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610.転売屋は手紙を受け取る
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「シロウ、お手紙だよ。」
「手紙?」
「これは、イザベラ様からですね。」
「この間手紙をもらったばかりなんだが?」
「急な要件でしょうか。」
「それなら別の方法で連絡してくるはずだ。」
いつものように事務仕事、ではなく店でのんびりと店番をしているとガキが手紙を持ってきた。
受け取りのサインをして飴玉を一緒に渡すと、飛び上がって喜んでいた。
飴玉で喜べるのか、羨ましい。
そなことを考えながらペーパーナイフで封を切り中身を確認する。
お、花の香りがする手紙だ。
今はこういうのが流行りなのか。
え~っと、なになに?
「いかがですか?」
「・・・王都に来るなら色々持ってこいだとさ。」
「イザベラ様らしいですね。」
「向こうの流行りがわかるのは有難いが、それなら自分で仕入れればいいのにな。」
「出来るのにしない、それがイザベラ様なりの筋の通し方なのでしょう。」
「別にどんな方法で儲けてもらってもかまわないんだが。その分俺に金が入ってくるわけだし。」
あくまでも代理店というスタンスは崩したくないという事なんだろうけど、金になるのなら好きにしてもらってかまわないけどなぁ。
今度会ったときにしっかり伝えておくとしよう。
「何をご所望ですか?」
「掃除道具の新作とルティエの試作品、それと向こうで流行り出している西方の物ならなんでもいいそうだ。」
「西方のというと、あのグラスでしょうか。」
「そうなるなぁ。」
「食べ物関係はどうされます?」
「傷むリスクを考えるとせいぜい茶葉ぐらいだろう。醤油やコメなんてのは向こうにもありそうだし下手に広げて値段がつり上がっても困る。麦は不作になりそうなんだってな。」
「はい。ハーシェ様の伝手で色々と情報を集めましたが、穀倉地帯で病気が広がっているそうです。今年はそれなりに値上がりしそうですね。」
やはり前に仕入れた情報通りか。
ギルド協会も街も早めに麦の確保に動いたおかげで大きな問題は起きそうにない。
念のためにコメの備蓄も増やす予定だが、こっちは逆に大量注文という事で値を下げてくれた。
この事からもコメの需要はまだまだ広がっていないことがわかる。
主食さえ何とかしてしまえば野菜や肉類はダンジョンで手配できるのがうちの強みだよなぁ。
後は酒関係をどうするかか。
「エールはどうなんだ?」
「そちらはゲイル様が代表して手配してくださっているそうです。」
「あれやこれやと備蓄しようとしても置く場所が無いからなぁ。」
「作っても使われなくなれば無駄になりますから。」
「そうなんだよなぁ。難しい所だ。」
土地はある。
だからどんどん作って備蓄すればいいじゃないかという考えもできるのだが、次にまた不作になるとは限らない。
一過性の物なのだとしたらすぐに使われなくなってしまうわけで、そうなるとただの無駄。
それにそういうのを考えるのは俺ではなく街やギルド協会の仕事だ。
「ま、難しい事は偉い人に任せておけばいいだろう。とりあえずルティエに発破をかけて、掃除道具に関してもいくつか見本を用意しておこう。スティッキーツリーの樹皮はどうなった?」
「上手に剝がすのが難しく難航しています。」
「とりあえず時間かかかってもいいから綺麗に剥がすように工夫してもらってくれ。アレは間違いなく売れる。」
「だからこそ数が必要なんですよね。」
「あぁ。」
『スティッキーツリーの樹液。粘度が高い樹液を相手に吹きかけ身動きを取れなくするために使われる。一度くっつくと中々剥がせないが、お酒や大量の砂などで粘度を下げる方法がある。主に接着剤として使用されている。最近の平均取引価格は銅貨30枚。最安値銅貨21枚最高値銅貨35枚。最終取引日は三日前と記録されています』
根っこがまるで足のように動き、口っぽい部分から自分の樹液を吐き出して獲物を捕らえる姿はディズニーに出てきそう。
獲物は冒険者から無機生命体まで魔力で動くものなら何でも。
樹液で動かなくした後は根っこで押さえながら上に乗り、空っぽになるまで魔力を吸い上げてくる見た目のわりに中々にグロイ魔物でもある。
だが魔力を感知すれば何でもいいので、魔石を餌におびき出し根っこの部分から上をぶった切ってしまえば足の部分だけで逃げていく。
あたふたと根っこの部分だけ逃げていくのはなかなかにコミカルな映像なんだろうけど、生憎と本物を見たことはない。
樹液が糊の役目を果たすので普段から需要のある魔物ではあるのだが、今回は樹液が自分の外皮にくっつかない特性を生かして掃除道具に加工することにした。
その名もコロコロ。
いや、マジでそれしか名前が思いつかなかった。
ほらあれだ、テープをはがして絨毯とか服についた埃をからめとるやつ。
で、粘着が無くなったらまたテープをはがして復活させるあれだよ。
外皮をはがしてくるくる丸めると全く同じものが出来る事に気づき即商品化することにした。
グレイスたちに使わせたらかなり高評価だったので間違いはない。
他にもエレキテルウールの毛を使ったハンディーモップとか、スイパーマシンの内容液を利用した油落としなんかも台所周りの汚れを落とすには便利だ。
後は既存のやつで十分だろう。
最近は類似品が出回っているようなので近々庶民にもその有効性は広まるはず。
それまでに何とかして樹皮の加工方法を確立しておきたいところだ。
「引き続き頑張って貰ってくれ。西方のグラスは近々港町に行くからその時に追加を頼もう。何なら全部買い占めてもいい、向こうで売れるのは間違いなさそうだしな。」
「ではその際に別の品も一緒に探します。」
「『どんな』西方の品が人気なのかぐらい書いてくれると有難かったんだが。まぁ良いか。」
「シロウ様的には何がいいと思いますか?」
「貴族相手なら見た目の綺麗な物、庶民相手には一目で西方のものと分かるのがいいだろう。そういや布とかは見かけないな。輸送の手間を考えてももっと入っていてもよさそうだが。」
「布ですか。そういえば見かけませんね。」
「こっちの布の方が見た目に綺麗だからそのせいもあるかもな。とはいえ、ローランド様に納品した絨毯はなかなかに良かったし無いわけじゃないんだろう。」
流行りなら何でも、ってわけにはいかないだろうし輸送の途中で壊れても困る。
その辺を見極めながら品定めした方がよさそうだ。
「後はお土産ですね。」
「そこが問題だ。」
「国王陛下はもちろんの事オリンピア様やご兄弟、それとリング様とご家族様への分は必須でしょう。」
「そもそも国王陛下への土産とかなんで考えないといけないんだよ。向こうの方が金持ちだぞ?凄いものもたくさん持ってるだろう、今更いらないんじゃないか?」
「そういうわけには参りません。先方からの誘いとはいえ、相手が相手ですから。」
「めんどくさすぎる。」
なんで俺がそこまでしなくちゃならないんだと投げ出したい気持ち9割、めんどくさい気持ち五分、そして残り五分が仕方がない。
つまり肯定的な気持ちはどこにもない。
はぁ、王都に行くのはいいがこれが一番の問題だよなぁ。
「ハーシェ様の意見を聞きながらいくつか候補は上げていますが、シロウ様の仰るようにありきたりなものではあります。」
「この街らしさを出す必要はないだろう、なんなら薬草とかでいいんじゃないか?」
「さすがにそれは・・・。」
「じゃあポーション。」
「却下です。」
「うわ、さっきより厳しい。」
「せめてシロウ様らしい品でないと。」
「俺らしい、ねぇ。」
買取屋だけに買取った品?
さすがに中古品はどうかとおもうが、この世界では結構普通にやり取りされてるもんなぁ。
前にオークションで買ってもらったノワールエッグもいわば中古品だ。
あんな感じのやつを人数分?
無理過ぎる。
「お守りでも作るか。」
「それはいいかもしれません、この前のように魔物の骨を加工して贈り物に。良い考えだと思います。」
「なら国王陛下はドラゴンで、王族はそれに近しい物。リングさんの所は別に用意すればいいか。」
「骨にも色々と意味がありますから、少し調べてみます。」
「細工はアーロイに任せて見栄えのいい箱に入れればそれなりの物になる、はずだ。よし、これでいこう。」
「では骨の手配はベッキー様にお願いしますね。」
「そうだな。だがドラゴンは別に用意するつもりだ。」
「というと?」
「ディーネに相談してみるつもりだ。追加の化粧品を持っていくと約束してるからそのついでにな。」
「ディーネ様ですか。確かにあの方でしたら良い物をお持ちでしょう。」
「問題はあいつ用の肉を用意しなきゃならないのと、道中の警護か。まぁ、何とかなるだろう。」
風の噂を聞いたときに一度シミュレーションしてある。
行くのは二度目だし、戦いに行くわけではないから道中さえ気を付ければいいだけだ。
「最高のお肉を用意しないといけませんね。」
「道中で見つかればいいんだがなぁ。」
「それを期待しましょう。」
「とりあえずそんな感じで動くとしよう。他にも何かいい品があれば教えてくれ。」
「わかりました。」
時間は無いのにやることはたくさんある。
はぁ、相変わらず忙しいなぁ。
店はこんなに暇なのに。
とか思っていたら、カランカランとベルが鳴り冒険者がやってきた。
「シロウさん!ダンジョンでスプリングラビットが大量発生したらしいっすよ!」
「げ、またか。」
「もうすぐ仲間が大量に持ち込むんで買取宜しくお願いします!」
「いや、ギルドに行けよ。」
「だってシロウさんの方が高く売れるじゃないですか。」
「そうなのか?」
「そうですね、毛皮は色々と加工できますのでギルドよりも一枚当たり銅貨10枚ほど高くしています。固定買取ではありませんから。」
「せめて下処理は済ませて来いと伝えといてくれ。」
「了解っす!あ、ついでに俺の分もよろしくお願いします。」
毛皮のはずなのに、ドンと鈍い音がする。
これから暑くなる時期だというのに大量の毛皮がカウンターの上にのせられた。
「これが大量に来るのか。」
「メルディ様を呼んでまいります。」
「休憩中に悪いなぁ。」
「状況が状況ですから。」
前言撤回、店は暇じゃなくなりそうだ。
でもまぁそれもいつもの事。
さて、お仕事頑張りますかね。
「手紙?」
「これは、イザベラ様からですね。」
「この間手紙をもらったばかりなんだが?」
「急な要件でしょうか。」
「それなら別の方法で連絡してくるはずだ。」
いつものように事務仕事、ではなく店でのんびりと店番をしているとガキが手紙を持ってきた。
受け取りのサインをして飴玉を一緒に渡すと、飛び上がって喜んでいた。
飴玉で喜べるのか、羨ましい。
そなことを考えながらペーパーナイフで封を切り中身を確認する。
お、花の香りがする手紙だ。
今はこういうのが流行りなのか。
え~っと、なになに?
「いかがですか?」
「・・・王都に来るなら色々持ってこいだとさ。」
「イザベラ様らしいですね。」
「向こうの流行りがわかるのは有難いが、それなら自分で仕入れればいいのにな。」
「出来るのにしない、それがイザベラ様なりの筋の通し方なのでしょう。」
「別にどんな方法で儲けてもらってもかまわないんだが。その分俺に金が入ってくるわけだし。」
あくまでも代理店というスタンスは崩したくないという事なんだろうけど、金になるのなら好きにしてもらってかまわないけどなぁ。
今度会ったときにしっかり伝えておくとしよう。
「何をご所望ですか?」
「掃除道具の新作とルティエの試作品、それと向こうで流行り出している西方の物ならなんでもいいそうだ。」
「西方のというと、あのグラスでしょうか。」
「そうなるなぁ。」
「食べ物関係はどうされます?」
「傷むリスクを考えるとせいぜい茶葉ぐらいだろう。醤油やコメなんてのは向こうにもありそうだし下手に広げて値段がつり上がっても困る。麦は不作になりそうなんだってな。」
「はい。ハーシェ様の伝手で色々と情報を集めましたが、穀倉地帯で病気が広がっているそうです。今年はそれなりに値上がりしそうですね。」
やはり前に仕入れた情報通りか。
ギルド協会も街も早めに麦の確保に動いたおかげで大きな問題は起きそうにない。
念のためにコメの備蓄も増やす予定だが、こっちは逆に大量注文という事で値を下げてくれた。
この事からもコメの需要はまだまだ広がっていないことがわかる。
主食さえ何とかしてしまえば野菜や肉類はダンジョンで手配できるのがうちの強みだよなぁ。
後は酒関係をどうするかか。
「エールはどうなんだ?」
「そちらはゲイル様が代表して手配してくださっているそうです。」
「あれやこれやと備蓄しようとしても置く場所が無いからなぁ。」
「作っても使われなくなれば無駄になりますから。」
「そうなんだよなぁ。難しい所だ。」
土地はある。
だからどんどん作って備蓄すればいいじゃないかという考えもできるのだが、次にまた不作になるとは限らない。
一過性の物なのだとしたらすぐに使われなくなってしまうわけで、そうなるとただの無駄。
それにそういうのを考えるのは俺ではなく街やギルド協会の仕事だ。
「ま、難しい事は偉い人に任せておけばいいだろう。とりあえずルティエに発破をかけて、掃除道具に関してもいくつか見本を用意しておこう。スティッキーツリーの樹皮はどうなった?」
「上手に剝がすのが難しく難航しています。」
「とりあえず時間かかかってもいいから綺麗に剥がすように工夫してもらってくれ。アレは間違いなく売れる。」
「だからこそ数が必要なんですよね。」
「あぁ。」
『スティッキーツリーの樹液。粘度が高い樹液を相手に吹きかけ身動きを取れなくするために使われる。一度くっつくと中々剥がせないが、お酒や大量の砂などで粘度を下げる方法がある。主に接着剤として使用されている。最近の平均取引価格は銅貨30枚。最安値銅貨21枚最高値銅貨35枚。最終取引日は三日前と記録されています』
根っこがまるで足のように動き、口っぽい部分から自分の樹液を吐き出して獲物を捕らえる姿はディズニーに出てきそう。
獲物は冒険者から無機生命体まで魔力で動くものなら何でも。
樹液で動かなくした後は根っこで押さえながら上に乗り、空っぽになるまで魔力を吸い上げてくる見た目のわりに中々にグロイ魔物でもある。
だが魔力を感知すれば何でもいいので、魔石を餌におびき出し根っこの部分から上をぶった切ってしまえば足の部分だけで逃げていく。
あたふたと根っこの部分だけ逃げていくのはなかなかにコミカルな映像なんだろうけど、生憎と本物を見たことはない。
樹液が糊の役目を果たすので普段から需要のある魔物ではあるのだが、今回は樹液が自分の外皮にくっつかない特性を生かして掃除道具に加工することにした。
その名もコロコロ。
いや、マジでそれしか名前が思いつかなかった。
ほらあれだ、テープをはがして絨毯とか服についた埃をからめとるやつ。
で、粘着が無くなったらまたテープをはがして復活させるあれだよ。
外皮をはがしてくるくる丸めると全く同じものが出来る事に気づき即商品化することにした。
グレイスたちに使わせたらかなり高評価だったので間違いはない。
他にもエレキテルウールの毛を使ったハンディーモップとか、スイパーマシンの内容液を利用した油落としなんかも台所周りの汚れを落とすには便利だ。
後は既存のやつで十分だろう。
最近は類似品が出回っているようなので近々庶民にもその有効性は広まるはず。
それまでに何とかして樹皮の加工方法を確立しておきたいところだ。
「引き続き頑張って貰ってくれ。西方のグラスは近々港町に行くからその時に追加を頼もう。何なら全部買い占めてもいい、向こうで売れるのは間違いなさそうだしな。」
「ではその際に別の品も一緒に探します。」
「『どんな』西方の品が人気なのかぐらい書いてくれると有難かったんだが。まぁ良いか。」
「シロウ様的には何がいいと思いますか?」
「貴族相手なら見た目の綺麗な物、庶民相手には一目で西方のものと分かるのがいいだろう。そういや布とかは見かけないな。輸送の手間を考えてももっと入っていてもよさそうだが。」
「布ですか。そういえば見かけませんね。」
「こっちの布の方が見た目に綺麗だからそのせいもあるかもな。とはいえ、ローランド様に納品した絨毯はなかなかに良かったし無いわけじゃないんだろう。」
流行りなら何でも、ってわけにはいかないだろうし輸送の途中で壊れても困る。
その辺を見極めながら品定めした方がよさそうだ。
「後はお土産ですね。」
「そこが問題だ。」
「国王陛下はもちろんの事オリンピア様やご兄弟、それとリング様とご家族様への分は必須でしょう。」
「そもそも国王陛下への土産とかなんで考えないといけないんだよ。向こうの方が金持ちだぞ?凄いものもたくさん持ってるだろう、今更いらないんじゃないか?」
「そういうわけには参りません。先方からの誘いとはいえ、相手が相手ですから。」
「めんどくさすぎる。」
なんで俺がそこまでしなくちゃならないんだと投げ出したい気持ち9割、めんどくさい気持ち五分、そして残り五分が仕方がない。
つまり肯定的な気持ちはどこにもない。
はぁ、王都に行くのはいいがこれが一番の問題だよなぁ。
「ハーシェ様の意見を聞きながらいくつか候補は上げていますが、シロウ様の仰るようにありきたりなものではあります。」
「この街らしさを出す必要はないだろう、なんなら薬草とかでいいんじゃないか?」
「さすがにそれは・・・。」
「じゃあポーション。」
「却下です。」
「うわ、さっきより厳しい。」
「せめてシロウ様らしい品でないと。」
「俺らしい、ねぇ。」
買取屋だけに買取った品?
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前にオークションで買ってもらったノワールエッグもいわば中古品だ。
あんな感じのやつを人数分?
無理過ぎる。
「お守りでも作るか。」
「それはいいかもしれません、この前のように魔物の骨を加工して贈り物に。良い考えだと思います。」
「なら国王陛下はドラゴンで、王族はそれに近しい物。リングさんの所は別に用意すればいいか。」
「骨にも色々と意味がありますから、少し調べてみます。」
「細工はアーロイに任せて見栄えのいい箱に入れればそれなりの物になる、はずだ。よし、これでいこう。」
「では骨の手配はベッキー様にお願いしますね。」
「そうだな。だがドラゴンは別に用意するつもりだ。」
「というと?」
「ディーネに相談してみるつもりだ。追加の化粧品を持っていくと約束してるからそのついでにな。」
「ディーネ様ですか。確かにあの方でしたら良い物をお持ちでしょう。」
「問題はあいつ用の肉を用意しなきゃならないのと、道中の警護か。まぁ、何とかなるだろう。」
風の噂を聞いたときに一度シミュレーションしてある。
行くのは二度目だし、戦いに行くわけではないから道中さえ気を付ければいいだけだ。
「最高のお肉を用意しないといけませんね。」
「道中で見つかればいいんだがなぁ。」
「それを期待しましょう。」
「とりあえずそんな感じで動くとしよう。他にも何かいい品があれば教えてくれ。」
「わかりました。」
時間は無いのにやることはたくさんある。
はぁ、相変わらず忙しいなぁ。
店はこんなに暇なのに。
とか思っていたら、カランカランとベルが鳴り冒険者がやってきた。
「シロウさん!ダンジョンでスプリングラビットが大量発生したらしいっすよ!」
「げ、またか。」
「もうすぐ仲間が大量に持ち込むんで買取宜しくお願いします!」
「いや、ギルドに行けよ。」
「だってシロウさんの方が高く売れるじゃないですか。」
「そうなのか?」
「そうですね、毛皮は色々と加工できますのでギルドよりも一枚当たり銅貨10枚ほど高くしています。固定買取ではありませんから。」
「せめて下処理は済ませて来いと伝えといてくれ。」
「了解っす!あ、ついでに俺の分もよろしくお願いします。」
毛皮のはずなのに、ドンと鈍い音がする。
これから暑くなる時期だというのに大量の毛皮がカウンターの上にのせられた。
「これが大量に来るのか。」
「メルディ様を呼んでまいります。」
「休憩中に悪いなぁ。」
「状況が状況ですから。」
前言撤回、店は暇じゃなくなりそうだ。
でもまぁそれもいつもの事。
さて、お仕事頑張りますかね。
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