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175.転売屋は肉を買いつける
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冬がやって来た。
そして寒気がやって来た。
普段雪の降らないこの街にも珍しく雪が降り、一晩のうちに辺りを真っ白に染め上げた。
うちの庭も例外なく真っ白に染まったわけだが、ホワイトベリーは焔の石のおかげで着雪を免れたようだ。
もうすぐ収穫、この寒気を超えれば大丈夫だろう。
「すっごいわ、一面真っ白。」
「この間の冬はここまでならなかったよな。」
「ダンジョン内ならともかく、この辺で積もる事なんて滅多にないわ。」
「私の記憶でも随分と前、それこそ子供の頃以来じゃないでしょうか。」
「私も久々ですね。」
エリザやアネットは他所の街から来たが、ミラはこの街で産まれ育っている。
地元民が言うぐらいだ、よっぽど珍しいんだろう。
「大通りはどんな感じだった?」
「雪で街道が埋まって物流が滞ってるみたい。すぐに溶けてくれるならいいけど長引くと面倒な事になるかも。」
「ふむ、備蓄はどんな感じだ?」
「主食は大丈夫ですが、お野菜とかは心もとないですね。」
「今のうちに買い足しておくか。」
「市場も軒並み値上がりしてるんじゃない?」
「それが相場ってもんだ、仕方ないだろう。」
需要があれば高くなり、減れば安くなる。
燃料なんかは十分にあるが、食い物が無いのは困る。
余程贅沢しなければ問題ないんだろうけど、ひもじい思いをするのは嫌いだ。
まだ開店する時間ではないので、飯もそこそこに四人で市場へと向かう。
雪に足を取られながらも多くの住民が市場に駆け付けていた。
「思ったよりも少ないな。」
「言ったでしょ、街道も真っ白だから商品も商人も入ってきてないのよ。」
「で、当然のようにこうなると。」
少ない露店には住民が殺到し、みるみるうちに食材は売り切れていった。
普段なら売れ残るような品まで売り切れている。
皆、最悪の事態を想定しているんだろう。
「どうしましょう、何もありません。」
「出足が遅かったからな、仕方ない。」
「仕方ないって・・・。」
「なに、食い物が何もないわけじゃない。それにだ、外から入って来なくても中で確保すればいいだけの話。今頃ギルドは大忙しじゃないか?」
「そっか、ダンジョンに行けばいいんだ。」
「そういう事、ってことで頑張ってこいエリザ。外は寒いがダンジョン内は暖かいぞ。」
エリザの方をポンっと叩くと信じられないという顔で俺を見る。
そんな顔をしたって駄目だぞ、働かざるもの食うべからずだ。
俺達は店を営業するので忙しい、だからお前はダンジョンで頑張ってこい。
そう目で言ったつもりだが伝わったかは定かではない。
一度店に戻り、エリザはダンジョンへ俺はギルド協会へと向かった。
ミラとアネットはいつものように店番だ。
え、なんでギルド協会に行くのかって?
そりゃある所にはあるからだよ。
最近いいように使われてるから、たまにはお礼をしてもらわないとな。
「こんにちはシロウ様。」
「シープさんはいるか?」
「生憎会議に出ていまして。」
「そうか・・・。」
いつものように受付嬢に笑顔で迎えられ、羊男を呼んでもらおうと思ったが残念ながらそれは叶わなかった。
ぐぬぬ、俺を避けるように会議になどでおって。
許せん。
なんて、そんなクレーマーみたいな事思いませんよ?
「今日はどうされたんですか?」
「この雪で市場に品が全然なくてですね、このまま降り続くなんて話もありますし備蓄の放出とかがあるのか確認に来たんです。」
「今ちょうどそれについて話し合っている所です。お昼には結果が出ると思いますので、それまでお待ちください。」
「そうでしたか、では出直します。」
ちなみに値上がりに乗じて備蓄してある野菜を売るだなんて事はしないぞ。
店にあるのは自分の庭で作った分だけで、外の畑で大量に作っている分はまだ収穫には至らない。
まぁ、収穫に間に合っていたら売っていたかもしれないが今はそんな余裕ないしな。
店に帰るのもあれなので、そのまま冒険者ギルドへと足を向ける。
「初心者は低階層でボアの確保!中級以上はジャイアントカウとアングリーチキンを優先的に討伐してください。一人では無理ですから必ず複数人で討伐してその場で解体して持ってきてくださいね、血なまぐさいのは売れませんよ!」
おぉ、修羅場ってるなぁ。
冒険者が複数班に分かれてダンジョンへと繰り出すようだ。
ふむふむ、今回は素材じゃなくて肉に報酬を出すのか。
なるほどなるほど。
しかもその場で捌いて持ち帰る指示が出ている。
でもまぁ仕方ないか、大量に持ち帰っても捌くの大変だし、なにより血と臭いでギルドが大変な事になる。
その点ダンジョンであればすぐに持ち帰れるし、血も気にしなくていい。
まぁ、持ち帰りが衛生的かどうかは別にして、その辺は肉をそぎ落とせば問題ないだろう。
小型の冷蔵魔道具なんかもあったはずだ。
でも、めんどくさくてそのまま持って帰ってくる冒険者が絶対に出て来るよなぁ。
今回はそれを狙うか。
「あ、シロウじゃない。どうしたの?」
「肉屋に知り合いはいないか?」
「お肉屋さん?さぁ・・・イライザさんなら知ってるんじゃない?」
「それもそうだな、聞いてみる。」
餅は餅屋、食材は飯屋に聞くのが一番だ。
一度ギルドを出てイライザさんの店に行き、なじみにしているという肉屋へと向かった。
「店主はいるか?」
「なんだ兄ちゃん、残念ながら肉は品切れだぞ。」
「ジャイアントカウとアングリーチキン、それとワイルドボアの端切れはないか?」
「端切れならここにあるが、何に使うんだ?」
店頭は空っぽだったが隅っこに残っていた端切れを気前よく出してくれた。
『ジャイアントカウの肉。敵と判断すると巨大な角で突き刺し、失敗してもその巨体で体当たりする危険な魔獣の肉。最近の平均取引価格は銀貨20枚、最安値銀貨18枚、最高値銀貨22枚。最終取引日は本日と記録されています。』
『アングリーチキンの肉。いつも怒っていて自分以外の生き物を巨大な脚で攻撃してくる。最近の平均取引価格は銀貨4枚、最安値銀貨3枚、最高値銀貨5枚。最終取引日は本日と記録されています。』
『ワイルドボアの肉。猪突猛進を地で行く魔獣、障害物にぶつかるまで進み続ける。最近の平均取引価格は銀貨6枚、最安値銀貨5枚、最高値銀貨7枚。最終取引日は本日と記録されています。』
ふむ、どれも一頭当たりの価格しか出ないようだ。
でもその方が好都合だな。
「ついでに商売の話がしたい、冒険者がダンジョンに潜ってるのは知ってるよな?」
「あぁ、素人が肉捌いて持って帰って来るんだろ?食い物を何だと思ってんだか。」
「まるまる一頭持って帰って来るって言ったらどうする?」
「そりゃあ大歓迎だ、さらに言えば血抜きをしてあるんなら言うことなしだが、そんな事出来るのか?」
「恐らくな。一頭あたりジャイアントカウが銀貨16枚、アングリーチキンは銀貨1.5枚、ワイルドボアは銀貨4.5枚ってな感じでどうだ?」
因みに冒険者からはカウ銀貨12枚、鳥銅貨80枚、猪銀貨3枚で買い取るつもりだ。
その場で捌くより血抜きして持って帰ってきた方が効率が良いし、回数を稼げる。
冒険者は面倒を嫌うからな、行けるはずだ。
「ちょっと高くないか?」
「この状況ならいつもより割増しで値付けしても売れるだろ?」
「手に入るなら大歓迎だが・・・。質が悪けりゃ値は下げるぞ。」
「それは承知の上だ、質を見て決めてくれて構わない。」
「とりあえず一匹でも持ってきてくれ、話はそれからだ。」
「了解した。」
ま、それもそうだな。
口約束なんて誰でもできる。
一先ず店に戻り早速店頭に張り紙を貼った。
張って早々、冒険者がそれを読んで何やら騒いでいる。
一応説明しとくか。
「よぉ、どうした?」
「本当にバラさずに持って帰ってきていいのか?」
「その方が効率的だろ?ただし血抜きは絶対だ、チキンは首を撥ねて、カウとボアは内臓を出しといてくれ。」
「うげ、それならチキンの方が楽そうだな。」
「そうか?ボアとカウは内臓出してしまえば軽くなるぞ。狩るやつと運ぶ奴に分かれたらいいんじゃないか?」
「その手があったか。」
「いちいち現場で捌いて血まみれの肉を袋に入れるぐらいならぶら下げて帰った方が効率的、そう思わないか?」
「違いない。」
どうやら納得してくれたようだ。
他の奴らにも広めといてくれとお願いすると、走って行ってしまった。
「本当にお肉を買い付けるんですか?」
「あぁ。」
「大量に持ってきますよね、絶対。」
「そうだな、それが目的だ。」
「正直に申しましてうちの倉庫では限界があります。少量であれば大丈夫ですが、大量となると周りからの苦情も考えられますが・・・。」
ミラとアネットの心配はもっともだ。
大量の肉を庭や倉庫に放置すると近所迷惑になるし、衛生面でも不安が残る。
だが、心配は無用だ。
その辺はもう考えてある。
まだまだ雪は降るみたいだし、それをうまく利用すればいいだろう。
「それを解消するためにまた出て来る。」
「今度はどちらに?」
「畑だ。」
「「畑?」」
二人が同じ角度で首をかしげている。
説明は帰って来てからでいいだろう。
ちょうどおあつらえ向きの建物が現在建築中だ。
完成前だが一時利用には問題ないだろう。
ルフにはちょっと酷かもしれないが、その分エサを与えれば大丈夫さ・・・。
たぶんな。
そして寒気がやって来た。
普段雪の降らないこの街にも珍しく雪が降り、一晩のうちに辺りを真っ白に染め上げた。
うちの庭も例外なく真っ白に染まったわけだが、ホワイトベリーは焔の石のおかげで着雪を免れたようだ。
もうすぐ収穫、この寒気を超えれば大丈夫だろう。
「すっごいわ、一面真っ白。」
「この間の冬はここまでならなかったよな。」
「ダンジョン内ならともかく、この辺で積もる事なんて滅多にないわ。」
「私の記憶でも随分と前、それこそ子供の頃以来じゃないでしょうか。」
「私も久々ですね。」
エリザやアネットは他所の街から来たが、ミラはこの街で産まれ育っている。
地元民が言うぐらいだ、よっぽど珍しいんだろう。
「大通りはどんな感じだった?」
「雪で街道が埋まって物流が滞ってるみたい。すぐに溶けてくれるならいいけど長引くと面倒な事になるかも。」
「ふむ、備蓄はどんな感じだ?」
「主食は大丈夫ですが、お野菜とかは心もとないですね。」
「今のうちに買い足しておくか。」
「市場も軒並み値上がりしてるんじゃない?」
「それが相場ってもんだ、仕方ないだろう。」
需要があれば高くなり、減れば安くなる。
燃料なんかは十分にあるが、食い物が無いのは困る。
余程贅沢しなければ問題ないんだろうけど、ひもじい思いをするのは嫌いだ。
まだ開店する時間ではないので、飯もそこそこに四人で市場へと向かう。
雪に足を取られながらも多くの住民が市場に駆け付けていた。
「思ったよりも少ないな。」
「言ったでしょ、街道も真っ白だから商品も商人も入ってきてないのよ。」
「で、当然のようにこうなると。」
少ない露店には住民が殺到し、みるみるうちに食材は売り切れていった。
普段なら売れ残るような品まで売り切れている。
皆、最悪の事態を想定しているんだろう。
「どうしましょう、何もありません。」
「出足が遅かったからな、仕方ない。」
「仕方ないって・・・。」
「なに、食い物が何もないわけじゃない。それにだ、外から入って来なくても中で確保すればいいだけの話。今頃ギルドは大忙しじゃないか?」
「そっか、ダンジョンに行けばいいんだ。」
「そういう事、ってことで頑張ってこいエリザ。外は寒いがダンジョン内は暖かいぞ。」
エリザの方をポンっと叩くと信じられないという顔で俺を見る。
そんな顔をしたって駄目だぞ、働かざるもの食うべからずだ。
俺達は店を営業するので忙しい、だからお前はダンジョンで頑張ってこい。
そう目で言ったつもりだが伝わったかは定かではない。
一度店に戻り、エリザはダンジョンへ俺はギルド協会へと向かった。
ミラとアネットはいつものように店番だ。
え、なんでギルド協会に行くのかって?
そりゃある所にはあるからだよ。
最近いいように使われてるから、たまにはお礼をしてもらわないとな。
「こんにちはシロウ様。」
「シープさんはいるか?」
「生憎会議に出ていまして。」
「そうか・・・。」
いつものように受付嬢に笑顔で迎えられ、羊男を呼んでもらおうと思ったが残念ながらそれは叶わなかった。
ぐぬぬ、俺を避けるように会議になどでおって。
許せん。
なんて、そんなクレーマーみたいな事思いませんよ?
「今日はどうされたんですか?」
「この雪で市場に品が全然なくてですね、このまま降り続くなんて話もありますし備蓄の放出とかがあるのか確認に来たんです。」
「今ちょうどそれについて話し合っている所です。お昼には結果が出ると思いますので、それまでお待ちください。」
「そうでしたか、では出直します。」
ちなみに値上がりに乗じて備蓄してある野菜を売るだなんて事はしないぞ。
店にあるのは自分の庭で作った分だけで、外の畑で大量に作っている分はまだ収穫には至らない。
まぁ、収穫に間に合っていたら売っていたかもしれないが今はそんな余裕ないしな。
店に帰るのもあれなので、そのまま冒険者ギルドへと足を向ける。
「初心者は低階層でボアの確保!中級以上はジャイアントカウとアングリーチキンを優先的に討伐してください。一人では無理ですから必ず複数人で討伐してその場で解体して持ってきてくださいね、血なまぐさいのは売れませんよ!」
おぉ、修羅場ってるなぁ。
冒険者が複数班に分かれてダンジョンへと繰り出すようだ。
ふむふむ、今回は素材じゃなくて肉に報酬を出すのか。
なるほどなるほど。
しかもその場で捌いて持ち帰る指示が出ている。
でもまぁ仕方ないか、大量に持ち帰っても捌くの大変だし、なにより血と臭いでギルドが大変な事になる。
その点ダンジョンであればすぐに持ち帰れるし、血も気にしなくていい。
まぁ、持ち帰りが衛生的かどうかは別にして、その辺は肉をそぎ落とせば問題ないだろう。
小型の冷蔵魔道具なんかもあったはずだ。
でも、めんどくさくてそのまま持って帰ってくる冒険者が絶対に出て来るよなぁ。
今回はそれを狙うか。
「あ、シロウじゃない。どうしたの?」
「肉屋に知り合いはいないか?」
「お肉屋さん?さぁ・・・イライザさんなら知ってるんじゃない?」
「それもそうだな、聞いてみる。」
餅は餅屋、食材は飯屋に聞くのが一番だ。
一度ギルドを出てイライザさんの店に行き、なじみにしているという肉屋へと向かった。
「店主はいるか?」
「なんだ兄ちゃん、残念ながら肉は品切れだぞ。」
「ジャイアントカウとアングリーチキン、それとワイルドボアの端切れはないか?」
「端切れならここにあるが、何に使うんだ?」
店頭は空っぽだったが隅っこに残っていた端切れを気前よく出してくれた。
『ジャイアントカウの肉。敵と判断すると巨大な角で突き刺し、失敗してもその巨体で体当たりする危険な魔獣の肉。最近の平均取引価格は銀貨20枚、最安値銀貨18枚、最高値銀貨22枚。最終取引日は本日と記録されています。』
『アングリーチキンの肉。いつも怒っていて自分以外の生き物を巨大な脚で攻撃してくる。最近の平均取引価格は銀貨4枚、最安値銀貨3枚、最高値銀貨5枚。最終取引日は本日と記録されています。』
『ワイルドボアの肉。猪突猛進を地で行く魔獣、障害物にぶつかるまで進み続ける。最近の平均取引価格は銀貨6枚、最安値銀貨5枚、最高値銀貨7枚。最終取引日は本日と記録されています。』
ふむ、どれも一頭当たりの価格しか出ないようだ。
でもその方が好都合だな。
「ついでに商売の話がしたい、冒険者がダンジョンに潜ってるのは知ってるよな?」
「あぁ、素人が肉捌いて持って帰って来るんだろ?食い物を何だと思ってんだか。」
「まるまる一頭持って帰って来るって言ったらどうする?」
「そりゃあ大歓迎だ、さらに言えば血抜きをしてあるんなら言うことなしだが、そんな事出来るのか?」
「恐らくな。一頭あたりジャイアントカウが銀貨16枚、アングリーチキンは銀貨1.5枚、ワイルドボアは銀貨4.5枚ってな感じでどうだ?」
因みに冒険者からはカウ銀貨12枚、鳥銅貨80枚、猪銀貨3枚で買い取るつもりだ。
その場で捌くより血抜きして持って帰ってきた方が効率が良いし、回数を稼げる。
冒険者は面倒を嫌うからな、行けるはずだ。
「ちょっと高くないか?」
「この状況ならいつもより割増しで値付けしても売れるだろ?」
「手に入るなら大歓迎だが・・・。質が悪けりゃ値は下げるぞ。」
「それは承知の上だ、質を見て決めてくれて構わない。」
「とりあえず一匹でも持ってきてくれ、話はそれからだ。」
「了解した。」
ま、それもそうだな。
口約束なんて誰でもできる。
一先ず店に戻り早速店頭に張り紙を貼った。
張って早々、冒険者がそれを読んで何やら騒いでいる。
一応説明しとくか。
「よぉ、どうした?」
「本当にバラさずに持って帰ってきていいのか?」
「その方が効率的だろ?ただし血抜きは絶対だ、チキンは首を撥ねて、カウとボアは内臓を出しといてくれ。」
「うげ、それならチキンの方が楽そうだな。」
「そうか?ボアとカウは内臓出してしまえば軽くなるぞ。狩るやつと運ぶ奴に分かれたらいいんじゃないか?」
「その手があったか。」
「いちいち現場で捌いて血まみれの肉を袋に入れるぐらいならぶら下げて帰った方が効率的、そう思わないか?」
「違いない。」
どうやら納得してくれたようだ。
他の奴らにも広めといてくれとお願いすると、走って行ってしまった。
「本当にお肉を買い付けるんですか?」
「あぁ。」
「大量に持ってきますよね、絶対。」
「そうだな、それが目的だ。」
「正直に申しましてうちの倉庫では限界があります。少量であれば大丈夫ですが、大量となると周りからの苦情も考えられますが・・・。」
ミラとアネットの心配はもっともだ。
大量の肉を庭や倉庫に放置すると近所迷惑になるし、衛生面でも不安が残る。
だが、心配は無用だ。
その辺はもう考えてある。
まだまだ雪は降るみたいだし、それをうまく利用すればいいだろう。
「それを解消するためにまた出て来る。」
「今度はどちらに?」
「畑だ。」
「「畑?」」
二人が同じ角度で首をかしげている。
説明は帰って来てからでいいだろう。
ちょうどおあつらえ向きの建物が現在建築中だ。
完成前だが一時利用には問題ないだろう。
ルフにはちょっと酷かもしれないが、その分エサを与えれば大丈夫さ・・・。
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