私は悪役令嬢なんだそうです

1章 飯テロ？

怒りの王子

「ランバート王国で即位した女王は何人ですか？名前と共に答えなさい。」
「ユーリシアン・ランバート様とベロニカ・ランバート様のお2人です。」
「正解です。ではベロニカ女王時代に行われた貴族の反乱を何と言いますか？」
「ルメイル橋の乱です。」
「では、その首謀者は？」
「旧リビヨン侯爵です。」
「完璧ですね。」

　本日は妃教育で歴史の授業です。担当はロシェル夫人。歴史は暗記する事が多くて大変です。ちなみにベロニカ女王はひいお祖母様の姉ですので親戚にあたります。

　バタンッ！！！！
と、突然授業を受けていたら部屋の扉が勢いよく開けられました。あまりに大きな音だったため、驚いて肩がビクリと跳ね上がりました。

「おい、スカーレット！！」
　扉の方を見ると、腕を組んたアルフレッド殿下が立っていました。
「アルフレッド殿下。どうされまし…」
「来いっ！！」
殿下は椅子に座る私を無理やり立たせようとします。腕を強引に引っ張るため凄く痛いです。

「第一王子殿下、女性をそんな力で引っ張ってはいけません！」
さすがに夫人が止めようとします。痣などになったら問題ですからね。
「何だ、僕に意見するのか？第一王子の僕に？」
威圧しながら殿下は睨みます。夫人はたじろいでしまっています。これでは権力にものを言わせる独裁者ではありませんか。

「殿下、おやめ下さい。どうされたのですか。」
「しらを切るかこの横取り女が！！」
強く腕を掴んだまま、殿下は私を罵倒します。横取り女って、私は何も取った覚えはないです。

「何の話ですか？と言うか、離してください。痛いです。」
「ふん！話を逸らそうとしても無駄だ！」

　とうとう椅子から立たされ、目線が近くなると殿下は私を打ちそうな風貌です。一体何に怒っているのでしょうか。

「お前！フライドポテトの手柄を横取りしただろ！あれを考えたのは僕だ！」