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1045.転売屋は芋を売り歩く
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「い~しや~きイモ~、おイモ。」
「なんでそんな簡単な歌が耳に残るのかしら。」
「さぁなぁ、でもそれで売れるんだからいいじゃないか。」
「売れるって言っても前ほどじゃないでしょ?」
「それでいいんだよそれで。っと、イラッシャイ何本にする?」
おなじみの歌に引き寄せられるようにして冒険者が焼き芋を買いに来た。
昨秋に作った焼き芋の台車をこの秋はさらに進化させて、エリザと共に押して歩く。
秋といえばやはりこれだろう。
昨日と比べると急に冷え込んだので客足は思ったりよりも悪くはない。
エリザが言うのは大人気だった時の話であって、その後は同業者で出たこともありボチボチの売上にとどまっている。
それにあの時は王都で流行っていたっていう話もあったからなぁ、向こうで人気の品はこっちでも売れる法則があったからこその売上であって基本はこんなもんなんだろう。
大きめの芋を買った女性冒険者が後ろの客を見て少しだけ微笑む。
その視線の先にいたのは随分と小さなお客だった。
「あ、シロウだ!」
「お芋下さい!」
「まいどあり、何本いるんだ?」
「え~っと、ちゅっくらいの十本!」
「え、多くない?」
「モニカがいっぱい食べるって言ってたよ。」
「あ、こら!それは秘密って言ったでしょ!」
買いに来た三人のうち一番大きい子が漏らしてしまった小さい子の頭をペシっと叩く。
まさかモニカもお使いを頼んだ先で自分の秘密を漏らされているとは思わないだろう。
気持ちはわかる、確かに芋は美味いし何本でも食べられる。
それでも食べ過ぎは良くないと思うぞ。
焔の石を満載にしたヒートゴーレム製の扉を開くと、中から熱気と共に甘い香りが広がってくる。
中くらいという話だったが少し大きいのが10本あったのでそれを三つの紙袋に分けて詰め込んだこむと朝に仕込んだ分がすべてなくなってしまった。
代金を貰ったら追加を仕込む為に畑に戻るとしよう。
「はい、十本。熱いから気をつけるのよ。」
「「「ありがとうございました!」」」
因みに売価は一本銅貨10枚。
銀貨一枚と芋を交換してガキ共は楽しそうに去っていった。
昨日掘り起こしたスイートトポテとはまた違う種類なんだが、彼らはそれに気づくんだろうか。
「昨日あんなにくたくたになるまで掘ってたのに、本当に元気よねぇ。」
「一晩寝れば元通りだもんなぁ、分けて欲しいもんだ。」
「まだまだ若いじゃない。」
「体はな、中身はオッサンだ。」
扉を閉めて仕込み中の札を扉にかけておけば買いに来た客も諦めてくれるだろう。
そのまま二人で荷台を押して畑へと移動。
今回の新型は別の機能を持たせたのでその分重たくなってしまっている。
今回の仕込みも売れる・・・はずだ。
「ただいま。」
「お帰りなさいませ、お疲れさまでした。」
「朝に仕込んだ分は無事に完売したわよ、確かまだ倉庫に残っていたわよね?」
「この間ダンジョンから持ち帰って頂いた分はそちらにしまってあります、申し訳ありませんが取ってきていただけますでしょうか。」
「それぐらいお安い御用よ。あれ、レイも一緒に来るの?」
エリザが畑の奥に行くとルフとじゃれていたレイがその後を追いかけていく。
遊んでくれると思ったのか、それとも何かを貰えると思ったのか。
ルフがやれやれという感じで尻尾を左右に振ったのが可愛らしかった。
「夏の盛りに冒険者が大量のスイートトポテを持ち帰った時はどうしたもんかと思ったが、アグリに言われたように無理に消費しないで寝かせておいて正解だった。」
「どんなトポテでも収穫したてはあまり美味しくありませんからね。」
「そのおかげでこうやって芋を売って歩けるわけで。とはいえ、昨日掘り起こしたやつもあと一か月は無理そうだな。」
「そうですね、氷室に寝かせるとより甘みが増すそうですから今しばらくの辛抱かと。」
この間のトポテと同様、それはもう物凄い量の数のスイートトポテが掘り起こされた。
どれも大きくて土の豊かさがよくわかる。
あまりの量にあのアグリですら若干引き気味だったぐらいだ。
いったいどういう風になっているんだろうなぁ、ここの土は。
まぁ、それは置いといて。
ともかく、大量に芋を手に入れたもののすぐに食べても美味しくないので、木箱に入れて廃鉱山に運び冬まで寝かせることになっている。
ダンジョン産の芋ですらあの甘さ、寝かせたやつはいったいどれだけの味になっているんだろうか。
楽しみだ。
「ま、夏に仕入れた分は流石に冬まで持たないだろうからさっさと消費して次を待ってもらうとしよう。」
「ですが、せっかく荷車を新しくされたのに勿体なくありませんか?」
「それはそれ、これはこれ。そろそろできているころだからちょっと食べてもらえないか?」
「よろしいのですか?」
「本職に食ってもらうのが一番確実だからな。」
芋は売り切れたが別に仕込んだ奴はそろそろできているはずだ。
一度荷車に戻り、今度は側面に作った別の扉を開く。
芋が入っていた場所よりも小型ながらも中には焔の石がしっかりと詰め込まれており、開けると熱気が噴き出してくる。
扉の下に受け皿用のざるを置き、備えておいた鉄の棒を差し込んで中身を掻き出すと中から黒い塊が落ちてくる。
「それは・・・バストカスターニャでしょうか、でも破裂していませんね。」
「さすがこんなに黒いのに見たらわかるのか。」
「頭の部分に特徴がありますから。普通のカスターニャに角は一つしかありませんがこれは二つに分かれています。だから普通はそこから爆ぜるものなのですが、そうなっていない理由がその荷台にあるんですね。」
「よくぞ気付いてくれた。といっても、焔の石とは別に吸熱用のレッドスライムの核を入れて奥に詰め込んだカスターニャに直接熱が行かないようにしているだけだけどな。輻射熱は伝わるからそれでじっくり熱を加える事で爆ぜることなく加熱することが出来ている。後は程よく焦げたやつをこうやってっと。」
分厚い手袋をつけた手でバストカスターニャの特徴である二つの角を左右に開くと、小気味のいい音共に殻の中から小豆色の実が湯気を上げながら飛び出してきた。
『バストカスターニャ。爆裂栗とも呼ばれ、熱を加えると激しく破裂する特性を持つ食べ物。耐熱性の高いイガの中にいる間は問題無いが、実の状態で加熱すると二つの角の間から亀裂が入り中身が飛び出してくるので注意が必要。だが、殻を破った状態で加熱すると焦げてしまう上に旨味が飛んでしまう為美味しくない。最近の平均取引価格は銅貨5枚。最安値銅貨3枚最高値銅貨7枚、最終取引日は昨日と記録されています。』
秋によく見られる栗の一種で、先日市場を歩いていると大量に売られているのを発見した。
加熱するのがなかなか大変なのだが、このやり方なら爆ぜることなく中までじっくり熱を加えることが出来るので美味しい実が食べられるというわけだ。
「これは、スイートトポテにも勝るとも劣らない甘味ですね。食感がまたいい感じです。」
「合格か?」
「もちろんです、これは人気が出ますよ。」
「単価は安いが加工が面倒なんであまり食べられていないっていう話だったよな、芋のついでにこれを売れば一石二鳥。この時期は簡単に手に入るからこれも一緒に備蓄するつもりでいるんだが、問題は日持ちするかなんだよなぁ。」
出来れば芋を売る間は日持ちしてほしい所なんだが、晩秋はあまり出回らないらしいので大量に買い付けるのならば今だ。
残ったら何かに加工するしかないんだけど、渋皮煮だっけかあれってどうやって作るんだろう。
「冷暗所であれば一月ほど持つはずです。氷室に入れておけば冬の頭ぐらいまでは持つのではないでしょうか。もちろん早く食べるに越したことはありませんが。」
「それならスイートトポテを売り歩く間は持つな。」
「まさか冬まで売り歩くんですか?」
「いやいや、今日は試しだから今後は人を雇ってやってもらうつもりだ。歩合制にせようちからの仕入れにせよそれなりに儲けは出るだろう。」
「相変わらず人を使うのがお上手ですね。」
「だろ?」
自分でやるのも楽しいが、誰かにやってもらって稼いでもらうのはもっと好きだ。
バストガスターニャは工夫をすれば家でも作れることが分かったので、食べたくなったら自作すればいいだけだしな。
「シロウ、もってきたわよ~って食べてる!ずるい!」
「今焼きあがった所だ、剥いてやるから先にトポテを石の上に並べてきてくれ。ルフとレイも食べるだろ?」
「ワフ!」
ブンブン。
声と尻尾でそれぞれ答えてくれてありがとう。
火傷には気を付けてもらわないと困るが旬の味だし皆で楽しまないとな。
「あ、シロウさんがまた何かうまそうなもの作ってる!」
「でもあれ、芋じゃないよな。なんだ?」
「あれは、わかった!バストガスターニャだろ!」
「え、あの爆発するやつか。やばいけど美味いんだよなぁ。」
「そうそう、誰が一番近くに置いて上手く焼けるとかとかやったなぁ。」
芋を仕込んでからルフ達の分を向いてやっていると、外から帰ってきた冒険者が芋と栗の匂いにつられてフラフラとこちらやってくる。
来たな、腹ペコ共。
というか、面白い遊びしてるなお前ら。
「芋は今焼いてる所だからもう少し待て。ガスターニャは三つで銅貨20枚、芋は小さいのから順番に銅貨10枚、20枚、30枚だ。」
「俺6個!」
「俺も!それと中ぐらいの芋一個で!」
「だから芋は待てっての。先に出来てるやつ出してやるからそこで待ってろ。」
「了解っす!」
「俺、今のうちに酒買ってこよ。」
「あ、俺のも頼む!」
確かにこの味なら酒に合うとは思うのだが、スイートトポテとは合うんだろうか。
そんな風に思いながらエリザの方を見ると、ウンウンと大きく頷いていた。
そうか、合うのか。
俺は香茶の方がいいんだが、食べ方は人それぞれ。
その人が気に入った食べ方をすればいい。
こうして焼き芋の他に焼き栗も加わってこの秋を盛り上げていくのだった。
「なんでそんな簡単な歌が耳に残るのかしら。」
「さぁなぁ、でもそれで売れるんだからいいじゃないか。」
「売れるって言っても前ほどじゃないでしょ?」
「それでいいんだよそれで。っと、イラッシャイ何本にする?」
おなじみの歌に引き寄せられるようにして冒険者が焼き芋を買いに来た。
昨秋に作った焼き芋の台車をこの秋はさらに進化させて、エリザと共に押して歩く。
秋といえばやはりこれだろう。
昨日と比べると急に冷え込んだので客足は思ったりよりも悪くはない。
エリザが言うのは大人気だった時の話であって、その後は同業者で出たこともありボチボチの売上にとどまっている。
それにあの時は王都で流行っていたっていう話もあったからなぁ、向こうで人気の品はこっちでも売れる法則があったからこその売上であって基本はこんなもんなんだろう。
大きめの芋を買った女性冒険者が後ろの客を見て少しだけ微笑む。
その視線の先にいたのは随分と小さなお客だった。
「あ、シロウだ!」
「お芋下さい!」
「まいどあり、何本いるんだ?」
「え~っと、ちゅっくらいの十本!」
「え、多くない?」
「モニカがいっぱい食べるって言ってたよ。」
「あ、こら!それは秘密って言ったでしょ!」
買いに来た三人のうち一番大きい子が漏らしてしまった小さい子の頭をペシっと叩く。
まさかモニカもお使いを頼んだ先で自分の秘密を漏らされているとは思わないだろう。
気持ちはわかる、確かに芋は美味いし何本でも食べられる。
それでも食べ過ぎは良くないと思うぞ。
焔の石を満載にしたヒートゴーレム製の扉を開くと、中から熱気と共に甘い香りが広がってくる。
中くらいという話だったが少し大きいのが10本あったのでそれを三つの紙袋に分けて詰め込んだこむと朝に仕込んだ分がすべてなくなってしまった。
代金を貰ったら追加を仕込む為に畑に戻るとしよう。
「はい、十本。熱いから気をつけるのよ。」
「「「ありがとうございました!」」」
因みに売価は一本銅貨10枚。
銀貨一枚と芋を交換してガキ共は楽しそうに去っていった。
昨日掘り起こしたスイートトポテとはまた違う種類なんだが、彼らはそれに気づくんだろうか。
「昨日あんなにくたくたになるまで掘ってたのに、本当に元気よねぇ。」
「一晩寝れば元通りだもんなぁ、分けて欲しいもんだ。」
「まだまだ若いじゃない。」
「体はな、中身はオッサンだ。」
扉を閉めて仕込み中の札を扉にかけておけば買いに来た客も諦めてくれるだろう。
そのまま二人で荷台を押して畑へと移動。
今回の新型は別の機能を持たせたのでその分重たくなってしまっている。
今回の仕込みも売れる・・・はずだ。
「ただいま。」
「お帰りなさいませ、お疲れさまでした。」
「朝に仕込んだ分は無事に完売したわよ、確かまだ倉庫に残っていたわよね?」
「この間ダンジョンから持ち帰って頂いた分はそちらにしまってあります、申し訳ありませんが取ってきていただけますでしょうか。」
「それぐらいお安い御用よ。あれ、レイも一緒に来るの?」
エリザが畑の奥に行くとルフとじゃれていたレイがその後を追いかけていく。
遊んでくれると思ったのか、それとも何かを貰えると思ったのか。
ルフがやれやれという感じで尻尾を左右に振ったのが可愛らしかった。
「夏の盛りに冒険者が大量のスイートトポテを持ち帰った時はどうしたもんかと思ったが、アグリに言われたように無理に消費しないで寝かせておいて正解だった。」
「どんなトポテでも収穫したてはあまり美味しくありませんからね。」
「そのおかげでこうやって芋を売って歩けるわけで。とはいえ、昨日掘り起こしたやつもあと一か月は無理そうだな。」
「そうですね、氷室に寝かせるとより甘みが増すそうですから今しばらくの辛抱かと。」
この間のトポテと同様、それはもう物凄い量の数のスイートトポテが掘り起こされた。
どれも大きくて土の豊かさがよくわかる。
あまりの量にあのアグリですら若干引き気味だったぐらいだ。
いったいどういう風になっているんだろうなぁ、ここの土は。
まぁ、それは置いといて。
ともかく、大量に芋を手に入れたもののすぐに食べても美味しくないので、木箱に入れて廃鉱山に運び冬まで寝かせることになっている。
ダンジョン産の芋ですらあの甘さ、寝かせたやつはいったいどれだけの味になっているんだろうか。
楽しみだ。
「ま、夏に仕入れた分は流石に冬まで持たないだろうからさっさと消費して次を待ってもらうとしよう。」
「ですが、せっかく荷車を新しくされたのに勿体なくありませんか?」
「それはそれ、これはこれ。そろそろできているころだからちょっと食べてもらえないか?」
「よろしいのですか?」
「本職に食ってもらうのが一番確実だからな。」
芋は売り切れたが別に仕込んだ奴はそろそろできているはずだ。
一度荷車に戻り、今度は側面に作った別の扉を開く。
芋が入っていた場所よりも小型ながらも中には焔の石がしっかりと詰め込まれており、開けると熱気が噴き出してくる。
扉の下に受け皿用のざるを置き、備えておいた鉄の棒を差し込んで中身を掻き出すと中から黒い塊が落ちてくる。
「それは・・・バストカスターニャでしょうか、でも破裂していませんね。」
「さすがこんなに黒いのに見たらわかるのか。」
「頭の部分に特徴がありますから。普通のカスターニャに角は一つしかありませんがこれは二つに分かれています。だから普通はそこから爆ぜるものなのですが、そうなっていない理由がその荷台にあるんですね。」
「よくぞ気付いてくれた。といっても、焔の石とは別に吸熱用のレッドスライムの核を入れて奥に詰め込んだカスターニャに直接熱が行かないようにしているだけだけどな。輻射熱は伝わるからそれでじっくり熱を加える事で爆ぜることなく加熱することが出来ている。後は程よく焦げたやつをこうやってっと。」
分厚い手袋をつけた手でバストカスターニャの特徴である二つの角を左右に開くと、小気味のいい音共に殻の中から小豆色の実が湯気を上げながら飛び出してきた。
『バストカスターニャ。爆裂栗とも呼ばれ、熱を加えると激しく破裂する特性を持つ食べ物。耐熱性の高いイガの中にいる間は問題無いが、実の状態で加熱すると二つの角の間から亀裂が入り中身が飛び出してくるので注意が必要。だが、殻を破った状態で加熱すると焦げてしまう上に旨味が飛んでしまう為美味しくない。最近の平均取引価格は銅貨5枚。最安値銅貨3枚最高値銅貨7枚、最終取引日は昨日と記録されています。』
秋によく見られる栗の一種で、先日市場を歩いていると大量に売られているのを発見した。
加熱するのがなかなか大変なのだが、このやり方なら爆ぜることなく中までじっくり熱を加えることが出来るので美味しい実が食べられるというわけだ。
「これは、スイートトポテにも勝るとも劣らない甘味ですね。食感がまたいい感じです。」
「合格か?」
「もちろんです、これは人気が出ますよ。」
「単価は安いが加工が面倒なんであまり食べられていないっていう話だったよな、芋のついでにこれを売れば一石二鳥。この時期は簡単に手に入るからこれも一緒に備蓄するつもりでいるんだが、問題は日持ちするかなんだよなぁ。」
出来れば芋を売る間は日持ちしてほしい所なんだが、晩秋はあまり出回らないらしいので大量に買い付けるのならば今だ。
残ったら何かに加工するしかないんだけど、渋皮煮だっけかあれってどうやって作るんだろう。
「冷暗所であれば一月ほど持つはずです。氷室に入れておけば冬の頭ぐらいまでは持つのではないでしょうか。もちろん早く食べるに越したことはありませんが。」
「それならスイートトポテを売り歩く間は持つな。」
「まさか冬まで売り歩くんですか?」
「いやいや、今日は試しだから今後は人を雇ってやってもらうつもりだ。歩合制にせようちからの仕入れにせよそれなりに儲けは出るだろう。」
「相変わらず人を使うのがお上手ですね。」
「だろ?」
自分でやるのも楽しいが、誰かにやってもらって稼いでもらうのはもっと好きだ。
バストガスターニャは工夫をすれば家でも作れることが分かったので、食べたくなったら自作すればいいだけだしな。
「シロウ、もってきたわよ~って食べてる!ずるい!」
「今焼きあがった所だ、剥いてやるから先にトポテを石の上に並べてきてくれ。ルフとレイも食べるだろ?」
「ワフ!」
ブンブン。
声と尻尾でそれぞれ答えてくれてありがとう。
火傷には気を付けてもらわないと困るが旬の味だし皆で楽しまないとな。
「あ、シロウさんがまた何かうまそうなもの作ってる!」
「でもあれ、芋じゃないよな。なんだ?」
「あれは、わかった!バストガスターニャだろ!」
「え、あの爆発するやつか。やばいけど美味いんだよなぁ。」
「そうそう、誰が一番近くに置いて上手く焼けるとかとかやったなぁ。」
芋を仕込んでからルフ達の分を向いてやっていると、外から帰ってきた冒険者が芋と栗の匂いにつられてフラフラとこちらやってくる。
来たな、腹ペコ共。
というか、面白い遊びしてるなお前ら。
「芋は今焼いてる所だからもう少し待て。ガスターニャは三つで銅貨20枚、芋は小さいのから順番に銅貨10枚、20枚、30枚だ。」
「俺6個!」
「俺も!それと中ぐらいの芋一個で!」
「だから芋は待てっての。先に出来てるやつ出してやるからそこで待ってろ。」
「了解っす!」
「俺、今のうちに酒買ってこよ。」
「あ、俺のも頼む!」
確かにこの味なら酒に合うとは思うのだが、スイートトポテとは合うんだろうか。
そんな風に思いながらエリザの方を見ると、ウンウンと大きく頷いていた。
そうか、合うのか。
俺は香茶の方がいいんだが、食べ方は人それぞれ。
その人が気に入った食べ方をすればいい。
こうして焼き芋の他に焼き栗も加わってこの秋を盛り上げていくのだった。
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