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14.新しい部屋での朝
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朝起きたら下着姿になっていた。自分で脱いだ記憶はない。
というよりも、昨日どうやってここに来たのかも覚えていない。
そのことに慌てていると、隣で寝ていたアルフレッド様が目を覚ました。
「あぁ……起きたのか」
「アルフレッド様!私、どうして下着姿なんですか!?」
「あ、悪い。脱がすのは見ないでもできたんだが、着させるのは無理だった」
「ええぇ?」
どういうことだと思って慌てていたら、
アルフレッド様は起き上がって説明してくれる。
「昨日、ドレスのまま寝させてしまったら、
疲れのせいで夜中に熱を出したみたいんだ。
汗だくになっていたからルーチェに着替えろって言ったんだが、
熱と疲れのせいで少しも動けなかったみたいだ」
「熱……?」
「だが、汗だくのドレス姿は気持ち悪かったみたいで、
俺に着替えさせてくれってルーチェが言ったんだ。
仕方ないから見ないようにして脱がした」
昨日はエッカルト国王に謁見したから正装のドレスだった。
そのままで寝たとしたら脱ぎたくなっても当然だ。
「アルフレッド様にそんなことをさせてしまったなんて……」
「寝ぼけていたからか、乳母と勘違いしたようだ。
いつものように着替えさせてと命じたんだろうが、
俺は女性の着替えなんてしたことないからな。
脱がすのはなんとかできたんだが、
見ないようにして着させるのは無理だったんだ」
「……それはお手数おかけしました……」
どうやら熱のせいでリマに言うようにわがままを言ったらしい。
アルフレッド様は見ないように頑張ってくれたというのに、
ひどいいいがかりをつけるところだった。
こんな十三歳にもなっていないような子どもに、
アルフレッド様が不埒な真似をするはずなんてないのに。
少しでも疑ってしまった自分が恥ずかしい。
「どうだ?動けそうか?」
「……身体はまだ痛いですけど、なんとか動けそうです」
「そうか。じゃあ、とりあえず服を着て朝食にしよう」
いつの間に用意してくれていたのか、
ソファの上にはたくさんの服が置かれていた。
アルフレッド様はその中から一枚、
着替えやすそうなワンピースを取って渡してくれる。
アルフレッド様は私に着替えさせるためにか、
そのまま寝室から出て行った。
ドレスでなければリマの手を借りなくても着替えることはできる。
着替えて寝室をでると、続き間のほうに食事が用意されていた。
旅の間もそうだったけれど、ベルコヴァの料理は美味しい。
私には少し多くて食べきれないけれど、
残した分はアルフレッド様が食べてくれた。
「ここの食事は口にあわないか?」
「いいえ、とっても美味しいです。
ただ、塔にいた時は満足に食べることができなかったので、
小食になってしまったみたいで」
「そういうことか。味は問題ないんだな?」
「はい!比べ物にならないくらい美味しいです」
「それならいい」
味に不満で残したのではないとわかったのか、
アルフレッド様は満足そうに食後のお茶を淹れようとする。
さすがに申し訳なくて、私に淹れさせてもらうことにした。
「そういえば、ここは王子妃の部屋なのですか?」
「いや、俺の部屋だ」
「え?」
「王子妃の部屋、ルーチェの部屋は隣にある。
ドレスなどはそちらに置いておくが、普段はこっちにいてくれ。
一緒にいないと守りにくい」
「怒られませんか?」
いくらなんでもアルフレッド様の部屋にずっといるというのは問題になりそう。
だが、アルフレッド様は笑って答える。
「俺の宮には女官も侍女もいないんだ。
ルーチェの乳母が回復すればこちらに来させるように言ってあるが、
しばらくは女官も侍女も増やすことができない」
「一人もいないのですか?」
「女官と侍女にはいろいろと裏切られた結果、いなくなったんだ」
「裏切られた……」
「だから、ルーチェが俺の部屋にいても誰も騒がない。
宮に入る扉の前で騎士が警備しているから、
他の者はこの区画に勝手に入ることはできない、
父上がこのことを知ることもないだろう」
見られる心配がないから大丈夫だというが、
それはそれで問題な気もする。
「この宮にはアルフレッド様と私しかいないのですか?」
「そうだ。用がある時だけ侍従が呼びに来るが、
この部屋の中には入らないように命じてある。
食事は宮に入る扉の前まで俺が取りに行っている」
かなり徹底して人と関わらないようにしていたようだ。
これでは女嫌いと言われるのも当然な気がする。
「さ、食事にしよう。早く湯あみをしたいだろう?」
「あ、はい。そうでした」
旅の間は満足に湯を使うことができなかった。
埃や汗で汚れているだろうから早く湯あみをしたい。
部屋の奥にあった浴室に案内されるが、そこにも人の気配はなく、
アルフレッド様はいつも一人で使っていたようだ。
「乳母がいなくても大丈夫か?」
「平気です。塔にいた間に一人で入れるようになりました」
「そうか」
塔に閉じ込められていた間もリマは私の世話をしようとしたが、
いつ平民として追い出されるかわからない状態だったから、
一人で入れるようになりたいとリマの世話を断っていた。
覚えるまでは大変だったけれど、あの時練習しておいてよかった。
さっぱりして浴室からでると、アルフレッド様も湯あみをしに行く。
置いてあった水差しからコップに水をそそいで飲んでいると、ドアがノックされる。
アルフレッド様はまだ浴室にいるけれど、
私が返事をしていいものだろうか。
仕方なく、ドアの近くまでいって返事をすることにした。
「はい、どなた?」
「え?あ、アズです!」
というよりも、昨日どうやってここに来たのかも覚えていない。
そのことに慌てていると、隣で寝ていたアルフレッド様が目を覚ました。
「あぁ……起きたのか」
「アルフレッド様!私、どうして下着姿なんですか!?」
「あ、悪い。脱がすのは見ないでもできたんだが、着させるのは無理だった」
「ええぇ?」
どういうことだと思って慌てていたら、
アルフレッド様は起き上がって説明してくれる。
「昨日、ドレスのまま寝させてしまったら、
疲れのせいで夜中に熱を出したみたいんだ。
汗だくになっていたからルーチェに着替えろって言ったんだが、
熱と疲れのせいで少しも動けなかったみたいだ」
「熱……?」
「だが、汗だくのドレス姿は気持ち悪かったみたいで、
俺に着替えさせてくれってルーチェが言ったんだ。
仕方ないから見ないようにして脱がした」
昨日はエッカルト国王に謁見したから正装のドレスだった。
そのままで寝たとしたら脱ぎたくなっても当然だ。
「アルフレッド様にそんなことをさせてしまったなんて……」
「寝ぼけていたからか、乳母と勘違いしたようだ。
いつものように着替えさせてと命じたんだろうが、
俺は女性の着替えなんてしたことないからな。
脱がすのはなんとかできたんだが、
見ないようにして着させるのは無理だったんだ」
「……それはお手数おかけしました……」
どうやら熱のせいでリマに言うようにわがままを言ったらしい。
アルフレッド様は見ないように頑張ってくれたというのに、
ひどいいいがかりをつけるところだった。
こんな十三歳にもなっていないような子どもに、
アルフレッド様が不埒な真似をするはずなんてないのに。
少しでも疑ってしまった自分が恥ずかしい。
「どうだ?動けそうか?」
「……身体はまだ痛いですけど、なんとか動けそうです」
「そうか。じゃあ、とりあえず服を着て朝食にしよう」
いつの間に用意してくれていたのか、
ソファの上にはたくさんの服が置かれていた。
アルフレッド様はその中から一枚、
着替えやすそうなワンピースを取って渡してくれる。
アルフレッド様は私に着替えさせるためにか、
そのまま寝室から出て行った。
ドレスでなければリマの手を借りなくても着替えることはできる。
着替えて寝室をでると、続き間のほうに食事が用意されていた。
旅の間もそうだったけれど、ベルコヴァの料理は美味しい。
私には少し多くて食べきれないけれど、
残した分はアルフレッド様が食べてくれた。
「ここの食事は口にあわないか?」
「いいえ、とっても美味しいです。
ただ、塔にいた時は満足に食べることができなかったので、
小食になってしまったみたいで」
「そういうことか。味は問題ないんだな?」
「はい!比べ物にならないくらい美味しいです」
「それならいい」
味に不満で残したのではないとわかったのか、
アルフレッド様は満足そうに食後のお茶を淹れようとする。
さすがに申し訳なくて、私に淹れさせてもらうことにした。
「そういえば、ここは王子妃の部屋なのですか?」
「いや、俺の部屋だ」
「え?」
「王子妃の部屋、ルーチェの部屋は隣にある。
ドレスなどはそちらに置いておくが、普段はこっちにいてくれ。
一緒にいないと守りにくい」
「怒られませんか?」
いくらなんでもアルフレッド様の部屋にずっといるというのは問題になりそう。
だが、アルフレッド様は笑って答える。
「俺の宮には女官も侍女もいないんだ。
ルーチェの乳母が回復すればこちらに来させるように言ってあるが、
しばらくは女官も侍女も増やすことができない」
「一人もいないのですか?」
「女官と侍女にはいろいろと裏切られた結果、いなくなったんだ」
「裏切られた……」
「だから、ルーチェが俺の部屋にいても誰も騒がない。
宮に入る扉の前で騎士が警備しているから、
他の者はこの区画に勝手に入ることはできない、
父上がこのことを知ることもないだろう」
見られる心配がないから大丈夫だというが、
それはそれで問題な気もする。
「この宮にはアルフレッド様と私しかいないのですか?」
「そうだ。用がある時だけ侍従が呼びに来るが、
この部屋の中には入らないように命じてある。
食事は宮に入る扉の前まで俺が取りに行っている」
かなり徹底して人と関わらないようにしていたようだ。
これでは女嫌いと言われるのも当然な気がする。
「さ、食事にしよう。早く湯あみをしたいだろう?」
「あ、はい。そうでした」
旅の間は満足に湯を使うことができなかった。
埃や汗で汚れているだろうから早く湯あみをしたい。
部屋の奥にあった浴室に案内されるが、そこにも人の気配はなく、
アルフレッド様はいつも一人で使っていたようだ。
「乳母がいなくても大丈夫か?」
「平気です。塔にいた間に一人で入れるようになりました」
「そうか」
塔に閉じ込められていた間もリマは私の世話をしようとしたが、
いつ平民として追い出されるかわからない状態だったから、
一人で入れるようになりたいとリマの世話を断っていた。
覚えるまでは大変だったけれど、あの時練習しておいてよかった。
さっぱりして浴室からでると、アルフレッド様も湯あみをしに行く。
置いてあった水差しからコップに水をそそいで飲んでいると、ドアがノックされる。
アルフレッド様はまだ浴室にいるけれど、
私が返事をしていいものだろうか。
仕方なく、ドアの近くまでいって返事をすることにした。
「はい、どなた?」
「え?あ、アズです!」
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