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186話 「猫の集会 猫ヘルプ編 その1」
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私の名前はアーネ。
最近お兄ちゃんとメンテが猫さんと一緒に寝てるって聞いたんだ。二人だけでずるい! 私も混ぜてって言ったらメンテが3人で一緒に寝ようって言いだしたの。メンテはね、私の弟ですごく甘えん坊なんだよー。
「あーえ。ねっこいっぴき!」
「猫が1匹ー?」
「はーい!」
最近メンテがすごくしゃべるようになったんだー。大人の人が頭良くなってきたねって言ってたの聞いたよー。私もちょっと前まで同じ事を何回も繰り返してね、毎回同じ反応をするメンテを見てね、メンテって本当にバカだなあって思ってたもん。だからママにメンテって頭悪いの? って聞いたら赤ちゃんはみなそんなものよって言ってたー。
「いっぴき!」
「1匹がどうしたのー?」
「メンテ様は猫を1匹選びに行こうよ! とおっしゃっているのでしょう。先程のアニーキー様のお話をお忘れですか?」
「あ、そうだった。一緒に寝る猫は1匹だっけー?」
「いっぴきー!」
カフェさんに言われて思い出したー。なんかね、お兄ちゃんのベッドが狭くなるから猫は1匹とか言ってたね。よーし、私も探そーっと! ……あれ~、今日は珍しく1匹も部屋にいないよ? なんでかなあ。
「あっち!」
「えー? あっちに猫がいるのー??」
メンテが指差したのはこの部屋のドアでね、ドアを開けたら廊下に猫が1匹いたのー。
「いっぴき!」
「本当にいたー?! なんでわかったのー?」
「えぐぅ~?」
急に何で分からないの? って顔されたよー。こっちが何でなんでなんだけどさー。だからカフェさんに聞いたら私も分かりませんだって。でね、廊下に出たら急にメンテが走り出したんだ。だから私とカフェさんで後を追ったのー。
「いっぴき!」
「どこ~? ……きゃ!? 本当にいた?!」
なんかね、メンテの指差した方を見たら窓の前に猫が1匹いたの。びっくりしちゃったー。
「あーえ、あっち!」
「え? ちょっと待ってよー」
それからね、メンテと私とカフェさんとでね、家の中を走り回って猫をいっぱい見つけたの。私だったら通り過ぎるような場所に隠れてたり、階段の端っこにいたり、誰かの部屋に入るたびに1匹いたよー。この家に猫っていっぱいいるんだねー!
「カフェさん、なんでメンテは猫の場所が分かるのー?」
「メンテ様は特殊なスキルを持っておられるのでその影響でしょう。詳しくは分かりませんが、何らかの方法を使って探しているはずです」
「へえ、そうなんだー」
「まさかメイドたちが猫を部屋に連れ込んでいたとは……。最近モフモフがどうと話していたのはそういうことでしたか。ぶつぶつ……」
よく分からないけど猫と一緒に寝るのが流行ってるんだってー。そういえばみんなに私が猫抱いて寝ると気持ちよく寝れるよって言ったような気がするー。
その後もみんなで猫を探し回ったんだよ。でも途中でメンテが疲れてカフェさんに抱っこされてたんだ。体力ないもんねー。そしたらカフェさんの服がよだれまみれになったの。おっぱい吸おうとしたのかな? 汚かったー。
「……なるほどね、なるほどなるほど。そういうわけで家中の猫を1匹残らず選んで来たってわけだね?」
「そだよー」
「アーネは馬鹿なの?! 俺は猫を1匹だけ選んで来いっていったじゃん! 見てこれ、ここに何匹いると思う!」
『にゃわにゃわ!』
「いっぱいだねー!」
「本当に何匹いるんだよ?! しっしっ。……ダメだ、全然動かない」
アニーキーの部屋の前には猫がいっぱい集まっていた。アニーキーが追い払おうとしても動く気配はない。今日も部屋に入る気満々である。
「えへへ~。気づいたら後ろについて来てたのー!」
「全然えへへ~じゃないからね?!」
「いっぴき!」
「ちょっと待って、メンテは静かにしようね~。今アーネと大事な話をしているからさ。あとこれは1匹じゃなくて30匹ぐらいいるから間違ってるよ?」
「いっぴきー!」
「今日は猫さんがいっぱいだねー!」
「あああああああーもう。二人にしてやられたよ!」
メンテは一緒に寝る猫を1匹だけ選んだ。だけどアーネが猫をいっぱい連れてきた。そういうていで話が進んでいったという。
「はあ。アーネなら大丈夫だと思ってたのに。というかカフェさんも見てたんでしょ? 止めてほしかったよ?!」
「申し訳ございません。私もメンテ様の特殊な力を拝見していて忘れてしまいました」
「もういいよ。じゃあみんな先に入りなよ。でも次からは絶対1匹だけだからね!!!! ……で、特殊な力って何? カフェさん、そこ詳しく教えてよ。ねえ、ねえってば!」
今日もメンテの作戦通り進んだという。果たしてアニーキーの悩みは解決するのか? 頑張れお兄ちゃん!
◆
夜中。アニーキーの部屋にて。
「えっ~ぐ!(へんしーん!)」
僕メンテ。3日連続で猫の集会を開催です。ババーッと猫バリアで場を整えます。全ての猫達が僕を見えるようになったので準備完了。では始めましょう!
「アーネとアニーキーに猫の力をあたえたまえ~」
僕は2人に猫ギフトを授けているのですよ。今日アーネも一緒に寝ようと誘ったのはこのためです。昨日はアニーキーにしか実験が出来なかったのでね。
ピカ―ッ。っしゅ~ん。
「メンテ―。今どうなったの?」
「気になるにゃ」
「んー。二人とも効果なかったみたい。やっぱり人間だからかなあ」
「実験成功?」
「うん。一応成功だね」
「良かったにゃー」
「そだねー」
『にゃわにゃわ!』
この後も何回か試して見ましたがダメでした。猫ギフトは人間に使えるのか? という実験は終了です。なんといえばいいのでしょうか。人間に使おうと思っても出来る気が感じませんね。やるだけ無駄だ。これは僕、いや猫の勘です。
「今日初めて来た猫もいるからね。まずは猫ギフトについて説明するね!」
僕はまだ猫ギフトを貰っていない猫達に力を使います。それから使い方とかも順に説明していきました。その結果……。
===
猫
===
「うわあ?! なんか出たー!」
「またこれだ」
「にゃはは、みんな一緒じゃん」
『にゃわにゃわ!』
と全ての猫が同じでした。僕以外はみんな”猫”としか表示されませんね。何で僕だけ違うのかなあ。まあそれは今から調べるとして、今日は教会の猫も近所の猫も集まっています。実は猫の数が多すぎて覚えてないことがあってね。
「みんなに猫ギフトをあげようと思ってるんだけど、残りが誰か分からないんだよね。だから声を掛けて欲しいんだ。夜ここに来てほしいって」
「いいよ。まあ昔より数が増えたから誰が来てないか分からないよね」
「てかもうみんな来たんじゃにゃいの?」
「あはは、私たちもさすがに全員の顔は把握してにゃいわ」
「そだにゃー」
「……あ、子猫がいる猫達はまだ来てないはずよ」
「確かに。教会にいる猫は来たことないかも」
「そうなの?」
それは初耳です。
「うん、子猫を移動するのは危ないからって理由でまだこの家に来てない猫もいるよね」
「そだにゃ。ある程度大きくなったら遊びに行かせるって言ってたぜ」
「そういえば僕の家に子猫ってあまり来てないような? なら明日教会に行ってみようっと。あ、この家の近所に子猫っているの?」
「んー、いないんじゃないかな? てか近所だとメンテが一番子猫だよ」
「そうだにゃ」
『にゃわにゃわ』
明日教会に遊びに行こうと思いました。もちろん人間の姿のときにね。子猫も安全で快適な場所だよと伝えて一緒に連れ帰っちゃいましょう。僕が甘えれば大人たちはチョロいので楽勝でしょう。これで4日連続で集会開催ですね!
さて、話を戻して猫ギフトを調べますよ。
「ギフト―!」
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
===========
ね? 僕だけ他の猫より内容が長ったるいでしょ? 不思議でしょ??
「ヘルプ、ヘルプ、ヘルプ―!」
ヘルプで聞いてみます。でもこのヘルプってあまり役立たないんだよね。一応答えてはくれるけど答えてくれないときもあるしさ。
〈何か用かニャ?〉
「――ん?!」
うお?! 何かはっきりと聞こえた??
「さっきから何をしているの?」
「あ、シロ先生丁度よいところに。今の声聞こえた?」
「え? 何が?」
「なるほど、僕だけに聞こえるのか。よし、ヘルプ、ヘルプ。……ヘルプ―!」
〈……〉
「ね、猫ヘルプ!」
〈何か用かニャ?〉
これ猫って付けなきゃヘルプ出てこないの? 面倒くさっ。
「猫ヘルプ。猫ヘルプについて教えて」
〈お助け機能ニャ〉
「猫ギフトについて教えて」
〈猫のギフトニャ〉
「猫のギフト?」
〈猫のギフトニャ〉
……このお助け機能、頭悪くね? でも前と違ってしゃべってるから頭は良くなっていると期待したいです。
「猫ギフトとギフトって違うの?」
〈違うニャ〉
「何が違うの?」
〈猫ギフトとギフトは違うニャ〉
「もっと具体的に詳しく」
〈猫ギフトとギフトは違うニャ〉
……やばい。めっちゃ頭悪いぞ?!
「この猫ヘルプは僕以外の猫でも使えるの?」
〈未設定ニャ〉
「じゃあ使えるようにしてよ」
〈設定したニャ〉
うん、よく分からないけど設定出来たね。
「みんなー、猫ギフトにヘルプ機能があるから何か質問してみて!」
「へるぷ~?」
「何それ?」
「ヘルプはお助け機能なんだ。分からないことがあったら答えてくれるよ」
「そんなことできるんだ」
「へえ、すごいにゃあ」
「どうやるの??」
「猫ギフト、何々を教えてって言ったら出てくるよ。声に出さなくても頭で考えてもオッケー。」
『にゃわにゃわ』
よし、他の猫にもヘルプを使って調べさせましょう。このお助け機能頭が悪いのでね。みんなに調べさせている間に僕もどんどん質問しちゃおう。
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
===========
「猫ヘルプ。何で僕に名前がないの?」
〈名前がないからニャ〉
「年齢がなしなのは?」
〈猫だからニャ〉
「性別がなしなのは?」
〈猫だからニャ〉
僕の知りたかったこと全部これだよ。この猫ヘルプ全然使えないぞ~。あはははは!
「……猫ヘルプ。なんで僕は他の猫とギフトの中身が違うの?」
〈ギフトを2つ持っているからニャ〉
……お? 初めてまともな返事が帰って来たね。しかもこれは僕が知りたかったことだ!
ギフトは2つ存在するんじゃないかと思ってたのです。本当に2つあると確認が出来ちゃっいましたよ。まさか頭の悪いと思っていた猫ヘルプによって謎が1つ解けるとは。よし、もっと聞いてみましょう。
「それはどういうこと?」
〈ギフトと猫ギフトが混ざり合っているニャ〉
「何で混ざり合ってるの?」
〈魂が2つあるからニャ〉
「2つって?」
〈人間の魂と猫の魂ニャ〉
( ,,`・ω・´)ンンン?
「もしかして猫の魂って”猫魂”ってこと?」
〈そうニャ〉
衝撃の事実。猫魂って僕のピュアハートのことかと思ったけどリアルに魂のことでした。
「2つ魂があるから違うの?」
〈不安定な存在になったニャ〉
「……不安的な存在?」
〈本来のギフトは己の魂の状態を確認するだけの力。でも猫ギフトは人間のギフトの影響を受け、完全に別物になったニャ。つまりバグったニャ〉
――フアッ!?
〈バグと言うよりパワーアップしたニャ。多少出来ることが増えただけで命の問題はないニャ。ちなみに人間のギフトは正常に動いているニャ〉
……なんかめっちゃ心当たりがあるんだけど。人間のときじゃ出来ないことって勝手にギフトの内容を編集することだよね? あれバグなの?! とショックを受けているとシロ先生が話しかけてきました。
「メンテ、私達が猫としか表示されない理由が分かったわ!」
「え、本当?」
「あれは名前ではなく”種族名”が表示されるみたいなの。みんなで確認し合ったから間違いないの!」
「おお、そうなんだ!」
ほお、種族名ときましたか。正解なのか聞いてみましょう。
「猫ヘルプ、僕の猫ギフト【 】の中には種族名が入るの?」
〈名前が入りますニャ〉
……うん、僕のギフトは完全にバグってやがる。
最近お兄ちゃんとメンテが猫さんと一緒に寝てるって聞いたんだ。二人だけでずるい! 私も混ぜてって言ったらメンテが3人で一緒に寝ようって言いだしたの。メンテはね、私の弟ですごく甘えん坊なんだよー。
「あーえ。ねっこいっぴき!」
「猫が1匹ー?」
「はーい!」
最近メンテがすごくしゃべるようになったんだー。大人の人が頭良くなってきたねって言ってたの聞いたよー。私もちょっと前まで同じ事を何回も繰り返してね、毎回同じ反応をするメンテを見てね、メンテって本当にバカだなあって思ってたもん。だからママにメンテって頭悪いの? って聞いたら赤ちゃんはみなそんなものよって言ってたー。
「いっぴき!」
「1匹がどうしたのー?」
「メンテ様は猫を1匹選びに行こうよ! とおっしゃっているのでしょう。先程のアニーキー様のお話をお忘れですか?」
「あ、そうだった。一緒に寝る猫は1匹だっけー?」
「いっぴきー!」
カフェさんに言われて思い出したー。なんかね、お兄ちゃんのベッドが狭くなるから猫は1匹とか言ってたね。よーし、私も探そーっと! ……あれ~、今日は珍しく1匹も部屋にいないよ? なんでかなあ。
「あっち!」
「えー? あっちに猫がいるのー??」
メンテが指差したのはこの部屋のドアでね、ドアを開けたら廊下に猫が1匹いたのー。
「いっぴき!」
「本当にいたー?! なんでわかったのー?」
「えぐぅ~?」
急に何で分からないの? って顔されたよー。こっちが何でなんでなんだけどさー。だからカフェさんに聞いたら私も分かりませんだって。でね、廊下に出たら急にメンテが走り出したんだ。だから私とカフェさんで後を追ったのー。
「いっぴき!」
「どこ~? ……きゃ!? 本当にいた?!」
なんかね、メンテの指差した方を見たら窓の前に猫が1匹いたの。びっくりしちゃったー。
「あーえ、あっち!」
「え? ちょっと待ってよー」
それからね、メンテと私とカフェさんとでね、家の中を走り回って猫をいっぱい見つけたの。私だったら通り過ぎるような場所に隠れてたり、階段の端っこにいたり、誰かの部屋に入るたびに1匹いたよー。この家に猫っていっぱいいるんだねー!
「カフェさん、なんでメンテは猫の場所が分かるのー?」
「メンテ様は特殊なスキルを持っておられるのでその影響でしょう。詳しくは分かりませんが、何らかの方法を使って探しているはずです」
「へえ、そうなんだー」
「まさかメイドたちが猫を部屋に連れ込んでいたとは……。最近モフモフがどうと話していたのはそういうことでしたか。ぶつぶつ……」
よく分からないけど猫と一緒に寝るのが流行ってるんだってー。そういえばみんなに私が猫抱いて寝ると気持ちよく寝れるよって言ったような気がするー。
その後もみんなで猫を探し回ったんだよ。でも途中でメンテが疲れてカフェさんに抱っこされてたんだ。体力ないもんねー。そしたらカフェさんの服がよだれまみれになったの。おっぱい吸おうとしたのかな? 汚かったー。
「……なるほどね、なるほどなるほど。そういうわけで家中の猫を1匹残らず選んで来たってわけだね?」
「そだよー」
「アーネは馬鹿なの?! 俺は猫を1匹だけ選んで来いっていったじゃん! 見てこれ、ここに何匹いると思う!」
『にゃわにゃわ!』
「いっぱいだねー!」
「本当に何匹いるんだよ?! しっしっ。……ダメだ、全然動かない」
アニーキーの部屋の前には猫がいっぱい集まっていた。アニーキーが追い払おうとしても動く気配はない。今日も部屋に入る気満々である。
「えへへ~。気づいたら後ろについて来てたのー!」
「全然えへへ~じゃないからね?!」
「いっぴき!」
「ちょっと待って、メンテは静かにしようね~。今アーネと大事な話をしているからさ。あとこれは1匹じゃなくて30匹ぐらいいるから間違ってるよ?」
「いっぴきー!」
「今日は猫さんがいっぱいだねー!」
「あああああああーもう。二人にしてやられたよ!」
メンテは一緒に寝る猫を1匹だけ選んだ。だけどアーネが猫をいっぱい連れてきた。そういうていで話が進んでいったという。
「はあ。アーネなら大丈夫だと思ってたのに。というかカフェさんも見てたんでしょ? 止めてほしかったよ?!」
「申し訳ございません。私もメンテ様の特殊な力を拝見していて忘れてしまいました」
「もういいよ。じゃあみんな先に入りなよ。でも次からは絶対1匹だけだからね!!!! ……で、特殊な力って何? カフェさん、そこ詳しく教えてよ。ねえ、ねえってば!」
今日もメンテの作戦通り進んだという。果たしてアニーキーの悩みは解決するのか? 頑張れお兄ちゃん!
◆
夜中。アニーキーの部屋にて。
「えっ~ぐ!(へんしーん!)」
僕メンテ。3日連続で猫の集会を開催です。ババーッと猫バリアで場を整えます。全ての猫達が僕を見えるようになったので準備完了。では始めましょう!
「アーネとアニーキーに猫の力をあたえたまえ~」
僕は2人に猫ギフトを授けているのですよ。今日アーネも一緒に寝ようと誘ったのはこのためです。昨日はアニーキーにしか実験が出来なかったのでね。
ピカ―ッ。っしゅ~ん。
「メンテ―。今どうなったの?」
「気になるにゃ」
「んー。二人とも効果なかったみたい。やっぱり人間だからかなあ」
「実験成功?」
「うん。一応成功だね」
「良かったにゃー」
「そだねー」
『にゃわにゃわ!』
この後も何回か試して見ましたがダメでした。猫ギフトは人間に使えるのか? という実験は終了です。なんといえばいいのでしょうか。人間に使おうと思っても出来る気が感じませんね。やるだけ無駄だ。これは僕、いや猫の勘です。
「今日初めて来た猫もいるからね。まずは猫ギフトについて説明するね!」
僕はまだ猫ギフトを貰っていない猫達に力を使います。それから使い方とかも順に説明していきました。その結果……。
===
猫
===
「うわあ?! なんか出たー!」
「またこれだ」
「にゃはは、みんな一緒じゃん」
『にゃわにゃわ!』
と全ての猫が同じでした。僕以外はみんな”猫”としか表示されませんね。何で僕だけ違うのかなあ。まあそれは今から調べるとして、今日は教会の猫も近所の猫も集まっています。実は猫の数が多すぎて覚えてないことがあってね。
「みんなに猫ギフトをあげようと思ってるんだけど、残りが誰か分からないんだよね。だから声を掛けて欲しいんだ。夜ここに来てほしいって」
「いいよ。まあ昔より数が増えたから誰が来てないか分からないよね」
「てかもうみんな来たんじゃにゃいの?」
「あはは、私たちもさすがに全員の顔は把握してにゃいわ」
「そだにゃー」
「……あ、子猫がいる猫達はまだ来てないはずよ」
「確かに。教会にいる猫は来たことないかも」
「そうなの?」
それは初耳です。
「うん、子猫を移動するのは危ないからって理由でまだこの家に来てない猫もいるよね」
「そだにゃ。ある程度大きくなったら遊びに行かせるって言ってたぜ」
「そういえば僕の家に子猫ってあまり来てないような? なら明日教会に行ってみようっと。あ、この家の近所に子猫っているの?」
「んー、いないんじゃないかな? てか近所だとメンテが一番子猫だよ」
「そうだにゃ」
『にゃわにゃわ』
明日教会に遊びに行こうと思いました。もちろん人間の姿のときにね。子猫も安全で快適な場所だよと伝えて一緒に連れ帰っちゃいましょう。僕が甘えれば大人たちはチョロいので楽勝でしょう。これで4日連続で集会開催ですね!
さて、話を戻して猫ギフトを調べますよ。
「ギフト―!」
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【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
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ね? 僕だけ他の猫より内容が長ったるいでしょ? 不思議でしょ??
「ヘルプ、ヘルプ、ヘルプ―!」
ヘルプで聞いてみます。でもこのヘルプってあまり役立たないんだよね。一応答えてはくれるけど答えてくれないときもあるしさ。
〈何か用かニャ?〉
「――ん?!」
うお?! 何かはっきりと聞こえた??
「さっきから何をしているの?」
「あ、シロ先生丁度よいところに。今の声聞こえた?」
「え? 何が?」
「なるほど、僕だけに聞こえるのか。よし、ヘルプ、ヘルプ。……ヘルプ―!」
〈……〉
「ね、猫ヘルプ!」
〈何か用かニャ?〉
これ猫って付けなきゃヘルプ出てこないの? 面倒くさっ。
「猫ヘルプ。猫ヘルプについて教えて」
〈お助け機能ニャ〉
「猫ギフトについて教えて」
〈猫のギフトニャ〉
「猫のギフト?」
〈猫のギフトニャ〉
……このお助け機能、頭悪くね? でも前と違ってしゃべってるから頭は良くなっていると期待したいです。
「猫ギフトとギフトって違うの?」
〈違うニャ〉
「何が違うの?」
〈猫ギフトとギフトは違うニャ〉
「もっと具体的に詳しく」
〈猫ギフトとギフトは違うニャ〉
……やばい。めっちゃ頭悪いぞ?!
「この猫ヘルプは僕以外の猫でも使えるの?」
〈未設定ニャ〉
「じゃあ使えるようにしてよ」
〈設定したニャ〉
うん、よく分からないけど設定出来たね。
「みんなー、猫ギフトにヘルプ機能があるから何か質問してみて!」
「へるぷ~?」
「何それ?」
「ヘルプはお助け機能なんだ。分からないことがあったら答えてくれるよ」
「そんなことできるんだ」
「へえ、すごいにゃあ」
「どうやるの??」
「猫ギフト、何々を教えてって言ったら出てくるよ。声に出さなくても頭で考えてもオッケー。」
『にゃわにゃわ』
よし、他の猫にもヘルプを使って調べさせましょう。このお助け機能頭が悪いのでね。みんなに調べさせている間に僕もどんどん質問しちゃおう。
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
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「猫ヘルプ。何で僕に名前がないの?」
〈名前がないからニャ〉
「年齢がなしなのは?」
〈猫だからニャ〉
「性別がなしなのは?」
〈猫だからニャ〉
僕の知りたかったこと全部これだよ。この猫ヘルプ全然使えないぞ~。あはははは!
「……猫ヘルプ。なんで僕は他の猫とギフトの中身が違うの?」
〈ギフトを2つ持っているからニャ〉
……お? 初めてまともな返事が帰って来たね。しかもこれは僕が知りたかったことだ!
ギフトは2つ存在するんじゃないかと思ってたのです。本当に2つあると確認が出来ちゃっいましたよ。まさか頭の悪いと思っていた猫ヘルプによって謎が1つ解けるとは。よし、もっと聞いてみましょう。
「それはどういうこと?」
〈ギフトと猫ギフトが混ざり合っているニャ〉
「何で混ざり合ってるの?」
〈魂が2つあるからニャ〉
「2つって?」
〈人間の魂と猫の魂ニャ〉
( ,,`・ω・´)ンンン?
「もしかして猫の魂って”猫魂”ってこと?」
〈そうニャ〉
衝撃の事実。猫魂って僕のピュアハートのことかと思ったけどリアルに魂のことでした。
「2つ魂があるから違うの?」
〈不安定な存在になったニャ〉
「……不安的な存在?」
〈本来のギフトは己の魂の状態を確認するだけの力。でも猫ギフトは人間のギフトの影響を受け、完全に別物になったニャ。つまりバグったニャ〉
――フアッ!?
〈バグと言うよりパワーアップしたニャ。多少出来ることが増えただけで命の問題はないニャ。ちなみに人間のギフトは正常に動いているニャ〉
……なんかめっちゃ心当たりがあるんだけど。人間のときじゃ出来ないことって勝手にギフトの内容を編集することだよね? あれバグなの?! とショックを受けているとシロ先生が話しかけてきました。
「メンテ、私達が猫としか表示されない理由が分かったわ!」
「え、本当?」
「あれは名前ではなく”種族名”が表示されるみたいなの。みんなで確認し合ったから間違いないの!」
「おお、そうなんだ!」
ほお、種族名ときましたか。正解なのか聞いてみましょう。
「猫ヘルプ、僕の猫ギフト【 】の中には種族名が入るの?」
〈名前が入りますニャ〉
……うん、僕のギフトは完全にバグってやがる。
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