もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

文字の大きさ
116 / 262

116話 「猫と交流する その12」

しおりを挟む
 シロ先生、レッド、ブラウンの3匹が教会に帰ってから数日後の午後。


「メンテ様。今日もお友達が遊びにきましたぞ」
「えぐ?」


 今度はシロ先生がピンクとオレンジとイエローを連れてきました。全員メス猫です。名前の由来は色なのですよ。

 え? 猫の模様が何か気になるの? それはご想像にお任せします。あなたが思った模様がそのまま猫の模様になるのです。ハートであればハートの模様の猫がいても問題ありません。ここは異世界ですから。


「あ、このお菓子おいしい~」←ピンク
「この水、すごく甘~いにゃ」←オレンジ
「ところでメンテは何をしているの?」←イエロー
「さっき言葉をしゃべる練習してるんだって言ってたわよ。暇だから見ていようかしら」
「「「それいいにゃん」」」


 もはやただの猫の女子会であった。メンテのお家に来るとおやつを貰えるようになったのである。



 その頃のメンテ。レディーはメンテに白い卵を見せていた。


「メンテちゃん、これは何?」
「えっぐ」
「正解! メンテちゃんは賢いわね」


 頭をよしよしと撫でられるメンテ。今度は赤色の大きな卵を持つレディー。


「メンテちゃん、これは?」
「うぐぅ」
「え? 何?? 聞こえなかったからもう一度言ってみなさい!」
「え、えっぐ」
「そうね、これも卵。だからエッグよ。正解よ」


 よしよしされるメンテ。今度は茶色の小さな卵を持つレディー。


「メンテちゃん、これは分かるよね?」
「……あぐ」
「間違えたら今日はおっぱい禁止ね」
「え、えっぐー!」
「そうよ。賢い子は好きよ」
「えへへ、メンテすごいねー」←アーネ


 様子を見ていたアーネにも褒められるメンテ。いったい何をしているのだろうか。アーネはピュアな心を持つ優しい子なのでこの状況に疑問を持たないのだ。


「と、父さん。大変だ! ママが壊れたよ!!」←アニーキー
「はっはっは。ママはメンテにしゃべる面白さを伝えているんだよ。ママはアニーキ―が小さいときもあんな風にママって何度も言わせてたなあ」
「え?! それは知りたくなかった……」


 ◆


 猫の女子会の翌日。

 今日はレッドがオスの猫達を連れてきましたよ。その猫達を僕は色的にブルー、グリーン、パープルと呼んでいますよ。みんなやったー、名前貰えたと喜んでいるので特に問題はないでしょう。名前は色で統一なのです。決していろいろ名前を付けても覚えられる気がしないし、こっちの方が楽だとか思っているわけではありませんよ?

 もう気付いた方がいるかもしれませんが、この世界の猫はカラフルなのです。そんな変な色やら模様の猫がいるわけないだろと日本の常識で比べてはいけません。だってここは異世界ですから。いるものはいるんです。柔軟な思考を持てる人は素敵ですよ。

 で、このオス猫達は僕のお家を探索していました。何やら黒い影を見たやら視線を感じたとか恐怖体験を語っています。まあその正体はこのお家で雇っている人なのです。悪さをしないか監視しているだけでしょう。猫達の反応が面白いので黙っておきましょうかね。


「メンテちゃん、ママとパパどっちが好き?」
「うぐ……」
「え? ママじゃないの? じゃあ今日で卒業ね」
「ああ(ママ)」←焦るメンテ
「ん~、よく聞こえなかったわ。もう一度言えるかしら?」
「ああー(ママ―)」
「あら。上手になったわね。でもパパとも聞こえるから回数減らそうかしら」
「ああああー!(ママママー!)」←必死
「そうね、その調子よ。頑張れメンテちゃん!」
「あんあ。あんまぁー!」


 今日もメンテはレディーによってしゃべる特訓をしているのだ!


「さっきからメンテ何してるの?」←レッド
「発音の練習とか言ってたよ」←ブルー
「へえ。そうなんだ」←グリーン
「応援でもしとこうか。頑張れよ、メンテー」←パープル
「「「メンテー、ファイトー!」」」


 赤ちゃんも大変だ。メンテも頑張っているなあと思うオス猫達であった。


「父さん。あれで本当にしゃべれるようになるの?」
「はっはっは。正直パパもよく分からない。だが二人とも頑張っているみたいだぞ。応援しようじゃないか」
「だよね……」


 ◆


 ここ最近はシロ先生がいなくても猫が遊びに来るようになりました。最初こそシロ先生にどうすればと相談している猫の姿をよく見かけましたね。今では誰でも我が物顔で僕のお家に遊びに来ますよ。つまり慣れたってことです。今日も数匹の猫が部屋の隅っこで寝ていますよ。

 ちなみに猫達は僕が変身出来ることを知っています。毎回夜中になったら変身したからね。秘密にしないとこのお家のご飯は一生食べれない、それとタクシーを呼ぶと言うとすぐ絶対に言わないと約束してくれました。


 この調子でどんどんお友達を増やし、この世界や町の情報をもっと知りたいですね!


「まんあー」
「どうしたのメンテちゃん?」
「うー」ぎゅ
「あらあら。本当に甘えん坊ね」


 僕は母にぎゅっとくっついて甘えます。だいぶ発音がよくなってきました。自分でもびっくりするぐらい成長しています。しゃべれる日はそう遠くないでしょう。





 少し離れたところでアニーキ―とダンディは、レディーとメンテの様子を見ていた。


「う、嘘でしょ!? 父さん、メンテの発音力が上達してるよ?!」
「はっはっは、本当だな……」
「何であれ(母さんの謎の特訓)でしゃべれるようになるの?!」
「はっはっは、それはパパにもさっぱり分からん。でもママは教えるのが上手なんだよ。アニーキ―も小さい頃はお菓子の力でしゃべれるようになったなあ。アーネは絵本を読み聞かせたら言葉を真似していたよ。ママはみんなの個性に合わせて言葉を教えているんだろう。パパにはとても真似出来ないな。はっはっは!!」
「へえ……(ん? 兄弟の中だと俺が一番単純な赤ちゃんだったの?)」


 実際、レディーはメンテが言葉を少しずつ理解してきたのを利用したのである。メンテにおっぱい卒業と言えばとすぐ必死になる。だから発音の練習させるのは簡単だった。母は何でもお見通しなのだ。



 猫の友達も増え、体も順調に成長していくメンテであった。

しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。 異世界転生 × 最強 × ギャグ × 仲間。 チートすぎる俺が、神様より自由に世界をぶっ壊す!? “真面目な展開ゼロ”の爽快異世界バカ旅、始動!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...