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第九十五話 パーティー
しおりを挟む「…………っ⁉」
「…………」
もたらされたその言葉に、ロウとサージが彼に顔を向ける。ルタはサージのほうを見据えたまま言葉を続けた。
「半年くらい前のことだ。そのときおれは三人の冒険者仲間とパーティーを組んでいて、あちこち回ってギルドのクエストをこなしていた」
「…………」
彼が話し始めたのを見て取って、サージが再びテーブルの席に腰を下ろす。その口が紡ぐ話をちゃんと聞くべきだと判断したのだ。
「リーダーは剣術系のスキル持ちで、他の二人は治療系と探索系のスキルホルダーだった。おれ達は元々ソロでやってたが、あるクエストを受けるときに偶然四人で組むことになって、それからそのままパーティーを結成した」
「「…………」」
ロウの知らない彼の過去。いままでの二、三日でときおり垣間見た彼の言動や態度につながりそうな物語が語られるかもしれない。
と思って緊張していたのだが。
「……っと、おれ達の出会いとかいまはどうでも良かったな。失踪者のことを知りたい理由だったな」
「……続けてください」
個人的にはどう思っているかは分からないが、サージはルタに話を促した。
うなずいて、彼は続ける。余計な脇道にはそれずに、いま必要な言葉だけを。
「パーティーを組んでから二ヶ月くらい経ったころ、そいつらの一人が突然姿をくらました。理由は分からなかったが、とにかく心当たりのある場所を探した。しかしどこにも見つからなかった」
パーティーから失踪者が出た。彼が言おうとする『理由』を、ロウは察する。それはサージも同じだったようで、顔つきをさっきよりも引き締めていた。
だが、それと同時にロウはかすかな違和感も覚えていた。
(……なんか……なんだろう、言い方に感情がなくなったような……?)
淡々と話しているような、感情を込めずに事実だけを述べているような……どこか冷めたような印象を受けたような、そんな気がしたのだ。
ただの気のせいだと思ったが……。
「次の日、今度は別の奴がいなくなった。そいつは書き置きを残していて、最初にいなくなった奴がパーティーの貯めていた資金を持って消えたことに気付いたらしく、こんなパーティーやってられっかと思って去ったようだった」
「……いわゆる仲間割れ、だったと……?」
サージが確認するように問うが、ルタは肯定も否定もしなかった。
「…………、そして最後に残った奴も、その次の日には姿が見えなくなった。そいつは書き置きを残していなかったから理由は分からないが、そいつも嫌になったのかもしれない。とにかくそういうことで、そのパーティーは自然消滅したわけだ」
「「…………」」
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