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38話 「嘘泣きで遊ぶ」
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僕の名前はメンテ。まだ0歳でナンス家の末っ子です。
最近はハイハイが少しずつ出来るようになりましたよ。なんと3歩も前進できます!
「ん~ぐぅ、ん~~ぐうう」
ゆっくり3回前に進みます。誰の補助もなく一人で出来るようになりました。これも運動の成果ですね。最近は寝返りを何度も繰り返し、少しずつ筋肉を増やしたのですよ!
「……ふぅ、……ふぅ」
もう僕は息が上がっています。汗も止まりませんね。この前はここで失敗しました。どうやら限界以上に動くと命に係わります。そこで考えました。今日はそれを実行してみたいと思います。
まずは目の前にいる母を見つめます。
「うまくなったのね! さすが私のメンテちゃんよ」
やはり助けようとしませんね。母は僕に強くなってほしいのでしょうか。あなたならもっと出来ると期待した目をしています。では実行しましょう!
まずは目線を下にして床を見ます。そのまま静かにします。おっぱいが禁止にされた気持ちになって涙を出します。悲しくなると泣いてしまうのですよ。
「……んぐぅ」
母が異変に気付いて僕を持ち上げます。すると、泣きそうな顔をしている僕と目が合うのです。必死に泣くことを我慢している可愛い赤ちゃんの演技が出来ました!
「うええーーーーーん!(おっぱーーーーーい!)」
我慢出来ずに泣いちゃいます。母は泣いてしまった僕を抱きしめて、そのままおっぱいタイムになります。作戦通りの結果になりました。
これが特訓した嘘泣きです。僕はいつでも自由に涙を流せるようになったのですよ!
「きゃきゃきゃ」
「あ、メンテ笑ってるよー」
「んぐうううう! うわああああああん!」
おっと、ずっと僕達の様子を見ていたアーネが余計なことを言いました。ちょっと油断してしまいましたね、気を付けましょう。
今日は母とアーネだけでなく、たくさんのメイドさんがいます。よし、他の人にも試して遊んじゃおう! 僕の嘘泣きはどこまで通じるかな?
◆
まずターゲットにしたのは、新人のメイドさんです。あまり僕に慣れていない人からチェックしますよ。
「ん~? お姉さんの顔に何かついてるかな?」
「……んぐ」
この人はマアジ・サッカーナさんです。マアジさんは魚人だそうですが、普段は普通の人間と変わりません。種族といっても普通の人間と見た目が変わらない人が結構いますね。理由はわかりません。そのうち調べたいと思います。
このマアジさんの抱っこは、他の方々と少し違います。肌がひんやりしているので、暑い日は大歓迎なのですよ。寒い日はチェンジで。
僕は最近鍛えた体でハイハイを披露します。マアジさんまであと少しというところでストップします。そして、上を見上げて気持ちを伝えます。
「だあああぐうーー!(パンツ見せてーー!)」
「お姉さんに抱っこしてほしいのかな?」
「……ぐすん。……うええええええん!(見せてよおおおおお!)」
「え?! そんなにしたいの?!」
マアジさんは抱っこしてくれました。残念ながらパンツはダメでしたね。まあ嘘泣きとは気付かれていないので問題なし。次いきましょう!
とりあえず泣けばご褒美くれるね!
◆
次は顔見知りのロコさんにしましょう。彼女の名前はロコロコ・リグンドさん。背が低いけどマッチョなメイドさんですよ。ドワーフらしいですが、特徴は普通の人より身長が低いぐらいかな?
「だあー」バシバシ
「メンテくん、今度はどうしたの?」
「んぐう!」
「あっち行きたいのね」
僕はマアジさんに抱っこされているので、ロコさんの所へ行くように誘導します。ロコさんの前に来るとじぃーと見つめます。
「ん? マアジどうしたん」
「メンテくんがね、こっちに行きたいって暴れるのよ」
じぃー
「向こういきたいのか。ここにいると邪魔か? ちょい離れるわ」
じぃー
「ロコロコさんをめっちゃ見てますよ」
「本当やね……」
ロコさんが気付いたので嘘泣き開始です。
「うわああああん!」
「えっ、俺何かした?!」
「ロコさんが睨むから怖がったんじゃないの~?」
「ええ?! そりゃねえって」
ふむふむ。嘘泣きとは気付かれていませんね。泣いている理由は特にありません。どうなるかなあと思って泣いています。むふふ、楽しいですねえ。
「あなた達、メンテ様をほったらかしにして遊ばないの!」
あらら、カフェさんに怒られました。
「違いますよ。さっきからメンテくんの機嫌が悪いみたいで」「そうだよ、遊んでませんって」
「……癇癪起こしているんじゃないかしら。あなた達、メンテ様に何かしたの?」
「わかりません」「わかんねえ。なぜか俺の顔見て泣くんだよ」
なんか僕のおふざけのせいでごめんなさい。
「ロコロコさん、一度抱っこしてみてはどうかしら?」
「俺がですか? でもこっち見て泣くんだよ」
「メンテ様は抱っこちゃんですから大丈夫でしょう」
カフェさんまで抱っこすれば機嫌良くなると思っているようですね。まあ正解ですが。
「ロコロコさん。メンテくんお願いしますね」
「お、おう」
マアジさんからロコさんにバトンタッチです。体格差があるせいか、ロコさんの顔のそばに僕がやってきました。顔が近いのでなめちゃおうかな!ぺろりっと
「うほおおお?! ほっぺほっぺがあああ!」
ロコさんは僕をそのまま下の方に移動し、完全に抱っこします。ここはいつも抱っこされる位置ですね。目の前にあるロコさんの胸をバンバン叩きます。おお、これは太鼓みたいです。さて、いろいろ問題になる前に嘘泣きを始めましょう!
「うえええええーーーーん!」
「ちょ、なんでさ?!」
僕は母を見ながら嘘泣きをします。3人とも視線の先にいる母を見て状況を察しましたね。
「奥様を探していたようですね。その……元気出してください」
「うう……」
「ええっと……。そ、そんな日もありますよ!」
どうにか3人とも騙せました。カフェさんも僕の嘘泣きに気付かなかったみたいです。
なるほどねえ、どこかを見ながら泣くと伝わることもあるんですね。今まではただ泣いて誤魔化すぐらいしかできませんでした。顔だけでなく指を差しながら泣くのもよさそうだね。こいつのせいだって出来そうだし面白そうです。よし、今度やってみよう!
それとロコさんはかわいそうだったので、後日、めっちゃ甘えました。ごめんね!
今までみんながメンテの視線を気にしていたことを本人は知らなかった。だが今回の嘘泣きで視線って大事だね! と自覚したという。こうしてあらたに感情を伝える手段が増えたのであった。
最近はハイハイが少しずつ出来るようになりましたよ。なんと3歩も前進できます!
「ん~ぐぅ、ん~~ぐうう」
ゆっくり3回前に進みます。誰の補助もなく一人で出来るようになりました。これも運動の成果ですね。最近は寝返りを何度も繰り返し、少しずつ筋肉を増やしたのですよ!
「……ふぅ、……ふぅ」
もう僕は息が上がっています。汗も止まりませんね。この前はここで失敗しました。どうやら限界以上に動くと命に係わります。そこで考えました。今日はそれを実行してみたいと思います。
まずは目の前にいる母を見つめます。
「うまくなったのね! さすが私のメンテちゃんよ」
やはり助けようとしませんね。母は僕に強くなってほしいのでしょうか。あなたならもっと出来ると期待した目をしています。では実行しましょう!
まずは目線を下にして床を見ます。そのまま静かにします。おっぱいが禁止にされた気持ちになって涙を出します。悲しくなると泣いてしまうのですよ。
「……んぐぅ」
母が異変に気付いて僕を持ち上げます。すると、泣きそうな顔をしている僕と目が合うのです。必死に泣くことを我慢している可愛い赤ちゃんの演技が出来ました!
「うええーーーーーん!(おっぱーーーーーい!)」
我慢出来ずに泣いちゃいます。母は泣いてしまった僕を抱きしめて、そのままおっぱいタイムになります。作戦通りの結果になりました。
これが特訓した嘘泣きです。僕はいつでも自由に涙を流せるようになったのですよ!
「きゃきゃきゃ」
「あ、メンテ笑ってるよー」
「んぐうううう! うわああああああん!」
おっと、ずっと僕達の様子を見ていたアーネが余計なことを言いました。ちょっと油断してしまいましたね、気を付けましょう。
今日は母とアーネだけでなく、たくさんのメイドさんがいます。よし、他の人にも試して遊んじゃおう! 僕の嘘泣きはどこまで通じるかな?
◆
まずターゲットにしたのは、新人のメイドさんです。あまり僕に慣れていない人からチェックしますよ。
「ん~? お姉さんの顔に何かついてるかな?」
「……んぐ」
この人はマアジ・サッカーナさんです。マアジさんは魚人だそうですが、普段は普通の人間と変わりません。種族といっても普通の人間と見た目が変わらない人が結構いますね。理由はわかりません。そのうち調べたいと思います。
このマアジさんの抱っこは、他の方々と少し違います。肌がひんやりしているので、暑い日は大歓迎なのですよ。寒い日はチェンジで。
僕は最近鍛えた体でハイハイを披露します。マアジさんまであと少しというところでストップします。そして、上を見上げて気持ちを伝えます。
「だあああぐうーー!(パンツ見せてーー!)」
「お姉さんに抱っこしてほしいのかな?」
「……ぐすん。……うええええええん!(見せてよおおおおお!)」
「え?! そんなにしたいの?!」
マアジさんは抱っこしてくれました。残念ながらパンツはダメでしたね。まあ嘘泣きとは気付かれていないので問題なし。次いきましょう!
とりあえず泣けばご褒美くれるね!
◆
次は顔見知りのロコさんにしましょう。彼女の名前はロコロコ・リグンドさん。背が低いけどマッチョなメイドさんですよ。ドワーフらしいですが、特徴は普通の人より身長が低いぐらいかな?
「だあー」バシバシ
「メンテくん、今度はどうしたの?」
「んぐう!」
「あっち行きたいのね」
僕はマアジさんに抱っこされているので、ロコさんの所へ行くように誘導します。ロコさんの前に来るとじぃーと見つめます。
「ん? マアジどうしたん」
「メンテくんがね、こっちに行きたいって暴れるのよ」
じぃー
「向こういきたいのか。ここにいると邪魔か? ちょい離れるわ」
じぃー
「ロコロコさんをめっちゃ見てますよ」
「本当やね……」
ロコさんが気付いたので嘘泣き開始です。
「うわああああん!」
「えっ、俺何かした?!」
「ロコさんが睨むから怖がったんじゃないの~?」
「ええ?! そりゃねえって」
ふむふむ。嘘泣きとは気付かれていませんね。泣いている理由は特にありません。どうなるかなあと思って泣いています。むふふ、楽しいですねえ。
「あなた達、メンテ様をほったらかしにして遊ばないの!」
あらら、カフェさんに怒られました。
「違いますよ。さっきからメンテくんの機嫌が悪いみたいで」「そうだよ、遊んでませんって」
「……癇癪起こしているんじゃないかしら。あなた達、メンテ様に何かしたの?」
「わかりません」「わかんねえ。なぜか俺の顔見て泣くんだよ」
なんか僕のおふざけのせいでごめんなさい。
「ロコロコさん、一度抱っこしてみてはどうかしら?」
「俺がですか? でもこっち見て泣くんだよ」
「メンテ様は抱っこちゃんですから大丈夫でしょう」
カフェさんまで抱っこすれば機嫌良くなると思っているようですね。まあ正解ですが。
「ロコロコさん。メンテくんお願いしますね」
「お、おう」
マアジさんからロコさんにバトンタッチです。体格差があるせいか、ロコさんの顔のそばに僕がやってきました。顔が近いのでなめちゃおうかな!ぺろりっと
「うほおおお?! ほっぺほっぺがあああ!」
ロコさんは僕をそのまま下の方に移動し、完全に抱っこします。ここはいつも抱っこされる位置ですね。目の前にあるロコさんの胸をバンバン叩きます。おお、これは太鼓みたいです。さて、いろいろ問題になる前に嘘泣きを始めましょう!
「うえええええーーーーん!」
「ちょ、なんでさ?!」
僕は母を見ながら嘘泣きをします。3人とも視線の先にいる母を見て状況を察しましたね。
「奥様を探していたようですね。その……元気出してください」
「うう……」
「ええっと……。そ、そんな日もありますよ!」
どうにか3人とも騙せました。カフェさんも僕の嘘泣きに気付かなかったみたいです。
なるほどねえ、どこかを見ながら泣くと伝わることもあるんですね。今まではただ泣いて誤魔化すぐらいしかできませんでした。顔だけでなく指を差しながら泣くのもよさそうだね。こいつのせいだって出来そうだし面白そうです。よし、今度やってみよう!
それとロコさんはかわいそうだったので、後日、めっちゃ甘えました。ごめんね!
今までみんながメンテの視線を気にしていたことを本人は知らなかった。だが今回の嘘泣きで視線って大事だね! と自覚したという。こうしてあらたに感情を伝える手段が増えたのであった。
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