【完結】 『未熟』スキル 最強ではないが相手を最弱にすれば関係ない ~かつてパーティーを追放された者の物語~

はくら(仮名)

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第十八話 レベル1

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 一瞬、彼女は気まずさを感じたが、ルタはそれを吹き飛ばすように明るく笑う。

「ははは、まあそんな辛気くさいことより、昨日獲ったエビルボアの肉がこれまたうまくてよ。昼になったら一緒に食わねえ?」

 昨日の魔物の肉のことだ。あのあと夕食にでも食べたのだろう。
 ロウは声を上げて拒否する。

「いりませんって!」
「金なんか取らねえから。あんたもいっぺん食えば分かると思うぜ」
「だからいりません!」
「ちぇー、すっげーうめーのによー」

 口を尖らせるようにしてルタは残念がる。
 その様子にロウは呆れるのだが、しかしこうも思うのだ。

(もしかして、この人があんなに強かったのって……魔物の肉を食べてるから?)

 彼のスキルがデバフ系だということは知っているし、それを十全に活用していることも分かっているつもりだ。しかしだからといって、勝負が一瞬でつくほど、あそこまで強力なデバフをロウは見たことも聞いたこともなかった。

(……気には、なるけど……やっぱり魔物の肉は食べたくないなあ……)

 彼の強さの秘密は気になる。その秘密を知れば、もしかしたら自分もいま以上にもっと強くなれるかもしれない……とは思わなくもない。
 しかしやはりだからといって魔物の肉は食べたくなかった。なにかしら悪影響や副作用がある気がして。
 とりあえず、ロウは彼に聞いてみる。

「あなたのあのデバフって、レベルはいくつの技なんですか?」

 スキルにはレベルがあり、熟練度を磨くことによって、レベルも上がっていく。そしてそれぞれのレベルにはその強さに見合った技を習得・使用することができる。
 当然のことながら高いレベルのほうが、より強い技を使うことができる。またその技同士が正面からぶつかりあった場合、基本的には弱いレベルの技が押し負けることが多い。

「レベル1。一番最初に使える技だよ」
「え……ええっ⁉」

 なんてことないというように答えた少年に、思わずロウは驚きを隠せなかった。一番最初に使えるようになるレベル1の初期技が、まさかあそこまでの強さを誇るとは思ってもみなかったのだ。
 てっきり、レベル10前後、低くともレベル5くらいはあるはずだと思っていた。

「じょ、冗談ですよね……⁉」

 一応念のために聞いてみるが、それでも彼の答えは変わらない。

「ほんとだよ。これ言うと、なんで全員そんなに驚くんかねえ」

 小さな息を吐きながらルタは言う。少女の驚きに対して、もう慣れている反応だから疲れたというような雰囲気を漂わせていた。
 しかし少女はやはりショックを受けていた。まさか最低レベルの技だったなんて、と。
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