かつて天才と言われた落ちこぼれ。ムカついたので自由に生きてたらいつの間にか最強と言われるようになってた件

はくら(仮名)

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第五章

第十五話 しってる

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 サフィとの通信を切った直後、さっそくユキに通信を入れる。少しの間があってからの応答。

「……はい。どちら様でしょうか?」

 わずかに警戒するような声。ウィンドウも顔出しはなく、サウンドオンリーだ。
 向こうからすれば、知らないアドレスからのいきなりの通信なので、まあ当然の反応だと言うべきだろう。

「レイン=カラーだ。連絡先はサフィから聞いた」
「あ……」

 得心した声。ウィンドウに画面が表示され、ユキの顔が映し出される。

「レインさんでしたか……サフィさんに連絡先を聞いたということは、以前話したことについての返答ですか?」

 どうやらゾディアック関連で連絡したと思っているらしい。

「違う。さっき街の外の農家に来たみたいだな」
「え……? そうですが……どうしてレインさんがそのことを……?」

 よく見ると、ユキの背景には草原や他の農家が映り込んでおり、まだ近くにいるであろうことが容易に推測出来た。

「その農家が依頼したクエストを担当したのが、俺と俺のクラスメイトだからだ。農家のおっさんから話を聞いた」
「あ……そうだったんですか。それは、わたしの知り合いがお騒がせしました。彼女にはわたしからちゃんと言っておきますので。一度引き受けたクエストのドタキャンはしないようにと……」
「それはもうどうでもいい」
「え……?」

 クエストはすでに達成している。たとえ一人でも、あの程度の魔物は簡単に討伐出来ていた。

「わたしはてっきり、そのことで文句を言ってきたのかと……それなら、どういった用件で……?」
「…………」

 そのとき、そばに近寄ってきたトパが声を掛けてくる。

「レインー、さっきから誰と話してんのさー?」

 ウィンドウを覗き込んだトパがユキの顔を見て、驚きの声を上げた。

「ってユキ先輩⁉ え⁉ どうしてユキ先輩が⁉」
「サフィから連絡先を聞いた。ユキはいま、この近くにいるらしい」
「ええっ⁉ っていうか呼び捨て⁉ もう色々とどういうこと⁉」

 うるせえな。

「ユキから話を聞け。俺はバーベキューの続きをする」
「わわっ」

 通信魔法のウィンドウを、空中を滑らせるようにトパへと放り渡す。
 話し相手がいきなり変わったことでびっくりしたのはユキも同じだったようで、ユキは少し戸惑いつつも。

「あ、わたし、ユキ=バースと申します。あの、レイン=カラーさんのお友達ですか?」
「あ、はいっ、トパ=ロイですっ。実はユキ先輩と同じ学園に通ってて、この前の授業、楽しかったし面白かったですっ」
「あ……あのときの一人だったんですか。ありがとうございます、そう言ってもらえるとうれしいです」

 トパの横側からニンジャも顔を出して、ウィンドウを覗き込む。

「トパどの、なんでござるか、それ?」
「通信魔法だよ」
「ほえー、マホウとやらは本当に便利でござるなー。この綺麗な女性はトパどののお知り合いでござるか?」
「うん。学園の先輩で、回復魔法が得意なん……」

 そこでトパが、はっとした顔になる。ユキのほうを向いて。

「ユキ先輩っ、聞きたいことがあるんですけどっ⁉」
「え、なんですか?」

 トパの勢いに少々気圧されているようなユキに。

「身体がドラゴンみたいになっちゃう病気について知ってますか⁉ その治療法とか⁉」
「え、ああ、それならたぶん……」
「知ってるんですか⁉」「知ってるんでござるか⁉」

 そして病気のことを尋ねるトパとニンジャに、ユキはその詳細を話していった。

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