グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

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第6章 【龍の涙】

第6章26 【剣VS闇龍VS転移】

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トーリヤ「ふぅ......危ねぇ危ねぇ。危うく、あの光龍にやられちまうところだったぜ。ハイルンには悪いが、これも勝つためだ」

「光龍の咆哮」

トーリヤ「なっ......!」

 ......

 ......

 ......

「おぉっと!ここでリアム選手によってマジックアルケミストのトーリヤ選手がダウン!コールドミラーに1点加算です!」

「リアム選手、やる気に満ち溢れておりますな」

「ええ!さて、時計塔付近では、グランメモリーズフウロ選手、シェミスターライトシオン選手、コールドミラーのエクセリア選手と、リーダーを務める者達が集結しております!」

「自分以外を両方とも倒せれば、10点加算ですな」

「ある意味、優勝をかけた大1番!勝つのは誰だー!?」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

フウロ「まさか、ここにリーダーが3人も集まるとはな」

シオン「そうね。だけど、勝つのは我。滅龍の力にひれ伏しなさい」

エクセリア「何を言うておるか。勝つのは、我じゃ。そして、優勝を頂くのは、我らがコールドミラーじゃ」

 全員、かなりの強者。私は、エスメラルダとの1戦で、若干疲弊している。それに対して、2人は今のところ戦いはなし。万全の状態だ。

 2人が潰し合っているところを狙う。それが私の作戦だが、この2人がそれに気づかないわけがない。疲れている私に攻撃して、自分達の点にするのが良い考えだと思うだろう。

 つまるところ、私が1人で2人を相手にしなければならない。厳しい戦いになりそうだ。

シオン「闇龍の咆哮!」

 そんな私の考えとは違って、シオンはエクセリアの方を狙う。

エクセリア「忘れたか。転移!」

 転移術によって、私の正面に咆哮はやって来る。

フウロ「暴風!雷炎剣!」

 まずはシオンの方から倒す。横槍が入る状況で、エクセリアと戦うつもりはない。

シオン「闇龍の斬撃!」

フウロ「暴風剣!」

エクセリア「我を忘れるな!」

 エクセリアの拳が、剣に重くのしかかる。セリカがあれ程の怪我を負った理由がよく分かる。

 こいつの攻撃、かなり強い。魔法を何も使っていないのに、だ。

エクセリア「言っておくが、我は転移以外の魔法は使えん。だから、格闘術を身につけた。ありとあらゆるものをな」

シオン「厄介な力だ。だが、格闘術は近距離にならなければ意味がないな。闇龍の咆哮」

エクセリア「その為の転移術じゃろ?」

シオン「しまった......!」

エクセリア「遅い!」

 目にも止まらぬ早さで、エクセリアがシオンに近づく。転移術で移動しているわけではない。本人が、普通に早いのだ。

フウロ「疾風!」

 奴の速さに追いつくためには、私も風魔法で自身の素早さを上げる他ない。

 向こうは魔法無しで速く、こちらは魔法を使わなければ追いつくことが出来ない。

エクセリア「グランメモリーズ......お前らの速さはこんなものか?それとも、お前も精霊の小娘のようになりたいか?」

フウロ「......セリカを痛めつけた罰。その体に刻み込んでやる」

エクセリア「おぉおぉ、怖いのう。じゃが、我ばかりを相手にしといて良いのか?」

 しまった......!まだシオンがいる!

シオン「まとめて闇に墜ちろ、滅龍奥義・淵龍破断えんりゅうはだん

エクセリア「......ふっ」

 エクセリアが不気味な笑みを浮かべている。

フウロ「......!爆炎剣!」

エクセリア「気づくのが遅い」

 私が、エクセリアに攻撃を当てるよりも先に、転移術によって、私とエクセリアに向けられた滅龍奥義は、全てシオンの元へと跳ね返る。

シオン「くっ......あ"っ......」

エクセリア「お前らのようなギルドが我らに仇なすとは。その身をもって罪を償え!」

 シオンが、セリカと同じように、戦えないにも関わらずボコボコにされていく。

 あの光景が、脳裏を過る。

フウロ「やめろぉぉぉぉぉぉ!」

エクセリア「ふっ、あの光景がチラつくか」

 頭を掴まれた。そのまま、腹にひと殴り。全身に力が入らない。

エクセリア「お前も、苦しめられたいか?あの精霊の小娘のように、ここにいる、闇龍の小娘のように」

フウロ「は......な......せ......」

エクセリア「なんと言っとるかよう聞こえんわ。オラァっ!」

フウロ「う"っ......」

 私には、仇さえ取ってやることが出来ないのか......

エクセリア「その絶望に満ちた顔。実に良いぞ。映写機に撮って飾っておきたいくらいじゃ」

フウロ「......」

エクセリア「呻き声すら出なくなったか。お前も、ここまでのようじゃな」

フウロ「......」

エクセリア「なにか喋ったらどうだ?......そうか、そんな力も残っておらんか。まあ良い。それならそれで、たっぷりと痛めつけてやろう。あの、『精霊の小娘のように』」

フウロ「......ま......れ」

エクセリア「......?」

フウロ「セリカに......謝れ......」

エクセリア「謝る?我が?面白いことを言うのう」

フウロ「......セヤァッ!」

エクセリア「......!?」

 まだ、私は負けていない。

 この足が、まだ地に着いている。この手が、まだ剣を握っている。私の口が、まだ言葉を発している。

 諦めるにはまだ早いし、諦めるつもりはさらさら無い。

フウロ「お前が、私達グランメモリーズに喧嘩を売ったことがどういう事なのか。その身に刻み込んでやる」

エクセリア「ほう。まだやると言うか」

 この体が動き続ける限り、私の脳内に諦めをチラつかせはしない。

 セリカのために、仲間のために、ここで勝利を掴む。

フウロ「面白いものを見せてやろう」

エクセリア「ほう?どんなものじゃ」

 覚悟を決めよ。私の剣は軽くはない。様々な"思い"を乗せて、私はこの剣を振るう!

フウロ「覚悟の剣士!トワイライトソーディアンの真の力を、お前に向けて特別公開だ!」

エクセリア「ギャァギャァやかましいのう。そんな物、我の蹴りでーー」

フウロ「......どうした?蹴りで壊せるとでも言いたかったのか?」

エクセリア「なっ......」

 私達の思いが、この剣を強くする。

 諦めることなど無い。私には、良い友がたくさんいるのだから。

フウロ「覚悟の剣士。トワイライトソーディアンの真の姿だ」

 剣の形だけでなく、服装までもを戦闘向きの装束へと変化させる。

 ただの気分とも捉えられるかもしれない。だが、私は形から入るタイプだ。それに、さっきまでの普段着とは違って、動きやすさは格段にアップしている。

 エクセリアの素早さにも負けない。

エクセリア「小癪な......」

フウロ「速さだけが取り柄ではない!」

エクセリア「っ......!」

フウロ「散れ」

 剣を、空に散らばせ、そこからエクセリアへと攻撃を仕掛ける。

フウロ「転移でこちらに向けても構わん。全て跳ね返してやる。お前の転移術と、私の剣さばき。先にボロが出るのはどちらだろうな」

エクセリア「勝つのは我だ!」

 その覚悟。認めよう。

フウロ「舞え!つるぎよ!」

エクセリア「っ......」

 エクセリアが全てをこちらに跳ね返してくる。だが、私はそれを全て送り返す。

 絶え間なく空から降り注ぐつるぎと、私から送られてくる剣。エクセリアは速いが、それだけで跳ね返しきれるものではない。

エクセリア「っ......なんという事だ......」

フウロ「ボロが出たのは、お前のようだな」

エクセリア「......我は負けぬ。まだ、この拳は握り締められている」

フウロ「ならば、私がその拳を振り解いてみせよう」

 思いの数だけ、私の周りに剣が舞う。その剣に、感謝を込めて......

フウロ「奥義!トワイライトソード!」

 全ての剣に輝きが灯り、エクセリアに向けて発射される。

エクセリア「っ......!」

フウロ「終わりだエクセリア!グランメモリーズの思い、その全てを喰らえぇぇぇぇ!」

エクセリア「我は......我は......!」

 ......

 ......

 ......

フウロ「喧嘩を売ったことを悔い改めろ。そして、また機会があれば戦おう」

エクセリア「............」

 お前は、私達を侮りすぎたな。その自惚れさえなければ、この姿の私にも勝てたかもしれぬというのに。

「三つ巴の戦いを制したのは、グランメモリーズフウロだァァァァ!リーダーを倒したため、5点加算!よって50点となります!」

 まだ50か......。次に行かねば......

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

シヴィニア「龍人?龍人ねぇ......良いわ。今の蹴り......最高よぉ」

ネイ「何なんですかあの人......変態ですか」

 いや、ほぼほぼお前とキャラ被ってると思うぞ。

シヴィニア「素敵......殺しちゃいたいくらい」

ネイ「とりあえず、あれ倒せば良いんですよね」

ヴァル「そういう事だ。全力でやって構わねえぞ!むしろ、一瞬でケリを付けてやれ!」

ネイ「りょうか~い。滅龍奥義・龍の終焉ドラゴンエンド

シヴィニア「......!美しい......」

 シヴィニアは、特にこれといった反撃はせず、そのまま必殺技を喰らって倒れた。

シヴィニア「美......しい」

 ネイが加わった途端にこれか......情けねえ。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

ヴァル「えーっと、とりあえず何も持ってねえな」

ネイ「これといったものは何もありませんね。一応出口から入ってきましたし、私の勘に任せてもいいのですが......」

ヴァル「やめといた方がいいな。余計に迷う」

セリカ「ネイりんの方向音痴さえなければ、簡単に抜け出せれたかもしれないのにね......」

ネイ「方向音痴で悪かったですね!」

 シヴィニアの手荷物検査をしたが、この坑道の地図らしきものは何もない。

 ネイりんが出口から入ってきたらしいが、説明するまでもなくネイりんの方向感覚に期待はできない。よって、シヴィニアから聞き出すしかないが......

ミラ「起きるまで待った方がいいわね」

ネイ「そうもいきませんよ」

ヴァル「あぁ?何でだ。大会見れなくなるのは寂しいけどさ、問題はねえだろ」

ネイ「問題がなければ急いでここまでやってきてませんよ」

セリカ「何かあったの?」

ネイ「私とセリカが捕らえられた理由。正しくは、私と精霊の鍵ですけど......」

ヴァル「そういや、すっかり忘れてたな。理由って何だったんだ?」

ネイ「これを見てください」

 そう言って、ネイが差し出した紙切れには『アポカリプス討伐計画』と書いてあった。

セリカ「アポカリプス?」

ミラ「討伐......?魔物かしら」

レラ「計画って事は、かなり大型のものなのかな?」

 みんな、一様に疑問符を浮かべている。

ヴァル「......アポカリプスって、確か......」

ネイ「不死の力を持った過去の私と、聖龍エクセリアを殺したドラゴンです」

「「「 ......!? 」」」

 ネイりんを......殺した?いや、正しくは、フェノンと言うべきだろうか。

ヴァル「......近い未来に、アポカリプスがやって来るってことか?」

ネイ「多分......。でも、この世界に龍はいなくなったはず。誰を狙って来てるのか分からないんですよね」

ヴァル「......」

「「「 ...... 」」」

 話が見えないなぁ......

 アポカリプスがやって来るとか、ドラゴンがいるいないとか、何のこっちゃって話だ。

ネイ「......もしかしたら、私を狙ってやって来るのかもしれません」

ヴァル「かもな......。お前、一応は邪龍だし」

ネイ「あぁー、憂鬱になりますー......」

シヴィニア「......邪龍......美しい」

 あ、起きた。

ヴァル「まあいいや。今は外に出ようぜ。ってなわけで、お前。出口までの道を案内しろ」

シヴィニア「何でかしら?」

ヴァル「お前、この状況見てそれ言える立場か!?」

シヴィニア「私、美しいもの以外には興味ないから」

 ネイりん以上にめんどくさい人だ......

シヴィニア「そこの龍人......あなたは美しい......好き」

ネイ「す、好きって......」

シヴィニア「......いいわ。あなたがいるなら、私が案内してあげる。あなたは美しいから」

(ねぇヴァル、これどうしたらいいですか?私、そっち系の趣味はないんですけど)

(とりあえず、話に乗っとけ。外に出られたらこっちのもんだ)

ネイ「......分かりました。案内してください」

シヴィニア「分かったわ。美しい龍人......」
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