かつて天才と言われた落ちこぼれ。ムカついたので自由に生きてたらいつの間にか最強と言われるようになってた件

はくら(仮名)

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第一章 レイン=カラーの怠惰な一日

第三話 しりあい

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 一時限目が終わり、休憩時間。

「ねえ、起きてるんでしょ、レインってば」
「寝てる」
「起きてんじゃん」

 掛けてきた声の主はクラスメイトの一人、トパ=ロイだ。トパがファーストネームだが、初対面の相手にはロイがファーストネームだとよく間違われている。
 変わった名前だから仕方ない。

「いま失礼なこと思わなかった」
「思ってない。トパの名前が変だなんて、まったくこれっぽっちも全然思ってない」
「思ってんじゃんっ」
「それよりなんだ? 俺は眠いんだ」
「次は魔法実技の授業でしょ。早く行かないと怒られるよ」
「サボる。せんせーには腹痛てえって言っとけ」
「あの先生にそんな嘘は通じないと思うよ。探知魔法で見つけて、首根っこ掴まれるかも」
「知るか」
「実家にも連絡されるかも」
「…………」

 むくり。仏頂面で顔を上げる。

「あ、起きた」

 面白いものを見るような顔をしたトパがそばに立っている。トパーズ色のミディアムヘアに、翠色の瞳。スカートから伸びる足には左右で柄の違うソックスを履いている。
 その他のクラスメイト達は移動したあとなのだろう。教室内はがらんとしていた。
 席から立ち、ドアへと歩き出す。

「お。授業に出る気になったんだね」
「…………」

 無視したが、彼女はトコトコと一緒に歩き出した。

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