グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

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第6章 【龍の涙】

第6章18 【大自然の戦い】

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「さあ!皆様!先日は、大会都合でお休みとなってしまいましたが、本日はちゃんと試合を行います!ですが!大会都合により、ルールを変更して、昨年使用した『大自然ロワイヤル』を行います!」

「あぁ、あれか。5分置きに地形が変わって、様々なシチュエーションが再現されるやつ」

「ええ!ケビンさんの言う通りです!急ぎの変更のため、昨年と何1つ仕組みは変わっておりません!ルールは簡単!5分置きに変わる地形で、最後の1人になるまでを戦い合って貰います!」

「何1つ、変わりませんな。ところで、今日はゲストはおらんのか?」

「色々とありまして、本日はゲストを呼ぶことが出来ませんでした!すみません!」

「なるほど。まあ、私らで盛り上げましょうな」

「ええ!頑張りましょう!それでは、出場選手の発表です!グランメモリーズA!ミラ選手! マジックアルケミスト!ミーニャ選手! ハイドロオーシャンズ!デラ選手! トゥインクルアスタロト!ソアラ選手! シェミスターライト!シオン選手! コールドミラー!エクセリア選手! グランメモリーズB!ここでメンバーチェンジ!セリカ選手!以上の7名となります!」

「見事に女性ばかり、それも、リーダーを務める者が多いですな」

「ええ!これは水中戦が盛り上がりそうですなー!色んな意味で!」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

 カグヤ、ネメシス、エキドナ、セイレーン、ホウライ、ソラ、アルラウネ、ウラノス。私の相棒達。みんな、力を貸して......。

「セリカ、出番じゃぞ」

「......うん」

「あまり、無理はするなよ。お主の体は壊れておるんじゃからな」

「程々に頑張る!でも、狙うからには1位!」

「......頑張れよ」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「さあ!選手が出揃いました!それでは、試合開始の鐘が鳴ります!3!」

「2!」

「「 1! 」」

「開始です!」

エクセリア「転移陣発動、ターゲットロックオン」

ソアラ「うぎゃぁー!なんで私ー!?」

「おぉっとソアラ選手!1回戦に続き、再び出オチだー!」

 なんか、フウロと張り合った割には報われない子だな。真っ先にコールドミラーに目をつけられてしまったようだ。しかも、地形が決まる前に倒された。恐るべき討伐スピード。

ミラ「セリカ!ごめんけど、今の私達は敵同士だから!」

 ミラさんはライオンの姿へと変身して私に襲いかかる。その時、地形が変わってジャングルのような地形へと変わった。

セリカ「サモンズスピリット!エキドナ!」

エキドナ「あーい、あたしの出番ねー。おりゃ!」

ミラ「とぉっ!おりゃあ!」

 エキドナを通り越して私の方へと向かうミラ。

ミーニャ「喰らうにゃー!疾風猫迅!」

ミラ「......!」

 私に攻撃が来る直前に、ミーニャの横槍。なんとか、難を逃れた。

ミーニャ「相手がセリカでも、手加減はしないにゃー!」

セリカ「それはこっちのセリフ!サモンズスピリット・ソラ!」

ソラ「おしっ、俺に任せろ!風魔の拳!」

ミーニャ「にゃぁ!」

デラ「楽しそうね。虚無の光」

「おおっと!ここに来て4人が大・激・突!ついでに、地形が火山へと変更しましたー!」

「アッツアツですな」

 暑い......念の為にと薄着をして来たが、夏の暑さも相まってこれはヤバイ。

セリカ「サモンズスピリット・セイレーン!」

セイレーン「癒しの歌を......あーーー」

 気休め程度の回復。それにプラスして、涼しさを感じさせてくれる。

シオン「滅龍奥義・深淵の波動」

 乱戦状態のところに舞い込む闇の波動。

シオン「ほう、全員我の攻撃を避けたか」

ミーニャ「うにゃぁ、危なかったにゃぁ......」

エクセリア「ほう、面白そうな戦いをしておるな。妾も混ぜよ」

「おおっと!ここに現在残っている6名全員が集結ぅ!これは熱い!熱いぞー!しかし、地形は海中ステージへ!」

「見てると涼しさを感じますな」

 水か......なら......

セリカ「サモンズスピリット・カグヤ!」

カグヤ「お呼びでしょうか。ご主人様」

 って、あんたも水着を着るんかい!私にも寄越せ!

カグヤ「敵は6名。排除致します。月光・ムーンライト」

 今更だけど、『月光』と『ムーンライト』って意味一緒だよね?

エクセリア「転移陣発動」

 カグヤの攻撃が、なぜか私の方へと跳ね返ってきた!

セリカ「うわっ......!」

エクセリア「転移陣は、相手の居場所を自由に操れる。また、自分と相手の位置を入れ替えることもな」

 厄介な能力持ちだ。

ミラ「変身!」

エクセリア「遅い!」

 エクセリアが両手に構えた転移の波動?が変身直前のミラに襲いかかる。

ミラ「きゃっ!」

エクセリア「2人目」

 嘘!?今のでミラさんがやられちゃった......

シオン「危険そうな奴じゃ。淵龍の咆哮」

 ヴァルのブレス系の技の闇版。

エクセリア「効かぬ」

 シオンとエクセリアの位置が入れ替わった。自分で吐いた息吹を、自分で喰らう形になる。

シオン「くっ......」

 3人目の脱落。しかも、全員がエクセリアによって倒されている。

ミーニャ「ほ、ほぇぇ......し、疾風猫迅にゃー!」

エクセリア「ほれ」

ミーニャ「にゃ、にゃあぁぁぁ!?」

 ミーニャが転移した先はデラが構えているところ。

デラ「っ......虚無の光!」

ミーニャ「にゃァァァァ!」

 ここに来て、ようやく別の人によるKO。だが、エクセリアが脅威なことに変わりはない。

 ウラノス......この子を召喚するしかないのかな?でも、あれは私の体にとてつもない負荷をかける。

セリカ「サモンズスピリット!ネメシス!」

ネメシス「やっほー!僕の出番ー?」

セリカ「その斧でやっちゃって!」

ネメシス「良いけど、この水、あ、抜けてくねぇ」

 地形変化。次は、砂漠か。足が取られて動きにくい。

デラ「無慈の光」

エクセリア「効かぬ効かぬ。我の転移は絶対じゃ」

デラ「っ......!」

 あのエクセリアが厄介すぎる。ネメシスの攻撃だって、転移を使わずに避けられるし、どうやって戦えばいいの?

 じっくりと観察しようと思うが、そんな暇はない。エクセリアが転移によって一瞬で私の目の前までやってくる。そして、そのまま物理攻撃で着実と私にダメージを与えてくる。

 転移以外の魔法は使えないようだから、基本は反射して相手にダメージを与えるしかないのがエクセリアの戦い方。なら、反射されないような攻撃で攻めればいいのだが、そんな攻撃方法を持つ精霊を、私は持っていない。

デラ「虚無のーー」

エクセリア「遅い!」

デラ「グァッ......」

「ここで5人目も脱落ー!グランメモリーズBセリカ選手と、コールドミラーのエクセリア選手のタイマンになったぞー!」

 まずいな。出来ることなら、こういう相手はどさくさに紛れて誰かに倒してほしかった。だが、こうなってしまった以上は、なんとかして打開策を練らなければならない。

「ほれ、どうした精霊魔導師!お前も、ベルメルと同じようにただの雑魚かっ!」

「ぐっ......」

 ベルメル......。そうだ、彼女に1度は鍵を託されそうになった。

 仇討ち......ではないが、私は彼女のためにも負けるわけにはいかない。

「なんじゃ、その目は。お前のような弱者が、我らコールドミラーに刃向かうものでは無い。大人しく、負けを認めよ」

「......嫌だ」

「は......?」

「嫌だ!私は、あんたのような仲間の大切さを知らない奴に負けない!」

「ほう、あくまで刃向かうつもりか。ならば、その体に、その罪を思い知らせてやる」

「くっ......」

 一瞬で詰め寄ってくるエクセリア。見事な回し蹴りで私の腹部へと攻撃を当ててくる。更に、飛んで行った先でも追いついて来て、追い打ちをかけてくる。

「グハッ......負けない。あんたには、負けない......」

「負けを認めろ虫けらが。お前如きは我には勝てぬ」

「そんなの、やってみなけりゃ分からないじゃん!」

「実際にやっておるではないか」

「......っ」

 覚悟を決めるしかない。こいつに勝つためには、彼を、ウラノスを召喚するしかない。

「サモンズスピリット!ウラノス!」

 空を覆い尽くす黒い雲。そこから、漆黒の龍は召喚される。

「なるほど。切り札というわけか」

「はぁ......はぁ......」

 激しい嘔吐感。体全身を、ウイルスが這いずり回っている感覚。昔、魔法の使いすぎによって削れたコアが悲鳴を上げている。

「召喚し続けるのは無理なようじゃな」

 ウラノスの形がぼやけている。ちゃんと、召喚出来ていない証だ。

「セヤッ!」

「う"っ......」

 ウラノスは、何事も無かったかのように消え去っていく。そして、私の体は既にボロボロ。悔しいが、勝てる未来が見えない。

「我ら最強のギルドに逆らった罪、その体に刻み込んでやる」

「う"ぁっ......」

「オラオラオラオラァ!」

 格闘術は、ヴァルをも超えるかもしれない。そんなもので、私の体を傷つけてくる。

「転移!セヤッ!」

 吹っ飛んだ先に転移陣が貼られており、そこからエクセリアの元へと戻ってしまう。

 もう戦えない。なのに、エレノアのように攻撃を続けられる。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「おいおいおいおい!ありゃぁ、やり過ぎだ!実況のハゲは何してんだ!」

「落ち着けよヴァル。身を乗り出しすぎだ」

「落ち着いてられるかー!もう我慢ならねえ!止めに行く!」

 ヴァルが塀に足をかけて試合中のエクセリアとセリカの間に飛び込む。

「ああ!もう俺も我慢ならねえ!」

「待て!お前ら!......クソっ」

 ヴェルドとフウロまでもが飛び降りる。

「セリカさん!」

「......仕方あるまい」

 結局、グランメモリーズBの観覧席にいた全員が飛び降りた。ちなみに、私は転移術。

エクセリア「ほう、貴様ら何者じゃ?今は試合中だ」

ヴァル「バカ言うな!もうセリカが戦えねえのは分かりきってるだろ!」

エクセリア「ほう、それはそれは。気づかなかったのう」

ヴェルド「テメェ......」

ヴァル「いっぺんぶん殴ってやろうか、あぁ?」

リアム「お嬢に手出しはさせない」

 私達と同じようにコールドミラーの観覧席から降ってきたのは、リアム、レイヴン、カルマの3人。当たり前の話だが、ここにベルメルはいない。

ヴァル「なんだ、お前は......」

レイヴン「負けたのは貴様らが弱かっただけのこと。貴様らがやっているのは、ただの憂さ晴らしに過ぎない」

ヴァル「なんだとお前......!」

フウロ「落ち着け、ヴァル」

 フウロがヴァルの前に剣を突き出して止める。

エクセリア「ほう、やらぬのか」

フウロ「手を出せばお前らと同じだ」

リアム「カッコイイ言い訳だなぁ。本当は手を出したくてうずうずしてるくせに」

レイヴン「やめておけ。所詮、弱者は俺達に逆らうことは出来ん」

「み、皆様!落ち着いてください!この試合!コールドミラーの勝利です!ですから、落ち着いてそれぞれの控え室にもどってください!」

エクセリア「どうする?決めるのは、お前らだ」

ヴァル「クソが......」

ネイ「やめろ、ヴァル......」

ヴァル「ネイ......」

ネイ「お主ら人類の弱者に用はない。妾が言いたいのは、セリカへの責任を取ってもらうことじゃ」

エクセリア「へぇー、マスター直々にやるってわけ?面白いな」

ネイ「......」

リアム&レイヴン「......!」

リアム「なんだ......この、振動は......1人の魔導士が出してるって言うのか......」

レイヴン「落ち着け、レイヴン。ただの虚勢だ」

 怒りに震える拳を抑え、暴走しかけたマナの勢いも止める。

ネイ「......戻るぞ。お主ら。セリカの治療は済ませた」

ヴァル「良いのかよ。好きにさせて」

リアム「猿がまだ何か言ってるぞ」

ネイ「......好きにはさせん。やった分の制裁は加えてやる」

 セリカを必要以上に痛めつけられて、私の心は動揺している。きっと、今の私の表情は、怒りに震えるヴァルよりも酷いものとなっていただろう。
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