【完結】 『未熟』スキル 最強ではないが相手を最弱にすれば関係ない ~かつてパーティーを追放された者の物語~

はくら(仮名)

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第五十五話 実況見分

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「……そうか……」

 声を落として応じると、サージはルタ達に向いて。

「それじゃあルタさん、ロウさん、早速ですが昨夜の実況見分を始めましょうか」

 二人はうなずくと、サージおよびそこにいた二人の官憲の立ち会いの元、実況見分を開始した。
 料理屋で食事をした帰りにこの道を通り、偶然他の人気がなくなったときに通り魔に遭遇し、襲撃されたため応戦した……それらの状況を説明しながら、各自の行動を実際に再現していく。
 若い官憲が通り魔の役を担い、数分間ほどだった戦闘の経過説明をしていると、通り魔のナイフをルタが素手で破壊したことを聞いてサージ達が目を驚かせる。

「ナイフを素手で、ですか? こりゃまたすごいですな」

 サージはルタの腕を見やりながら。

「冒険者とのことでしたが、やはりかなり鍛えているのですな。いや、それでも素手というのは……もしかして、ルタさんのスキルですかな」
「まあな」
「差し支えなければ、どのようなスキルなのかも教えていただけますか。捜査の参考になるかもしれませんので。いえ、それは出来ないというのであれば、無理は言いませんが」
「べつにいいぜ。どうせギルドとかで調べれば簡単に分かることだし」

 冒険者のなかには自分のスキルについてはあまり話したがらない者達もいるが、ルタはそういうのはあまり気にしないタイプらしい。

「おれのスキルは『未熟』っていうんだ。対象を『未熟』状態にして、能力を下げることができる」

 彼のスキルについて聞いたサージは、昨日のロウと同じように一瞬どういうことなのかという顔になる。確認するように、サージはルタに。

「『未熟』、というスキルですか……いやはや初めて聞いたスキルですね、珍しい」
「よく言われる。そこにいるロウにも昨日言われた」

 ルタの言葉に、思わずロウが口を挟む。

「あたしが言ったのは、珍しいかどうかは分からない、ですよ」
「細けーなー。そのあとで驚いてんだから同じだろ」
「……まあ、驚いたのは確かですけどね」

 うるさそうに言うルタに、ロウは答えた。
 二人の受け答えの横で、サージは顎に手を当ててなにやら考えていたが、顔をルタに向けると。

「疑うわけじゃありませんが、その『未熟』スキルはデバフ系のようですが、どのような理屈でナイフを脆くしたのですかな? 武術家のように鍛えている人ならともかく、ナイフという武器を『未熟』にするというのは、ちと、よく分からないのですが」

 サージの言葉に、ロウもまたルタに言う。

「あたしも気になってました。いったいどういう原理なんですか?」

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