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1044.転売屋は消臭剤をふりかける
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秋晴れの日は洗濯日和。
ここ数日は雨の気配もないので奥様方が洗濯の日よろしく洗剤をたくさん買っていく。
屋敷で使う用に仕入れていた洗剤がまさか完売するとは思っていなかったが、売れるとわかってからすぐに冒険者に依頼を出したのですぐに在庫は復活するだろう。
儲けとしては少なめだが、生活必需品的な位置づけなので誰かがやらなければならない。
それが今回たまたま俺だったというだけの話。
けっしてめんどくさいとかそんなことは思っていないと釈明しておく。
「今日もよく乾きそうね。」
「夏ほどじゃないがそれなりの気温になりそうだし、この風なら昼過ぎには乾ききるんじゃないか?」
「洗濯ついでに防具の陰干しもしちゃおうかしら。最近してなかったし、血糊とか気になってたのよ。」
「思い立ったがなんとやらだ、潜る予定がないならさっさと綺麗にしておいた方がいいぞ。」
「それならシロウもしといたら?」
俺は別に防具とか使ってないし・・・とか一瞬思ったが、よくよく考えれば手袋やら内鎧やらダンジョンに潜る頻度は少なくてもそれなりの防具は持ち合わせている。
エリザほどではないにせよ使った後手入れはするが干したりはしてこなかったなぁ。
それこそ思い立ったが吉日というやつだ、折角の機会を無駄にしないようにしよう。
エリザが自室から防具を運び出すのにならって、俺も自分の防具を日陰に並べていく。
日向だと乾きすぎてしまうのと日光と紫外線の両方で傷みが出てしまうので革製品は基本陰干し。
金属製の物は水をかけて汚れを落とした後、一度水気をふき取ってから日向に放置しておく。
前線で戦ってはいないものの、素材を採取しているときに血やら脂やらがこびりついてしまうようで、思った以上に汚れていた。
一応手入れはしてきたつもりなんだが、たまにはこうやって綺麗にしないとなぁ。
その後、乾くまで仕事を済ませておやつ時に回収。
ピカピカになった防具たちはどれも喜んでいることだろう。
「・・・くさい。」
「え?どうしたの?」
「どことなく獣の臭いがする。あれだけきれいに洗ったのにまだ臭うのかよ。」
「あー、革にしみ込んだ汗の臭いってなかなか取れないのよねぇ。私はもう慣れちゃってるけど。」
「慣れたからいいってもんじゃないと思うぞ。」
裏返した手袋をしまおうとしたその時だった。
中からかすかに動物の臭いがしてきた。
なんだろう、体を洗ってやる前の飼い犬の臭い。
いや、これはあれだ。
元の世界で子供の時に習っていた剣道の防具からした臭いだ。
エリザのいうこびりついた汗の臭いは、洗ってもなかなか取れないんだよなぁ。
それ専用のクリーニング屋が存在するぐらいにしつこいにおい。
まさか、それと同じことがこの世界でも起きるとはって、当たり前か同じ使い方なんだから。
幸いこの年になって縁遠くなった加齢臭とはまた違うが、ともかく臭いものは臭い。
俺でこれだけ気にするんだから、普段から防具を使う冒険者ってかなり気にしてるんじゃないだろうか。
それはつまり売れる可能性を秘めているわけで。
「え、臭いを消す素材ですか?」
「消臭石とか炭じゃなくて液体的な奴がいいんだが、そんな都合のいい素材・・・。」
「ありますよ。」
「え、あるのか?」
困ったときの生き字引ってことでキキに素材がないかを尋ねたら、まさかの即答だった。
あれ?
もしかして俺が知らないだけで冒険者の中ではごくありふれた素材なのか?
それならエリザが知ってそうなもんだが・・・。
「デオドールオルーガという真っ白い芋虫の魔物がいるんですが、その魔物は自らの臭いを体液で消して獲物に襲い掛かるんです。なので、それを使えばある程度の臭いを消すことができると思うんですけど。」
「思うんですけどってことは実用化されてないのか。」
「なんていうか、あまりにも見た目が気持ち悪すぎて効果があるとしても使いたくないというかなんというか。」
「そんなにか。」
「天井にびっしりと50㎝程の真っ白い芋虫が赤い口を開けて張り付いている光景を想像していただけますか。」
おぉぅ、それは想像するだけで背中にさぶイボが出来るやつだ。
確かに防具の臭いを消すためだけにそんな気持ち悪い魔物を狩りに行こうとは思わないよなぁ。
もっとも、効果があるのであれば防具の臭いの他にもゴミとか色々なものに使えそうなものなんだが、それ用に使っていないということは効果がないのかそれとも気持ちが悪すぎるのか。
とりあえず可能性のある素材はわかったんだ、仕入れない理由はないだろう。
ってことで、キキに聞いていた気持ち悪さも勘案して小瓶一つで銀貨10枚という大盤振る舞いの依頼料で調達依頼を出してみた。
上から大量に落ちてきたのに飲み込まれると骨まで溶かされてしまうとかいう中々ホラーな状況になるそうだが、それさえ気を付ければ特に怖い魔物ではないらしい。
びっしり張り付いていてもその大半を魔法なりなんなりで除去してしまえば、あとは煮るなり焼くなり好きにすればいい。
とかなんとか、俺みたいに依頼だけ出してダンジョンに潜らないやつは好き放題言うんだよなぁ。
さすがに依頼料が高額だったからか思ったよりも早く素材が手元にやってきた。
まさか5本も一気に持ち込まれるとは思っていなかったが、そういうこともあるだろう。
持ち込んだ冒険者は報酬を手にしたものの、ひどく憔悴した様子でギルドを後にしたらしい。
それが戦いによるものかそれとも見た目によるものかはわからないが、ともかく手元に現物があるんだ早速使ってみようじゃないか。
『デドールオルーガ。別名隠滅蟲。自らの体液を体にかける事で臭いをなくし、気づかずに下を通る獲物に天井から襲い掛かる芋虫の魔物。見た目の気持ち悪さから狩られることはまずないが、臭いのきつい仕事などでは消臭剤として用いられることもある。最近の平均取引価格は銀貨1枚、最安値銅貨45枚、最高値銀貨10枚、最終取引日は本日と記録されています。』
「あ!原液ではなく薄めて使ってくださいね。」
「そうなのか?」
「体液系はかなり濃度が濃くて危険なものが多いので、すみません先に言うべきでした。」
「いやいや、忠告感謝する。」
これまで色々と素材を扱ってきているというのに危機感がなさ過ぎたな。
扱っているのはあくまでも魔物の体から回収されたもの。
外皮や鱗なんかはともかく体内で生成されるものはどんな危険があるかわかったもんじゃない。
やばいものの場合は鑑定結果に出るから油断していた。
キキの忠告通り10倍希釈ぐらいの液体を作り、倉庫に眠っていた臭いのきつい防具全体に振りかけてみる。
すると、近づくだけで鼻を衝く酸っぱいような臭いが手に取っても感じないぐらいになっていた。
早速自分のグローブにも使ってみたのだが、先程の不快な獣臭は一切しない。
やばい、これは想像以上の効果だ。
その後希釈倍率を変えながら確認をしていくと、50倍で効果がほぼなくなってしまったが30倍ぐらいではかなりの効果を実感できた。
つまり小瓶5本が150本分にもなるという事。
あくまでも消臭材としての可能性を確認するために素材を仕入れたので大損かと思われたが、ここにきて一発逆転大儲けできる可能性まで出てきてしまった。
自分の肌に塗ってみてもかぶれるような感じはなかったので、おそらくは問題なさそうだ。
本来であればパッチテスト的な物をした方がいいのかもしれないが、あくまでもものに着ける消臭剤なのでそこまでしなくていいだろうという結論に至った。
早速屋敷の各部屋に常備され、今頃各々が気になるところに振りかけていることだろう。
予備も含め残った100本ほどを追加依頼をかけるついでに冒険者ギルドへと持ち込む。
「これで本当ににおいが消えるの?」
「消えるから持ち込んでるんじゃない、これで臭いって不評の貸し出し用装備ともおさらばよ。」
「あのこびりついた臭いがこんなので本当に取れるんならいいんだけど。ちなみにおいくら?」
「一本銀貨1枚だな。」
「え~、高くない?」
「効果はうちの倉庫に眠っていた装備品で確認済み。正直この値段でも安いと思うぞ。」
「だってにおいを消すだけでしょ?」
「それが嫌だから誰も装備を借りないんじゃない。」
冒険者ギルドでは新人冒険者に向けて装備の貸し出しを行っている。
前に一度冒険者ギルド本部に装備を送ったことはあったが、それとは別にちゃんと保管しておいたやつだ。
それがあれば新しく入ってきた冒険者でも最低限戦うことはできるはず。
しかしながら装備の貸出率が低調なままだったのはずばり装備が臭かったからだ。
慣れた冒険者ならまだしも新人ではさすがに嫌だろうなぁ。
逆を言えばそれさえなければ使うやつは増えるはず。
装備が良くなれば生きて戻る可能性も上がるし、それにより何かしらのお金を稼ぎだすことができる。
稼げれば自分の装備も帰るし、何よりギルドも俺も儲かるという三方すべてに利のある話だ。
それで使わないっていうのは、ちょっとなぁ。
「もうちょっと安くならない?」
「これでも値引きした方だぞ。それなら今出してる依頼料を半分持ってくれるなら、銅貨70枚にしないでもない。」
「うーん、わかったわそれで手を打ちましょ。」
「みんな聞いた?あの臭い装備ともお別れよ、すぐにこれを持って装備の保管庫に向かって!」
「「「はい!」」」
エリザが近くの職員に小瓶を手渡すと大喜びで奥へと消えていった。
皆臭いっていう自覚はあったんだな。
その後、臭いの無くなった装備は新人冒険者に広く使われることになり、さらにその効果を知ったほかの冒険者がこぞって消臭剤を買い求めることになる。
別に買わなくても自分で取りに行くこともできるのだが、やはりあの見た目が嫌なようで値段を銀貨1枚にしても売れ続けた。
まさかこんなにも儲けが出るとは思っていなかったが、みな臭いには敏感って事がこれで分かったわけだ。
今後は一般用にも流通するよう継続して依頼を出すようにしよう。
なんせ代金の半分はギルド持ち。
ニアの悔しそうな顔が目に浮かぶようだなぁ。
ここ数日は雨の気配もないので奥様方が洗濯の日よろしく洗剤をたくさん買っていく。
屋敷で使う用に仕入れていた洗剤がまさか完売するとは思っていなかったが、売れるとわかってからすぐに冒険者に依頼を出したのですぐに在庫は復活するだろう。
儲けとしては少なめだが、生活必需品的な位置づけなので誰かがやらなければならない。
それが今回たまたま俺だったというだけの話。
けっしてめんどくさいとかそんなことは思っていないと釈明しておく。
「今日もよく乾きそうね。」
「夏ほどじゃないがそれなりの気温になりそうだし、この風なら昼過ぎには乾ききるんじゃないか?」
「洗濯ついでに防具の陰干しもしちゃおうかしら。最近してなかったし、血糊とか気になってたのよ。」
「思い立ったがなんとやらだ、潜る予定がないならさっさと綺麗にしておいた方がいいぞ。」
「それならシロウもしといたら?」
俺は別に防具とか使ってないし・・・とか一瞬思ったが、よくよく考えれば手袋やら内鎧やらダンジョンに潜る頻度は少なくてもそれなりの防具は持ち合わせている。
エリザほどではないにせよ使った後手入れはするが干したりはしてこなかったなぁ。
それこそ思い立ったが吉日というやつだ、折角の機会を無駄にしないようにしよう。
エリザが自室から防具を運び出すのにならって、俺も自分の防具を日陰に並べていく。
日向だと乾きすぎてしまうのと日光と紫外線の両方で傷みが出てしまうので革製品は基本陰干し。
金属製の物は水をかけて汚れを落とした後、一度水気をふき取ってから日向に放置しておく。
前線で戦ってはいないものの、素材を採取しているときに血やら脂やらがこびりついてしまうようで、思った以上に汚れていた。
一応手入れはしてきたつもりなんだが、たまにはこうやって綺麗にしないとなぁ。
その後、乾くまで仕事を済ませておやつ時に回収。
ピカピカになった防具たちはどれも喜んでいることだろう。
「・・・くさい。」
「え?どうしたの?」
「どことなく獣の臭いがする。あれだけきれいに洗ったのにまだ臭うのかよ。」
「あー、革にしみ込んだ汗の臭いってなかなか取れないのよねぇ。私はもう慣れちゃってるけど。」
「慣れたからいいってもんじゃないと思うぞ。」
裏返した手袋をしまおうとしたその時だった。
中からかすかに動物の臭いがしてきた。
なんだろう、体を洗ってやる前の飼い犬の臭い。
いや、これはあれだ。
元の世界で子供の時に習っていた剣道の防具からした臭いだ。
エリザのいうこびりついた汗の臭いは、洗ってもなかなか取れないんだよなぁ。
それ専用のクリーニング屋が存在するぐらいにしつこいにおい。
まさか、それと同じことがこの世界でも起きるとはって、当たり前か同じ使い方なんだから。
幸いこの年になって縁遠くなった加齢臭とはまた違うが、ともかく臭いものは臭い。
俺でこれだけ気にするんだから、普段から防具を使う冒険者ってかなり気にしてるんじゃないだろうか。
それはつまり売れる可能性を秘めているわけで。
「え、臭いを消す素材ですか?」
「消臭石とか炭じゃなくて液体的な奴がいいんだが、そんな都合のいい素材・・・。」
「ありますよ。」
「え、あるのか?」
困ったときの生き字引ってことでキキに素材がないかを尋ねたら、まさかの即答だった。
あれ?
もしかして俺が知らないだけで冒険者の中ではごくありふれた素材なのか?
それならエリザが知ってそうなもんだが・・・。
「デオドールオルーガという真っ白い芋虫の魔物がいるんですが、その魔物は自らの臭いを体液で消して獲物に襲い掛かるんです。なので、それを使えばある程度の臭いを消すことができると思うんですけど。」
「思うんですけどってことは実用化されてないのか。」
「なんていうか、あまりにも見た目が気持ち悪すぎて効果があるとしても使いたくないというかなんというか。」
「そんなにか。」
「天井にびっしりと50㎝程の真っ白い芋虫が赤い口を開けて張り付いている光景を想像していただけますか。」
おぉぅ、それは想像するだけで背中にさぶイボが出来るやつだ。
確かに防具の臭いを消すためだけにそんな気持ち悪い魔物を狩りに行こうとは思わないよなぁ。
もっとも、効果があるのであれば防具の臭いの他にもゴミとか色々なものに使えそうなものなんだが、それ用に使っていないということは効果がないのかそれとも気持ちが悪すぎるのか。
とりあえず可能性のある素材はわかったんだ、仕入れない理由はないだろう。
ってことで、キキに聞いていた気持ち悪さも勘案して小瓶一つで銀貨10枚という大盤振る舞いの依頼料で調達依頼を出してみた。
上から大量に落ちてきたのに飲み込まれると骨まで溶かされてしまうとかいう中々ホラーな状況になるそうだが、それさえ気を付ければ特に怖い魔物ではないらしい。
びっしり張り付いていてもその大半を魔法なりなんなりで除去してしまえば、あとは煮るなり焼くなり好きにすればいい。
とかなんとか、俺みたいに依頼だけ出してダンジョンに潜らないやつは好き放題言うんだよなぁ。
さすがに依頼料が高額だったからか思ったよりも早く素材が手元にやってきた。
まさか5本も一気に持ち込まれるとは思っていなかったが、そういうこともあるだろう。
持ち込んだ冒険者は報酬を手にしたものの、ひどく憔悴した様子でギルドを後にしたらしい。
それが戦いによるものかそれとも見た目によるものかはわからないが、ともかく手元に現物があるんだ早速使ってみようじゃないか。
『デドールオルーガ。別名隠滅蟲。自らの体液を体にかける事で臭いをなくし、気づかずに下を通る獲物に天井から襲い掛かる芋虫の魔物。見た目の気持ち悪さから狩られることはまずないが、臭いのきつい仕事などでは消臭剤として用いられることもある。最近の平均取引価格は銀貨1枚、最安値銅貨45枚、最高値銀貨10枚、最終取引日は本日と記録されています。』
「あ!原液ではなく薄めて使ってくださいね。」
「そうなのか?」
「体液系はかなり濃度が濃くて危険なものが多いので、すみません先に言うべきでした。」
「いやいや、忠告感謝する。」
これまで色々と素材を扱ってきているというのに危機感がなさ過ぎたな。
扱っているのはあくまでも魔物の体から回収されたもの。
外皮や鱗なんかはともかく体内で生成されるものはどんな危険があるかわかったもんじゃない。
やばいものの場合は鑑定結果に出るから油断していた。
キキの忠告通り10倍希釈ぐらいの液体を作り、倉庫に眠っていた臭いのきつい防具全体に振りかけてみる。
すると、近づくだけで鼻を衝く酸っぱいような臭いが手に取っても感じないぐらいになっていた。
早速自分のグローブにも使ってみたのだが、先程の不快な獣臭は一切しない。
やばい、これは想像以上の効果だ。
その後希釈倍率を変えながら確認をしていくと、50倍で効果がほぼなくなってしまったが30倍ぐらいではかなりの効果を実感できた。
つまり小瓶5本が150本分にもなるという事。
あくまでも消臭材としての可能性を確認するために素材を仕入れたので大損かと思われたが、ここにきて一発逆転大儲けできる可能性まで出てきてしまった。
自分の肌に塗ってみてもかぶれるような感じはなかったので、おそらくは問題なさそうだ。
本来であればパッチテスト的な物をした方がいいのかもしれないが、あくまでもものに着ける消臭剤なのでそこまでしなくていいだろうという結論に至った。
早速屋敷の各部屋に常備され、今頃各々が気になるところに振りかけていることだろう。
予備も含め残った100本ほどを追加依頼をかけるついでに冒険者ギルドへと持ち込む。
「これで本当ににおいが消えるの?」
「消えるから持ち込んでるんじゃない、これで臭いって不評の貸し出し用装備ともおさらばよ。」
「あのこびりついた臭いがこんなので本当に取れるんならいいんだけど。ちなみにおいくら?」
「一本銀貨1枚だな。」
「え~、高くない?」
「効果はうちの倉庫に眠っていた装備品で確認済み。正直この値段でも安いと思うぞ。」
「だってにおいを消すだけでしょ?」
「それが嫌だから誰も装備を借りないんじゃない。」
冒険者ギルドでは新人冒険者に向けて装備の貸し出しを行っている。
前に一度冒険者ギルド本部に装備を送ったことはあったが、それとは別にちゃんと保管しておいたやつだ。
それがあれば新しく入ってきた冒険者でも最低限戦うことはできるはず。
しかしながら装備の貸出率が低調なままだったのはずばり装備が臭かったからだ。
慣れた冒険者ならまだしも新人ではさすがに嫌だろうなぁ。
逆を言えばそれさえなければ使うやつは増えるはず。
装備が良くなれば生きて戻る可能性も上がるし、それにより何かしらのお金を稼ぎだすことができる。
稼げれば自分の装備も帰るし、何よりギルドも俺も儲かるという三方すべてに利のある話だ。
それで使わないっていうのは、ちょっとなぁ。
「もうちょっと安くならない?」
「これでも値引きした方だぞ。それなら今出してる依頼料を半分持ってくれるなら、銅貨70枚にしないでもない。」
「うーん、わかったわそれで手を打ちましょ。」
「みんな聞いた?あの臭い装備ともお別れよ、すぐにこれを持って装備の保管庫に向かって!」
「「「はい!」」」
エリザが近くの職員に小瓶を手渡すと大喜びで奥へと消えていった。
皆臭いっていう自覚はあったんだな。
その後、臭いの無くなった装備は新人冒険者に広く使われることになり、さらにその効果を知ったほかの冒険者がこぞって消臭剤を買い求めることになる。
別に買わなくても自分で取りに行くこともできるのだが、やはりあの見た目が嫌なようで値段を銀貨1枚にしても売れ続けた。
まさかこんなにも儲けが出るとは思っていなかったが、みな臭いには敏感って事がこれで分かったわけだ。
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