幼馴染3人で結婚しましたが問題が起きました。わたくしには何が正解なのかわかりません

バオバブの実

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side サイラス

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アナベルの提案は渡りに船だった。
僕はこの話に乗った。だが立場の弱いロズマリンはどうなのか?

「なぜそんな面倒なことをする?」
父上の開口一番がこれだった。
「アナベルを正妻に迎え、しばらくしてからロズマリンを愛人として別邸に住まわせてやればいいだろう」
「父上、それでは意味がないのです。
アナベルは3人でと言っている。
正妻と愛人、第一夫人第二夫人では駄目なのです。平等に2人の妻を迎える、これがこの話のきもなのです」
父上はため息まじりで渋々了承してくれた。

結婚式はトラブルがあったが滞りなく終わった。ロズマリンにはすまないことをしたが、ある意味仕方ない、世間とはそういうものだ。

…理想の結婚をしたつもりでいた。
だけど実際の結婚生活は薄氷をふむ思いであった。
僕はずっと疎外感を感じている。
ロズマリンは徐々におかしくなってきている。
アナベルはロズマリンのことで頭がいっぱいだ。

とある会合でファーガソン公爵と出会った。
彼は一夫多妻制の推進者でこれが貴族の後継者問題を解決すると言っていた。仲間を増やして法律を変えたいそうだ。
そんな彼から夜会の招待を受けた。ぜひ3人でと。

僕はこれを利用して3人の関係を改善しようと思った。昔に戻りたい。
恐る恐る出した僕の提案に結構ふたりは乗り気だった。
ダンスの稽古もドレスの準備もふたりは楽しそうだった。夜会が楽しみだとも言ってくれた。
だけどロズマリンは時折暗い顔を見せた。もちろん気づかれないようにしていたが僕は見逃さなかった。

なんとなくこの夜会が最後の馬鹿騒ぎだと思った。


…予感はあった。
ロズマリンは出て行った。アナベルはずいぶん取り乱していた。
探す気にはなれなかった。連れ戻したとしても、うまくいかないとわかっていたから。

そして今
アナベルも出ていった。
『3人でないと駄目。幸せにはなれない』
アナベルの言葉を思い出す。ある意味当たっていたのか。
ロズマリンが去ってアナベルとふたりきりになっても幸せな未来など全く見えてこなかった。

僕は窓からアナベルの乗っている馬車を見送った。

ねぇアナベル、汚い独占欲があったにせよ、僕は心からふたりを愛していたんだ。
だから

   
ふたりの未来に幸あれ…

End
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