスーーはクロムに向かって必死に叫ぶ。

 よく見渡すと、周りのみんなはアルテミスが割り込んできてから、ずっとクロムとアルテミスとの間で交わされる会話に耳を済ませている。

 フウロに至ってはエフィに治療してもらっている。

 ーーしばらくの沈黙が続いた。

ヒカリ「なぜ来た。テミ......」

 ヒカリがボソッと呟いた。

アルテミス「なんで、なんでこんな事しちゃったの!?」

 アルテミスはヒカリの方を向き、思いっきりビンタをする。

ヒカリ「............」

 突然の行動にヒカリは面食らった表情を浮かべ、アルテミスの顔を見る。

アルテミス「なんで、なんでよ!」

 アルテミスは尚もヒカリに問いかける。それに、よく見ると涙を流していた。

ヒカリ「ーー私は、もうラクじゃない。あの臆病でお調子者だったラクじゃないの。私はヒカリーー」

アルテミス「誰も名前のことなんて聞いてない!なんでこんな軍隊に入ったの!?」

 アルテミスはヒカリの言葉を最後まで聞かず叫ぶ。

ヒカリ「............」

 ヒカリは黙ったまま顔を下げる。

アルテミス「黙ってないで答えてよ!」

 アルテミスは強引にヒカリの顔を上げ、肩を強く揺する。見たところ、アルテミスはヒカリを説得しに来たようだ。

 それを理解してか、クロムは剣を仕舞い、ヒカリ達から距離を置く。

ヒカリ「ーー仕方ないじゃない。あの日から私には兄ちゃんしか居なかったんだから......」

 しばらく黙っていたヒカリが口を開けた。

アルテミス「ーー自分が、何をやってきたのか分かってるの?」

 アルテミスは少し落ち着きを取り戻したようで、静かな口調で言う。

ヒカリ「そんなの......全部分かってる......私が作ったグランメモリがどう使われてたのかも、私が考えた策がどういう場所で行われてきたのかも......全部知ってる」

 ヒカリの目からも涙が出始めている。

アルテミス「分かってるなら、なんでーー」

ヒカリ「そんなの決まってるでしょ!私には、私には兄ちゃんしか居なかったのよ!」

 ヒカリが涙を流しながらそう叫ぶ。

ヒカリ「あの日、姉ちゃんが、先生が居なくなってから、私には誰もいなかった。そんな私を兄ちゃんが助けに来てくれた。迎えに来てくれたの!だから……、だから、私は兄ちゃんの為にいることにした。例え、この手を汚すことになったとしても......」

 ヒカリはそう叫ぶが、最後の方は弱々しい感じになっていた。

 正直、私には話が飛躍し過ぎてよく分からなかった。ただ、ヒカリがとても悲しい過去を背負っているということはなんとなく分かった。

アルテミス「なんで、私達に助けを求めなかったの?」

 アルテミスはヒカリの頭を胸に納めながら言う。

ヒカリ「分からないよ......もう何も分かんないよ......だから、殺してそれで終わりにしてよ......!」

 最後の言葉はクロム達の方を向いてハッキリとした声で言っていた。ただ、誰も言われた通りに殺そうとする者はいない。

ヒカリ「なんで、憎かったんじゃないの?裏切られて腹を立てたんじゃないの?殺したかったんじゃないの?なのに、なんで?」

 ヒカリの口から止めどなく疑問が投げかけられる。

 アルテミスはそれを止めようとはせず、ただ、ヒカリの体を抱きしめている。

ヴァル「俺達は、できることなら殺したくねえと思って来たんだ」

 誰もが口を閉じている中、ヴァルが口を開いた。

ヒカリ「なんで......」

 ヒカリは尚も疑問を投げかけてくる。

「ヒカリんが、大切な『仲間』だったから!」

 私は気づいた時には叫んでいた。そして、ヒカリの元に駆け寄りーー

「それに、ヒカリんは私にとっての『友達』だったから」

 と囁いた。

ヒカリ「どう......したら......良いの?私はどうしたら......良いの?」

 ヒカリの目から止めどなく涙が溢れる。

「もう一回。今度はちゃんとした私達の『仲間』になってよ」

 私も気づいた時には涙が出始めていた。

ヒカリ「私は一度あなた達を騙した」

「うん」

ヒカリ「それに、私と一緒にいたら、あなた達は不幸になる」

「そんなの関係ない」

ヒカリ「例えもう一回仲間になったとしても、隙をついて裏切るかもしれない」

「ヒカリんはそんな事しない」

ヒカリ「ーーどうして、そう言い切れるの?」

「ヒカリんはもう反省してるでしょ?それに、例え文句を言ってくる人がいても私が言わせないから」

 そう言い、私はヒカリに涙混じりの笑顔を見せる。

ヒカリ「............」

 ヒカリは黙ったまま私の顔を見続ける。

アルテミス「大丈夫、私もいるから」

 アルテミスがヒカリを抱きしめるのをやめ、肩に手を置いて言う。

ヒカリ「……うわぁぁぁぁぁ!」

 途端、ヒカリが大声で泣き出す。そして、アルテミスの胸の中に納まり、激しく嗚咽する。

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

アルテミス「どう?ちょっとは落ち着いた?」

 揺れる馬車の中でアルテミスがそっとヒカリに声をかける。

 それにしても、まさかこんな展開になるとは思いもしなかった。未だに泣きじゃくるヒカリを外に連れ出した時の待機していた自警団の人達の反応が忘れられない。まあ、敵だった奴が泣きながら出てきたのだから無理もないと思うけど。

ヒカリ「なんで、こっちの世界に来たのよ」

 ヒカリが袖で涙を拭きながら言う。

アルテミス「はぁ、私はずっとラクを探してたの。それで、ようやく足取りが取れたと思ったらこんな状態なんだから。少しはこっちの身になってよ」

 アルテミスは再び溜息をする。

ヒカリ「探してなんて頼んだ覚えはない」

 ヒカリはいつもの調子?でそう言う。

アルテミス「あの日、ラクが突然いなくなって凄く慌てたんだよ!村の人に聞いても誰も行方を知らないし、まさかと思って解放軍の人に聞いたらラクがいるって言うしさー」

 その後もアルテミスは何やらブツブツと言っているのが聞こえる。

ヒカリ「そんなの、ただの自分勝手じゃない。で、どうやってこっちの世界に来たの?テミは私と違って転移は使えないはずだけど」

 ヒカリは頬杖をつきながら言う。

アルテミス「そんなの、解放軍の下っ端をぶっ飛ばして服を手に入れて紛れ込んだに決まってるじゃない」

 アルテミスはさぞ当たり前かのように言う。

ヒカリ「はぁ……、あのバカども」

 ヒカリが溜息をつく。

「あの、アルテミスだっけ?ヒカリを説得してくれてありがとうね」

 私は頃合を見計らってからそう言う。

アルテミス「いえいえ、私はただ、ラクを連れ帰るために来ただけですから」

 アルテミスは両手を振りながらお行儀のいい言葉でそう言う。

アルテミス「それに、うちのラクが皆さんにご迷惑をおかけした様ですみません」

 アルテミスが頭を下げ謝る。

ヒカリ「一体、いつからテミは私の保護者になったんだ」

 すかさずヒカリが呟く。

「もう、ラクはこの人達に迷惑をかけたんだからちゃんと謝らないと!」

ヒカリ「やだ」

 アルテミスの言葉に対してヒカリは一言で拒絶の意思を表す。大体分かっていたことではあるが。

ヒカリ「そもそも、なんで私がこんな奴らに謝らなきゃいけないの?その気になったらこんな所から逃げ出すなんて容易にできるってのに」

 これがヒカリの本性なのかと思うと、少し悲しい気持ちになってくる。

(そういえば、アルテミスはヒカりんのことをラクって呼んでるけどヒカリんの本名ってなんなんだろ?)

 ふと、私はそんなことを思った。

「ねえアルテミス。ヒカリんの本名ってなんなの?」

 思ったことを口に出さずにはいられなくって、私はアルテミスに聞いてみる。

アルテミス「ああ、ラクシュ......」

ヒカリ「あぁ!ああぁ!」

 ヒカリがアルテミスの言葉を遮るように大声を出した。

アルテミス「なによラク」

ヒカリ「なによ、じゃないわよ。それは黙ーー」

アルテミス「それで、あなた達にはヒカリって認識なのよね?本名ラクシュミー・エーテルっていってね、それでね、昔は色々とあってねー」

 そこから、アルテミスの昔話が始まった。

 ヒカリが抗議するが、アルテミスが大声で話を続ける為、ヒカリが大声で叫んでも話が聞こえてくる。

アルテミス「それで、私とラクはこうやって友達になったってわけ」

 アルテミスの昔話が終わった頃、ヒカリは荷台の隅で縮こまっていた。多分、ヒカリ、否、ラクシュミーからしたらプライドとか作っていたキャラとかを全部壊された感じで、最悪な気分だろう。

ラクシュミー「やっぱ私、あのままもうちょっと早めに殺されといた方が良かったのかもしれないな」

 ヒカリ改めラクシュミーがボソッと呟いた。

アルテミス「ごめんねーラク。でも戒めだと思っといてよ」

 アルテミスは軽い調子で言う。

ラクシュミー「もう!なんてこと言ってくれるのよ!」

 ラクシュミーは立ち上がり、アルテミスに猛抗議する。

 2人の会話を聞いていると、なんだか漫才をしているようで自然と笑みというより、笑いがこみ上げてくる。そして、それはセリカだけではなく、エフィやフウロも同じようだった。

ラクシュミー「あ、笑うなー!」

 ラクシュミーはセリカ達の方を向いて叫ぶ。

「だって、ねえ?」

 私はエフィとフウロにも同意を求める。

エフィ「笑っちゃいけないって分かっててもつい......」

 エフィは割と素直に言う。フウロは何も言わなかったが、笑いを必死に堪えようとしてるのが分かる。

ラクシュミー「もう、みんな嫌い!」

 ラクシュミーはどことなく、天井に向かって叫ぶ。

 それを聞いて、アルテミスも笑い出す。

 これが恐らくラクシュミーの『キャラ』なのだろう。

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ヴァハト「なるほどな。それで、ヒカリを仲間にすることが出来たというわけか......」

 ライオスの説明を一通り聞いたマスターはそう言う。そして、顎をさすりながらーー

ヴァハト「果たして、ヒカリが裏切るなんてことをしない保証はあるのか?」

 とみんなが思うであろうことを口にした。

ライオス「それは......」

 ライオスはどう返答すべきか悩んでいるようだ。こればかりは私にも絶対に裏切らないとは言えない。そうなってほしくはないと思っているのだが。

ヴェルド「その辺、裏切らないってしっかりと誓えるよな?」

 ヴェルドが問いかける。

ラクシュミー「無理ね。その気になりゃいつだって逃げ出すこともできるし......」

アルテミス「あの話、みんなに話すよ」

 アルテミスがラクシュミーに圧のかかった声で言う。

ラクシュミー「分かったわよ。誓えばいいんでしょ誓えば!」

 ラクシュミーはやけくそのような感じで言う。

ライオス「帰りの馬車で何があったのかは知らんが、多分、あの娘がいる限りは大丈夫だ。マスター」

 しばらく私達の話を聞いていたライオスがマスターの方に向き直って言う。

ヴァハト「そうか、だと良いのだが......」

 マスターはどうにも腑に落ちない様子である。やはり、信じることはできないのであろう。まあ、私達もあの現場を見なければ、多分ホイホイと信じることは出来なかったと思う。

ラクシュミー「信じなくて結構。私のことは死んだ扱いにしとけばいいから」

 マスターの心情を察してかラクシュミーがぶっきらぼうにそう言った。

グリード「死んだことにしとけってお前なァ」

 グリードが言う。

ラクシュミー「その方が報告書をまとめるには時間がかからないし、楽なのよ。私はいつもそうしてる」

 ラクシュミーはさぞ当たり前かのように言う。

ヴァハト「しかし......」

ラクシュミー「何?まだなんか問題でもあるの?」

ヴァハト「そなたを戦場に出せば、騎士団の連中になんて言われるか分からんしなぁ」

ラクシュミー「それだったら問題ないわよ。私、戦う気はさらさら無いから」

「え?」
「エ?」
「ゑ?」

 ヴァル、ヴェルド、フウロの3人が口を揃えて疑問符を唱える。かく言う私も同じ気持ちだった。

ヴァル「戦わないってお前......」

ラクシュミー「手を引くとは言ったけど手を貸すなんて誰も言ってないわよ?そこら辺勘違いしないでよね」

 ラクシュミーはあっけらかんと言う。

フウロ「しかし、お前の力が無いと......」

ラクシュミー「別に大人しく負ければ良いじゃん。私にとっては最早関係の無いこと。もう私は死んだんだから......」

アルテミス「ラク」

 話し続けるラクシュミーをアルテミスが止めた。

ラクシュミー「なに?」

アルテミス「みんなにあの話ーー」

ラクシュミー「あぁ、もう分かったわよ!協力してやりゃぁ良いんでしょ!」

 もうここまで来たら私達も同じ手段でラクシュミーを従わせることが出来ると思う。特権みたいなものだ。

ラクシュミー「で、私はなにをしたらいいの!」

 ラクは椅子に腰掛け言う。

「だからラクには」

ラクシュミー「その呼び方やめて。私の名前はヒカリだから」

 ラク、否、ヒカリにしとこう。ヒカリが私の言葉を遮って言ってきた。

「分かった。で、ヒカリんには、できることならあいつらの侵略を止めて欲しいの」

 『ヒカリん』と言ったあたりで、ヒカリの眉がピクっと動いたが結局ヒカリは何も言わなかった。ただ、その代わりーー

ヒカリ「そんなの出来るわけがない。あいつらは私がいなくたって自分達で考えて行動する。あんたらとは違うの」

 と言ったーー

ヴェルド「でも、あいつらはお前の策が無くなればそんなに強くねえだろ?」

ヒカリ「バカなの?あいつらはグランメモリを使うのよ。あれはあんたらが全員で仕掛けて1人倒せたら良いくらいの代物を持ってるの。それに......」

「それに?」

ヒカリ「つい最近、私が『屍』メモリを作ってね、あれは大量に生産できるから下っ端の奴らも持ってる。屍の力自体は他のに比べてかなり劣るけど、それでも人体を跳躍的にパワーアップさせるからね。それで攻められたら、もう勝ち目は無い」

グリード「でも、お前だって持ってるんだろォ?」

ヒカリ「私が持ってるのは全部『天然物』あんたらは当たり前だけど、使えないし、私もこの銃でしか使うことが出来ない」

 そう言ってヒカリはコートから6本のグランメモリを取り出し、机の上に並べた。

ヒカリ「『天然物』は人工物と違って人体に合うように設計されてなんかないからね。それに、たったの6本じゃ対抗することなんてできない。向こうには幹部職の奴らが6人いて、それぞれが特殊な人工グランメモリを持っている」

ヴァル「どうにかならねえのか?」

ヒカリ「どうすることも出来ない。グランブレイクでも出来たら話は変わるけど......」

 『グランブレイク』。名前からしてグランメモリを破壊するのかな?

ヴァル「なんだそりゃ?」

ヒカリ「要するにグランメモリを破壊するのよ。ただ、そんなこと私でも出来ないからその案も無しって話」

ヴァル「あ?あのメモリなら1回壊したことあるぞ」

 ヴァルが私の方を向いてそう言う。確かに、前回の事件で最終的に壊しては......いた。直接見てないから確信を持って言えないけど。

「壊すことが出来たらいいんだよね?ヒカリん」

 それでも、私はヒカリに興奮を抑えきれずに問いかける。

ヒカリ「え、ええそうだけど......でも、あなた達に壊せるわけが......」

 私の突然の行動にヒカリは面食らった顔をしている。

「それだったら、この間ので壊したんだったよね?ヴァル」

 私は確認するようにヴァルに問いかける。

ヴァル「おお、あんなもの簡単に壊れやがったぞ!」

 ヴァルも私の言おうとしていることが分かっているようで、同じように興奮している。

ヒカリ「はあ!?壊したぁ!?私ですら壊せなかった物を!?」

 ヒカリはとてつもなく驚いている。

フウロ「あれを壊すことが出来るんだったら話は変わるのだったな。ならば、我々なら破壊することが可能だ。それで話は変わる」

 フウロが言う。どうやら、勝ち筋はしっかりと用意されているようだ。

ヒカリ「はぁ。それで、壊すことが出来るのならあいつらの戦力を削ることができるけど......ただ」

ライオス「ただ、なんだ?」

 ヒカリんは少し、疑念を込めた目でこちらを見てくる。

ヒカリ「ただ、どうやって破壊したの?」

ヴァル「そんなもんあいつをボコボコにして......」

 ヴァルはそこで、言葉を飲み込んだ。

ヒカリ「見当違いだったわね。あれだけ数がいるのにあなた達じゃボコボコになんて出来るわけないわよね」

 ヒカリがそう言ってみんなは重要なことに気づいた。

 そう、問題は戦力の差なのだ。ヒカリの言う通り、グランメモリを破壊することができれば、有利に立ち回ることができるかもしれない。ただ、それを行うためには相手を倒さなければならない。

 倒す為に厄介となるグランメモリを倒すことで破壊する。矛盾が発生している。

 それに気づいた途端、さっきまで活気に溢れていたギルドが一気に静まり込む。

ヒカリ「はぁ、分かったわ。あいつらは私の策でどうにか誘導してみせるから」

 しばらく、顎を組んだ掌に乗せていたヒカリが顔を上げ言った。

ヴェルド「誘導するってどう誘導するんだよ?」

ヒカリ「要は全員で1人ずつ倒していくのよ。そうすればあなた達でも十分に勝機はあるでしょ?それに、幸いまだ私が寝返ったことは奴らの耳に届いてないし」

 そう言い、ヒカリんはギルドから出ようとする。

ライオス「おい、どこ行く気だ?」

 すかさずライオスが問いかける。

ヒカリ「どこってそんなのあいつらの拠点に決まってるじゃない。さっきの話聞いてたの?」

 ヒカリんはさぞ当たり前のように言うが、いまの状況をかんがえると......

ヒカリ「分かってるわよ。そのまま逃げないってば!なんなら契約結んでもいいのよ!」

 みんなの心情を察してかヒカリんがそう言った。

ヒカリ「後、テミ。絶対にあの話しないでよね!」

 ヒカリんはそう釘を刺し、ギルドから出て行った。

アルテミス「ラクはああ言うけどみんなは気になるよね?」

 ヒカリの姿が見えなくなってからアルテミスが言う。

グリード「できれば、俺達もあいつに対しての服従させる権利が欲しいなァ」

 グリードが唇の端を上げ、いつものようにニヤリとして言う。

アルテミス「じゃあ、この際言っちゃおうか。ラクの昔ばな...」

《バリン!》

 アルテミスが話をしようとする手前、弾丸が窓ガラスを破壊して、アルテミスの顔すれすれの所を通って壁に打ち当たった。

アルテミス「え?」

 流石のアルテミスも顔を固まらせている。

ヒカリ(次その話をしようとしたら例えテミでも容赦なく撃ち抜くから)

 何かが頭に直接語りかけてきた。

「今、何かが語りかけてこなかった?」

 私はそのことを問う。

ヴァル「なんのことだ?」

 男性陣、否、あの馬車で話を聞いていた者以外は何も起きてないようだ。

アルテミス「やっぱ、あの話やめるね」

 アルテミスが顔を引きつらせそう言った。
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