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瑠色と寝た男3
志信・25歳*4
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志信さんは、ボクの背中に腕を回した。
強請るような唇の動きにおされて、ボクは思わず唇を開く。
唇の隙間から、志信さんの舌がするりと入り込んできた。
抵抗なんかするつもりはなかったけれど、びっくりして身体がが引いてしまう。
拒んだと思われたのか、背中に回っていた志信さんの手が、少し強引な仕草でボクの頭を引き寄せて、逃げられないようにされた。
拒んでないよ、逃げないよ、と伝えたくても、唇が重なってしまっている状態なので言葉にはならない。
なんというか、当たり前の事なんだけど、志信さんはボクよりずっとうわてだった。
慣れていないボクには、志信さんのキスは情熱的で刺激的過ぎて、あっというまに陥落してしまった。
誘うようにボクの口の中を動き回る志信さんの舌。
「吸って…」
キスの合間にそう囁かれて、ボクは作法も解らないままで夢中になって志信さんの舌を吸った。
「しのぶさん…」
息が続かなくなって、ボクの方からゆっくりと離れた。
甘えて舌っ足らずなボクの言葉は慣れてなさがバレバレで、少し恥ずかしかった。
「キスしただけなのに、ルイくんったらすっかりトロトロになっちゃって…、可愛い」
もう、すっかり力が抜けてしまったみたいになったボクは、志信さんの身体にしがみついた。
「仕方ない…よ…。ボク、キスしたのだって初めてだし…っ。っていうか、志信さんが上手だからこうなっちゃったんだよ」
ふくれたボクを見て、志信さんが笑う。
「そんなことないわ、普通よ」
「ボクにとっては、未知との遭遇だよ…」
ボクは志信さんの濡れた唇にそっと指で触れて、柔らかく拭った。
そのまま、志信さんの方からまた近づいて来てくれて、もう一度唇が重なった。
今度のは、さっきのみたいなのじゃない、軽いキス。
唇を啄むような、外国映画みたいなキスだ。
「んん…」
些細な触れあいに感じてしまうのが恥ずかしい。志信さんの慣れた感じが、ボクの羞恥を更に煽った。
「ねぇ、…そろそろシャワー行きましょう、ルイくん」
促されるままに、ボクはシャワーへ行くべく立ち上がろうとした。
「…っ?!」
恥ずかしいことに、ボクはキスだけで身体が反応してしまった。
二人でシャワーへ行くどころか、いま立ち上がったら間違いなく反応していることがバレてしまう。
もごもごと右往左往するボクの様子に気がついた志信さんは、
「大丈夫?」
と言いつつ、笑っていた。
「だ、…大丈夫だけど…っ、いま凄く恥ずかしいよ…」
「私にそんな風になってくれるって、凄く嬉しいわ。なんか私までドキドキしてきちゃう」
掠め取る様にキスをされつつ反応しかかっている下半身をさらりと撫でられて、ボクは更に恥ずかしい。
手を引かれて、促されるままにシャワーへ向かう。
服を脱いだ志信さんは、引き締まった身体をしていた。
想像では、線の細い華奢な身体だと思っていた。
想像に反して、そこそこ筋肉の付いた志信さんの身体は、ボクをよりいっそうドキドキさせた。
それと同時に、ボクは貧相な自分の身体が恥ずかしくなった。
脱ぎたくない。
愛した人に愛されるために努力を重ねてきた志信さんの眼前に、端から諦めてなんの努力もしていない己の身体を晒すのは、恥ずかしい以外の何物でもない。
「…やっぱり、私じゃだめかしら」
脱ぐことを躊躇していたら、志信さんが苦笑いでそう聞いてきた。
「違うよ!」
思いの外、大きな否定の言葉が飛び出した。志信さんもビックリしている。
「ごめん、違うんだ」
志信さんに近づいて、手を伸ばす。
抱き着こうとしているモーションだと気付いてくれて、志信さんから抱き締めてくれた。
「…私の裸見て、やっぱりダメだって思ったんじゃないの?」
「違うよ。志信さんの身体が…なんていうか…とても整っていたから…」
ふふ、と志信さんが笑って、そんなことないわと言ったから、ボクは重ねて否定した。
「ううん。だって、志信さんの身体はさ、愛される為にしっかり整えられてる身体なのに、ボクのは…なんの努力もしてない素のままだし…」
志信さんに上目使いの視線を送りながら、ためらった理由を続ける。
「志信さんが他の人のために努力して手に入れた身体を、何の苦労もしてないボクが…こんな風に触れたり…して良いのかな…とか」
真面目に、そう思った。だからそれをそのまま伝えた。
そしたら、志信さんが声を立てて笑ったんだ。
驚いてポカンとするボクをさらに抱き締めても、志信さんはまだ笑っていた。
「何でそんなに笑ってるの? ボク、また変なこと言った?」
志信さんは首を振って否定した。そして、やっと笑いが収まったのか、ボクの顔を見て、そしてまたキスをくれた。
「ルイくんって、ほんと純粋っていうか、擦れてないっていうか、可愛いわぁ」
志信さんの手が、ボクの服を脱がしにかかる。
行動と言葉が伴ってなくて戸惑っている間に、ボクはすっかり裸にされてしまっていた。
シャワーを浴びるんだから拒んでも仕方ないのに、何となく下着だけは脱がされることを阻止した。
「私の身体は…もう私だけのモノなの。だからそんな風に気にしなくて良いわよ」
「…うん。なんか、気になっちゃって…。水差してごめんなさい」
志信さんは突然、ニヤッと笑ってボクの頭を掻き回すようになでた。
「わわっ…!」
「もー! ルイくんって、かわいいわぁ! 私の身体を褒めてくれてありがとうね。報われたわ…!」
「そう言ってもらえると、ボクも嬉しいよ。志信さん、ちょっと、もう…わしゃわしゃしないでよ~」
志信さんの手を捕まえて、頭をかき回すのをやめてもらう。
「うふふ。じゃあ、シャワー浴びましょう、ルイくん」
志信さんが先にバスルームへ向かう。
ボクは観念して、パンツを脱いだ。
強請るような唇の動きにおされて、ボクは思わず唇を開く。
唇の隙間から、志信さんの舌がするりと入り込んできた。
抵抗なんかするつもりはなかったけれど、びっくりして身体がが引いてしまう。
拒んだと思われたのか、背中に回っていた志信さんの手が、少し強引な仕草でボクの頭を引き寄せて、逃げられないようにされた。
拒んでないよ、逃げないよ、と伝えたくても、唇が重なってしまっている状態なので言葉にはならない。
なんというか、当たり前の事なんだけど、志信さんはボクよりずっとうわてだった。
慣れていないボクには、志信さんのキスは情熱的で刺激的過ぎて、あっというまに陥落してしまった。
誘うようにボクの口の中を動き回る志信さんの舌。
「吸って…」
キスの合間にそう囁かれて、ボクは作法も解らないままで夢中になって志信さんの舌を吸った。
「しのぶさん…」
息が続かなくなって、ボクの方からゆっくりと離れた。
甘えて舌っ足らずなボクの言葉は慣れてなさがバレバレで、少し恥ずかしかった。
「キスしただけなのに、ルイくんったらすっかりトロトロになっちゃって…、可愛い」
もう、すっかり力が抜けてしまったみたいになったボクは、志信さんの身体にしがみついた。
「仕方ない…よ…。ボク、キスしたのだって初めてだし…っ。っていうか、志信さんが上手だからこうなっちゃったんだよ」
ふくれたボクを見て、志信さんが笑う。
「そんなことないわ、普通よ」
「ボクにとっては、未知との遭遇だよ…」
ボクは志信さんの濡れた唇にそっと指で触れて、柔らかく拭った。
そのまま、志信さんの方からまた近づいて来てくれて、もう一度唇が重なった。
今度のは、さっきのみたいなのじゃない、軽いキス。
唇を啄むような、外国映画みたいなキスだ。
「んん…」
些細な触れあいに感じてしまうのが恥ずかしい。志信さんの慣れた感じが、ボクの羞恥を更に煽った。
「ねぇ、…そろそろシャワー行きましょう、ルイくん」
促されるままに、ボクはシャワーへ行くべく立ち上がろうとした。
「…っ?!」
恥ずかしいことに、ボクはキスだけで身体が反応してしまった。
二人でシャワーへ行くどころか、いま立ち上がったら間違いなく反応していることがバレてしまう。
もごもごと右往左往するボクの様子に気がついた志信さんは、
「大丈夫?」
と言いつつ、笑っていた。
「だ、…大丈夫だけど…っ、いま凄く恥ずかしいよ…」
「私にそんな風になってくれるって、凄く嬉しいわ。なんか私までドキドキしてきちゃう」
掠め取る様にキスをされつつ反応しかかっている下半身をさらりと撫でられて、ボクは更に恥ずかしい。
手を引かれて、促されるままにシャワーへ向かう。
服を脱いだ志信さんは、引き締まった身体をしていた。
想像では、線の細い華奢な身体だと思っていた。
想像に反して、そこそこ筋肉の付いた志信さんの身体は、ボクをよりいっそうドキドキさせた。
それと同時に、ボクは貧相な自分の身体が恥ずかしくなった。
脱ぎたくない。
愛した人に愛されるために努力を重ねてきた志信さんの眼前に、端から諦めてなんの努力もしていない己の身体を晒すのは、恥ずかしい以外の何物でもない。
「…やっぱり、私じゃだめかしら」
脱ぐことを躊躇していたら、志信さんが苦笑いでそう聞いてきた。
「違うよ!」
思いの外、大きな否定の言葉が飛び出した。志信さんもビックリしている。
「ごめん、違うんだ」
志信さんに近づいて、手を伸ばす。
抱き着こうとしているモーションだと気付いてくれて、志信さんから抱き締めてくれた。
「…私の裸見て、やっぱりダメだって思ったんじゃないの?」
「違うよ。志信さんの身体が…なんていうか…とても整っていたから…」
ふふ、と志信さんが笑って、そんなことないわと言ったから、ボクは重ねて否定した。
「ううん。だって、志信さんの身体はさ、愛される為にしっかり整えられてる身体なのに、ボクのは…なんの努力もしてない素のままだし…」
志信さんに上目使いの視線を送りながら、ためらった理由を続ける。
「志信さんが他の人のために努力して手に入れた身体を、何の苦労もしてないボクが…こんな風に触れたり…して良いのかな…とか」
真面目に、そう思った。だからそれをそのまま伝えた。
そしたら、志信さんが声を立てて笑ったんだ。
驚いてポカンとするボクをさらに抱き締めても、志信さんはまだ笑っていた。
「何でそんなに笑ってるの? ボク、また変なこと言った?」
志信さんは首を振って否定した。そして、やっと笑いが収まったのか、ボクの顔を見て、そしてまたキスをくれた。
「ルイくんって、ほんと純粋っていうか、擦れてないっていうか、可愛いわぁ」
志信さんの手が、ボクの服を脱がしにかかる。
行動と言葉が伴ってなくて戸惑っている間に、ボクはすっかり裸にされてしまっていた。
シャワーを浴びるんだから拒んでも仕方ないのに、何となく下着だけは脱がされることを阻止した。
「私の身体は…もう私だけのモノなの。だからそんな風に気にしなくて良いわよ」
「…うん。なんか、気になっちゃって…。水差してごめんなさい」
志信さんは突然、ニヤッと笑ってボクの頭を掻き回すようになでた。
「わわっ…!」
「もー! ルイくんって、かわいいわぁ! 私の身体を褒めてくれてありがとうね。報われたわ…!」
「そう言ってもらえると、ボクも嬉しいよ。志信さん、ちょっと、もう…わしゃわしゃしないでよ~」
志信さんの手を捕まえて、頭をかき回すのをやめてもらう。
「うふふ。じゃあ、シャワー浴びましょう、ルイくん」
志信さんが先にバスルームへ向かう。
ボクは観念して、パンツを脱いだ。
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利用規約、出力した文章の著作権に関しては以下のURLをご参照ください。
■GPT
https://openai.com/policies/terms-of-use
■Claude
https://www.anthropic.com/legal/archive/18e81a24-b05e-4bb5-98cc-f96bb54e558b
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