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1049.転売屋は道具を持ち込んで加工する
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秋。
秋と言えばサモーンの遡上。
これで何回目になるだろうか、あの美味しさを経験してしまうとこのタイミングを逃すのがもったいなくなってしまう。
本来大量に遡上してきてもほとんどが魔物に食い荒らされてしまうはずなのだが、この川では毎回大量に遡上を確認できている。
出来るなら毎日でも食べたいサモーン。
最初は突然の遭遇のためあまり数を確保することができなかった。
その次は生簀のようなものを作りある程度の数を確保。
しかしながら持ち帰ってもそれを保存する手段が乏しく満足のいく量ではなかった。
そして前回。
燻製と新巻サモーンの作成により大幅に量を保存することに成功した。
そのおかげでそれなりの期間サモーンを楽しめたのだが、それでも通年というわけにはいかない。
理由は簡単だ、持ち帰る量に限界があるから。
いくら加工する方法があっても、そもそも持ち帰れなければ意味がない。
大型の馬車とはいえ人が乗れば場所は制限されてしまうし、生ものなのでどうしても傷みが出てしまう。
それさえ解消できれば大量に確保できるはず、そう考えていた俺はこの秋、満を持してある方法を導入することにした。
「まさか現地で加工するとは、そこまでしますか。」
「する。サモーンの美味さはシープさんもよくわかってるだろ?」
「そりゃもう、白米の上にのせて食べる焼きサモーン。たまりません。」
「やめろよよだれが出るだろうが。」
羊男の言葉に頭の中で鮮明な映像が再生される。
程よい塩分で漬かったサモーンをじっくり焼いて白米と一緒に口に入れる。
噛めば噛むほどサモーンのうまみと塩気が混ざり合い、それはもう白米が進むこと進むこと。
本来高級魚に近い位置づけではあるのだが、あまりにも手に入るのでそこまでのありがたみはなくなっているものの高値で取引されているのは間違いない。
近隣の街に出荷するだけでもそれなりの値段になるだろう。
それこそ、南方ではめったに手に入らない食材だ。
大儲け目指して今回導入した物が俺とシープさんの前に留まった馬車に積み込まれている。
「積み込み終わりました!」
「材料の積み忘れはないか?まぁあってもバーンに乗って取りに帰ればいいだけだが。」
「チップも塩も大量に積んでます、あとは現地で装置をくみ上げれば大丈夫です。」
「よし、それじゃあ出発だ。港町の話じゃ遡上はもう確認されている。この分で行くと明日の昼前には現地に到着するはずだ、ぶっつけ本番だがよろしく頼むな。」
「「「はい!」」」
「美味しいサモーン楽しみにしてますね~。」
さて、何時までもこうしていられない。
まずは現地に向かって急いで準備を始めよう。
この日の為に準備してきたのに間に合いませんでしたじゃ話にならないからな。
羊男に見送られて総勢4台もの大型馬車と共にまずは現地へと向かう。
通いなれたガーネットの採掘現場。
いつもならサモーンついでに原石も回収するのだが、現在はガーネットルージュの製作が止まっているので見送ることになっている。
まぁ、いいものがあれば持ち帰るつもりではあるのだが。
出発して半日、現地に到着した俺達を待っていてくれたのはエリザをはじめとした冒険者だ。
「あ、やっときた!」
「悪い、少し遅くなった。」
「大丈夫ですよ、まだ遡上は確認されていません。」
「それを聞いて安心した。それじゃあ荷下ろしは任せた、奥様方が美味い飯を作ってくれるからそれまで頑張ってくれよ。」
「よっしゃぁ!」
先に現地入りしていたエリザ達にはベースキャンプの設置をお願いしてあった。
今回は俺達を含んで総勢15人もの大所帯、冒険者だけなら少々ひもじい思いをさせて構わないが奥様方がいるとなるとそうもいかない。
それなりの待遇でおもてなしするべくエリザ達には先行して現地に向かってもらい、天幕の設置や台所の建設、その他作業場と大型生簀の準備を頼んでおいた。
そして今日奥様方と荷物を積んでこちらに到着。
サモーンの遡上は明日の予定なので今のうちに準備をすれば間に合うはずだ。
冒険者たちに荷下ろしをお願いしている間に、奥様方には運び込んでおいた調理器具や食材を使って今晩の料理をお願いする。
とはいえ本格的な物は荷物になるので今回は冒険者が普段から使っている冒険道具を使ってもらうことになっている。
冒険者だけでなく一般の人にも使ってもらうことでいい所や悪い所が見えてくるかもしれない。
今回貰った意見を参考にして新しいティタム鋼を使った道具を作るつもりだ。
奥様方の中には元冒険者って人が半分以上いるので特に戸惑うことなくてきぱきと料理を始めてくれる。
その間に俺は現地の視察と、今回運んできた特別な機材の設置を行う。
「まさか燻製装置を丸々運んでくるとは思わなかったわ。」
「わざわざ持ち帰って燻す位なら現地でやった方が何倍も効率がいい。それと塩漬け作業もな。」
「遡上してきたサモーンを大型生簀に誘導してその場で解体。その後、塩漬け用と燻製用に分けてこの場で作業を始めるんですね。」
「あぁ、作業の間も生のまま箱に詰め込んでバーンと一緒に街に持ち帰る。ミラ達が待機しているはずだから向こうは向こうで同じことをしてもらうつもりだ。」
別に作業場は一つじゃないといけない決まりはない。
燻製装置はこっちに持ってきてしまったが、塩漬け作業は街でも問題なく行えるので向こうでも同時進行でサモーンを処理してもらう予定でいる。
なんなら鮮度もいいので生のまま市場に流して各お店で隙に調理してもらってもいいだろう。
生でも行けると思うんだが寄生虫がいるかはわからないので、その辺は自己責任だけどな。
「こっちで回収したイクラは使えないが、向こうでバラしたときに回収したイクラはハルカさん監修の元すぐに醤油漬けにしてもらう予定だ。楽しみにしてろよ。」
「やった!あれ大好きなのよね。」
「プチプチした食感がたまりません。お姉ちゃん頑張ろうね。」
姉妹仲睦まじい姿を横目に最終確認をして回る。
現地と街で同時に加工するなんて荒業が使えるのもバーンという高速輸送手段があるからこそ。
それによって儲けが何倍にも膨れ上がるんだからすごいよなぁ。
とはいえ、サモーンを根こそぎ回収するつもりはない。
限りある資源は大切に、でもそれを気にしなくてもいいぐらいの量が遡上してくるので大丈夫だとは思うんだけど気を付けるに越したことはない。
ちゃんと何匹獲ったかを記録してまた次の遡上の時に量が減っていないかなど確認するつもりだ。
「シロウさん作業終わりました!」
「ご苦労、とりあえず明日まですることがないから飯まで自由にしていいぞ。」
「よっしゃ、魚釣ろうぜ!」
「あ、俺もいく!」
決戦は明日。
つかの間の休息?を冒険者と共に満喫するのだった。
「そっち行ったわよ!」
「オッケー、お姉ちゃん任せて!」
翌朝。
優雅な朝食の時間もままならないうちに、さっそくサモーンの遡上が始まった。
予定通り川の手前を遡上するサモーンを河原に作った巨大生簀へ誘導。
その後網ですくわれたサモーンが冒険者の手によってそれぞれの加工場に運ばれていく。
「次持っていきます、加工行けてますか?」
「もう無理!ちょっと待って!」
「生簀がやばそうなら木箱に入れてくれ、街に運んだ方が人手があるからそっちでやってもらおう。」
「了解です!」
いくら奥様方の腕が良くても作業量には限界があるわけで。
今のところ三人体制でさばいて、それを塩漬け班と燻製班に分けて運んでいる。
塩漬けはともかく燻製は時間がかかるので、正直量産するには向いていないがないよりもマシって感じだ。
こんなことならもっと大きいのを持ってくればよかったと後悔しつつ、今後の検討課題にしておこう。
「すみません、木箱一杯になりました!」
「よし、バーン行くぞ!」
「わかった!」
初めて見るサモーンの遡上に目を輝かせているバーンを呼び寄せ、急いで木箱を足に結び付けるとそのまま背中に飛び乗り合図を送る。
一瞬の抵抗の後、体は一気に上空へ持ち上げられ目にもとまらぬ速度で飛行を開始する。
馬車では半日弱かかる距離もバーンにかかれば一時間程度。
向こうで木箱を降ろしたらすぐに戻ってまた次の木箱を運んでいく。
さすがに3往復もすればバーンもヘロヘロになってしまうが、大型木箱一つで200匹近く入っているのでそれ以上は街の方のキャパも超えてしまう。
加工された奴を今度は廃鉱山まで運ばなきゃいけないんだ、あまり無理はさせられない。
「これで全部か。」
「さすがにこれ以上は馬車に乗りきらないもの。」
「まぁこんだけ加工できれば上々だろう。一匹単価ではそこそこでも全部で考えればかなりの金額になる。戻ったら全員に特別報酬出さないとなぁ。」
最後の荷物を降ろして戻ってくると、サモーンの大群は遡上を続けてはいるもののその数をかなり減らしていた。
生簀はからっぽ。
ベースキャンプでは燃え尽きた冒険者と奥様方がその場にへたり込んでいた。
燃え尽きたぜ、真っ白だ。
そんなセリフが聞こえてきたような気がする。
そんな彼らの後ろには、加工されたサモーンが詰め込まれた木箱が鎮座している。
燻製はまだ行われているようで、奥の方でもくもくと煙が上がっていた。
街に送ったやつだけでも最低600匹、さすがにその同数をこの人数では不可能だが半分ぐらいは加工で来たんじゃないだろうか。
数えてからになるが仮に1000匹も加工できたとしたら・・・。
ここ最近ではトップクラスの稼ぎになる事だろう。
一匹当たり銀貨5枚としても金貨50枚、それを南方にもっていけば間違いなく倍近くの値段で売れる。
銀貨5枚だって安く売ったときの値段だ。
冒険者を含めて手伝ってくれたみんなへの支払いが二日で銀貨60枚ほど。
この儲けを考えたら倍払ったって惜しくはないな。
というかこの労働量を考えれば支払うべきだ。
いい仕事にはいい報酬を。
とりあえずゆっくり休んでもらって、それからのんびりと帰るとしよう。
秋晴れの空にモクモクと昇る燻製機の煙を見つめながら、心地いい疲労と達成感を味わうのだった。
まぁ、全身魚臭いのがしばらく取れなくて子供達に嫌がられたけどな。
秋と言えばサモーンの遡上。
これで何回目になるだろうか、あの美味しさを経験してしまうとこのタイミングを逃すのがもったいなくなってしまう。
本来大量に遡上してきてもほとんどが魔物に食い荒らされてしまうはずなのだが、この川では毎回大量に遡上を確認できている。
出来るなら毎日でも食べたいサモーン。
最初は突然の遭遇のためあまり数を確保することができなかった。
その次は生簀のようなものを作りある程度の数を確保。
しかしながら持ち帰ってもそれを保存する手段が乏しく満足のいく量ではなかった。
そして前回。
燻製と新巻サモーンの作成により大幅に量を保存することに成功した。
そのおかげでそれなりの期間サモーンを楽しめたのだが、それでも通年というわけにはいかない。
理由は簡単だ、持ち帰る量に限界があるから。
いくら加工する方法があっても、そもそも持ち帰れなければ意味がない。
大型の馬車とはいえ人が乗れば場所は制限されてしまうし、生ものなのでどうしても傷みが出てしまう。
それさえ解消できれば大量に確保できるはず、そう考えていた俺はこの秋、満を持してある方法を導入することにした。
「まさか現地で加工するとは、そこまでしますか。」
「する。サモーンの美味さはシープさんもよくわかってるだろ?」
「そりゃもう、白米の上にのせて食べる焼きサモーン。たまりません。」
「やめろよよだれが出るだろうが。」
羊男の言葉に頭の中で鮮明な映像が再生される。
程よい塩分で漬かったサモーンをじっくり焼いて白米と一緒に口に入れる。
噛めば噛むほどサモーンのうまみと塩気が混ざり合い、それはもう白米が進むこと進むこと。
本来高級魚に近い位置づけではあるのだが、あまりにも手に入るのでそこまでのありがたみはなくなっているものの高値で取引されているのは間違いない。
近隣の街に出荷するだけでもそれなりの値段になるだろう。
それこそ、南方ではめったに手に入らない食材だ。
大儲け目指して今回導入した物が俺とシープさんの前に留まった馬車に積み込まれている。
「積み込み終わりました!」
「材料の積み忘れはないか?まぁあってもバーンに乗って取りに帰ればいいだけだが。」
「チップも塩も大量に積んでます、あとは現地で装置をくみ上げれば大丈夫です。」
「よし、それじゃあ出発だ。港町の話じゃ遡上はもう確認されている。この分で行くと明日の昼前には現地に到着するはずだ、ぶっつけ本番だがよろしく頼むな。」
「「「はい!」」」
「美味しいサモーン楽しみにしてますね~。」
さて、何時までもこうしていられない。
まずは現地に向かって急いで準備を始めよう。
この日の為に準備してきたのに間に合いませんでしたじゃ話にならないからな。
羊男に見送られて総勢4台もの大型馬車と共にまずは現地へと向かう。
通いなれたガーネットの採掘現場。
いつもならサモーンついでに原石も回収するのだが、現在はガーネットルージュの製作が止まっているので見送ることになっている。
まぁ、いいものがあれば持ち帰るつもりではあるのだが。
出発して半日、現地に到着した俺達を待っていてくれたのはエリザをはじめとした冒険者だ。
「あ、やっときた!」
「悪い、少し遅くなった。」
「大丈夫ですよ、まだ遡上は確認されていません。」
「それを聞いて安心した。それじゃあ荷下ろしは任せた、奥様方が美味い飯を作ってくれるからそれまで頑張ってくれよ。」
「よっしゃぁ!」
先に現地入りしていたエリザ達にはベースキャンプの設置をお願いしてあった。
今回は俺達を含んで総勢15人もの大所帯、冒険者だけなら少々ひもじい思いをさせて構わないが奥様方がいるとなるとそうもいかない。
それなりの待遇でおもてなしするべくエリザ達には先行して現地に向かってもらい、天幕の設置や台所の建設、その他作業場と大型生簀の準備を頼んでおいた。
そして今日奥様方と荷物を積んでこちらに到着。
サモーンの遡上は明日の予定なので今のうちに準備をすれば間に合うはずだ。
冒険者たちに荷下ろしをお願いしている間に、奥様方には運び込んでおいた調理器具や食材を使って今晩の料理をお願いする。
とはいえ本格的な物は荷物になるので今回は冒険者が普段から使っている冒険道具を使ってもらうことになっている。
冒険者だけでなく一般の人にも使ってもらうことでいい所や悪い所が見えてくるかもしれない。
今回貰った意見を参考にして新しいティタム鋼を使った道具を作るつもりだ。
奥様方の中には元冒険者って人が半分以上いるので特に戸惑うことなくてきぱきと料理を始めてくれる。
その間に俺は現地の視察と、今回運んできた特別な機材の設置を行う。
「まさか燻製装置を丸々運んでくるとは思わなかったわ。」
「わざわざ持ち帰って燻す位なら現地でやった方が何倍も効率がいい。それと塩漬け作業もな。」
「遡上してきたサモーンを大型生簀に誘導してその場で解体。その後、塩漬け用と燻製用に分けてこの場で作業を始めるんですね。」
「あぁ、作業の間も生のまま箱に詰め込んでバーンと一緒に街に持ち帰る。ミラ達が待機しているはずだから向こうは向こうで同じことをしてもらうつもりだ。」
別に作業場は一つじゃないといけない決まりはない。
燻製装置はこっちに持ってきてしまったが、塩漬け作業は街でも問題なく行えるので向こうでも同時進行でサモーンを処理してもらう予定でいる。
なんなら鮮度もいいので生のまま市場に流して各お店で隙に調理してもらってもいいだろう。
生でも行けると思うんだが寄生虫がいるかはわからないので、その辺は自己責任だけどな。
「こっちで回収したイクラは使えないが、向こうでバラしたときに回収したイクラはハルカさん監修の元すぐに醤油漬けにしてもらう予定だ。楽しみにしてろよ。」
「やった!あれ大好きなのよね。」
「プチプチした食感がたまりません。お姉ちゃん頑張ろうね。」
姉妹仲睦まじい姿を横目に最終確認をして回る。
現地と街で同時に加工するなんて荒業が使えるのもバーンという高速輸送手段があるからこそ。
それによって儲けが何倍にも膨れ上がるんだからすごいよなぁ。
とはいえ、サモーンを根こそぎ回収するつもりはない。
限りある資源は大切に、でもそれを気にしなくてもいいぐらいの量が遡上してくるので大丈夫だとは思うんだけど気を付けるに越したことはない。
ちゃんと何匹獲ったかを記録してまた次の遡上の時に量が減っていないかなど確認するつもりだ。
「シロウさん作業終わりました!」
「ご苦労、とりあえず明日まですることがないから飯まで自由にしていいぞ。」
「よっしゃ、魚釣ろうぜ!」
「あ、俺もいく!」
決戦は明日。
つかの間の休息?を冒険者と共に満喫するのだった。
「そっち行ったわよ!」
「オッケー、お姉ちゃん任せて!」
翌朝。
優雅な朝食の時間もままならないうちに、さっそくサモーンの遡上が始まった。
予定通り川の手前を遡上するサモーンを河原に作った巨大生簀へ誘導。
その後網ですくわれたサモーンが冒険者の手によってそれぞれの加工場に運ばれていく。
「次持っていきます、加工行けてますか?」
「もう無理!ちょっと待って!」
「生簀がやばそうなら木箱に入れてくれ、街に運んだ方が人手があるからそっちでやってもらおう。」
「了解です!」
いくら奥様方の腕が良くても作業量には限界があるわけで。
今のところ三人体制でさばいて、それを塩漬け班と燻製班に分けて運んでいる。
塩漬けはともかく燻製は時間がかかるので、正直量産するには向いていないがないよりもマシって感じだ。
こんなことならもっと大きいのを持ってくればよかったと後悔しつつ、今後の検討課題にしておこう。
「すみません、木箱一杯になりました!」
「よし、バーン行くぞ!」
「わかった!」
初めて見るサモーンの遡上に目を輝かせているバーンを呼び寄せ、急いで木箱を足に結び付けるとそのまま背中に飛び乗り合図を送る。
一瞬の抵抗の後、体は一気に上空へ持ち上げられ目にもとまらぬ速度で飛行を開始する。
馬車では半日弱かかる距離もバーンにかかれば一時間程度。
向こうで木箱を降ろしたらすぐに戻ってまた次の木箱を運んでいく。
さすがに3往復もすればバーンもヘロヘロになってしまうが、大型木箱一つで200匹近く入っているのでそれ以上は街の方のキャパも超えてしまう。
加工された奴を今度は廃鉱山まで運ばなきゃいけないんだ、あまり無理はさせられない。
「これで全部か。」
「さすがにこれ以上は馬車に乗りきらないもの。」
「まぁこんだけ加工できれば上々だろう。一匹単価ではそこそこでも全部で考えればかなりの金額になる。戻ったら全員に特別報酬出さないとなぁ。」
最後の荷物を降ろして戻ってくると、サモーンの大群は遡上を続けてはいるもののその数をかなり減らしていた。
生簀はからっぽ。
ベースキャンプでは燃え尽きた冒険者と奥様方がその場にへたり込んでいた。
燃え尽きたぜ、真っ白だ。
そんなセリフが聞こえてきたような気がする。
そんな彼らの後ろには、加工されたサモーンが詰め込まれた木箱が鎮座している。
燻製はまだ行われているようで、奥の方でもくもくと煙が上がっていた。
街に送ったやつだけでも最低600匹、さすがにその同数をこの人数では不可能だが半分ぐらいは加工で来たんじゃないだろうか。
数えてからになるが仮に1000匹も加工できたとしたら・・・。
ここ最近ではトップクラスの稼ぎになる事だろう。
一匹当たり銀貨5枚としても金貨50枚、それを南方にもっていけば間違いなく倍近くの値段で売れる。
銀貨5枚だって安く売ったときの値段だ。
冒険者を含めて手伝ってくれたみんなへの支払いが二日で銀貨60枚ほど。
この儲けを考えたら倍払ったって惜しくはないな。
というかこの労働量を考えれば支払うべきだ。
いい仕事にはいい報酬を。
とりあえずゆっくり休んでもらって、それからのんびりと帰るとしよう。
秋晴れの空にモクモクと昇る燻製機の煙を見つめながら、心地いい疲労と達成感を味わうのだった。
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