195 / 434
第8章√NH 【星界の家族】
第8章8 【開戦】
しおりを挟む
太陽系八人衆。
その名は、星界軍に属する者なら、知らない者はいない。
殲滅軍の中でも、特に厄介とされる兵士。厄災と呼んでもいい。
そんな、化け物揃いの奴らが無傷で、この最終防衛ラインを踏み越えてやって来てしまった。
今までの敵の動きが遅かっただけだ。一度本気になった敵は、容赦なしにここまで攻め込んでこれた。
俺達に勝ち筋はあるのか。
軍の内部は、俺が連れてきた女とイデアルの関係、この敵の総攻撃によって、かなり混乱している。
カストル「ポルックス、離れるなよ」
ポルックス「うん」
アルタイル「お前ら、死ぬと思う前に逃げろ。ここを死守する必要はない」
カストル「......どういう事ですか?」
アルタイル「太陽系が8人も集まれば、我らに勝機はない。マース1人を相手にしただけでも、これだけの手負いなのに、8人を同時に相手にするなど、死を意味する。お前ら若造には、まだまだ未来がある。俺が死ぬ前に、お前達は逃げろ」
......
......
......
ダメだ。なんて言えばいいのか分からない。
この人には死んでほしくない。
アルタイル「来るぞ」
ヴィネス「あらヤダ、随分といい体つきの老騎士じゃなぁい」
ヴィネス......1番会いたくない相手が来てしまった。
ヴィネス「へぇ......老騎士の他に、あら、黒髪のお兄さん。その子は妹かしら?」
カストル「......」
ヴィネス「あら、無視かしら」
これだから、この男を相手にするのは嫌なんだ。
男なのに、女みたいな服を着て、化粧も濃くキメている。オマケに、その口調。背筋が凍る。
ヴィネス「......そう。無視するならいいわ。今日は、あんた達を殺すために、こっちは本気だから」
......空気が変わった?
なんだ、この、圧倒的なプレッシャーは......
胃がはち切れそうな程の緊張感。何かが来る......。
ジュピター「ヴィネス、今日はその口を塞げと言ったはずだが」
ヴィネス「分かってるわよ」
ジュピター......まさか、こんな奴がここに......
アルタイル「......逃げろ。全員。ここは、俺が塞ぐ」
カストル「......ダメだ。いくらあんたでも、あいつらはーー」
アルタイル「だから逃げろと言っている!」
ジュピターを相手にして、部隊長の顔に気迫が宿る。
ジュピターは、相手にしてはならない存在。勝ち筋が一切ない相手だ。
奴が扱う全属性の魔法。それは、大地を揺るがし、嵐を呼び、ありとあらゆる物を破壊し尽くしていく。奴の恐ろしさは、実際に相手をしたものなら誰でも分かる。
俺と、部隊長が2人で戦場に向かった時、偶然にもこいつと遭遇した。
逃げるだけで精一杯だった。
ジュピター「一瞬で方をつけよう」
アルタイル「逃げろ。お前ら!」
アンタレス「ダメです!隊長!隊長を置いて私達だけが逃げることなど、許されることではありません!」
アルタイル「いいから逃げろ!これは命令だ!」
ジュピター「ゴタゴタとうるさい。ヴィネス、我が準備を終えるまで、奴らを足止めしとけ」
ヴィネス「分かったわ」
......
......
......
逃げられない。ジュピターだけでも大変だと言うのに、太陽系のもう1人が俺達の退路を塞いでいる。
ポルックス「お兄ちゃん......」
カストル「......大丈夫だ。俺が守る」
ヴィネスの攻撃程度なら、俺1人で凌ぐことは出来る。
カストル「全員逃げろ!俺がヴィネスを押さえる!」
アルレシャ「で、でもそれじゃあんたが......」
ヴィネス「ごちゃごちゃうるさいのよ!このアバズレ共が!」
ハート型の魔法具を使って攻撃してくるのがヴィネス。
俺の体が、後ろへと押されるが、この程度なら大丈夫だ。
カストル「早く逃げろ!」
アルレシャ「......あんたの妹は、あたしが守ってやるから!」
アンタレス、アルレシャは、ポルックスの手を引いて立ち去って行く。
アルタイル「お前......」
カストル「......隊長を残して逃げるなど、部下として有るまじき行いです。地獄の果までお供しますよ」
アルタイル「逃げろと言ったのに......」
ヴィネス「無視すんじゃないわよ!」
カストル「っ......!隊長!」
アルタイル「うむ。ジュピター、お前には先に進ません」
ジュピター「ほう。相討ちを狙うつもりか」
アルタイル「お前を倒す唯一の方法。それが、これだ」
ジュピター「む、我と同じ魔法......」
全てを破壊する奥義、魔道収束法・エンドカラー。
巻き込まれることになるが、ここでヴィネスと共に、相討ちになる空間に入れば、俺諸共、敵2名を確実に殺すことが出来る。
チャンスは1度きり。ここで奴らを討つ。
ジュピター「魔道収束法・エンドカラー」
アルタイル「魔道収束法・エンドカラー」
2つの衝撃波がぶつかり合う空間に、俺はヴィネスを押し込んで入り込む。
カストル「終わりだ!ヴィネス!」
ヴィネス「なっ......やめろ!まだ私は......」
それ以上の言葉は聞こえてこなかった。そして、俺の視界も消えていった......
......
......
......
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
アンタレス「報告致します!我ら第2部隊は、ヴィネス、ジュピターと遭遇。アルタイル隊長と、カストルによって、相討ちの形へと持っていくことが出来ました」
ミルキーウェイ「相討ち......」
アルタイルともあろう者が、相討ちか......
そして、カストルも攻撃に巻き込まれてしまったか。ただ1人の妹を残して逝ってしまうなど、ふざけておる。
ミルキーウェイ「それで、ジュピターとヴィネスは死んだのか」
アンタレス「ハッキリとは分かりませんが、魔道収束法同士のぶつかり合いにより、両者ともに消滅したと考えられます」
ミルキーウェイ「そうか......」
2人が命を懸けてまで行った事は、妾達に勝機をもたらしてくれたらしい。
ジュピターを殺してしまえば、回すべきところに手を回すことが出来る。
ミルキーウェイ「アルタイルとカストルの死を無駄にするな。お前ら第2部隊は、アース、マースと交戦中の第3部隊のサポートに回れ」
アンタレス「了解!」
幸いにも、3人が生き残っている。
太陽系八人衆......プルトがまだこちらに顔を出しに来ないが、まだ敵本部で探りを忍ばせているのだろうか?
ミルキーウェイ「......さて、そろそろ妾も出ねばな」
東にはイデアルとベガの欠けた第1部隊。北には第3部隊。そして、南には守りを置いていない。敵が総攻撃を仕掛けてくるとすれば、この場所。それが分かっているのならば、妾はそこで待ち伏せをするまで。
ミルキーウェイ「......っ」
妾が拳を震わせるとは、いつぶりだろうか。
犠牲は覚悟の上。そうだったはずなのに、身近な人物が死ぬと、自然と怒りが湧いてくる。
ミルキーウェイ「全員、叩きのめしてやる」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ほう。ジュピターとヴィネスが死にましたか。
まあ、これくらいは想定の範囲内ですよね?
犠牲を覚悟の上で戦わないと、私を表に出すことは出来ませんよ?
......ほう、イデアルが意識不明ですか。そして、犯人は......なるほど。
私がここに閉じ込められてから数年、表は面白くなってきたようですね。
では、私もそろそろ外に出る準備をしておきますか。
これは、戦争。人が1人死んだくらいで涙を流してはいけませんよ、ミルキーウェイ。
日常で1人殺せば犯罪者。しかし、戦争では殺せば殺すほど英雄になれる。それを、あなたは理解していると思ったんですがね。まあいいです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
アースとマース。
第2部隊が、ギリギリのところで撤退するしかなかった相手。
だが、俺達第3部隊があいつら程の実力だとは思わないでほしい。
デネブ「最初に言っておく。俺は、かーなーり、強ーー」
アース「水神の魂動」
デネブ「なぬ!?」
マーニ「何やってんですか隊長!」
決め台詞を言っている合間に攻撃するとは......
なんとも卑劣。そして、下劣。
ソール「隊長!戦場で決め台詞を掛けるなって、何回も言ったじゃないですか!」
デネブ「むぅ......。決め台詞を妨害するとは、なんとも下劣なる相手」
マース「何言ってんだこのオッサン」
アース「気にするな、マース。戦争を舐めてる奴には、粛清を喰らわすまで。行くぞ」
デネブ「卑劣なる上に、2対1を申すか!」
アルキオネ「隊長!俺達がいます!」
マースとアース。相手にとって不足はなし!
デネブ「聖拳!」
マース「っ......な、なんだいこの一撃は」
我が怒りの拳。これには、ありとあらゆる物を聖に変え、心を浄化する作用がある。
デネブ「お前ら!この戦争に意味があると思っているのか!」
マース「は、はぁ!?何言ってんだこのオッサン......」
アース「気にするでない。大地の怒り!」
デネブ「貴様が怒りを露わにするでない!怒りの鉄槌!」
アースという男の真上に飛び、聖拳を振り落とす。
マーニ「隊長!落ち着いてください!」
デネブ「むぅぅ!」
アース「ふんっ......!」
なるほど。我が怒りをその腕で抑えるか。
ソール「隊長!ちょっと引いてください!」
デネブ「なぬ!?」
ソールの奴、我が足を引っ掛けて後ろに転かしたか......
デネブ「何をする!?」
ソール「隊長!前に出すぎです!このままじゃ死にますよ!」
デネブ「む......!」
ちと、先走りすぎたか......
だが、これしきで倒れる我ではない。
アース「つまらん奴らだ。マース、行くぞ」
マース「あれでやるんだね?」
デネブ「お前ら下がれ」
アルキオネ「だから、隊長の方が下がってとーー」
デネブ「いいから下がれ!」
マーニ「た、隊長......?」
奴ら、魔道収束法で終わらせようとしてるな。
ならば、その対策を唯一知っている我が止めねばならぬ。
ただ、それをするにはこいつらは邪魔だ。
デネブ「下がってろ。こいつの相手は、我だ」
ソール「......分かりました。無茶しないでください」
分かってるのか分かってないのか。
ほんの数メートルしか離れてないな。まあいい。
アース&マース「魔道収束法・ラグナロク」
神の怒槌。この技で、何度俺の目の前で人が死んでいったことであろう。だが、何人もの犠牲を見てきた俺は、この魔法の対処法、そして、敵に反射する方法を編み出した。
使えるかどうかだと?そんなもん知らん!
デネブ「魔導反射法・ライナロック!」
アース「なっ......!」
ふっ......これが、数々の死んでいった者達の怨みだ。
神の怒槌と言うくらいだから、威力はとてつもない。だが、それを倍返しされればどうなるだろうか?
俺は、自らを鍛えるよりも、こうして敵の攻撃を利用した方が早いと考えた。
マーニ「た、隊長......」
デネブ「しまったな。反射するものがデカければデカい程、俺への負担が大きくなるか。誰でもいい。アースとマースはどうなった?」
アルキオネ「......2人とも、ぐったりと倒れております。息はあるようですが、ピクリとも動きません。一応、俺達の魔法で縛り付けております」
そうか......あれ程の魔法を喰らって、死ぬ事がないとは......
不死身だな。
恐ろしい敵だ全く。嫌になるな。決め台詞も言わせてくれないし......
デネブ「総隊長に報告だ!アースとマースは捕虜にしたぞ、と」
マーニ「捕虜で良いんですか?」
デネブ「奴らは殺せん。逃げ出せれんように、魔術不滅器具も着けておけ!」
マーニ「了解」
その名は、星界軍に属する者なら、知らない者はいない。
殲滅軍の中でも、特に厄介とされる兵士。厄災と呼んでもいい。
そんな、化け物揃いの奴らが無傷で、この最終防衛ラインを踏み越えてやって来てしまった。
今までの敵の動きが遅かっただけだ。一度本気になった敵は、容赦なしにここまで攻め込んでこれた。
俺達に勝ち筋はあるのか。
軍の内部は、俺が連れてきた女とイデアルの関係、この敵の総攻撃によって、かなり混乱している。
カストル「ポルックス、離れるなよ」
ポルックス「うん」
アルタイル「お前ら、死ぬと思う前に逃げろ。ここを死守する必要はない」
カストル「......どういう事ですか?」
アルタイル「太陽系が8人も集まれば、我らに勝機はない。マース1人を相手にしただけでも、これだけの手負いなのに、8人を同時に相手にするなど、死を意味する。お前ら若造には、まだまだ未来がある。俺が死ぬ前に、お前達は逃げろ」
......
......
......
ダメだ。なんて言えばいいのか分からない。
この人には死んでほしくない。
アルタイル「来るぞ」
ヴィネス「あらヤダ、随分といい体つきの老騎士じゃなぁい」
ヴィネス......1番会いたくない相手が来てしまった。
ヴィネス「へぇ......老騎士の他に、あら、黒髪のお兄さん。その子は妹かしら?」
カストル「......」
ヴィネス「あら、無視かしら」
これだから、この男を相手にするのは嫌なんだ。
男なのに、女みたいな服を着て、化粧も濃くキメている。オマケに、その口調。背筋が凍る。
ヴィネス「......そう。無視するならいいわ。今日は、あんた達を殺すために、こっちは本気だから」
......空気が変わった?
なんだ、この、圧倒的なプレッシャーは......
胃がはち切れそうな程の緊張感。何かが来る......。
ジュピター「ヴィネス、今日はその口を塞げと言ったはずだが」
ヴィネス「分かってるわよ」
ジュピター......まさか、こんな奴がここに......
アルタイル「......逃げろ。全員。ここは、俺が塞ぐ」
カストル「......ダメだ。いくらあんたでも、あいつらはーー」
アルタイル「だから逃げろと言っている!」
ジュピターを相手にして、部隊長の顔に気迫が宿る。
ジュピターは、相手にしてはならない存在。勝ち筋が一切ない相手だ。
奴が扱う全属性の魔法。それは、大地を揺るがし、嵐を呼び、ありとあらゆる物を破壊し尽くしていく。奴の恐ろしさは、実際に相手をしたものなら誰でも分かる。
俺と、部隊長が2人で戦場に向かった時、偶然にもこいつと遭遇した。
逃げるだけで精一杯だった。
ジュピター「一瞬で方をつけよう」
アルタイル「逃げろ。お前ら!」
アンタレス「ダメです!隊長!隊長を置いて私達だけが逃げることなど、許されることではありません!」
アルタイル「いいから逃げろ!これは命令だ!」
ジュピター「ゴタゴタとうるさい。ヴィネス、我が準備を終えるまで、奴らを足止めしとけ」
ヴィネス「分かったわ」
......
......
......
逃げられない。ジュピターだけでも大変だと言うのに、太陽系のもう1人が俺達の退路を塞いでいる。
ポルックス「お兄ちゃん......」
カストル「......大丈夫だ。俺が守る」
ヴィネスの攻撃程度なら、俺1人で凌ぐことは出来る。
カストル「全員逃げろ!俺がヴィネスを押さえる!」
アルレシャ「で、でもそれじゃあんたが......」
ヴィネス「ごちゃごちゃうるさいのよ!このアバズレ共が!」
ハート型の魔法具を使って攻撃してくるのがヴィネス。
俺の体が、後ろへと押されるが、この程度なら大丈夫だ。
カストル「早く逃げろ!」
アルレシャ「......あんたの妹は、あたしが守ってやるから!」
アンタレス、アルレシャは、ポルックスの手を引いて立ち去って行く。
アルタイル「お前......」
カストル「......隊長を残して逃げるなど、部下として有るまじき行いです。地獄の果までお供しますよ」
アルタイル「逃げろと言ったのに......」
ヴィネス「無視すんじゃないわよ!」
カストル「っ......!隊長!」
アルタイル「うむ。ジュピター、お前には先に進ません」
ジュピター「ほう。相討ちを狙うつもりか」
アルタイル「お前を倒す唯一の方法。それが、これだ」
ジュピター「む、我と同じ魔法......」
全てを破壊する奥義、魔道収束法・エンドカラー。
巻き込まれることになるが、ここでヴィネスと共に、相討ちになる空間に入れば、俺諸共、敵2名を確実に殺すことが出来る。
チャンスは1度きり。ここで奴らを討つ。
ジュピター「魔道収束法・エンドカラー」
アルタイル「魔道収束法・エンドカラー」
2つの衝撃波がぶつかり合う空間に、俺はヴィネスを押し込んで入り込む。
カストル「終わりだ!ヴィネス!」
ヴィネス「なっ......やめろ!まだ私は......」
それ以上の言葉は聞こえてこなかった。そして、俺の視界も消えていった......
......
......
......
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
アンタレス「報告致します!我ら第2部隊は、ヴィネス、ジュピターと遭遇。アルタイル隊長と、カストルによって、相討ちの形へと持っていくことが出来ました」
ミルキーウェイ「相討ち......」
アルタイルともあろう者が、相討ちか......
そして、カストルも攻撃に巻き込まれてしまったか。ただ1人の妹を残して逝ってしまうなど、ふざけておる。
ミルキーウェイ「それで、ジュピターとヴィネスは死んだのか」
アンタレス「ハッキリとは分かりませんが、魔道収束法同士のぶつかり合いにより、両者ともに消滅したと考えられます」
ミルキーウェイ「そうか......」
2人が命を懸けてまで行った事は、妾達に勝機をもたらしてくれたらしい。
ジュピターを殺してしまえば、回すべきところに手を回すことが出来る。
ミルキーウェイ「アルタイルとカストルの死を無駄にするな。お前ら第2部隊は、アース、マースと交戦中の第3部隊のサポートに回れ」
アンタレス「了解!」
幸いにも、3人が生き残っている。
太陽系八人衆......プルトがまだこちらに顔を出しに来ないが、まだ敵本部で探りを忍ばせているのだろうか?
ミルキーウェイ「......さて、そろそろ妾も出ねばな」
東にはイデアルとベガの欠けた第1部隊。北には第3部隊。そして、南には守りを置いていない。敵が総攻撃を仕掛けてくるとすれば、この場所。それが分かっているのならば、妾はそこで待ち伏せをするまで。
ミルキーウェイ「......っ」
妾が拳を震わせるとは、いつぶりだろうか。
犠牲は覚悟の上。そうだったはずなのに、身近な人物が死ぬと、自然と怒りが湧いてくる。
ミルキーウェイ「全員、叩きのめしてやる」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ほう。ジュピターとヴィネスが死にましたか。
まあ、これくらいは想定の範囲内ですよね?
犠牲を覚悟の上で戦わないと、私を表に出すことは出来ませんよ?
......ほう、イデアルが意識不明ですか。そして、犯人は......なるほど。
私がここに閉じ込められてから数年、表は面白くなってきたようですね。
では、私もそろそろ外に出る準備をしておきますか。
これは、戦争。人が1人死んだくらいで涙を流してはいけませんよ、ミルキーウェイ。
日常で1人殺せば犯罪者。しかし、戦争では殺せば殺すほど英雄になれる。それを、あなたは理解していると思ったんですがね。まあいいです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
アースとマース。
第2部隊が、ギリギリのところで撤退するしかなかった相手。
だが、俺達第3部隊があいつら程の実力だとは思わないでほしい。
デネブ「最初に言っておく。俺は、かーなーり、強ーー」
アース「水神の魂動」
デネブ「なぬ!?」
マーニ「何やってんですか隊長!」
決め台詞を言っている合間に攻撃するとは......
なんとも卑劣。そして、下劣。
ソール「隊長!戦場で決め台詞を掛けるなって、何回も言ったじゃないですか!」
デネブ「むぅ......。決め台詞を妨害するとは、なんとも下劣なる相手」
マース「何言ってんだこのオッサン」
アース「気にするな、マース。戦争を舐めてる奴には、粛清を喰らわすまで。行くぞ」
デネブ「卑劣なる上に、2対1を申すか!」
アルキオネ「隊長!俺達がいます!」
マースとアース。相手にとって不足はなし!
デネブ「聖拳!」
マース「っ......な、なんだいこの一撃は」
我が怒りの拳。これには、ありとあらゆる物を聖に変え、心を浄化する作用がある。
デネブ「お前ら!この戦争に意味があると思っているのか!」
マース「は、はぁ!?何言ってんだこのオッサン......」
アース「気にするでない。大地の怒り!」
デネブ「貴様が怒りを露わにするでない!怒りの鉄槌!」
アースという男の真上に飛び、聖拳を振り落とす。
マーニ「隊長!落ち着いてください!」
デネブ「むぅぅ!」
アース「ふんっ......!」
なるほど。我が怒りをその腕で抑えるか。
ソール「隊長!ちょっと引いてください!」
デネブ「なぬ!?」
ソールの奴、我が足を引っ掛けて後ろに転かしたか......
デネブ「何をする!?」
ソール「隊長!前に出すぎです!このままじゃ死にますよ!」
デネブ「む......!」
ちと、先走りすぎたか......
だが、これしきで倒れる我ではない。
アース「つまらん奴らだ。マース、行くぞ」
マース「あれでやるんだね?」
デネブ「お前ら下がれ」
アルキオネ「だから、隊長の方が下がってとーー」
デネブ「いいから下がれ!」
マーニ「た、隊長......?」
奴ら、魔道収束法で終わらせようとしてるな。
ならば、その対策を唯一知っている我が止めねばならぬ。
ただ、それをするにはこいつらは邪魔だ。
デネブ「下がってろ。こいつの相手は、我だ」
ソール「......分かりました。無茶しないでください」
分かってるのか分かってないのか。
ほんの数メートルしか離れてないな。まあいい。
アース&マース「魔道収束法・ラグナロク」
神の怒槌。この技で、何度俺の目の前で人が死んでいったことであろう。だが、何人もの犠牲を見てきた俺は、この魔法の対処法、そして、敵に反射する方法を編み出した。
使えるかどうかだと?そんなもん知らん!
デネブ「魔導反射法・ライナロック!」
アース「なっ......!」
ふっ......これが、数々の死んでいった者達の怨みだ。
神の怒槌と言うくらいだから、威力はとてつもない。だが、それを倍返しされればどうなるだろうか?
俺は、自らを鍛えるよりも、こうして敵の攻撃を利用した方が早いと考えた。
マーニ「た、隊長......」
デネブ「しまったな。反射するものがデカければデカい程、俺への負担が大きくなるか。誰でもいい。アースとマースはどうなった?」
アルキオネ「......2人とも、ぐったりと倒れております。息はあるようですが、ピクリとも動きません。一応、俺達の魔法で縛り付けております」
そうか......あれ程の魔法を喰らって、死ぬ事がないとは......
不死身だな。
恐ろしい敵だ全く。嫌になるな。決め台詞も言わせてくれないし......
デネブ「総隊長に報告だ!アースとマースは捕虜にしたぞ、と」
マーニ「捕虜で良いんですか?」
デネブ「奴らは殺せん。逃げ出せれんように、魔術不滅器具も着けておけ!」
マーニ「了解」
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
[完結]7回も人生やってたら無双になるって
紅月
恋愛
「またですか」
アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。
驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。
だけど今回は違う。
強力な仲間が居る。
アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
2度死んだ王子は今度こそ生き残りたい
緑緑緑
ファンタジー
王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。
――自分は民を理解しているつもりだった。
だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。
その痛烈な自覚から、物語は動き始める。
革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。
彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。
そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる