オーバーキラー~悪い奴らは皆殺し!外法で召喚された俺は異世界で悪党どもを蹂躙する。王国編

一ノ瀬 薫

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第9話 急襲

 翌日、日が暮れた頃に二人で狙いをつけた娼館の近くまで来て、俺はどうしようかとレッドに訊いた。
 表から行くとあんたはまた滅茶苦茶やって騒ぎになるからダメだ、とレッドは言った。
「裏口から行って、直接上にいる店主を狙う」
 こっちは狩りの初心者だから経験者の意見に従うのは当然だ。
「わかった」
 俺はそう言ってレッドについて行った。

 レッドは建物の脇の路地に入ると、ここが裏口だと扉を指した。
 俺は組合で借りたままになっている剣で小突いて鍵を壊し、中に入った。
 音を聞いたのか脇のドアから用心棒らしき男が出てきたが、こちらに気づく間もなく叩きのめして外に放り出した。

「また誰かに見つかると面倒だ、さっさと上に行く。その階段だ」
 レッドは探索で、この建物の見取り図が頭に入っているようだった。
 俺たちは階段を駆け上り三階までたどり着いた。
「あそこだ」
 レッドは廊下の突き当たりにある一番奥部屋を見た。
 俺は走って行きノックをした。
 なんだ、と声がしたので、剣でドアをぶち破ると同時に言った。

凍結フリーズ

 正面のデスクに座っているデブが固まっている。
 相手の能力がわからなかったので、用心のためにまず凍らせた。
「仕事が早いな。雑だけど」
「攻撃は速さが大事で丁寧である必要は無い、と昔の軍師は言っている」
「なんだ、それは」
「そのうち教えてやる」
 ここからは俺の出番だ。
 デブを〈拘束バインド〉し、それから回復してやった。
 俺はデスクの上に乗り、デブの横っ面を張り飛ばした。

「お前ら、俺にこんな」
 俺はまた横っ面をひっぱたいた。
「お前のボスは誰だ」
「こんなことを」
 ひっぱたく。
「わかった。お前たちは何者だ」
「悪党に名乗る名はない。いいからボスの名前を言え。早く言わないと真っ二つにするぞ」
「金が欲しいのか」
 ひっぱたく。
「ボスの名前だ」
 俺は剣先でデブの額をゴリゴリ突いた。

「ガンツだ。もう勘弁してくれ」
 額から出る血で真っ赤になりながらそう言った。
 デブはもう抵抗する気力がなくなったようだ。
「それが組織のボスか」
「そうだ」
「まだ手下がいるだろう」
「支配人が一人いる。机のベルで来る」
「よくできました」
 俺はデブを褒めてからもう一度〈凍結フリーズ〉した。

「こいつどうするんだ」
「あとで考える、とりあえず手下を始末する」
 レッドは机のベルを鳴らした。
 しばらくすると階段を上ってくる音がしたので、ドアの穴から見えたところで〈凍結フリーズ〉し、デブと同じように〈拘束バインド〉してから回復させた。
 俺は支配人を小突いて起こすと、証文はどこにあるのか聞いた。
「こいつと同じ目に遭わされたくなければ、すぐに教えろ」
 俺は馬鹿みたいに剣を振り回してそう言うと、支配人はあそこですと壁にかかった絵を見て言ったので、絵をどかすとその後ろの壁に金庫がはめ込まれていた。

「どうやって開けるんだ」
「鍵があります」
 何か仕掛けがあるな、俺はただ絵で隠すだけのはずがないと思ったのだ。
 そして用心のために金庫の前を〈魔法盾《マジックシールド》〉で囲った。
「何しているんだ」
 レッドがそう訊いてきた。
「トラップの用心だ。ただ開けるとやられるかもしれないからな。それにまたデブを起こすのはうんざりだから、強引にやる」

 俺は借り物の剣を置いて、〈原初の剣エレメンタルソード〉を取り出し、鍵穴を突き刺して破壊した。
 案の定、透明な〈魔法盾マジックシールド〉には黒い飛沫が張り付いたが、すぐに吸収されて消えた。
 金庫には、書類と金の延べ棒が入っていたので、取り出してデスクに置いた。
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