転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア

文字の大きさ
783 / 1,738

780.転売屋は飛び道具の性能に感動する

しおりを挟む
「やべっ。」

「シロウさん、しゃがむし!」

「わかった!」

ベッキーの声に反応して言われるがままその場にしゃがむ、というかうつ伏せになる。

さっきまで俺の頭があった場所を何かが通り過ぎたのはわかった。

が、それも一瞬の事。

実体化したミケが音の原因を吹き飛ばす音が別に聞こえてくる。

そして周りは静かになった。

「もう大丈夫だし。」

「すまん、助かった。」

「シロウさんは悪くないし、私が見ていなかったせいだし。」

「気にするな。二人のおかげでこうやって無事でいられるわけだしな。」

立ち上がり服についた土を払えばほら元通りだ。

襲ってきたのは獣系の魔物だろうか、岩陰から飛び出してきたのだけはわかったが反応できたのはベッキーだけ。

ついて来ていた他の冒険者は反応すらできなかったようだ。

もちろんそれを咎めるようなことはしない。

これがベッキーたちのように護衛の仕事ならともかく、彼らは目的地が一緒の仲間に過ぎない。

自分の身は自分で守るのが鉄則のダンジョン、そこに他人の助けを求めていいのは金を払っている相手だけだ。

その後は特に魔物に襲われることもなく、休憩所へと到着。

しかし、大勢の冒険者が行きかうあの場所で魔物に襲われるとは。

かなりレアな体験をしたものだ。

「あ、シロウさん!」

「トトリか、元気そうだな。」

「元気いっぱいです!あれ、何でそんなに汚れているんですか?」

「ちょっと魔物に襲われてな。ベッキーとミケが助けてくれたから問題ない。」

「頑張ったし!」

「みゃ~う!」

実体化した一人と一匹が自慢げに胸を張る。

ほんと頼りになる二人だよ。

「無事でよかったです。今日はお仕事ですか?」

「あぁ、イレーネさんからの頼みで休憩所の食事について調べに来た。新米が増えただろ、しっかり食えているのか心配なんだとよ。」

「あー、確かにそうかも。でも皆さん何かしら食べていますよ、ここでも依頼はありますし上に戻らない人も結構います。」

「戻らないのか。」

「ほら、上はもう冬ですからわざわざ寒い場所で寝泊まりするぐらいなら暖かいダンジョンの中の方がいいみたいです。ここなら美味しい料理も食べられますし、寝場所さえ気にしなければ十分生活できます。」

うーむ、住居不足はそういった問題にも広まっているのか。

別に野宿が悪いとは言わないが、やはり硬い地面では疲れは取れない。

その為のマットレス的な物もあるがそれを設置しようものなら取り合いになってしまう。

宿をとるという話も出ていたが、ここ以上に安全な場所を探すのはなかなか難しいそうだ。

そもそもダンジョン内でこういった休憩所を作ることの方がおかしな話なんだよなぁ。

「なるほどなぁ。」

「私はやっぱり上で休みたいのでちゃんと帰りますよ。あ、そうだたまを補充しなきゃ!」

「たま?」

「スリングに使う弾です。いくら逃げるのが得意っていっても、逃げられないこともありますから。さっきも狼に使った所なんです。」

「スリング・・・。あぁ、あのパチンコみたいなやつか。」

色々と種類はあるみたいだが、簡単に言えば強力なゴムを使って色々な物を弾丸の様に打ち出す道具、いや武器だな。

弾は様々あり、鉄球や矢じり銃弾のようなものもあれば匂い玉や香辛料などの非戦闘品も使われる。

ゴムを引く力さえあれば比較的誰でも使えるので新米や盗賊などの後衛が使うことが多い。

簡単とは言え命中させるのはなかなか大変だ。

特に振り回すタイプのやつは勢いはつくものの当てるのは難しい。

それに弾は基本消耗品になるので意外に金がかかるんだよなぁ。

倒した魔物を捌いて回収する事も多いが、獲物が多いとそういうわけにもいかないのと接近されると弱いのが欠点だ。

「あれが無かったら今頃魔物のご飯になっちゃってますよ。」

「私も使ったことあるし!でも下手で当てられなかったし。」

「練習ですよ、練習。」

「つまり練習すれば俺でも使えるのか。」

「え、シロウさんがですか?」

「もちろん戦わないのが一番だが何かあった時に対処できるのは有難い。短剣があるとはいえ、離れた魔物に対処できれば後は誰かが何とかしてくれるだろう。」

別に魔物を狩ろうって言うわけじゃない。

自分の身を守れればそれで十分。

それこそ非戦闘系の弾丸は色々と使い道が多い。

帰ったら相談してみるか。


「なるほどね、それでスリングを使ってみたいんだ。」

「ダメか?」

「ダメじゃないわよ。積極的に攻撃するわけじゃないんだったら有りだと思うわ。でも、結局襲われている最中には不向きなのよね。」

「だよなぁ。」

「ですが何もせず襲われるぐらいなら使い道はあると思います。特に非戦闘系の弾は退却時にも有効です。」

仕事を終え屋敷に戻るとマリーさんとアニエスさんが遊びに来ていた。

ひとまず事情を説明するとこんな感じの答えが返ってきたわけだ。

可もなく不可もなくという感じだが、悪くはないみたいだな。

「じゃあアリって感じなんだな。」

「そうね私は賛成かな、新米でも使えるし持ち運ぶのも楽だもの。練習すれば獲物だって狩れるようになるわよ。」

「それは別にいいんだが、お勧めはあるか?」

「最初はスリングショットがいいでしょう、腕を固定できる分命中率が高く扱いやすい上にゴムの抵抗力をあげれば威力も向上します。」

「倉庫に行けばダンジョン産のがいくつかあるんじゃない?」

「あー、あった気がする。」

剣や槍などの直接的な武具はよく売れるが、弓やスリングなどは中々買い手が付かないので倉庫にたまりがちになる。

軽量化や消音、反発増加など珍しい効果が付与されていたはずだ。

まてよ、それに命中力の上がる装備品をつければ俺でも戦える・・・。

いやいや、戦うために使うんじゃないんだって。

武器を持つとついついそんな事を考えてしまうが俺は冒険者じゃない。

そこは間違えないようにしないと。

倉庫からめぼしい物を発掘してついでに弾もいくつか用意してみた。

裏庭に的を設置してエリザとアニエスさんの指導を受けながら実際に使ってみる。

『月神のスリングショット。月の女神は弓の神様として讃えられており、その名を冠した装備はその祝福を授かっており命中率が高い。最近の平均取引価格は金貨1枚、最安値銀貨84枚最高値金貨2枚と銀貨55枚。最終取引日は410日前と記録されています。』

なんとまぁ豪華なものが眠っていたものだ。

っていうか金貨1枚もする装備品を放置するなって話だが、そういうものは結構ゴロゴロしている。

売ろうにも買い手が無くベルナの所に持って行っても買い叩かれるので眠らせているものは相当数ある。

販売件数よりも買取件数の方が上回っているので正直それは仕方のない事だ。

とはいえいつかは売らないといけないわけで。

この前掃除もしたわけだし装備品一掃セールとかやって現金化する時期が来たというわけだな。

「主に使用しますのは石・鉄・属性石等の攻撃型の弾と煙玉、錯乱弾、閃光玉などの非戦闘型の弾です。今回は石と鉄、それと骨を用意しました。」

「骨?」

「この前大量に出回ったでしょ、それを加工したのよ。」

『ドリルホーンの弾。鋭利なドリルホーンの先端を残したスリング用の弾。鋭利な先端部が標的を貫通し当たり場所によっては即死させる。最近の平均取引価格は銀貨1枚。最安値銅貨60枚最高値銀貨2枚最終取引日は本日と記録されています。』

まさかあの骨を削って弾にするとは思わなかった。

でも岩にだって刺さるぐらいだ、魔物の体なんて楽々貫いてしまうだろう。

とはいえ一発銀貨1枚って高すぎじゃないか?

「とりあえず石からいこう。」

「利き手は右ですね、では左手をまっすぐ伸ばしてしっかり持ち手を握ってください。右手で球を持ちゴムの固定部にしっかりと当て左手がぶれないよう最初はゆっくりと引きましょう。標的を中央に入れ狙いを定めて離します。」

アニエスさんが俺の後ろに回り、手を添えて実際にフォームを教えてくれる。

足は肩幅に開いて重心を少し下げ軸をぶれないようにする。

いい匂いがするが今は練習に集中だ。

標的は10m程先に置かれた少しいびつな丸の描かれた鉄の板。

思ったよりも軽い抵抗に驚きながらもしっかりと狙いを定めて指を離した。

「当たった!」

「なかなか筋がいいですね。」

「当たりはしたが真ん中からずいぶん離れたぞ。」

石は標的の中心から右上にずれて命中すると同時に粉々に割れてしまった。

跳ね返ってこなくてよかったが、正直想像以上の威力だ。

「装備のおかげもあるかもしれないけど、初めてで当てられるのは凄い事なのよ。へぇ、シロウにこんな才能もあったのね。」

「ただの石の玉でこの威力、そりゃ新米が使うわけだ。」

「でも結局は弓とか魔法の方が応用が利くのよね。でもお守り代わりに持っている子は多いし、持っていて損はない装備だと思うわ。私は使わないけど。」

「知ってる。」

「弾は容易に手に入ります、練習を続ければ本当に獲物を狩れるようになるかもしれません。」

確かに練習すればそうかもしれないが、今は動かない的でこの感じだ。

それが動くようになると随分と勝手が変わるだろう。

当たったのだって装備品がすごいおかげだ。

とはいえ褒められるのは素直にうれしいわけで。

あれだ、スリング関係の道具や装備を揃えると結構売れるかもしれないな。

弾だって既存のもの以外にも色々使える素材があるかもしれない。

これは新しい商機が見つかったかもしれないぞ。

元の世界だったらパチンコだの子供の玩具だの言われたかもしれないが、普通に考えれば大昔から使われてきた武器なんだよなぁ。

よくまぁ悪用されなかったものだ。

そんなどうでもいい事を考えながら、俺は次の球を掴み標的に狙いを定めるのだった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

中途半端なソウルスティール受けたけど質問ある?

ミクリヤミナミ
ファンタジー
仮想空間で活動する4人のお話です。 1.カールの譚 王都で生活する鍛冶屋のカールは、その腕を見込まれて王宮騎士団の魔王討伐への同行を要請されます。騎士団嫌いの彼は全く乗り気ではありませんがSランク冒険者の3人に説得され嫌々魔王が住む魔都へ向かいます。 2.サトシの譚 現代日本から転生してきたサトシは、ゴブリンの群れに襲われて家族を奪われますが、カール達と出会い力をつけてゆきます。 3.生方蒼甫の譚 研究者の生方蒼甫は脳科学研究の為に実験体であるサトシをVRMMORPG内に放流し観察しようとしますがうまく観察できません。仕方がないので自分もVRMMORPGの中に入る事にしますが…… 4.魔王(フリードリヒ)の譚 西方に住む「魔王」はカール達を自領の「クレータ街」に連れてくることに成功しますが、数百年ぶりに天使の襲撃を2度も目撃します。2度目の襲撃を退けたサトシとルークスに興味を持ちますが……

七億円当たったので異世界買ってみた!

コンビニ
ファンタジー
 三十四歳、独身、家電量販店勤務の平凡な俺。  ある日、スポーツくじで7億円を当てた──と思ったら、突如現れた“自称・神様”に言われた。 「異世界を買ってみないか?」  そんなわけで購入した異世界は、荒れ果てて疫病まみれ、赤字経営まっしぐら。  でも天使の助けを借りて、街づくり・人材スカウト・ダンジョン建設に挑む日々が始まった。  一方、現実世界でもスローライフと東北の田舎に引っ越してみたが、近所の小学生に絡まれたり、ドタバタに巻き込まれていく。  異世界と現実を往復しながら、癒やされて、ときどき婚活。 チートはないけど、地に足つけたスローライフ(たまに労働)を始めます。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

通販で買った妖刀がガチだった ~試し斬りしたら空間が裂けて異世界に飛ばされた挙句、伝説の勇者だと勘違いされて困っています~

日之影ソラ
ファンタジー
ゲームや漫画が好きな大学生、宮本総司は、なんとなくネットサーフィンをしていると、アムゾンの購入サイトで妖刀が1000円で売っているのを見つけた。デザインは格好よく、どことなく惹かれるものを感じたから購入し、家に届いて試し切りをしたら……空間が斬れた!  斬れた空間に吸い込まれ、気がつけばそこは見たことがない異世界。勇者召喚の儀式最中だった王城に現れたことで、伝説の勇者が現れたと勘違いされてしまう。好待遇や周りの人の期待に流され、人違いだとは言えずにいたら、王女様に偽者だとバレてしまった。  偽物だったと世に知られたら死刑と脅され、死刑を免れるためには本当に魔王を倒して、勇者としての責任を果たすしかないと宣言される。 「偽者として死ぬか。本物の英雄になるか――どちらか選びなさい」  選択肢は一つしかない。死にたくない総司は嘘を本当にするため、伝説の勇者の名を騙る。

処理中です...