【完結】 『未熟』スキル 最強ではないが相手を最弱にすれば関係ない ~かつてパーティーを追放された者の物語~

はくら(仮名)

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第二十話 ギルド

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 明らかにおかしい……この人の強さには絶対になにか秘密があるはず……っ。
 驚きのあまり声こそ出せなかったものの、ロウは心のなかでそう思い、またその秘密を知りたいとも思った。

(この人の強さの秘密を知れば、あたしももっと……)

 と、そのとき、少年が足を止めて目の前を少し見上げるふうにする。

「おっと、着いたぜ、ギルド」

 ルタにつられてロウも足を止めて顔を向けると、確かにそこはギルドの入口前だった。話に夢中で時間が経つのも忘れていた。
 しかしギルドに来ることは当初の目的だったのだが、正直なところ少年ともっと話したかった、いや彼の強さについて問い詰めたかった。が、ロウのその気持ちには気付かずに、ルタはさっさとドアを開けてなかに入っていってしまう。

「どうした? クエスト受けるんだろ?」

 気を使っているのだろう、ルタはドアの取っ手を持ったまま、ロウが入ってくるのを待っている。一緒に来たのだから半ば普通とも思える対応だが。

「……ありがとうございます……」
「こんなことで礼なんかいらねえって。会釈だけで充分だ」

 ロウがなかに入って、ルタはドアを離すとスタスタと受付まで行ってしまった。その背中をロウはしばらくの間、ジッと見つめていた。
 ギルドのなかにはそれなりの数の冒険者達がいた。一人でクエストを受ける者、数人のパーティーで向かう者達、なかには談話スペースのソファーに座って話に興じている者達もいた。
 受付の窓口はいくつか用意されていたが、そのいずれもが埋まっていて、ロウは待ち合いの椅子に腰掛けて待つことになっていた。いつもなら横に並ぶ窓口に首を巡らせて、早くどこかがあいて自分の順番にならないかと思っているのだが……。
 今日は椅子に座る前からずっと、ルタのいる受付ばかり見続けていた。あまりにもずっと見つめているため、はたから見れば気になることでもあるのかとか因縁でもつけているのかとか、そう思えるほどだった。
 そして彼女の視線の先のルタはというと、受付の女性となにかしら話して、難しい顔つきや面倒くさそうな顔つきをしたりしていた。と、おもむろに彼はロウのほうに顔を向ける。

(……っ)

 一瞬ビクッとなって、ロウは即座に顔を背けた。ジッと見つめているのがバレたと思ったのだ。気まずさのあまりバクバクと心臓が早鐘を打ち、耳の先が赤く染まっていた。
 彼はまだこちらを見ているだろうか? 顔を背けながらロウは思う。確かめたい気持ちはあるが、確かめようとして目でも合おうものなら、気まず過ぎてギルドを飛び出したくなってしまうだろう。

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