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380.転売屋は動物と戯れる
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秋が近づいてきたとはいえ、まだまだ夏野菜は豊作。
毎日のように野菜を収穫しているが無くならないのが不思議なくらいだ。
もちろん最盛期に比べたら半分ぐらいになってはいるが、それでも俺達と知り合い全員の食卓を賄えるぐらいには収穫できている。
そして今日もガキ共と朝から精を出していたわけだが・・・。
「ねぇシロウ、見て!」
「ん?」
「何か来るよ!」
「ほんとだ!おっきいのが来る!」
塀の隙間から顔を突き出し、ガキどもが草原の向こうを指さす。
その方向に目を向けると、土煙を上げながらいくつもの馬車が向かって来るのが分かった。
かなり大きな馬車なのはわかるが、誰かが大荷物でも頼んだんだろうか。
その馬車はどんどんと近づいてきたのだが、何故か途中で止まってしまった。
「止まっちゃったね。」
「故障か?」
「わかんないよ~。」
「ちょっと見て来るか。アグリ、ガキどもを頼む。ルフ行くぞ。」
ブンブン。
隅の方でうずくまっていたルフがスッと立ち上がり俺の横にぴったりと並んだ。
チビ二匹も慌てて追いかけてきたが、ルフの一睨みでその場に伏せをして待機するあたりしっかりと躾けてあるようだ。
さすがルフ、教育にも余念がないな。
ルフを連れて街道を進むと先ほど見えた馬車がどんどんと大きくなってきた。
これは・・・かなりでかいぞ。
特注品かと言わんばかりの大きさ。
通常は3m程ぐらいのものだが、これは5mぐらいありそうだ。
大型のトレーラートラック並みといえばわかりやすいだろうか。
「なんだ、この臭い。」
「ヴゥ。」
近づけば近づくほど獣のようなにおいが強くなってくる。
どこかで嗅いだ事があるんだが・・・。
そうだ、思い出した。
動物園だ。
そんな事を考えていると、馬車の周りで何人かが作業しているのが見えた。
見た感じ修理をしている感じではない。
「よぉ、どうかしたのか?」
「ん?貴方は?」
「街の人間だ、近くに畑を持っててな、馬車が見えたんで様子を見に来たんだが・・・故障じゃなさそうだな。」
「これはご心配をおかけした。私達は移動動物園を運営していてね、今回はここで開かせてもらおうと思ったんだよ。良かったら役人に引き継いでもらえないか?」
「役人・・・ギルド協会でいいか?」
「あぁ、助かるよ。」
移動動物園か、獣の匂いがするのも納得だな。
ルフが興味深そうに周りの臭いを嗅いでいる。
「俺はシロウだ、買取屋をしている。」
「私はマルスだ。園長って事になるかな。」
「かな?」
「代表を無理やり押し付けられてるけど、実際の権力者は・・・。」
「ちょっとマルスなにやって・・・お客さん?」
「彼女はアニー、まぁそういう事だよ。」
「なるほど理解した。」
「どういう事?」
マルスの紹介にアニーというその女性は不思議そうに首を傾げた。
それにしても凸凹感半端ないな。
アニーと呼ばれたその女性はかなり大柄、身長は俺と同じぐらいだが横にかなり大きい。
デブじゃない、デカイ。
胸も尻も全てデカイが、腹はそうでもないだから不思議だ。
マルスは逆にかなり細い。
こんな細身で大丈夫かっていうぐらいに細い。
背は同じ位なのに面積は半分ぐらいしかない。
そりゃ彼女の方が強いわ。
「こっちの話だ。」
「まぁ、何でもいいんだけど。で、街に行ったなら野菜を買って来てくれる?みんなお腹空いて気が立ってるみたいなのよ、開園前だしお金が無いのはわかってるけど出来るだけお願い。」
「うん、何とか探してみる。」
「ん?野菜?」
「動物たちのご飯。ここに来る前に色々あってあまり持ってこれなかったのよ。」
「屑野菜で良ければいくらでもあるが・・・。」
「ほんと!」
食いつきがすごいな。
身体がでかいだけに圧も半端ない。
見た目は・・・美人ってわけでもないがブサイクでもない。
昔で言うクラスに一人はいる普通の女性だ。
「アニー、いくら何でも初対面でそれはちょっと。」
「なんでよ、くれるっていうなら貰えばいいじゃない。」
「その代わり条件がある。」
「ほらね、ちゃんと話を聞かないと。」
「なによもったいぶって。」
「知り合いの孤児院にいるガキ共にも動物を見せてやりたいんだが、エサ代わりの屑野菜と交換ってのはどうだ?」
「それだけ?」
「あぁ。」
こういう商売だ、入場料で金を取ってなんぼだろう。
だが、ガキ共の分はエサ代で相殺してもらっていいはずだ。
「本当にいいのかい?」
「移動動物園なんてなかなかお目にかかれそうにないしな。それに、屑野菜の処理に困っていたのも事実だ。貰ってもらえると寧ろ助かる。」
「そういう事なら喜んで。」
「やったじゃない!後は許可を貰ったら完璧ね、それまでに準備しとくから。」
「わかったよアニー、後はよろしく。」
どうやら話はまとまったようだ。
ルフと俺、それとマルスさんの三人で畑に戻りアグリに事情を説明する。
移動動物園と聞いた途端にガキ共の目が輝いたのは言うまでもない。
その足でギルド協会へと向かい、羊男へと話をつないだ。
「って事らしいんで後よろしく。」
「え、帰ってしまうんですか?」
「俺にも仕事があるんでね。詳しい話はそいつに聞いてくれ、一応ギルド協会のえらいさんだから何とかしてくれるだろ。」
「いや、なんとかって。」
「するよな?」
「街の外を占有する程度であれば問題はありませんし、娯楽の提供はむしろこちらから願いたい所です。食糧もシロウさんの畑から出してくれるそうですから断る理由はありませんよ。」
「だ、そうだ。細かい事務処理に俺は必要ないだろ?俺は店に戻って女達に声をかけて来る。開園はいつになる?」
「えっと、スムーズにいけば夕方前には。本格開園は明日になるかと。」
「じゃあ夕方邪魔するわ、じゃあな。」
面倒な事は全部丸投げするに限る。
羊男に全部ぶん投げて店に戻り女達に事情を説明した。
「移動動物園ですか。」
「面白そうじゃない。」
「だろ?サーカスほどじゃないがそれなりに楽しめるはずだ。まぁ、主にガキ共が、だが。」
「いいんじゃないですか、毎日頑張ってくれていますし。」
「今日もお野菜を届けてくれました。ご褒美にはピッタリかと。」
「じゃあ決まりだな、一緒に行くだろ。」
「当たり前でしょ。」
エリザが至極当然と言った顔で答える。
幸い店に客はおらず片付けもほぼ終わっているようだ。
ミラもアネットも同じように頷いている。
ほんじゃま用意をして遊びに行きますかね。
移動動物園と聞き、てっきり子供だましな物を想像していた俺だったが・・・。
「これは・・・。」
「どう?なかなかお目にかかれない動物ばかりなんだから。」
「これは動物園っていうよりも猛獣園だろ。」
そこにいたのは数々の魔獣。
凶暴な見た目をしたやつから小柄の可愛い奴まで様々だが、ほとんどがなんていうかワイルドなやつだった。
右を見れば凶暴な牙をむき出しにしたトラみたいな魔物。
左を見れば、大きな翼をばっさばっさと動かして鋭い視線を向けて来る鳥のような魔物。
他にも多くのやばそうなやつらが草原のいたるところに設置してある。
「猛獣じゃないわ、私達の可愛い家族よ。」
「とはいえ近づくとやばいだろ?」
「線より向こうに行かなきゃ大丈夫よ、今はお腹も満たされてるし。」
「ガキ共は大丈夫だろうな。」
「みんな賢いから誰がご飯を持ってきてくれたかわかってる。心配はいらないわ。」
そうはいうが、ライオンのような鬣をしたどうみてもやばそうな魔物にガキ共が近づいているのを見ると恐怖しかない。
何かあったらどう責任を取るんだろうか。
「ねぇシロウ!すっごい可愛いよ!」
「すごい牙だねぇ、おっきいねぇ。」
「これ、乗れるかな?」
「乗れるけどすぐ落とされちゃいそう。」
「あ、舐めた!すっごい涎~。」
その涎は捕食前のやつか?それとも愛情なのか?
分からんがアニーさんの言うように魔物たちはガキ共を温かく迎えてくれたようだ。
大量の野菜と俺の持ち込んだ大量の肉。
美味い物を運んでくれた人という認識のようで、大歓迎を受けている。
「で、エリザ。」
「なによ。」
「この中で倒したことあるのは?」
「ん~、八割ぐらいかしら。」
「マジか。」
「どれもそれなりに骨のあるやつだったけど、懐くのね。」
「信じられないがそうらしい。」
「シロウ様、この魔物は昨日買い取った素材の生みの親かと。」
やめろ、その言い方はマズイ。
ミラが指さしたのは黒豹のような大型の猫・・・じゃなかった魔物だ。シャドウイーターとかいう怖い名前をした魔物だったが、そうかこういう見た目なのか。
「ちなみに暗闇ではよほどの熟練者じゃないと気配を感じられないわ。出会ったら半分の確率で死ぬわね。」
「うっそだろ。」
「嘘云わないわよ。まぁ、松明でしっかり前を確認すれば対処できるわ。」
「つまり気を抜かなければ何とかなると?」
「そういう事。」
「そんな奴らが今は目の前でじゃれてるのか。」
「ちょっと魔物を見る目が変わりそうだわ。」
「あきらめろ、奴らは敵。それ以外の何物でもない。」
「わかってる。」
分かっているがなんていうか、考える所があるよなぁ。
その後、移動動物園は一週間にわたって滞在し、大成功をおさめたそうだ。
大勢の冒険者が来場し、展示されている魔物を見て驚いていたのだとか。
だが、俺の心配をよそに動物園が来てからと言うもの展示されていた魔物の素材を持ち込む冒険者が増えた。
敵を知れば百戦危うからずという事なんだろう。
うぅむ、移動動物園恐るべしだ。
まぁ、ガキ共も大喜びしていたしたまの気晴らしにはなっただろう。
サーカスに移動動物園、次は何が来るんだろうか。
ちょっと楽しみになって来たぞ。
毎日のように野菜を収穫しているが無くならないのが不思議なくらいだ。
もちろん最盛期に比べたら半分ぐらいになってはいるが、それでも俺達と知り合い全員の食卓を賄えるぐらいには収穫できている。
そして今日もガキ共と朝から精を出していたわけだが・・・。
「ねぇシロウ、見て!」
「ん?」
「何か来るよ!」
「ほんとだ!おっきいのが来る!」
塀の隙間から顔を突き出し、ガキどもが草原の向こうを指さす。
その方向に目を向けると、土煙を上げながらいくつもの馬車が向かって来るのが分かった。
かなり大きな馬車なのはわかるが、誰かが大荷物でも頼んだんだろうか。
その馬車はどんどんと近づいてきたのだが、何故か途中で止まってしまった。
「止まっちゃったね。」
「故障か?」
「わかんないよ~。」
「ちょっと見て来るか。アグリ、ガキどもを頼む。ルフ行くぞ。」
ブンブン。
隅の方でうずくまっていたルフがスッと立ち上がり俺の横にぴったりと並んだ。
チビ二匹も慌てて追いかけてきたが、ルフの一睨みでその場に伏せをして待機するあたりしっかりと躾けてあるようだ。
さすがルフ、教育にも余念がないな。
ルフを連れて街道を進むと先ほど見えた馬車がどんどんと大きくなってきた。
これは・・・かなりでかいぞ。
特注品かと言わんばかりの大きさ。
通常は3m程ぐらいのものだが、これは5mぐらいありそうだ。
大型のトレーラートラック並みといえばわかりやすいだろうか。
「なんだ、この臭い。」
「ヴゥ。」
近づけば近づくほど獣のようなにおいが強くなってくる。
どこかで嗅いだ事があるんだが・・・。
そうだ、思い出した。
動物園だ。
そんな事を考えていると、馬車の周りで何人かが作業しているのが見えた。
見た感じ修理をしている感じではない。
「よぉ、どうかしたのか?」
「ん?貴方は?」
「街の人間だ、近くに畑を持っててな、馬車が見えたんで様子を見に来たんだが・・・故障じゃなさそうだな。」
「これはご心配をおかけした。私達は移動動物園を運営していてね、今回はここで開かせてもらおうと思ったんだよ。良かったら役人に引き継いでもらえないか?」
「役人・・・ギルド協会でいいか?」
「あぁ、助かるよ。」
移動動物園か、獣の匂いがするのも納得だな。
ルフが興味深そうに周りの臭いを嗅いでいる。
「俺はシロウだ、買取屋をしている。」
「私はマルスだ。園長って事になるかな。」
「かな?」
「代表を無理やり押し付けられてるけど、実際の権力者は・・・。」
「ちょっとマルスなにやって・・・お客さん?」
「彼女はアニー、まぁそういう事だよ。」
「なるほど理解した。」
「どういう事?」
マルスの紹介にアニーというその女性は不思議そうに首を傾げた。
それにしても凸凹感半端ないな。
アニーと呼ばれたその女性はかなり大柄、身長は俺と同じぐらいだが横にかなり大きい。
デブじゃない、デカイ。
胸も尻も全てデカイが、腹はそうでもないだから不思議だ。
マルスは逆にかなり細い。
こんな細身で大丈夫かっていうぐらいに細い。
背は同じ位なのに面積は半分ぐらいしかない。
そりゃ彼女の方が強いわ。
「こっちの話だ。」
「まぁ、何でもいいんだけど。で、街に行ったなら野菜を買って来てくれる?みんなお腹空いて気が立ってるみたいなのよ、開園前だしお金が無いのはわかってるけど出来るだけお願い。」
「うん、何とか探してみる。」
「ん?野菜?」
「動物たちのご飯。ここに来る前に色々あってあまり持ってこれなかったのよ。」
「屑野菜で良ければいくらでもあるが・・・。」
「ほんと!」
食いつきがすごいな。
身体がでかいだけに圧も半端ない。
見た目は・・・美人ってわけでもないがブサイクでもない。
昔で言うクラスに一人はいる普通の女性だ。
「アニー、いくら何でも初対面でそれはちょっと。」
「なんでよ、くれるっていうなら貰えばいいじゃない。」
「その代わり条件がある。」
「ほらね、ちゃんと話を聞かないと。」
「なによもったいぶって。」
「知り合いの孤児院にいるガキ共にも動物を見せてやりたいんだが、エサ代わりの屑野菜と交換ってのはどうだ?」
「それだけ?」
「あぁ。」
こういう商売だ、入場料で金を取ってなんぼだろう。
だが、ガキ共の分はエサ代で相殺してもらっていいはずだ。
「本当にいいのかい?」
「移動動物園なんてなかなかお目にかかれそうにないしな。それに、屑野菜の処理に困っていたのも事実だ。貰ってもらえると寧ろ助かる。」
「そういう事なら喜んで。」
「やったじゃない!後は許可を貰ったら完璧ね、それまでに準備しとくから。」
「わかったよアニー、後はよろしく。」
どうやら話はまとまったようだ。
ルフと俺、それとマルスさんの三人で畑に戻りアグリに事情を説明する。
移動動物園と聞いた途端にガキ共の目が輝いたのは言うまでもない。
その足でギルド協会へと向かい、羊男へと話をつないだ。
「って事らしいんで後よろしく。」
「え、帰ってしまうんですか?」
「俺にも仕事があるんでね。詳しい話はそいつに聞いてくれ、一応ギルド協会のえらいさんだから何とかしてくれるだろ。」
「いや、なんとかって。」
「するよな?」
「街の外を占有する程度であれば問題はありませんし、娯楽の提供はむしろこちらから願いたい所です。食糧もシロウさんの畑から出してくれるそうですから断る理由はありませんよ。」
「だ、そうだ。細かい事務処理に俺は必要ないだろ?俺は店に戻って女達に声をかけて来る。開園はいつになる?」
「えっと、スムーズにいけば夕方前には。本格開園は明日になるかと。」
「じゃあ夕方邪魔するわ、じゃあな。」
面倒な事は全部丸投げするに限る。
羊男に全部ぶん投げて店に戻り女達に事情を説明した。
「移動動物園ですか。」
「面白そうじゃない。」
「だろ?サーカスほどじゃないがそれなりに楽しめるはずだ。まぁ、主にガキ共が、だが。」
「いいんじゃないですか、毎日頑張ってくれていますし。」
「今日もお野菜を届けてくれました。ご褒美にはピッタリかと。」
「じゃあ決まりだな、一緒に行くだろ。」
「当たり前でしょ。」
エリザが至極当然と言った顔で答える。
幸い店に客はおらず片付けもほぼ終わっているようだ。
ミラもアネットも同じように頷いている。
ほんじゃま用意をして遊びに行きますかね。
移動動物園と聞き、てっきり子供だましな物を想像していた俺だったが・・・。
「これは・・・。」
「どう?なかなかお目にかかれない動物ばかりなんだから。」
「これは動物園っていうよりも猛獣園だろ。」
そこにいたのは数々の魔獣。
凶暴な見た目をしたやつから小柄の可愛い奴まで様々だが、ほとんどがなんていうかワイルドなやつだった。
右を見れば凶暴な牙をむき出しにしたトラみたいな魔物。
左を見れば、大きな翼をばっさばっさと動かして鋭い視線を向けて来る鳥のような魔物。
他にも多くのやばそうなやつらが草原のいたるところに設置してある。
「猛獣じゃないわ、私達の可愛い家族よ。」
「とはいえ近づくとやばいだろ?」
「線より向こうに行かなきゃ大丈夫よ、今はお腹も満たされてるし。」
「ガキ共は大丈夫だろうな。」
「みんな賢いから誰がご飯を持ってきてくれたかわかってる。心配はいらないわ。」
そうはいうが、ライオンのような鬣をしたどうみてもやばそうな魔物にガキ共が近づいているのを見ると恐怖しかない。
何かあったらどう責任を取るんだろうか。
「ねぇシロウ!すっごい可愛いよ!」
「すごい牙だねぇ、おっきいねぇ。」
「これ、乗れるかな?」
「乗れるけどすぐ落とされちゃいそう。」
「あ、舐めた!すっごい涎~。」
その涎は捕食前のやつか?それとも愛情なのか?
分からんがアニーさんの言うように魔物たちはガキ共を温かく迎えてくれたようだ。
大量の野菜と俺の持ち込んだ大量の肉。
美味い物を運んでくれた人という認識のようで、大歓迎を受けている。
「で、エリザ。」
「なによ。」
「この中で倒したことあるのは?」
「ん~、八割ぐらいかしら。」
「マジか。」
「どれもそれなりに骨のあるやつだったけど、懐くのね。」
「信じられないがそうらしい。」
「シロウ様、この魔物は昨日買い取った素材の生みの親かと。」
やめろ、その言い方はマズイ。
ミラが指さしたのは黒豹のような大型の猫・・・じゃなかった魔物だ。シャドウイーターとかいう怖い名前をした魔物だったが、そうかこういう見た目なのか。
「ちなみに暗闇ではよほどの熟練者じゃないと気配を感じられないわ。出会ったら半分の確率で死ぬわね。」
「うっそだろ。」
「嘘云わないわよ。まぁ、松明でしっかり前を確認すれば対処できるわ。」
「つまり気を抜かなければ何とかなると?」
「そういう事。」
「そんな奴らが今は目の前でじゃれてるのか。」
「ちょっと魔物を見る目が変わりそうだわ。」
「あきらめろ、奴らは敵。それ以外の何物でもない。」
「わかってる。」
分かっているがなんていうか、考える所があるよなぁ。
その後、移動動物園は一週間にわたって滞在し、大成功をおさめたそうだ。
大勢の冒険者が来場し、展示されている魔物を見て驚いていたのだとか。
だが、俺の心配をよそに動物園が来てからと言うもの展示されていた魔物の素材を持ち込む冒険者が増えた。
敵を知れば百戦危うからずという事なんだろう。
うぅむ、移動動物園恐るべしだ。
まぁ、ガキ共も大喜びしていたしたまの気晴らしにはなっただろう。
サーカスに移動動物園、次は何が来るんだろうか。
ちょっと楽しみになって来たぞ。
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