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7 終わり
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――…………
――……
「先輩に告白した」
次の日の放課後、葛城から告げられた。
「…………フラれちゃった」
葛城の目元は真っ赤に腫れており、沢山泣いたのだとすぐに分かる。
悲しくて、切なくて、悔しくて、たまらなくて、泣いたんだろう。
「フラれるって分かってて告白したのか」
「そうだよ。先輩、笑ったり馬鹿にしたりしなかった。
僕のこと良い意味でも悪い意味でも特別扱いしなかったよ。
ただ、『今は部活に集中したいから恋人は作れないんだ』って……
それだけ言って、ごめんなって…………
それから『気持ちは嬉しい、ありがとう』って、言ってくれたんだ。
素敵な人だった。そう言われて、僕はもっと先輩のことが好きになっちゃったんだ。
先輩を好きになって良かった。
辛いけど、でも、無駄じゃなかったって思うんだ」
「…………そっか」
「君の言うように、僕はさ……
僕を恋愛対象にしてくれる人を好きになるべきなんだ。
例えば、君とか。社会人になればセクシュアルマイノリティの人たちの出会いの場も増えると思う。
そういうイベントとかバーとかあるんだって聞いた。でも、でもね……
僕、諦めたくないんだ。諦めて、君と付き合えば、きっと楽なんだろうなって思うよ。
でもそれって妥協だし、そんなの相手に失礼だと思うんだ。
なにより僕自身がそれじゃ嫌なんだよ。
だから、やっぱり君とは付き合えない。ごめんね」
「……ううん。こっちこそごめん。俺もきっと諦めてたんだ。
だから簡単に手に入りそうなお前のこと好きだって感じたんだと思う。
……それって酷いよな。昨日、イヤなこと言ってほんとにごめんなさい」
「うん。二人でエッチなことするのも、今日で終わりね。
今までありがとう、ごめんね」
「……うん」
「きっと僕らは、普通の友達にもなれないから、もう、君に話しかけない。
これは僕の決意みたいなものだから、分かって欲しい。
ごめんね、自分勝手で……――――さよなら」
――…………
――……
それから一週間が過ぎた。
葛城が俺に声をかけてくることは、もうなかった。
勿論ふたりでこっそり行っていたアレもなくなって、
すっかり元の日常が戻って来ていた。
葛城は相変わらずクラスで一人で居て、つまらなそうにぼうっとしている。
長い前髪で隠れた顔は暗くって、憂鬱そうだった。
報われないことに耐えられるほど強くもないのに、
それでも妥協出来ない愚かなお前が、
いつか幸せな恋に恵まれますように。
俺は、それを願うしか出来ない。
――……
「先輩に告白した」
次の日の放課後、葛城から告げられた。
「…………フラれちゃった」
葛城の目元は真っ赤に腫れており、沢山泣いたのだとすぐに分かる。
悲しくて、切なくて、悔しくて、たまらなくて、泣いたんだろう。
「フラれるって分かってて告白したのか」
「そうだよ。先輩、笑ったり馬鹿にしたりしなかった。
僕のこと良い意味でも悪い意味でも特別扱いしなかったよ。
ただ、『今は部活に集中したいから恋人は作れないんだ』って……
それだけ言って、ごめんなって…………
それから『気持ちは嬉しい、ありがとう』って、言ってくれたんだ。
素敵な人だった。そう言われて、僕はもっと先輩のことが好きになっちゃったんだ。
先輩を好きになって良かった。
辛いけど、でも、無駄じゃなかったって思うんだ」
「…………そっか」
「君の言うように、僕はさ……
僕を恋愛対象にしてくれる人を好きになるべきなんだ。
例えば、君とか。社会人になればセクシュアルマイノリティの人たちの出会いの場も増えると思う。
そういうイベントとかバーとかあるんだって聞いた。でも、でもね……
僕、諦めたくないんだ。諦めて、君と付き合えば、きっと楽なんだろうなって思うよ。
でもそれって妥協だし、そんなの相手に失礼だと思うんだ。
なにより僕自身がそれじゃ嫌なんだよ。
だから、やっぱり君とは付き合えない。ごめんね」
「……ううん。こっちこそごめん。俺もきっと諦めてたんだ。
だから簡単に手に入りそうなお前のこと好きだって感じたんだと思う。
……それって酷いよな。昨日、イヤなこと言ってほんとにごめんなさい」
「うん。二人でエッチなことするのも、今日で終わりね。
今までありがとう、ごめんね」
「……うん」
「きっと僕らは、普通の友達にもなれないから、もう、君に話しかけない。
これは僕の決意みたいなものだから、分かって欲しい。
ごめんね、自分勝手で……――――さよなら」
――…………
――……
それから一週間が過ぎた。
葛城が俺に声をかけてくることは、もうなかった。
勿論ふたりでこっそり行っていたアレもなくなって、
すっかり元の日常が戻って来ていた。
葛城は相変わらずクラスで一人で居て、つまらなそうにぼうっとしている。
長い前髪で隠れた顔は暗くって、憂鬱そうだった。
報われないことに耐えられるほど強くもないのに、
それでも妥協出来ない愚かなお前が、
いつか幸せな恋に恵まれますように。
俺は、それを願うしか出来ない。
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