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――…………
――……
半年前のこと、だった。
俺が仕事から帰宅したら、血だらけの父がリビングに横たわっていた。
傍らに包丁が落ちていて、一目で死んでいると分かった。
鈴はクローゼットの中に閉じこもって、ガタガタと震えて泣いていた。
震える鈴も、父親と同じように血だらけだった。
俺は、それだけで、なんとなく、何があったかを察する。
鈴はこの年になっても未だ、父親と身体の関係を持っていた。
成長するに連れて、暴力を振るわれることは少なくなったようだけど、
その代わりに身体を求められる回数が増えた。
大人しく言いなりになり、
身体を渡して奉仕してやれば、殴られたり蹴られたりはしない。
それを学んだ鈴は、父親とのセックスを拒まない。
だけど、そんな関係が正しいはずがない。
鈴にはいつか必ず、限界が来る。
そして、ついにその『限界』が訪れたのだろう。
我慢できなくなった鈴は、取り乱し、父さんを殺した。
きっと、自分でも訳が分からない内に、勢いのまま殺してしまったのだろう。
だから、怖くなって、クローゼットに逃げ込んで泣いていた。まるで子供みたいに。
鈴も壊れているけれど、俺だって壊れてる。
俺たち兄弟は二人とも、とっくの昔に、壊されている。
――俺は弟に、兄らしいことがしてやりたくて。
兄として、弟を庇ってやりたくって。
そんな思いだけで、父親の死体を自分の車に乗せて、山奥へ捨てた。
父親が生きているうちは、怖くて一度も鈴を庇ってやれなかった。
今更こんな形で庇ってやっても、もう全てが遅いのだけれど。
だけど、こうすることで、俺は少しでも自分の罪を軽くしたかった。
鈴を守ってやれなかったことを、自分の罪だと思ってずっと後悔し続けていた。
罪を背負って生きていくには、俺はあまりに弱すぎる。
だから、父親の遺体を隠したのは、鈴の為じゃない。
自分の罪から逃れるため。
ただの俺の、自己満足。
俺って本当にどこまでも卑怯で小心者な、ダメな兄貴だよ。
――ごめんな、鈴。
――……
半年前のこと、だった。
俺が仕事から帰宅したら、血だらけの父がリビングに横たわっていた。
傍らに包丁が落ちていて、一目で死んでいると分かった。
鈴はクローゼットの中に閉じこもって、ガタガタと震えて泣いていた。
震える鈴も、父親と同じように血だらけだった。
俺は、それだけで、なんとなく、何があったかを察する。
鈴はこの年になっても未だ、父親と身体の関係を持っていた。
成長するに連れて、暴力を振るわれることは少なくなったようだけど、
その代わりに身体を求められる回数が増えた。
大人しく言いなりになり、
身体を渡して奉仕してやれば、殴られたり蹴られたりはしない。
それを学んだ鈴は、父親とのセックスを拒まない。
だけど、そんな関係が正しいはずがない。
鈴にはいつか必ず、限界が来る。
そして、ついにその『限界』が訪れたのだろう。
我慢できなくなった鈴は、取り乱し、父さんを殺した。
きっと、自分でも訳が分からない内に、勢いのまま殺してしまったのだろう。
だから、怖くなって、クローゼットに逃げ込んで泣いていた。まるで子供みたいに。
鈴も壊れているけれど、俺だって壊れてる。
俺たち兄弟は二人とも、とっくの昔に、壊されている。
――俺は弟に、兄らしいことがしてやりたくて。
兄として、弟を庇ってやりたくって。
そんな思いだけで、父親の死体を自分の車に乗せて、山奥へ捨てた。
父親が生きているうちは、怖くて一度も鈴を庇ってやれなかった。
今更こんな形で庇ってやっても、もう全てが遅いのだけれど。
だけど、こうすることで、俺は少しでも自分の罪を軽くしたかった。
鈴を守ってやれなかったことを、自分の罪だと思ってずっと後悔し続けていた。
罪を背負って生きていくには、俺はあまりに弱すぎる。
だから、父親の遺体を隠したのは、鈴の為じゃない。
自分の罪から逃れるため。
ただの俺の、自己満足。
俺って本当にどこまでも卑怯で小心者な、ダメな兄貴だよ。
――ごめんな、鈴。
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