魔法学院の階級外魔術師

浅葱 繚

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第2章 ギルド体験週間編―初日

ギルド体験週間初日④ ブレイドアーツ(魔法剣術ギルド)

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「まずはどこから見て回ろっかー?」
サラ達と別れた、ルーシッド、ルビア、フェリカの3人は、『ディナカレア魔法学院スクールギルドリスト』と書かれたパンフレットを見ながら話していた。

サラ達はそれぞれのギルドに向かい、新入生歓迎の準備をすると言っていた。フランチェスカは、今日は巡回の当番だから、明日にでも風紀ギルドサーヴェイラのギルドホームに顔を出してください、と話していた。風紀ギルドサーヴェイラ魔法剣術ギルドブレイドアーツを掛け持ちしているライカは、今日は巡回当番ではないので、魔法剣術ギルドブレイドアーツの方にいるとのこと。

「まぁ、1週間あるわけだし、順番に回ってけばいいよね~」
フェリカは楽しそうにパンフレットを眺めていた。
「どうしたの?ルビィ、浮かない顔しているね?」
先輩たちと別れてから口数が少なく、少し暗い表情をしていたルビアを心配してルーシッドが話しかける。
「え、あっ、ううん…大丈夫よ」
「ルビィ、具合悪い?今日は休む?」
フェリカも心配してそう尋ねる。
「ううん、大丈夫よ…さ、どこから回ろうか?」
「ルビィ、隠し事は無しだよ。さっきの純色の魔法使いのことでしょ?」
「……はは…ルーシィに隠し事はできないか」
ルビアは観念したように笑った。

「さっきの魔力の色を継承するって話、あれ、純色に限ったことじゃないんだよね。スカーレット家も代々緋色を受け継いできてるの。だから、結婚相手は自由に選べないんだよね。まぁそういうのって特異な魔力を持つ家系にはよくあることだから、仕方のないことってあきらめてたけどさ」

「ルビィ…」

「だから無色の魔力を持つ人を欲しがる気持ちわかっちゃった…ルーシィが男なら良かったのに、なんて思っちゃった…ごめんね…ルーシィが無色の魔力のことで、今までどんな苦労やつらさを経験してきたのかも考えずに、ただ子孫を残すためだけの存在みたいな考え方を一瞬でもしてしまった…そんな自分にものすごい嫌悪感を感じて…最悪だよ、あたし…ホントごめん…許してルーシィ…」

「んー……

よし、じゃあ子供作ろう」
ルーシッドはしばらく考えてから、真顔で手をポンと叩きながらそう言った。

「ぶっ…ちょっ、ルーシィ、な、ななっ、何言ってるの!?」
ルビアは赤面した顔を隠す。
「ルビィとだったらいいよ?私」
「うぇっ、い、いぃ、いいわけないでしょっ!?」
「そそ、そうだよっ!それに、女の子同士じゃ、子供はできないんだよっ!?」
フェリカも顔を赤くして、あたふたする。
「大丈夫、魔法薬に『性別を変化させる薬』ってのがあるの、私作り方知ってる」
「えぅぁ…あぅ、あぅぅ…」
ついに思考がパンクしたのか、ルビアは口をぱくぱくさせた。


「冗談だよ」

「……へっ…?」
全く顔色を変えずにそう言うルーシッド。ルビアとフェリカは思わずきょとんとしてしまった。
「ルビィが変なこと言うから、場を和ませようと思って」

「あっ、あぁ、あんたが言うと冗談に聞こえないのよぉおぉッ!!!」

「ははっ、あははっ、ルーシィも冗談言うんだね~」
ルーシッドと言うよりは、ルーシッドに対して突っ込むルビアが可笑しくて、フェリカは笑っていた。
「私、結構お茶目だよ?」
「どこがよっ!?」
「あははっ」

「まぁ、でもやっぱりルビィは優しいよ、そうやって私のこと考えてくれるんだから」
「でも…」
「それに、私が男だったら、って思ったってことは、私とだったら結婚してもいいってことでしょ?何かプロポーズみたいでそれはそれで嬉しいかな」
「うん…えっ、いやっ、そういう意味じゃっ!」
「え?違うの?じゃあ、あたしのこと嫌いなの?」
「そ、そういう聞き方はずるいわぁ…」
「ちょっと待って!ルーシィが男だったら私も結婚したいんですけど!?あ、でもルビィが男でも結婚したい…いや、待って?むしろ女のままでもそれはそれで…」
「リカ…あんたちょっと黙ってなさい…ややこしくなるから…」
ルビアはため息をついた。


「でも、魔力の色の遺伝については私も色々調べたり研究したりしてるけど、よくわからないところも多いんだよね」
ルビアが少し落ち着きを取り戻したところでルーシッドは話し始めた。
「へぇ、例えば?」
「子供の魔力の色は両親の魔力の色によって決まる。これはまぁ一般的に知られてることだし、事実ではあるんだけど、でも100パーセントそうなるってわけじゃないんだよね」
「あぁ、ルーシィとかサリー先輩とかみたいに?」
「まぁもちろん私たちもそうだけど、現在確認されている混色の魔力で、最も多い基本属性値って、サリーを除けば3なんだよね」
「あれ、そうなんだ?知らなかった。でも、変じゃない?基本属性って6もあるのに、何で4とか5とかないんだろ?」

実はこれは意外に知られていない事実である。4以上の混色の魔法使いは今現在確認されていない。これが現状たまたまそうなっているのか、今後4色の混合色が誕生するのかどうかについては、賢人たちの間でも意見がはっきりとしていない点であった。

「うーん…理由はわからないけど、多分4色以上は混ざらないんじゃないかなぁ?だから、別々の2色の混色の魔法使いから生まれる子供の魔力の色は、4色の中の3色、もしくは2色が混ざった色になるんだよ。どれになるかは、多分純度が関係しているんだと思う。だから、オレンジ系統でもルビィのスカーレットみたいに赤の純度が高いと、相手の純度によっては黄色が受け継がれないんだと思う」
「へぇ~、そうなんだ、そんなの全然知らなかった」
「私もよ。でもこれでひとつ謎が解けたわ。何で何千年もの歴史の中で色がぐちゃぐちゃにならなかったのかずっと不思議だったのよ」
「うん、でも一度混ざった色は元には戻せない、混色から純色を作ることはできない。だから純色を残したいという気持ちもわからなくもないかな」
「そうかしら?私はそうは思わないわ」
ルーシッドに対してルビアはきっぱりとそう言った。
「伝承によれば、最初に作られたのが純色6色だと言われているけど、もし、その伝承が本当だとすれば、魔法使いの始祖は、魔力の色が混色になることを望んでいたんじゃないかしら?じゃなければこんな魔力の継承の仕方にはしなかったと思うわ。この世に生を受けた段階でランダムに一色決まるような形にすれば良かったはずよ。そうじゃなく親の双方の魔力を受け継ぐようにしたのは、混色にして魔法使いの多様性を持たせるためじゃないかしら。混色があるからこそ、混合魔法という新しい発想も生まれたわけだし。だから、純色を残そうとか、純色が正当な血統だから偉いとかっていう考えは、魔法使いの始祖の考えとは違う気がするわ」
「なるほど、確かにそうだね、そういう風に考えたことはなかったな。今まで基本一人で勉強してきたけど、友達と勉強すると新たな発見があるね」


「じゃあ、改めてどこから回ろうか?」
「ライカ先輩の魔法剣術ギルドブレイドアーツが見てみたいんだけど、いいかしら?近接戦闘の参考になるから、魔法剣術ギルドブレイドアーツは興味があるわ」
「うぇ~、ルビィってば、あれ以上強くなってどうすんの?」
入学試験の時の戦闘を思い出してフェリカは驚いてそう尋ねた。
「私なんてまだまだよ。それにこの3人でパーティーを組むってなった場合、自分がどのポジションになるかわからないから、色々試しておきたいのよ」
「そうだね。あれ、そういえば、私フェリカの魔力の色って聞いてなかったな。ルーン魔法が使えるのはわかったけど、普通の魔法は何が使えるの?」
「あー、うん、その話はまた後で、ほら、魔法剣術ギルドブレイドアーツに着いたよ?」
何となくお茶を濁されたように感じたが、ルーシッドはあまり気にすることはなかった。もしかしたら、自分と同じで少し特殊な魔力なのかも知れない。

魔法剣術ギルドブレイドアーツのギルドホームにはすでに多くの新入生が来ていた。ディナカレア魔法学院の魔法剣術ギルドブレイドアーツは、他校とのギルド対抗戦でも優秀な成績を収めているギルドであり、優秀な魔法剣士や魔法騎士団員を何人も輩出しているため、かなり人気が高いギルドだった。ちょうど練習場では先輩たちの練習試合が行われているところだった。
「わぁ、すごーい、いっぱいいるね~」
「やぁ、ルーシィにルビィにリカ、よく来てくれたね。ようこそ魔法剣術ギルドブレイドアーツへ」
ちょうどギルドホームに入ったところで3人はライカに呼びかれられた。
「あ、ライカ先輩」
「今は練習試合が行われているよ。もうすぐで希望者には新入生たちにもやってもらうが、どうだい?」
「あ、じゃあ…」

「おや、ライカ君、知り合いかな?」

ルビアが話そうとしたとき、男子生徒が話しかけてきた。
「あぁ、ギルド長、そうだよ」
「どうも、はじめまして。私はこの魔法剣術ギルドブレイドアーツの現ギルド長、フェヒター・アウトリーテだ。ようこそ、歓迎するよ」

ギルド長を名乗った、フェヒターという男子生徒は3人に笑顔で話しかけた。長身で顔立ちも良いので、女子生徒からの人気も高そうだ。

「キミは、確か…ルビア君、だったかな?」
「あ、はい、そうです。新入生のルビア・スカーレットです」
「あぁ、やっぱりそうだ。あの入試の時の『マルミアドワーズ』はなかなかすごかったね。あの時はイミテーション(模造刀)だったが、もちろん本物の顕現もできるんだろう?」
「はい、あの時は殺傷性を抑えるために、模造刀にしましたけど」
「素晴らしいね。ぜひ、うちのギルドに入って欲しいよ。えっと、他の2人は、すまない。顔と名前が一致しない。名前を教えてくれるかな?」

「ルーシッド・リムピッドです」
「フェリカ・シャルトリューです」

ルーシッドと聞いて、フェヒターの目の色がわずかに変わったことに、皆が気づいた。

「ルーシッド…あぁ、そうか、キミか。いや失礼。キミは何というか…その…あれだ、魔法使い…なのかい?」

ぶしつけな質問にルーシッド以外のルビア、フェリカ、ライカの機嫌が明らかに悪くなる。しかし、ルーシッドだけは特に気にする様子もなく答える。

「んー…魔法とは、魔力を使用して妖精を使役する法である、という定義からすれば、私は魔法使いではありませんね。妖精を使役していないので」

「そうか…魔法剣術ギルドブレイドアーツは『魔法を使用した』剣術を鍛えるギルドだ。だとすると、魔法が使えないキミはこのギルドにはふさわしくないのかも知れないね?フェリカ君の方は…」

「わたし、このギルドには入りませーん」
フェリカが明らかにイラついた口調できっぱりと言うので、フェヒターは目を丸くした。

「わたしもお断りします。このギルドから学べることは何も無さそうなので」
ルビアがさらにキツい言い方をするのを見て、ライカはくすくすと笑う。

「あー…そもそも私、剣とか使えないので、元々入る気ないです、すいません」
ルーシッドがそう言うと、ライカは思わず吹き出してしまった。

「いやいや、失礼、ギルド長。ちょっと面白くてね。ふふふっ」
新入生3人にきっぱり断られ、ライカには笑われ、フェヒターは赤面し、体をわなわなとふるわせた。
「ところでギルド長。


友を侮辱されて非常に不愉快だ。私も今日限りでギルドを辞めさせてもらうがよろしいか?」

「なっ…」
「フルミネ・マシロ・ライカはいるか!!」

フェヒターがライカに対して何かを言おうとした時だった。突然、ギルドホームの扉が大きな音を立てて開き、誰かがそう叫んだ。ギルドホームにいる全員が動きを止めて、そちらの方を見る。そこには2人の生徒が立っていた。一人は大柄な男子生徒。先ほどの大きな声は声色からしてこちらの生徒のものだろう。もう一人は細身の女子生徒。腕を組んで、自信ありげに立っていた。

「な、何だキミたちは!私は、ギルド長のフェヒターだ。用があるなら私が聞こう!」
「あなたに用はないわ!フルミネ・マシロ・ライカに合わせて頂戴!」
「なっ…」
乱入者にも素気無く扱われるギルド長フェヒター。何だかだんだん可哀相に思えてくる。

「ライカは私だが。新入生もいるのに、場をわきまえない実に無礼な者たちだな。名は何だ」
「これは失礼したわ。私はゲイリー・グリーン・シュトローム。あなたと同じ『純色の魔法使い』よ」
「純色だからどうした。で、用件は何だ?」
「わ、私たちのギルド、純血ピュアブラッドに勧誘にきたのよ。あなたには純血ピュアブラッドに入る資格があるわ」
ライカの威圧感に負けて少しひるみながらも、その高圧的な態度を崩さずにゲイリーはそう言った。
「断る。こんな礼節をわきまえない輩がいるギルドになど入りたくもない」
「あっ…あなた…純色なのに…」
「純色、純色うるさいな。純色が何だっていうんだ?ただ使える魔力が一色なだけだろ」
「けっ…決闘を申し込むわ!あなたに正式な決闘を申し込みます!」
純色を『ただ一色なだけ』と侮辱されたゲイリーは怒りで顔を真っ赤にし、そう言った。

風紀ギルドサーヴェイラよ!この騒ぎは何事ですか!?」

その時、ギルドホームの入り口の人だかりを見て、巡回中の風紀ギルドサーヴェイラのフランチェスカが入ってきた。
「やぁ、フラニーか。ちょうど良かった。決闘だ。立ち会いを頼む。自分の決闘は自分で立ち会えないというルールだからね」
「ら、ライカ!決闘ですって?一体どういうこと?」
「こいつに決闘を申し込まれた」
「あ、あなたは、純血ピュアブラッドのゲイリーね」
「いかにも。風紀ギルドサーヴェイラ、私はこのライカに決闘を申し込むわ」
「くっ…風紀ギルドサーヴェイラはこれを了承しました。ライカ、この決闘を受けますか?」
「受けて立とう」
「私が勝ったら、純色に対する侮辱を取り消しなさい。そして、純血ピュアブラッドに入りなさい」
「いいだろう。では、私が勝ったら、二度と私のことを純血ピュアブラッドに誘うな、目障りだ」
「双方それでよろしいですか。では、勝利条件の確認を行います。勝利条件は通例にのっとり、相手に負けを認めさせるか、相手が戦闘続行不能と立ち合いの私が判断した場合とします。相手を即死させる攻撃は禁止とします。武器の使用は認めますが、殺傷性の低いもののみとします。双方、他になにかありますか」

「フラニー、『魔法を使用しない』攻撃を許可してもらえないか?」

「まっ、魔法使いの決闘において、魔法を使用しない攻撃ですって…あなた…どこまで私を侮辱すれば気が済むの!?私には魔法を使用するまでもないということ!?」
ライカの発言に対してゲイリーは怒り狂ったように声を荒げた。
それに対して、ライカは冷静にちらりとルーシッドの方を見ながら言った。

「誤解だ。そういうわけではないよ。ただ、魔法だけがこの世に存在する不思議な力の全てではないということさ」

ルーシッドは、その意味はよくわからなかったが、これはきっと魔法が使えない自分に対して言ってくれているのだろうと思った。恐らく、クシダラ国にのみ伝わる魔法以外の何らかの力を使うのだろうと思った。
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