グランストリアMaledictio

ミナセ ヒカリ

文字の大きさ
367 / 434
《Parallelstory》IIIStorys 【偽りの夢物語】

第12章19 【黒薔薇の最期】

しおりを挟む
アルト「僕は願ったんだ!」

 巨大化して早々、大きな翼による羽ばたきで強風が発生する。それも、魔法の力が上乗せされて見た目以上に立っているのが辛くなる。

アルト「君達を幸せにする。そして、この世界を救いのあるものにする!」

 今度はブレス攻撃が空から降り掛かってきたが、それはクロムの剣が跳ね返してくれた。

クロム「一応は邪龍を封印するための剣だ。あれの攻撃は俺に任せろ」

「無理すんなよ」

 クロムが1人前に立ち、黄金の炎を全身に纏ってアルトと対峙する。

クロム「お前が本気だと言うのであれば、俺も本気でお前の本気を受け止めてやる!来い!」

アルト「いいよ。ここからが本番だと言ったのは僕だ。後悔させてあげるよ」

 アルトが高く高くに飛び上がる。そして勢いを付けて真っ逆さまに降ってくる。

「お、おい!流石に1人じゃーー」

エレノア「1人じゃありません!」

 自分達の何百倍もある図体を、クロムとエレノアが2人がかりで押さえた。

エレノア「私はあなたに救われました。でも!それは本当の意味で救われたわけじゃないんです!諦めるのはあなたです!アルト!」

 剣が7色に光り輝き、その輝きがアルトの纏う黒い霧を打ち払う!

エレノア「虹・七色の決意!」

 そして、クロムの炎と交わり、エレノアの強い輝きがアルトを打ち返した!

アルト「っ……中々やるね。君だって一度は僕の世界に共感してくれたのに」

エレノア「ええ。共感しました。でも、間違いに気付くのは人間がすることです!私はあなたの世界を間違いだとは思いません。でも、私にとってのあなたの世界は間違いなんです!」

アルト「……」

エレノア「全部忘れていられた方が幸せかもしれません。でも、過去を蔑ろにした幸せなんて、私が望む幸せじゃないんです!」

 そう叫ぶと、エレノアはチラとネイの方を見た。

ネイ「ヴァル。私も彼女に習って全力を出します。あの邪龍を倒すためにはヴァルの炎しかありません。私達で隙を作るので、後は任せましたよ」

 そう言って、ネイがエレノアの横に並んだ。

エレノア「私の幸せは、私が決めます!」

ネイ「そういうことじゃ、アルト。お主の世界は妾達にはちと早すぎたようじゃな」

アルト「ネイ君……。君だって、ヴァル君といられる世界を望むはずだろう!?なぜ反発するんだ!」

ネイ「それはのう、アルト。妾は他人を手のひらの上で転がすことは好きじゃが、自分が転がされることは嫌いじゃからじゃよ」

 ……やっぱ性格悪いな、こいつ。

ネイ「だから、私も自分の生は私で決めます。ーー月下の花畑に1人の旅人がいた。旅人は己の存在を探し、1人剣を振るっていた。だが、どれだけ己の強さを誇示しようと、旅人は己の存在を見つけられないでいた。月日は流れ、やがて旅人は知ることとなる。月下の花畑に咲く一輪の黒い薔薇。それは、旅人と同じであった。己の美しさを知らしめようと健気に咲く黒薔薇。しかし、その存在は誰にも気づかれることがない。哀れだ。しかし、それでも強く咲き続ける花を見て旅人は思った。己の存在とは、見つけるものではなく、作るものであると。旅人は剣を振るうことをやめ、黒い薔薇を愛で始めた。たった1人でも、その存在に気づいてやれる者がいるのなら、それが幸せなことではないのかと。その甲斐あってか、やがて黒い薔薇は美しさをただ旅人にだけ捧げるものとし、1つの剣になって旅人の鞘に収まることになる」

 世界が塗り替えられる。宇宙のような景色だった空間が一転、白い花々に包まれた優しい、けど孤独な空間に変わる。

ネイ「精神世界:月下の花畑に咲く一輪の黒薔薇クイーン・オブ・ザ・アビスローズ

 ネイの髪が真っ黒に染まった。あいつの世界が拡がったのか……。

ネイ「アルト。ようこそ私の世界へ。そして、チェックメイトです」

 ネイは自らの足元に咲く黒薔薇を引き抜くと、それを刀のような形に変えた。

ネイ「皆さん。私があれを地上に落とします。そうしたら、ヴァルの攻撃が核を貫けるよう調整してあげてください!」

エレノア「任せてください!」

クロム「ああ、任せろ!」

ミューエ「今度こそ終わりにするのね」

セリカ「承知」
ゼイラ「了解」

シアラ「まっかせてくださーい!」

エフィ「はい!私も頑張ります!」

ミラ「なんだか燃えてくるわね!こういうの!」

アルテミス「頑張って!ネイ!」

 皆の声援を受け、ネイが翼を大きく広げて飛び立つ。

ネイ「エターナル・アビス!」

 ーーそして、ネイが一瞬にしてアルトの胴を2つに斬り、地上に素早く降りる。

アルト「なっ……!」

ミューエ「今よ!みんな!」

 そこに続いてみんながアルトに懇親の一撃を畳み込み、凄まじい音を立ててアルトが落下した。

「核……あれか……!」

 その落下の際に、俺はアルトの胸部分に赤く光るものを見つけた。きっとあれが核なのだろう。

 あれを壊せば終わり。それが分かった途端に足が動かなくなる。本当に終わる。この世界が……ネイの命が……

ネイ「ヴァル、好きです」

 しかし、動けなくなった俺の背をすぐさまネイが押し、俺はその勢いで前に踏み出した。ーーもう、後戻りは出来なくなった……。

「……俺も好きだったぜ!ネイ!」

 距離を詰め、右腕を振り上げてこの手が燃え尽きてしまうほどの炎を灯す!

「滅龍奥義!夢の終わりラスト・ドリーム!」

 この世界を俺の世界に変え、炎を熱くなるだけ熱くし、この拳で全てを終わらせた。

 ……

 ……

 ……

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「おわっと……!」

 唐突に景色が切り替わり、辺り一面が本当に宇宙みたいな空間にやって来た。一応さっきまで戦ってた場所は地上から遥か上空ってだけで、別に宇宙で戦ってたわけじゃないんだが、こっちはガチで宇宙みたいな空間だ。

「なんだってこんなとこに……」

 アルトの核をぶん殴ったらその勢いそのままにこっちに来たみたいな感じか。ってことは……?

アルト「やっぱり僕を倒すのは君だったようだね」

「アルト……」

 背後からあいつの声が聞こえ、振り向いた先にはやつれた格好のアルトがいた。

「まだやるってのか」

アルト「いや。僕の負けだよ。君達の覚悟の方が強かった。これ以上戦っても、多分僕には君達を越えられない」

「……」

 やけにあっさりと負けを認めるんだな。あんなデカブツの龍、多分あれでもまだ本気を出してなかったと思う。もっと力があるはずなのに、なんで俺達に勝ちを譲るようなことをしたのだろうか。

「なあアルト。お前、手ぇ抜いてただろ」

アルト「抜いてるつもりはなかったんだけどね。でも、やっぱり君達を殺しちゃうんじゃないかって怖くなっちゃってね。無意識だよ」

「無意識……」

アルト「そう、無意識だ」

 まあ、一応理由にはなる……のか?

「……なあ、負けたついでに答えてもらいたいんだが」

アルト「なんだい?」

「何個かあるぞ。まずここなんだ?」

アルト「ここか……。ここは世界の核だよ。全てが始まり、全てが終わる場所。運命の集束点とでも言うべき場所かな?」

 何言ってんだこいつ。

アルト「要は、君の世界の中心であり、僕の世界の中心でもある。みんなにとって、中心になる場所なんだ」

「イマイチ分かんねぇな」

アルト「もっと簡単に言うと、ここさえ押さえれば世界を自由に改変できるってとこかな。君が持ってる夢の世界の力なら、それが可能なんだ。なんせ、想像力次第で何でも出来ちゃう世界だったからね」

「それをお前は利用してくれたと」

アルト「悪かったよ。そんなに怒らないでくれ」

「お前がこんなことしなけりゃ、俺は余計に悲しまずに済んだんだぞ」

アルト「それはどうかな?」

「ああ?」

アルト「確かに悲しみが増えることはないかもしれない。でも、そのままだったら今の君は存在してないんじゃないかな?」

「立ち直らせたとでも言いてぇのかよ。クソっ」

 事実立ち直ってしまったわけだし、こいつがやったことはあながち間違いではない。ただ、どうしても腑に落ちねぇというか、納得出来ねぇんだ。

アルト「……君は元の世界に帰ることを選んだ。後戻りする道はもう消えてしまった。そのことに後悔するかい?」

「正直言うとむっちゃ後悔してる。やっぱりな、どんだけ言葉をかけられたところで嫌なもんは嫌だし、納得出来ねぇもんは納得出来ねぇんだよ。でも、それでも無理矢理進むしかねぇ。止まってるだけじゃ何も変わらねぇからな」

アルト「……そうか。強いな、君は」

 ……全然、強かねぇよ。

「なあ、アルト」

アルト「なんだい?」

「お前はこの世界を救いのある世界にするとか言ってたな?」

アルト「言ったね」

「お前は誰のためにそんなことをしてるんだ?お前の言い方だと、自分のためってところはどこにもない。誰かのためだけにしかやってないと思うんだ」

アルト「……」

「黙るなよ。そして誤魔化すな。お前は負けたんだからな」

アルト「……君は怒るだろう。もしくは嘆くだろう」

「俺が怒る相手って誰なんだ?」

アルト「……後悔を重ねさせてしまうかもしれない。でも、それでも聞きたいというのなら、教えてあげよう」

「……ゴタゴタ言ってねぇで早く教えろ」

アルト「……」

 アルトはそっと一息つき、俺の耳元にまで口を近づけて話した。

アルト「確か、こっちの世界じゃこう名乗ってたはずだよ」

「……?」

アルト「ヒカリ・スターフィリア。僕が救いたいのは彼女だ」

「………………」

 は?ヒカリ?

アルト「詳しく話すには、この世界の時間はもう長くなさそうだ」

「……おい、アルト」

アルト「ただ、1つだけ言っておこう」

 世界の景色が崩れ落ちる中、アルトが最後に怖い顔をして言った。

アルト「君は、大事なものを2人も手放すことになったんだ。それだけは知っておいてほしい」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「……」

 景色は切り替わってさっきまでの夜景が綺麗な景色。

「……ヒカリ?」

 アルトが救いたい相手はヒカリ。どういう意味なんだ?

クロム「大丈夫か!?ヴァル」

 ーーと、呆然としていると、後ろからどつくような強さで叩いて来た奴がいた。

クロム「急に固まるからビックリしたぞ」

「……ああ、悪かった」

クロム「……?どうかしたか?」

 ……そういや、確かヒカリはクロムと積極的な関わりがあったはずだが、言うべきなんだろうか?……いや、今はやめておくか。

「アルト……。あの龍はどうなった?」

ミューエ「消滅したわ。中にいるはずの人間諸共ね」

「そう……か」

 ……帰ったってことなのか?あいつが元いた世界に。いや、それは有り得ねぇ。この世界と他の世界との繋がりは完全に絶たれてるはずなんだから。

「……まあ、いいか。よし、帰ろうぜ。俺達の現実に」

 よく分からないながらも、俺達は全てが終わったと帰路に着こうとした。だが、そんな中で1人だけ後ろの方で倒れた奴がいた。

「……っ!ネイ!」

 音だけですぐに分かった。

 見れば、ネイの体が消えかかっている。色が段々と抜け落ち、それと並行してこの世界の景色も色を徐々に落としていた。

セリカ「ネイりん!?」

 倒れたネイをすぐさま介抱し、顔が見えるよう腕に抱き抱えた。

ネイ「……どうやら、ここまでみたいてす」

 消え……る……。ネイが……消える……。

アルテミス「ちょ、ちょっとどういうこと!?」

エフィ「ネイさん!まさか……!」

ネイ「……」

 みんなが何となく察したような表情になり、ネイは黙ってみんなの顔を見た後に頷いた。

ネイ「1人1人とお別れの挨拶が出来るほどに時間はありません。だから、手短に……」

「……っ」

 クソっ……。分かってたはずなのに、涙が止まらねぇ……。泣くのはあれを最後にするはずだったのに……っ!クソっ!クソっ!

ネイ「ヴァル。そんなに泣かないでください」

「うるせぇ。うるせぇ!分かってても……っ!仕方ねぇだろ……!」

ネイ「私だって……っ。泣きたいのを……っ!必死に……抑えてる……のに……!」

 ネイも大粒の涙を流しながら俺の涙を左手で拭ってきた。

ネイ「楽しかったです……。幸せ……でしたっ……!ヴァルと……みんなと……っ、会えて……。ありがと……う……ござい……ました……!」

 最後に、ネイが俺の口に顔を近付けて、軽めのキスをしてきた。これで3回目か。クソっ……!

ネイ「幸せになってください……!私がいなくても、……ヴァルは幸せになってください……!それが、最後の……私の、願いです……」

 色が完全に抜け落ち、そこにいたはずのものが無くなる。俺は大粒の涙を零し、ひたすらにあいつの名前を叫んだ。会いたくてももう会えない。会うことの出来ない未来を選んだのは俺自身だ。それでもーー

「やっぱ……辛ぇだろって……!」

 涙を流さないなんて無理だし、幸せになれなんて以ての外だろ……。俺は、これからどうすりゃいいんだよ。お前のいない世界で、俺はどうすりゃいいんだよ!

(好きです。大好きです)

 ーー黒い花弁が舞う。さっきまでネイを抱いていた俺の腕の中には、真っ黒に染まった黒薔薇の刀があった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

お爺様の贈り物

豆狸
ファンタジー
お爺様、素晴らしい贈り物を本当にありがとうございました。

[完結]7回も人生やってたら無双になるって

紅月
恋愛
「またですか」 アリッサは望まないのに7回目の人生の巻き戻りにため息を吐いた。 驚く事に今までの人生で身に付けた技術、知識はそのままだから有能だけど、いつ巻き戻るか分からないから結婚とかはすっかり諦めていた。 だけど今回は違う。 強力な仲間が居る。 アリッサは今度こそ自分の人生をまっとうしようと前を向く事にした。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜

深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。 処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。 なぜなら彼女は―― 前世で“トップインフルエンサー”だったから。 処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。 空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。 タイトルは―― 『断罪なう』。 王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。 すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、 国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。 そして宣言される、前代未聞のルール。 支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。 処刑台は舞台へ。 断罪はエンタメへ。 悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。 これは、 処刑されるはずだった悪役令嬢が、 “ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。 支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、 それとも――自由か。

2度死んだ王子は今度こそ生き残りたい

緑緑緑
ファンタジー
王太子ロイは、かつて二度の革命によって祖国を崩壊させてしまった過去を持つ。命を落とすたび、彼はある時点へと巻き戻される。そして今、三度目の人生が静かに幕を開けようとしていた。 ――自分は民を理解しているつもりだった。 だが実際には、その表面しか見えていなかったのだ。 その痛烈な自覚から、物語は動き始める。 革命を回避するために必要なのは、制度でも権力でもない。「人を知る」ことこそが鍵だと、ロイは気付く。 彼はエコール学園での生活を通じ、身分も立場も異なる様々な人間と深く関わっていく。 そこで出会う一人ひとりの想いと現実が、やがて国の未来を大きく左右していくことになるとは、この時のロイはまだ知らない。

処理中です...