S系攻め様は不憫属性

水瀬かずか

文字の大きさ
59 / 87
【番外編1】:仕事とデートと夜のドライブ

9

しおりを挟む
「バカ、やめろ……!」

 半分尻を出して足を押さえつけられていた課長は、ろくに抵抗も出来ないまま、下半身を隠す衣服を全て、俺になされるがままはぎ取られてしまう。
「こんなところで何を考えて……! 返せ……!」
「いやです」
 奪い取ったズボンを、課長から一番遠い運転席の方に投げ捨てる。
 フラットにしていると言っても、課長の身体はサイドシートの背もたれの部分だ。しかも運転席との間には障害物まである。
 苛立ちながら身を乗り出し、後部シートの方まで課長の身体をずり上げる。
「……がっつきすぎだっ」
 身を起こし、俺を制止しようとする課長の身体を再び押し倒してキスをする。課長がシートに身を倒したことでずんと鈍い衝撃があって、車がまた軽く揺れた。

「んん……うぅっ」
「好きです。課長、好きです」
 俺の気持ちを免罪符に、俺の衝動を押しつける。俺の気持ちをはねつけることが出来ない課長を知っていて、好きですと繰り返す。
 かわいい、許して、受け入れて下さいとキスの合間に囁く。
 課長の身体を移動させて少し動きやすくなったのを良いことに、キスをしながら股間に手を伸ばす。少し柔らかくなったチンポをゆるゆるとしごく。そうして、そこがぴくぴくと反応しながら緩やかに堅くなるのを楽しんで、それから再び穴に指先を添えた。少しだけほぐれた入り口は、くちゅくちゅといたずらに弄ぶ俺の指を震えながら咥えて、誘うようにひくひくとしゃぶる。

「んっ、んっ、うっ、ふっ、しのづかっ、んんっ」
 腰をよじって俺の指を誘う。俺の首に縋りついて、キスを受け入れる。キスの合間に目に映るのは課長のまなじりを伝う涙だ。
 耐えて、感じて、生理的に流れているだけのそれが、俺を煽る。呼吸すら奪うようなキスを何度も繰り返せば、課長からぐったりと力が抜けた。
 下半身を全部脱がされ間抜けに下だけ素肌をさらけ出してるのに、暗い車内で、薄明かりに浮かび上がる肢体は、ひどくなまめかしい。
 男の身体らしい骨張った足だ。筋肉質ながっちりとした足は少し濃いめの体毛すら生えているというのに、俺はそれにすら煽られる。間抜けに立ち上がった股間の卑猥さに興奮し、毛のない内ももにかぶりつきたくなるほどの色気を感じる。その色気に誘われ、するりと内ももを撫でればびくっと脅えるように震える身体に満足し、同時にぴくんと跳ねたチンポをかわいいと思っている。

 思うように整えられない体勢をもどかしく思いながら、横から立ち上がったチンポに再びしゃぶりつく。
「うぁっ、篠塚、それはっ」
 課長が叫んだが聞くつもりはない。
 絶対に口でいかせてやる。ここまで煽られて、我慢出来るか。階段下で、最後まですることを彷彿させる言葉を言ったのはあなただ。そこまでは考えていなかった俺を、あなたが煽ったんだ。
 あの時あなたは、ここで俺に抱かれることは決まってたんだ。

 くちゅくちゅとチンポの先端を舌で弄りながら、片方の手はほぐしかけの尻の穴へと伸ばし、もう片方で乳首を摘まんだ。
「ぐうぅぅぅ……っ」
 悲鳴を押さえた課長が、びくびくっと体を大きく跳ねさせた。
「……しの、づかっ」
 涙に潤んだ目が俺を捉えて首を横に振る。眉間に皺を寄せ、怒りすら感じる表情が俺を煽る。
「ダメです、いくまで離しません」
「あぐぅ……!!」
 半分咥えたまま言い放ち、その後にじゅうっと吸い込みながら喉の奥深くまで竿を飲み込んでゆく。

 二本の指を前立腺あたりまで差し込み、くちゅくちゅと指を蠢かせば、びくびくと震えながら腰が震える。そして口の中のモノは堅さを増し、ドクドクと脈打った。課長の快感と興奮を伝えてくるその感触を楽しみつつ、裏筋をなぞるように舌を動かす。
「……ぐっ」
 震える吐息からうめき声が漏れる。
 指を埋めた内壁は、女のものよりきつい締め付けと弾力、そして遜色ない柔らかさを備えている。その感触を楽しみながらゆるゆると前立腺を刺激し、頭を動かしながら口でチンポをしごく。
「う、ふ、ふっ、ふぐぅっ」
 口に手を当て、必死に漏れる声を殺している。それさえも気にくわなくて、もっと欲しがって欲しいと、刺激を強める。
 おざなりになっている乳首への刺激も追加すれば、課長の腰がガクガクと震えた。

 指を奥へと招き入れているようでありながら、俺の喉の奥を犯そうとしてるかのような動きとも感じられた。
「ダメだ、篠塚、ダメだ、出るから、篠塚、やめろ、あっ、あっ」
 ささやき声のような、けれど切羽詰まった低い声が俺を煽る。内容に反して、身体が俺からの刺激を求めていた。
 もっと気持ちの良い場所を抉ってくれとばかりに内壁が指に絡みつきながら締め付ける。俺の頭の律動に合わせて、喉を抉るように課長の腰が上下に小さく揺れる。
「ぐうぅぅぅぅ……っ、ひっ、あっ、あっ、あっ、そこ、やめ………あ、そこ……!!!!」

 じゅぶじゅぶと頭を揺すりながら、口の中でひときわ大きく猛った瞬間、課長のチンポを喉の奥までくわえ込んだ。喉を絞りながら吸い上げ、合わせて指をうごめかせて前立腺をぬるぬるとすり込むように刺激する。びくびくと震えながら極まる瞬間に乳首をぎゅっと摘まめば、限界まで猛った課長のチンポは崩壊するように、どぷどぷと俺の喉の奥ではじけた。

 弓なりに反り上がる背筋と、晒される喉元、きゅうきゅうと指を締め付けてくる直腸の内壁。
 口の中に放たれる課長の快感の証拠を受け止めながら、ゆるゆると指を抜き差しして刺激する。

「ひぃ……!!!」
 強ばった身体がもう一度びくりと跳ね、俺の喉を突き上げる。それを受け止めながら、ちゅうちゅうと残滓すら残さないように吸い取る。つるりとした先端を吸いながら舐め取れば、課長は「ヒッ」と声をあげて身体を震わせた。
 見た目とは裏腹に快感に弱い姿が、やっぱりたまらなくかわいい。この厳つい身体が、ちょっとした舌の動きで跳ねるのだ。
 口の中に放たれた精液は喉に張り付くようなえぐみを感じながらも、別にすぐさま吐き出したいほど不味いわけでも臭いわけでもない。
 こんな物かと、何となく意外に思いながら、ふにゃりと柔らかさの増したチンポからちゅぽっと唇を離す。

 くふっと鼻を鳴らして、課長の身体が弛緩した。肩を上下させながら荒い息を繰り返す課長を見下ろせば、こちらに視線を向ける目と出会った。
 眉間に皺を寄せたその顔ににこりと笑いかけて、課長の精液を飲み込んでみせる。
 妙な飲み込みづらさはあったが、少し無理すれば嚥下するのはそう大変なことではないし、そう嫌悪するほどのこともない。
 それを見ていた課長が、目をむいた。

「……お前、今、飲み込んだのか?」
 今にも怒鳴りだしそうな低い声に応えるように、べぇっと舌を出してみせる。
「ごちそうさまでした」
「食いもんじゃない……!!」
「生卵と変わんないでしょう」
「絶対に違う。……何考えてんだ、バカが」

 課長が俺をにらんでくる。そしてややあって、うめくように続けた。
「……オレは絶対に飲まないからな」
 なるほど、だから怒っているのか。別に飲ませたいとは思ってなかったのだが。
 ふといたずら心がわいた。
「別に飲まなくていいですよ。ねぇ……課長、キスしませんか?」
「お断りだ」
 後味の残る舌をもう一度べぇっと出してからかえば、課長が顔をしかめて即答した。

 それを見て俺が笑っていると、課長は呆れたように深い溜息と共に両手で顔を覆ってしまった。
 その様子は完全に終わった様相を見せているが、そんなつもりは毛頭ない。
 課長のチンポは出すものを出してくたりと萎れているが、俺はまだだ。
 まだ縮んでいるわけではない課長のチンポに軽く手を添えて、尻の穴に入ったままの指をゆるゆると動かす。

 顔を覆ったまま、課長がびくりと震えた。
 チンポの先端から余韻の残滓が、透明な雫となって割れ目に湛えられている。絞り出すように軽くしごくと涙のようにつぅっと溢れた。それをべろりとなめてから、ちゅっと吸い上げる。
「……っ」
 課長が驚いた顔をして俺を見た。顔から離れた手が、行き場を失ったように、その場で軽く震えていた。
「抱くと、いったでしょう? あなたがあんまりにもかわいくてエロいから、こんなになってるのに……お預けなんて嫌ですから」
 課長の手を取って、滾った俺のチンポを布ごしに触らせた。


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

無自覚両片想いの鈍感アイドルが、ラブラブになるまでの話

タタミ
BL
アイドルグループ・ORCAに属する一原優成はある日、リーダーの藤守高嶺から衝撃的な指摘を受ける。 「優成、お前明樹のこと好きだろ」 高嶺曰く、優成は同じグループの中城明樹に恋をしているらしい。 メンバー全員に指摘されても到底受け入れられない優成だったが、ひょんなことから明樹とキスしたことでドキドキが止まらなくなり──!?

隣人、イケメン俳優につき

タタミ
BL
イラストレーターの清永一太はある日、隣部屋の怒鳴り合いに気付く。清永が隣部屋を訪ねると、そこでは人気俳優の杉崎久遠が男に暴行されていて──?

完結|好きから一番遠いはずだった

七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。 しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。 なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。 …はずだった。

人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない

タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。 対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

処理中です...