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独白4
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私はもう涙目だ。あんな考えの足りない子供の頃の言動をこの年で求められるなんて、どんな嫌がらせなのですか……。
大人になれば、思ってても言っちゃいけないことがあると分別がつくのです。言っていいのは、それを背負う覚悟のある者だけです。その覚悟もなしに言うのは、その言葉に責任を持たない者ぐらいです。私はどちらにもなれないです。
「大丈夫だ。今も変わらぬ……いや、それ以上の切れ味だ。今の君は、あの頃以上に素晴らしい女性だ」
団長。それ、全く、褒めてないです。あと、私はなにも喋ってないです。その切れ味とやらも勝手にこの変態が読み取ってるだけで、私は分別はつけています。酷い風評被害を感じます。迷惑すぎる。
「今日も鋭いな……!」
胸を押さえてはぁはぁ言いながら嬉しそうに頬を染める団長は、今日も安定の気持ち悪さだった。
そんな裏事情なんか、心底知りたくなかったと思う。黒歴史なんて引っ張り出してくる物ではないのだ。団長だって、そんな若気の至りをわざわざ話すのも意味がわからない。
「……なんでそれを、わざわざ私に説明するんですか……」
力なく呟いた私に、団長が嬉々として答えた。
「その方が、罵ってもらえそうだろう?」
最低だ。
「……ん゛っ」
硬派な美丈夫が胸を押さえて頬を染めて悶えた。
憧れの団長の硬派を返せ。残念すぎて涙が出そうだ。
どうしようもない変態を横目に無情を噛みしめる。
それにつけても無謀な過去の幻影を求められていることに、なんとも言えないやるせなさがぬぐいきれない。
大人になれば、思っていても口には出せないものだ。私も大人になったため、自分の言葉の責任というものに、実感がつきまとうようになった。
「死んででも言うべき事がある」だなんて、安い考えだ。死ぬ覚悟がその言葉の中にどれだけあるかわかったもんじゃない。本当に死んだら、元も子もないのだ。
もし権力ある者に逆らったとして、暴行を受けて死ぬ、日常生活のできない身体になる……あり得る話だ。そうなると、生きながらえたとして野垂れ死ぬしかなくなる。権力者に逆らった者を、どれだけの人間が助けるというのか。その恐ろしさが想像できるようになった。
なによりだ。軍務に携わるようになって実感していることがある。
彼らは真実「死を覚悟して」戦っている。
そんな彼らを前に、安い覚悟で「死んででも」なんてそんなこと、二度と言えない。
今の私にとってあの頃の自分の言葉は、容易に口にするにはあまりにも重すぎるのだ。
そういう意味では、子供に罵ってもらえば、率直に嫌がってくれるだろうにと、言いかけて、それは子供の教育に良くないと、なんとか耐えた。かわいい少女がこの男に罵ってくれと縋られる様子をイメージしたのが敗因である。大人の始末を、子供になすりつけてはいけない。……じゃあ、やっぱり、私が罵るの……? ……え? もしかして、私が責任とるの……?
キラキラしたイケオジの目が痛い。
……無理!
何この圧倒的な嫌がらせ感。期待されているというのに、とんでもない罰ゲームすぎる。
ほんとに、少女だった私、なんというものを覚醒させたの……。
「そう、だから君が責任を取ってくれないか…?」
そう語る彼は、文句なしにかっこいい。だけど、続けられた言葉は、やはり最低だった。
「……ああ、もう一度……、いや、何度でも、君に、罵られたい……」
鉄壁の女官顔を自負している顔が、ひくりと引きつったのが自分でもわかった。
………………きもちわるい!!!!
「……っ、最高だ!!」
やかましい!!
私の心の叫びに、とろける笑顔でのけぞるイケオジ団長は今日も絶好調だ。
大人になれば、思ってても言っちゃいけないことがあると分別がつくのです。言っていいのは、それを背負う覚悟のある者だけです。その覚悟もなしに言うのは、その言葉に責任を持たない者ぐらいです。私はどちらにもなれないです。
「大丈夫だ。今も変わらぬ……いや、それ以上の切れ味だ。今の君は、あの頃以上に素晴らしい女性だ」
団長。それ、全く、褒めてないです。あと、私はなにも喋ってないです。その切れ味とやらも勝手にこの変態が読み取ってるだけで、私は分別はつけています。酷い風評被害を感じます。迷惑すぎる。
「今日も鋭いな……!」
胸を押さえてはぁはぁ言いながら嬉しそうに頬を染める団長は、今日も安定の気持ち悪さだった。
そんな裏事情なんか、心底知りたくなかったと思う。黒歴史なんて引っ張り出してくる物ではないのだ。団長だって、そんな若気の至りをわざわざ話すのも意味がわからない。
「……なんでそれを、わざわざ私に説明するんですか……」
力なく呟いた私に、団長が嬉々として答えた。
「その方が、罵ってもらえそうだろう?」
最低だ。
「……ん゛っ」
硬派な美丈夫が胸を押さえて頬を染めて悶えた。
憧れの団長の硬派を返せ。残念すぎて涙が出そうだ。
どうしようもない変態を横目に無情を噛みしめる。
それにつけても無謀な過去の幻影を求められていることに、なんとも言えないやるせなさがぬぐいきれない。
大人になれば、思っていても口には出せないものだ。私も大人になったため、自分の言葉の責任というものに、実感がつきまとうようになった。
「死んででも言うべき事がある」だなんて、安い考えだ。死ぬ覚悟がその言葉の中にどれだけあるかわかったもんじゃない。本当に死んだら、元も子もないのだ。
もし権力ある者に逆らったとして、暴行を受けて死ぬ、日常生活のできない身体になる……あり得る話だ。そうなると、生きながらえたとして野垂れ死ぬしかなくなる。権力者に逆らった者を、どれだけの人間が助けるというのか。その恐ろしさが想像できるようになった。
なによりだ。軍務に携わるようになって実感していることがある。
彼らは真実「死を覚悟して」戦っている。
そんな彼らを前に、安い覚悟で「死んででも」なんてそんなこと、二度と言えない。
今の私にとってあの頃の自分の言葉は、容易に口にするにはあまりにも重すぎるのだ。
そういう意味では、子供に罵ってもらえば、率直に嫌がってくれるだろうにと、言いかけて、それは子供の教育に良くないと、なんとか耐えた。かわいい少女がこの男に罵ってくれと縋られる様子をイメージしたのが敗因である。大人の始末を、子供になすりつけてはいけない。……じゃあ、やっぱり、私が罵るの……? ……え? もしかして、私が責任とるの……?
キラキラしたイケオジの目が痛い。
……無理!
何この圧倒的な嫌がらせ感。期待されているというのに、とんでもない罰ゲームすぎる。
ほんとに、少女だった私、なんというものを覚醒させたの……。
「そう、だから君が責任を取ってくれないか…?」
そう語る彼は、文句なしにかっこいい。だけど、続けられた言葉は、やはり最低だった。
「……ああ、もう一度……、いや、何度でも、君に、罵られたい……」
鉄壁の女官顔を自負している顔が、ひくりと引きつったのが自分でもわかった。
………………きもちわるい!!!!
「……っ、最高だ!!」
やかましい!!
私の心の叫びに、とろける笑顔でのけぞるイケオジ団長は今日も絶好調だ。
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