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――…………
――……
泣き喚いて暴れる鈴になんとか抗不安薬を飲ませた。
薬を飲んだら鈴は10分ほどで落ち着いて、今はソファで横になっている。
鈴は『自分は病気ではない』と言い張り、薬を飲むのを嫌がった。
だからこうしてたまに、その日の分の薬を飲むのをサボるんだ。
「お兄ちゃん……」
消えそうなほど、弱弱しく、か細い声が聞こえた。
覇気のない声で、先ほどのようなヒステリックさはもうなかった。
「鈴、もう大丈夫だよ」
「部屋を汚しちゃったから、お父さんに怒られる……
怒鳴られる…… 殴られる……
…………犯される」
「鈴……」
父親は、鈴に性的な虐待もしていた。
俺は父親似だが、鈴はかなりの母親似だ。
鈴は、成長するに連れて、どんどん母親に似ていった。
俺たちの母親は、かなりの美人だった。
鈴はその美貌をしっかりとと受け継いでいて、
思春期に差し掛かった頃の鈴の美しさは息をのむほどだった。
父親は、そんな鈴を亡くなった自分の妻と重ねてでもいたんだろうか。
いつしか実の子供である鈴を、頻繁に抱いていた。犯していた。
だから鈴は自分が父にされたのと同じように、俺を犯し、俺を抱くのだ。
自分が味わった地獄を、俺にも与えようとしているんだ。
それが、復讐のつもりなんだろう。
「もお、いやだよぅ……
気持ち悪いよ、怖いよぉ、痛いよぉ……
助けて…… 助けて…… 誰か、誰か、お兄ちゃん……」
「大丈夫だよ、鈴、大丈夫だから」
俺は性的虐待の事も、もちろん知っていた。
だけどやっぱり、助けずに無視をした。
何も知らないフリをして、鈴を見捨てた。
「もうすぐお父さん帰って来るんだ。
そしたらぼくはまた…… また犯される……
また殴られる…… 怖いよ、怖いよぉ……
お父さんやだぁ…… やだよぉ……っ」
「もうお父さんは帰って来ないよ。
だから大丈夫だよ。もう怯えなくていいんだ」
「……そうなの?」
「そうだよ。もう何も怖いことなんかないから。
だからゆっくり休んでいいよ。少し寝たらいい。おやすみ、鈴」
小さい子供をあやすような口調で言い、それから頭を優しく撫でる。
サラサラの髪を、手で少しとかしてやる。
鈴は定期的に、こうして幼児のように幼くなる。
鈴は、もう完全に壊れてしまっている。
こういった幼児退行は、心の防衛だと、医者が言っていた。
「鈴が寝るまでお兄ちゃんが付いててやるから。だから安心して」
「ほんとに? 本当にお父さん帰って来ない?」
「うん、帰って来ないよ。だって……」
――父さんは、
――――俺たちが、殺してしまったから。
――……
泣き喚いて暴れる鈴になんとか抗不安薬を飲ませた。
薬を飲んだら鈴は10分ほどで落ち着いて、今はソファで横になっている。
鈴は『自分は病気ではない』と言い張り、薬を飲むのを嫌がった。
だからこうしてたまに、その日の分の薬を飲むのをサボるんだ。
「お兄ちゃん……」
消えそうなほど、弱弱しく、か細い声が聞こえた。
覇気のない声で、先ほどのようなヒステリックさはもうなかった。
「鈴、もう大丈夫だよ」
「部屋を汚しちゃったから、お父さんに怒られる……
怒鳴られる…… 殴られる……
…………犯される」
「鈴……」
父親は、鈴に性的な虐待もしていた。
俺は父親似だが、鈴はかなりの母親似だ。
鈴は、成長するに連れて、どんどん母親に似ていった。
俺たちの母親は、かなりの美人だった。
鈴はその美貌をしっかりとと受け継いでいて、
思春期に差し掛かった頃の鈴の美しさは息をのむほどだった。
父親は、そんな鈴を亡くなった自分の妻と重ねてでもいたんだろうか。
いつしか実の子供である鈴を、頻繁に抱いていた。犯していた。
だから鈴は自分が父にされたのと同じように、俺を犯し、俺を抱くのだ。
自分が味わった地獄を、俺にも与えようとしているんだ。
それが、復讐のつもりなんだろう。
「もお、いやだよぅ……
気持ち悪いよ、怖いよぉ、痛いよぉ……
助けて…… 助けて…… 誰か、誰か、お兄ちゃん……」
「大丈夫だよ、鈴、大丈夫だから」
俺は性的虐待の事も、もちろん知っていた。
だけどやっぱり、助けずに無視をした。
何も知らないフリをして、鈴を見捨てた。
「もうすぐお父さん帰って来るんだ。
そしたらぼくはまた…… また犯される……
また殴られる…… 怖いよ、怖いよぉ……
お父さんやだぁ…… やだよぉ……っ」
「もうお父さんは帰って来ないよ。
だから大丈夫だよ。もう怯えなくていいんだ」
「……そうなの?」
「そうだよ。もう何も怖いことなんかないから。
だからゆっくり休んでいいよ。少し寝たらいい。おやすみ、鈴」
小さい子供をあやすような口調で言い、それから頭を優しく撫でる。
サラサラの髪を、手で少しとかしてやる。
鈴は定期的に、こうして幼児のように幼くなる。
鈴は、もう完全に壊れてしまっている。
こういった幼児退行は、心の防衛だと、医者が言っていた。
「鈴が寝るまでお兄ちゃんが付いててやるから。だから安心して」
「ほんとに? 本当にお父さん帰って来ない?」
「うん、帰って来ないよ。だって……」
――父さんは、
――――俺たちが、殺してしまったから。
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