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第7章 【悪魔の科学者】
第7章11 【ヒカリ≠ネイ】
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なんで......なんで起動しないのよ......
完璧にプログラムしたはず。対エンマ用に、最高の機体を用意したはず。それなのに、なんで......
「聖龍の力が戻っても、所詮はこんなもんか」
クロム「グハッ......」
ヴァル「てっめぇ!」
「龍殺しと言えど、大した力じゃねえな」
ヴァル「なっ......」
ダメ......
クロムさんも、ヴァルも、そんな力じゃエンマには対抗できない......
8属性の力を有したあいつは、その力をもって全てを破壊し尽くす。地獄の悪魔。そう呼んでもいい。
ヒカリ「なんで、なんで起動しないの!お願いだから動いてよ!」
「お前は、仲間がこんなんになってるのに、未だにカチカチしてるだけか」
いつの間にか、クロムさん、ヴァル、セリカ、テミが倒れていた......。
「ま、お前にとっちゃ、こいつらは都合のいい手駒か」
ヒカリ「違う......」
「何が違うってんだ?」
ヒカリ「違う違う!」
「何も違わねえだろ。解放軍にいた時は、悪魔の科学者とか呼ばれてたなぁ。感情の籠ってない瞳で、黙々と人殺しの道具を作り続けるお前の姿は、悪魔そのもの」
やめろ......やめろ!
ヒカリ「嫌......嫌......」
「またそれか。嫌々言ってても、何にもならねえぞ?周りに向かって、猿だガキだほざいてたが、お前が1番のクソガキだ」
ヒカリ「違う......違う......嫌......嫌......」
「......お前、やっぱ死んだ方が良かったよ」
ヒカリ「っ......やめろ。嫌だ、私は死にたくない......!やめて!」
ゆったりとした足つきで、私の目の前へと姿を大きくしていく地獄の悪魔。
死ぬなんてどうでもいいと思ってたのに、いざ死ぬとなると、やっぱり怖い......
クロム「させん......!」
「......ほう。まだ立ち上がれる力が残ってたか」
クロム「っ......ヒカリ、お前は少しばかり仲間を信用することが出来ないだけだ。そのせいで、疑心暗鬼になって出来るもんも出来なくなってる。お前の過去は幾らか聞いた。お前が人を信じられなくなる理由も十分に理解出来た」
ヒカリ「......クロム......さん」
クロム「なぁに、心配するな。俺はお前の味方だ。お前じゃ相手にできない奴でも、俺が倒してやる。なんせ、作者公認最強キャラの1人だからな。都合良くやってやる。だから、お前は俺達を信じてくれ」
信じる......そんなこと......
ヴァル「そうだ!ヒカリ!俺達を信じろ!何があっても、俺達はお前を信じる!」
ヒカリ「ヴァル......」
セリカ「ヒカリん!私達、まだ戦えるから!」
アルテミス「ヒカリ......私、あなたがどれだけ変わっても、親友として支えるから」
......
......
......
なんでそんなに私を信じれるの......
私は、あなた達を2度裏切った。もう、信頼に値する価値などないと言うのに......
クロム「ヒカリ!これはお前の好きな貸しだ!」
ヒカリ「........................オープン・ザ・世界の書庫」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いつ見ても真っ白な空間に、大量に並んだ本棚の数々。
人体錬成に失敗した時から、私はここの住人となった。
ねぇ、ここにならいるんでしょ?
みんなが求めている、最高の存在が......
私じゃない、ネイが......
ヒカリ「いた......」
白色の髪をした胸の大きな少女。
現実で見ていた、私の偽の体。
ヒカリ「ねぇ、あなたは、本当にあいつらのことを信じられるの?」
ネイ「......」
その質問に、彼女はこくりと首を縦に振るだけ。
ヒカリ「......聞いていいかな?なんで、あなたは私以上に辛い目に遭って、それでも尚、前を向いて歩いて行けるの?」
ネイ「......」
ヒカリ「どうして、あなたは笑顔でいられるの?」
ネイ「......」
ヒカリ「現実では、あなたの仲間達が苦しんでいる。なのに、なんであなたは姿を現さないの?あなたがいれば、エンマを倒すことは容易なはず。なのに、なんで?」
ネイ「......ヒカリさん。私は、神ではあっても、人々を救うとか、厄災から世界を守るとか、そんな大それた事は出来ないんですよ」
ヒカリ「......」
ネイ「それでも、私は、ヴァル達と過ごす、笑っていられる明日を守りたいから、戦い続けるんです」
ヒカリ「笑っていられる......明日......」
ネイ「はい。私は、ヴァル達と共に、生きていくって決めたんです!」
曇りなき笑顔。私じゃ、絶対に作ることの出来ない表情。
ヒカリ「......あなたなら、これを使えるかもしれない」
最高の知識と機体を注ぎ込んで作った、最強の記憶。ネイになら、起動させることが出来るかもしれない。
ヒカリ「後は、頼んだわよ」
ネイ「......はい!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
クロム「クソっ......」
「だから言ったじゃねえか。お前の力じゃ俺には勝てないって」
クロムでも太刀打ちできない。なんなの、この化け物......
それに、書庫に行ったヒカリんは、未だに帰ってこない。
クロム「......っ!」
「じゃあな、聖王。お前の時代はそこまでだ」
クロムに向けて、禍々しくギザギザとした刃が向けられる。
「ニルヴァーナ!」
エンマ「......!なんだ、これは?」
今の魔法はネイりんの......
「サブ主人公にラスボス級の相手をするのは大変なようですね」
クロム「ヒカリ......?」
「皆さんお待たせしました。時を操る最強の神、ネイ参上です!」
セリカ「ネイりん......」
ネイ「はい、ネイです」
「ほう、ネイの記憶が戻ったか」
ネイ「さあ!エンマ!あなたの相手は私です!」
「......ふっ、やれるもんならやってみろ!」
ネイ「......ヒカリさん。あなたの知識、お借りしますよ」
《ワールドメモリーズ》
「......?起動した?」
ネイ「えっと、これを腕の部分に挿してっと......」
何度見ても、自分の体に異物を突き挿して体に取り入れるのは、少々気持ち悪く見える。
セリカ「ネイりん......?」
メモリを体に突き挿したネイりんの体は、今までに見てきたように、ドラゴンになったり、ユニコーンになったりせずに、太い糸のようなものが髪の毛部分から出てきて、体のあちこちに突き刺されていく。
そして、変な数字の羅列がネイりんの周りを取り囲んだ後、羽や尻尾など、体の見える部分に光が灯った。
ネイ「......さ、戦いましょうか?」
エンマ「......面白ぇ。やってやろうじゃねえか!」
早速、エンマがブラックホールをネイりんに向けて放つ。
それを、ネイりんは避けようとしない。
ネイ「......そんなもので、私にかすり傷1つでも付けられると思ってるんですか?」
何の動作もなしに、エンマの魔法が消えた。
エンマ「何......!?」
ネイ「次は、私から行きますよ!」
エンマ「なっ......」
姿が消えた......?
エンマ「っ......っ......なんだこれは......」
エンマに攻撃が当たる瞬間だけ、ネイりんの姿が見える。
エンマ「クソっ......グランアタック・フレイム!」
ネイ「効かない」
全ての魔法を消滅させるネイ。無効化するのではなく、当たる前に消している。
ネイ「さて、そろそろこれも使いますか」
ネイりんの髪の毛から、1つの大型の剣が生成される。
エンマ「なんだそれは......」
ネイ「ふふっ......その体で味わうといいですよ」
大型の剣にしては、ネイりんが振る速度は早いし、正確にエンマの動きを捉えている。
エンマ「ちっ、でも、所詮は大剣だ!小回りは効かん!」
ネイ「残念です。この武器、2つに分裂するんですよ?」
エンマ「なっ......」
ネイ「ワンタッチ変形です。全部で、8本にまで分かれますよ」
エンマ「ちっ、どんだけめんどくせぇ構造にしてやがんだ」
ネイ「それだけじゃありません。今の私、常に世界の書庫に接続しているので、あなたの動きは全て読み切っています。また、全ての魔法、及び世界の原理を超えたものをノーモーションで使用可能ですよ」
言ってる事の8割が理解できないが、とにかくすごいということで良いのだろう。
ただ、ネイりんが言った通りなのかな?ユミの時とかに使っていた、長ったらしい呪文を詠唱しないといけない魔法を、全てなんの動きもなしに放っている。
エンマ「ちっ、ワールドエンド・滅亡」
クロム「まずい!全員伏せろ!」
エンマ「いくらお前でも、これを防ぐことは出来ねえよなぁ?」
ネイ「残念ですけど、それもラーニング済みです」
エンマ「なっ......」
何か凄いものが来るんじゃないかと思ったが、やっぱりネイりんが全て打ち消してくれる。
ネイ「では、今度はこちらから行きますよ」
「ちっ......逃げるしかねえ」
ネイ「逃がしません。バーストライズ・テラドライブ」
まず、ネイりんの髪の毛がエンマをぐるぐる巻きにして動きを封じる。そこから、8本に分裂した剣が、エンマの周りを囲むように浮かんでいる。
ネイ「フレイム」
「グアッ!」
ネイ「ウォーター」
「っ......!」
ネイ「トルネード」
「ハッ......」
ネイ「ブリザード」
「くっ......!」
ネイ「エレキ」
「ガアッ!」
ネイ「シャイン」
「っ......!」
ネイ「ダーク」
「ハッ......!」
ネイ「クリスタル」
「ガハッ......」
ネイ「8属性の刃を喰らえ!」
エンマ「う、おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
何とかして、エンマはネイりんの攻撃を受け止めているが、それも時間の問題。すぐにネイりんに押し切られる。
「オラッ!」
すんでのところで、エンマはネイりんが持っていた剣全てを弾き飛ばす。
倒れているエンマに対し、ネイりんが正面に立っている。
エンマ「これなら、俺の方が有利だな?」
ネイ「こうなることを予測していないとでも?」
いつの間にか、ネイりんは2本の拳銃を構えていた。
エンマ「なっ......」
ネイ「コンソール・ログ・ゼロ!」
エンマ「クソォォォォォォォ!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
エンマ「............やるじゃねぇか」
ネイ「まだ生きてるんですか」
エンマ「流石、悪魔の科学者制の兵器だ。全然適わねぇなぁ」
見た目だけを見れば、ただのグランメモリに色とりどりの8個の飾りをつけただけのもの。それを、体に突き挿せば、髪の毛の一部がコードとなって私の体のあちこちに突き挿されていく。
そして、視界には敵の次の動き、敵の弱点、次にするべき行動など、戦闘を有利にするための情報が次々と映し出されていく。
オマケに、稲妻のように駆け抜ける速さと、プログラムによるノーモーションの魔法。こんなものを、ただ世界の書庫に接続出来るだけで作ることができるとは......
ヒカリ......私から見ても恐ろしい存在だ。
エンマ「あーあ、もう体が動かねえし、呼吸も辛くなってきやがった......」
ネイ「膨大なデータの入ったメモリを使った反動ですよ。そのうち死にますね」
エンマ「......まあいいや。俺の目的は達成されたわけだしな」
ネイ「目的?」
エンマ「最後に、1つ......いや、2つ良いことを教えてやるよ」
ネイ「......」
エンマ「ヒカリ、まだ中にいるんだろ?そして、どうせ聞こえてるんだろ?」
ネイ「ええ、聞こえてますよ。今は外に出てきませんけど」
エンマ「......お前の先生、世界を破壊する存在として、暴れ回ってやがるぜ」
先生......?
ヒカリ(そんな事、もう知ってるって伝えてください)
ネイ「そんな事、もう知ってるらしいですよ」
エンマ「......だろうな。龍を蘇らせてアポカリプスを呼び込んだのはあいつだしな」
ネイ「......」
エンマ「そして、もう1つ。今度はネイに対してだ」
ネイ「私?」
エンマ「これをくれてやる」
エンマが投げ渡してきたのは、1枚の写真。しかも、色が着いてる......そして、写っているのは、白色の髪をした女性。
エンマ「多分だが、ヒカリは知ってんだろうな。アテナとか、シヴァが自分と血の繋がった家族ではないことに」
ネイ「......?」
ヒカリ(......こいつ、どこでその事に)
エンマ「そこに写ってるのは、お前の血の繋がった姉ちゃんだ。名前は、『イデアル』って言うらしい」
ネイ「血の繋がった......家族......」
エンマ「どこかの世界にいるらしいぞ」
ネイ「なぜこれを、私に?」
エンマ「......どうするかは......お前ら次第だ。じゃあな、俺は一足先に、地獄ってもんを、見てくるぜ」
エンマの体が消滅して、1本の禍々しいメモリだけがその場に残る。
ネイ「ヒカリさん、どういう事でしょうか?」
ヒカリ(私には、アテナとシヴァという名前の兄弟がいた。途中で、血の繋がってない、赤の他人だってことに気づいたけどね。それで、本当の家族がいるんじゃないかと思って探し続けてたわけだけど......)
それが、この写真に写っている女性......
ヒカリ(どうするかは私達次第......)
......
......
......
完璧にプログラムしたはず。対エンマ用に、最高の機体を用意したはず。それなのに、なんで......
「聖龍の力が戻っても、所詮はこんなもんか」
クロム「グハッ......」
ヴァル「てっめぇ!」
「龍殺しと言えど、大した力じゃねえな」
ヴァル「なっ......」
ダメ......
クロムさんも、ヴァルも、そんな力じゃエンマには対抗できない......
8属性の力を有したあいつは、その力をもって全てを破壊し尽くす。地獄の悪魔。そう呼んでもいい。
ヒカリ「なんで、なんで起動しないの!お願いだから動いてよ!」
「お前は、仲間がこんなんになってるのに、未だにカチカチしてるだけか」
いつの間にか、クロムさん、ヴァル、セリカ、テミが倒れていた......。
「ま、お前にとっちゃ、こいつらは都合のいい手駒か」
ヒカリ「違う......」
「何が違うってんだ?」
ヒカリ「違う違う!」
「何も違わねえだろ。解放軍にいた時は、悪魔の科学者とか呼ばれてたなぁ。感情の籠ってない瞳で、黙々と人殺しの道具を作り続けるお前の姿は、悪魔そのもの」
やめろ......やめろ!
ヒカリ「嫌......嫌......」
「またそれか。嫌々言ってても、何にもならねえぞ?周りに向かって、猿だガキだほざいてたが、お前が1番のクソガキだ」
ヒカリ「違う......違う......嫌......嫌......」
「......お前、やっぱ死んだ方が良かったよ」
ヒカリ「っ......やめろ。嫌だ、私は死にたくない......!やめて!」
ゆったりとした足つきで、私の目の前へと姿を大きくしていく地獄の悪魔。
死ぬなんてどうでもいいと思ってたのに、いざ死ぬとなると、やっぱり怖い......
クロム「させん......!」
「......ほう。まだ立ち上がれる力が残ってたか」
クロム「っ......ヒカリ、お前は少しばかり仲間を信用することが出来ないだけだ。そのせいで、疑心暗鬼になって出来るもんも出来なくなってる。お前の過去は幾らか聞いた。お前が人を信じられなくなる理由も十分に理解出来た」
ヒカリ「......クロム......さん」
クロム「なぁに、心配するな。俺はお前の味方だ。お前じゃ相手にできない奴でも、俺が倒してやる。なんせ、作者公認最強キャラの1人だからな。都合良くやってやる。だから、お前は俺達を信じてくれ」
信じる......そんなこと......
ヴァル「そうだ!ヒカリ!俺達を信じろ!何があっても、俺達はお前を信じる!」
ヒカリ「ヴァル......」
セリカ「ヒカリん!私達、まだ戦えるから!」
アルテミス「ヒカリ......私、あなたがどれだけ変わっても、親友として支えるから」
......
......
......
なんでそんなに私を信じれるの......
私は、あなた達を2度裏切った。もう、信頼に値する価値などないと言うのに......
クロム「ヒカリ!これはお前の好きな貸しだ!」
ヒカリ「........................オープン・ザ・世界の書庫」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いつ見ても真っ白な空間に、大量に並んだ本棚の数々。
人体錬成に失敗した時から、私はここの住人となった。
ねぇ、ここにならいるんでしょ?
みんなが求めている、最高の存在が......
私じゃない、ネイが......
ヒカリ「いた......」
白色の髪をした胸の大きな少女。
現実で見ていた、私の偽の体。
ヒカリ「ねぇ、あなたは、本当にあいつらのことを信じられるの?」
ネイ「......」
その質問に、彼女はこくりと首を縦に振るだけ。
ヒカリ「......聞いていいかな?なんで、あなたは私以上に辛い目に遭って、それでも尚、前を向いて歩いて行けるの?」
ネイ「......」
ヒカリ「どうして、あなたは笑顔でいられるの?」
ネイ「......」
ヒカリ「現実では、あなたの仲間達が苦しんでいる。なのに、なんであなたは姿を現さないの?あなたがいれば、エンマを倒すことは容易なはず。なのに、なんで?」
ネイ「......ヒカリさん。私は、神ではあっても、人々を救うとか、厄災から世界を守るとか、そんな大それた事は出来ないんですよ」
ヒカリ「......」
ネイ「それでも、私は、ヴァル達と過ごす、笑っていられる明日を守りたいから、戦い続けるんです」
ヒカリ「笑っていられる......明日......」
ネイ「はい。私は、ヴァル達と共に、生きていくって決めたんです!」
曇りなき笑顔。私じゃ、絶対に作ることの出来ない表情。
ヒカリ「......あなたなら、これを使えるかもしれない」
最高の知識と機体を注ぎ込んで作った、最強の記憶。ネイになら、起動させることが出来るかもしれない。
ヒカリ「後は、頼んだわよ」
ネイ「......はい!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
クロム「クソっ......」
「だから言ったじゃねえか。お前の力じゃ俺には勝てないって」
クロムでも太刀打ちできない。なんなの、この化け物......
それに、書庫に行ったヒカリんは、未だに帰ってこない。
クロム「......っ!」
「じゃあな、聖王。お前の時代はそこまでだ」
クロムに向けて、禍々しくギザギザとした刃が向けられる。
「ニルヴァーナ!」
エンマ「......!なんだ、これは?」
今の魔法はネイりんの......
「サブ主人公にラスボス級の相手をするのは大変なようですね」
クロム「ヒカリ......?」
「皆さんお待たせしました。時を操る最強の神、ネイ参上です!」
セリカ「ネイりん......」
ネイ「はい、ネイです」
「ほう、ネイの記憶が戻ったか」
ネイ「さあ!エンマ!あなたの相手は私です!」
「......ふっ、やれるもんならやってみろ!」
ネイ「......ヒカリさん。あなたの知識、お借りしますよ」
《ワールドメモリーズ》
「......?起動した?」
ネイ「えっと、これを腕の部分に挿してっと......」
何度見ても、自分の体に異物を突き挿して体に取り入れるのは、少々気持ち悪く見える。
セリカ「ネイりん......?」
メモリを体に突き挿したネイりんの体は、今までに見てきたように、ドラゴンになったり、ユニコーンになったりせずに、太い糸のようなものが髪の毛部分から出てきて、体のあちこちに突き刺されていく。
そして、変な数字の羅列がネイりんの周りを取り囲んだ後、羽や尻尾など、体の見える部分に光が灯った。
ネイ「......さ、戦いましょうか?」
エンマ「......面白ぇ。やってやろうじゃねえか!」
早速、エンマがブラックホールをネイりんに向けて放つ。
それを、ネイりんは避けようとしない。
ネイ「......そんなもので、私にかすり傷1つでも付けられると思ってるんですか?」
何の動作もなしに、エンマの魔法が消えた。
エンマ「何......!?」
ネイ「次は、私から行きますよ!」
エンマ「なっ......」
姿が消えた......?
エンマ「っ......っ......なんだこれは......」
エンマに攻撃が当たる瞬間だけ、ネイりんの姿が見える。
エンマ「クソっ......グランアタック・フレイム!」
ネイ「効かない」
全ての魔法を消滅させるネイ。無効化するのではなく、当たる前に消している。
ネイ「さて、そろそろこれも使いますか」
ネイりんの髪の毛から、1つの大型の剣が生成される。
エンマ「なんだそれは......」
ネイ「ふふっ......その体で味わうといいですよ」
大型の剣にしては、ネイりんが振る速度は早いし、正確にエンマの動きを捉えている。
エンマ「ちっ、でも、所詮は大剣だ!小回りは効かん!」
ネイ「残念です。この武器、2つに分裂するんですよ?」
エンマ「なっ......」
ネイ「ワンタッチ変形です。全部で、8本にまで分かれますよ」
エンマ「ちっ、どんだけめんどくせぇ構造にしてやがんだ」
ネイ「それだけじゃありません。今の私、常に世界の書庫に接続しているので、あなたの動きは全て読み切っています。また、全ての魔法、及び世界の原理を超えたものをノーモーションで使用可能ですよ」
言ってる事の8割が理解できないが、とにかくすごいということで良いのだろう。
ただ、ネイりんが言った通りなのかな?ユミの時とかに使っていた、長ったらしい呪文を詠唱しないといけない魔法を、全てなんの動きもなしに放っている。
エンマ「ちっ、ワールドエンド・滅亡」
クロム「まずい!全員伏せろ!」
エンマ「いくらお前でも、これを防ぐことは出来ねえよなぁ?」
ネイ「残念ですけど、それもラーニング済みです」
エンマ「なっ......」
何か凄いものが来るんじゃないかと思ったが、やっぱりネイりんが全て打ち消してくれる。
ネイ「では、今度はこちらから行きますよ」
「ちっ......逃げるしかねえ」
ネイ「逃がしません。バーストライズ・テラドライブ」
まず、ネイりんの髪の毛がエンマをぐるぐる巻きにして動きを封じる。そこから、8本に分裂した剣が、エンマの周りを囲むように浮かんでいる。
ネイ「フレイム」
「グアッ!」
ネイ「ウォーター」
「っ......!」
ネイ「トルネード」
「ハッ......」
ネイ「ブリザード」
「くっ......!」
ネイ「エレキ」
「ガアッ!」
ネイ「シャイン」
「っ......!」
ネイ「ダーク」
「ハッ......!」
ネイ「クリスタル」
「ガハッ......」
ネイ「8属性の刃を喰らえ!」
エンマ「う、おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
何とかして、エンマはネイりんの攻撃を受け止めているが、それも時間の問題。すぐにネイりんに押し切られる。
「オラッ!」
すんでのところで、エンマはネイりんが持っていた剣全てを弾き飛ばす。
倒れているエンマに対し、ネイりんが正面に立っている。
エンマ「これなら、俺の方が有利だな?」
ネイ「こうなることを予測していないとでも?」
いつの間にか、ネイりんは2本の拳銃を構えていた。
エンマ「なっ......」
ネイ「コンソール・ログ・ゼロ!」
エンマ「クソォォォォォォォ!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
エンマ「............やるじゃねぇか」
ネイ「まだ生きてるんですか」
エンマ「流石、悪魔の科学者制の兵器だ。全然適わねぇなぁ」
見た目だけを見れば、ただのグランメモリに色とりどりの8個の飾りをつけただけのもの。それを、体に突き挿せば、髪の毛の一部がコードとなって私の体のあちこちに突き挿されていく。
そして、視界には敵の次の動き、敵の弱点、次にするべき行動など、戦闘を有利にするための情報が次々と映し出されていく。
オマケに、稲妻のように駆け抜ける速さと、プログラムによるノーモーションの魔法。こんなものを、ただ世界の書庫に接続出来るだけで作ることができるとは......
ヒカリ......私から見ても恐ろしい存在だ。
エンマ「あーあ、もう体が動かねえし、呼吸も辛くなってきやがった......」
ネイ「膨大なデータの入ったメモリを使った反動ですよ。そのうち死にますね」
エンマ「......まあいいや。俺の目的は達成されたわけだしな」
ネイ「目的?」
エンマ「最後に、1つ......いや、2つ良いことを教えてやるよ」
ネイ「......」
エンマ「ヒカリ、まだ中にいるんだろ?そして、どうせ聞こえてるんだろ?」
ネイ「ええ、聞こえてますよ。今は外に出てきませんけど」
エンマ「......お前の先生、世界を破壊する存在として、暴れ回ってやがるぜ」
先生......?
ヒカリ(そんな事、もう知ってるって伝えてください)
ネイ「そんな事、もう知ってるらしいですよ」
エンマ「......だろうな。龍を蘇らせてアポカリプスを呼び込んだのはあいつだしな」
ネイ「......」
エンマ「そして、もう1つ。今度はネイに対してだ」
ネイ「私?」
エンマ「これをくれてやる」
エンマが投げ渡してきたのは、1枚の写真。しかも、色が着いてる......そして、写っているのは、白色の髪をした女性。
エンマ「多分だが、ヒカリは知ってんだろうな。アテナとか、シヴァが自分と血の繋がった家族ではないことに」
ネイ「......?」
ヒカリ(......こいつ、どこでその事に)
エンマ「そこに写ってるのは、お前の血の繋がった姉ちゃんだ。名前は、『イデアル』って言うらしい」
ネイ「血の繋がった......家族......」
エンマ「どこかの世界にいるらしいぞ」
ネイ「なぜこれを、私に?」
エンマ「......どうするかは......お前ら次第だ。じゃあな、俺は一足先に、地獄ってもんを、見てくるぜ」
エンマの体が消滅して、1本の禍々しいメモリだけがその場に残る。
ネイ「ヒカリさん、どういう事でしょうか?」
ヒカリ(私には、アテナとシヴァという名前の兄弟がいた。途中で、血の繋がってない、赤の他人だってことに気づいたけどね。それで、本当の家族がいるんじゃないかと思って探し続けてたわけだけど......)
それが、この写真に写っている女性......
ヒカリ(どうするかは私達次第......)
......
......
......
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なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
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