【完結】片想いを拗らせすぎたボクは君以外なら誰とでも寝るけど絶対に抱かれない

鈴茅ヨウ

文字の大きさ
35 / 60
瑠色と寝た男3

志信・25歳*7

しおりを挟む
 ボトルの中のローションは少し冷たいから、身体に直接出すのは良くないと志信さんが教えてくれた。

 掌で温めたローションを指に絡ませて、志信さんの秘部へと手を伸ばす。

 ごくり、とボクの喉が鳴った。

「…緊張してるの?」

 志信さんの声は穏やかだった。

「うん…。そりゃ、緊張くらいするよ…」

「こんなとこ触らなきゃいけないって、嫌な気持ちにならない?」

「戸惑う気持ちはあるけど、嫌ではないよ。だってこれから…ここでボクと志信さんはつながるんだもん…」

 そっと入り口に指を添える。ローションをまとった指がつるっと中へ入っていく。

「…あ…っ」

 志信さんの声に驚いて指を引っ込める。

「痛かった…?!」

「ううん、平気。私の身体は…慣れてるから、いきなり入れても平気だけど、初めての子にはそんな風にしちゃダメよ…?」

 慣れている、という言葉にボクは少し驚いた。でも、そりゃそうだ。三年も付き合った男が居たのだから、こういう事はしていたんだろう。

「…ゆっくり、する…ね…」

「なじませながら、指を増やしていってあげるの。いきなりは、ダメだからね…」

 掌からローションをすくい、馴染ませるように入り口を撫でた。第一関節位をゆるゆると出し入れすると、ボクの指を締めつける様にきゅうっとそこが収縮した。

 指先が埋まるくらいのところを、何度も何度も、ゆっくりと行ったり来たり繰り返す。

「ルイくん…だめ…、もう…、もっと、奥まで入れて…っ」

焦れてしまったようで、志信さんがそんな風にボクにねだってきた。

「う、うん…」

人差し指を進めていくと、柔らかいものにずるずると引きずり込まれていくような感覚だった。

「わわ…すごい…柔らかい…」

「ん…っ、はずかしいわ…」

「もう一本…入りそう…」

 中指ゆっくりとを入れると、それもすんなりと入った。志信さんが、動かし方を教えてくれる。

 言われたとおりに、内壁を探るように動かした。

「ッ、あ、ン!」

 びくっと志信さんが跳ねた。痛いのとは違うと、さすがにもうわかる。気持ちいい所を探り当てられたんだ。

 志信さんの身体が跳ねたあたりを、ゆっくりと押したり、抉るように掻いたりすると、志信さんの口から引っ切り無しに嬌声が上がった。

「ああん! ンッ、あ、ゃっ、あっ、ンン…!」

 可愛い。

 男の人でも、こんな風に、喘ぐんだ。

 たまらなくて、ボクはなんどもそこばかりを弄った。渇いてこないように、ローションを足す。

 こぼれるくらいにローションが足されたそこは、ボクが指を動かすたびに、ぐじゅぐじゅと濡れた音がする。それも、ボクにとっては強烈な興奮材料だった。

「すごいね…志信さんのここ…とろとろに柔らかくて…指でしてるのにボクも気持ちいい…」

「ン、もう…、恥ずかしい…からっ、そういうこと、言わない…ッ」

 三本目を入れるべきか悩みながら志信さんの方をみると、志信さんとパチッと目が合った。

「…ルイくん…もう挿れたい…?」

 口元が、かすかに笑みを浮かべている。夏休みの田舎でお姉さん以下略、ってかんじだ。

「うん、すっごく…挿れたい…」

 聞いてくるからには、もう大丈夫なんだろう。ボクは、枕元に置いてあるゴムに手を伸ばした。

「ふふ…」

 志信さんが微笑んで、ボクの股間に手を伸ばす。

 爪の先でつつっと撫でられて、ボクは腰が引けてしまう。

「ちょ…っと、志信さんん、だめだよ…くすぐったい…」

「…ねえ、ゴム、私がつけてあげたいんだけど…いいかしら?」

 さっきまで、あんなに気持ちよさそうにしてたのに、志信さんは色っぽさだけを残して、なんというか、小悪魔的な表情を浮かべている。

「えっ…あ、…え?」

「着け方くらい知ってると思うけど…これから自分の中に受け入れるものに対して、そういう準備するのってすごく興奮するの…。…私にされるの、嫌?」

 このひと、ほんとうは、すっごくえっちなひとなんじゃないのか。

 ボクは頭の中でそんな風に思いながら、志信さんにゴムを手渡した。

「お、ねがい、します?」

 志信さんがまた、くすっと笑って、ボクからゴムを受け取る。そして、興奮しすぎてぴったり立ち上がっているボクの半身にキスをした。

「ひあ!?」

 間の抜けた声ばかりあげさせられているけれど、そんなことされるなんて思ってもみなかったからしかたない。

「ちょ、ちょ、しの、ッさん、何して…!?」

 返事の代わりにぺろぺろ舐められて、ボクはもう言葉が継げない。舐めるなんて、そんなの、はじめてされるのに。

 先端の弱い所ばかりをねっとりと舐められて、腰が抜けそうだった。舌の感触はやばい。手でされるのよりずっとずっと気持ちがいい。参った。これは、本当にまずい。

「しのぶさんっ、ちょ、もう、出ちゃうから…だめ、だめだってば…!」

 秒速で駆け上がって、ボクはあっというまに志信さんの口の中に出してしまった。

 ひどい罪悪感だ。こんなことしてしまうなんて。頭の片隅ではこれから入れようってところだったのに、出しちゃったらしばらく復活しないよ…などと違う事も考えていたりもした。

「…ん、っく」

 志信さんの喉が鳴る。まさか。

「えっ!? まさか飲んだの!?」

 パニックが一回りだ。信じられない、そんなもの飲むなんて…!

「ごめんね、嫌だった?」

「大丈夫なの、そんなの飲んで…!」

「…大丈夫よ? うん、私は平気。でも、断りもなくしちゃったのはゴメンね。つい、かわいくって」

「…志信さんが嫌じゃないんだったら…べつに良いんだけど…びっくりした…」

 口元についたボクの精液を、指で拭ってあげる。さすがに、舐める気にはならなかったからティッシュで拭いたけど…。

「勃たせてあげないとね…」

 抵抗する間もなく、志信さんは出したばかりで元気の無くなったボクのそれを、再び、口に含んだ。

「あ、あ…っ」

 志信さんのテクニックのおかげか、ボクが不慣れ故の快楽への弱さなのか、三度あっと言う間にボクはまたすっかり興奮状態になってしまった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

冷めない恋、いただきます

リミル
BL
生真面目なMR(29)×料理教室の美人講師(31) 同性に好かれやすく、そして自身の恋愛対象も同性である由衣濱 多希は、女性の主婦ばかりの料理教室で、講師として働いている。甘いルックスと柔らかな雰囲気のおかげで、多希は人気講師だった。 ある日、男の生徒──久住が教室の体験にやって来る。 MRとして働く久住は、接待と多忙で不規則な生活のせいで今年の健康診断はオールEだと言う。それを改善すべく、料理教室に通う決心をしたらしい。生真面目だが、どことなく抜けている久住に会うのが、多希の密かな楽しみになっていた。 ほんのりと幸せな日々もつかの間、ある日多希の職場に、元恋人の菅原が現れて……。

【完結】最初で最後の男が、地味で平凡な俺でいいんですか?

古井重箱
BL
【あらすじ】仲野晴久(28)は無難な人生を送りたい地味リーマン。ある日、晴久は年下のイケメン、園部悠介(25)と出会う。平凡な人生に突然現れた、顔も性格もいい120点満点の相手。晴久は、悠介に愛されることに不安を覚え、彼を拒んでしまう──【注記】イケメンかつ性格のいい美形攻×自己肯定感が低い平凡受【掲載先】pixiv、ムーンライトノベルズ、アルファポリス、自サイト

冷淡彼氏に別れを告げたら溺愛モードに突入しました

ミヅハ
BL
1年前、困っていたところを助けてくれた人に一目惚れした陽依(ひより)は、アタックの甲斐あって恩人―斗希(とき)と付き合える事に。 だけど変わらず片思いであり、ただ〝恋人〟という肩書きがあるだけの関係を最初は受け入れていた陽依だったが、1年経っても変わらない事にそろそろ先を考えるべきかと思い悩む。 その矢先にとある光景を目撃した陽依は、このまま付き合っていくべきではないと覚悟を決めて別れとも取れるメッセージを送ったのだが、斗希が訪れ⋯。 イケメンクールな年下溺愛攻×健気な年上受 ※印は性的描写あり

吸血鬼公爵の籠の鳥

江多之折
BL
両親を早くに失い、身内に食い潰されるように支配され続けた半生。何度も死にかけ、何度も自尊心は踏みにじられた。こんな人生なら、もういらない。そう思って最後に「悪い子」になってみようと母に何度も言い聞かされた「夜に外を出歩いてはいけない」約束を破ってみることにしたレナードは、吸血鬼と遭遇する。 血を吸い殺されるところだったが、レナードには特殊な事情があり殺されることはなく…気が付けば熱心に看病され、囲われていた。 吸血鬼公爵×薄幸侯爵の溺愛もの。小説家になろうから改行を増やしまくって掲載し直したもの。

リオネル・デュランの献身

BL
落ち目の男娼リアンの唯一の趣味は、若きディオレア国王の姿絵を集めること。ある日久しぶりについた新規の客は、リアンに奇妙な条件を提示してくる。 執着君主×頑張る美人

【本編完結】完璧アルファの寮長が、僕に本気でパートナー申請なんてするわけない

中村梅雨(ナカムラツユ)
BL
海軍士官を目指す志高き若者たちが集う、王立海軍大学。エリートが集まり日々切磋琢磨するこの全寮制の学舎には、オメガ候補生のヒート管理のため“登録パートナー”による処理行為を認めるという、通称『登録済みパートナー制度』が存在した。 二年生になったばかりのオメガ候補生:リース・ハーストは、この大学の中で唯一誰ともパートナー契約を結ばなかったオメガとして孤独に過ごしてきた。しかしある日届いた申請書の相手は、完璧な上級生アルファ:アーサー・ケイン。絶対にパートナーなんて作るものかと思っていたのに、気付いたら承認してしまっていて……??制度と欲望に揺れる二人の距離は、じりじりと変わっていく──。 夢を追う若者たちが織り成す、青春ラブストーリー。

あなたは僕の運命なのだと、

BL
将来を誓いあっているアルファの煌とオメガの唯。仲睦まじく、二人の未来は強固で揺るぎないと思っていた。 ──あの時までは。 すれ違い(?)オメガバース話。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...