病弱だと思われていた王子は最強でした~情報屋がおくる日常~

玲夜

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4、コンプレックス

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「宰相様はココにいて下さい。私は今から大盗賊を倒してきますので少々お待ち下さい。私の実力も見れて良い機会でしょう。」

 そう言い俺は立ち上がる動作をした。

「でも、大丈夫か?さっきも言った通り手慣れだ。」

 宰相は目を細くしながら俺に言った。これは魔眼を使っているのだろうか。宰相は魔眼を持っているというのはよく聞く話だ。見た者の能力が計れるのだとか。その能力等も有望視され宰相に抜擢され皆からは憧れや恐ろしさの様々な感情を抱かれているようだ。
 俺は宰相を見る。そんなくだらない事で色々言われるのは災難だと俺は同情した。

「はい。伊達にスラムの情報屋を名乗っているわけではございませんのでご安心下さい。宰相様失礼致します。少しの間防御の方をかけさせてもらいます。【防御】」

 宰相も貴族の出の為少しは武道等を使えるだろうが俺は依頼人にそんな危ない目に合わせない。依頼はもう始まっている。もし、ここで怪我をされて依頼解消になったら面倒だ。俺は宰相に動かないようにと伝え偽衛兵達の元に歩いて向かった。

「なんだ…坊主仕事中だどけ。」

 偽衛兵達は俺の背丈から子供だと思ったらしくあまり警戒しない様子でしっしっと軽く手で追い立てる。本当に実力を測れない馬鹿どもだ。だが、はいそうですかと帰るわけにもいかず偽衛兵に近寄った。近くによると曖昧だった顔がはっきりと見えてくる。俺は偽衛兵達の真正面に立ち「お兄さん方」と言う。偽衛兵はそんな俺にがんをきかせて追い払おうとする。子供ならすぐに泣いて逃げかえると思ったのだろう。俺は臆せず「お兄さん方」ともう一度言い、後に宰相に聞こえないくらいの大きさで言葉を続ける。

「俺はな、訳あってこの姿だが…一応もう成人してるんだよ!」
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