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37.今までと違う朝
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起きたら、目の前にアルフレッド様の顔があった。
え?と思ったら抱きしめられたまま。
まだ寝ているアルフレッド様は安心しきっているように見える。
そうだ……私、アルフレッド様に好きって言えたんだ。
アルフレッド様からも好きだって言われたの、夢じゃないよね?
思い出して一人あわあわしていると、
さすがに気配で目を覚ましたらしく、
アルフレッド様が笑う。
「……もう起きたのか?」
「は、はい」
「もしかして、お腹空いた?」
「……そうかも」
そういえば、昨日は夕食も取らずに寝ている。
湯あみもせず寝たはずと思ったら、ドレスは脱いでいた。
「……あ」
「わるい……夜、寝苦しそうだったから脱がせた。
ちゃんと見ないようにしたから……」
「……なるほど」
なんだか懐かしい会話。
この宮に初めて来たときもそんなことがあった。
あれは熱を出していたから脱がせてくれたはず。
「湯あみをするだろう。
ちょっと待って」
「え」
アルフレッド様はベッドから起き上がって、
私を毛布ごと抱きあげて浴室まで連れて行ってくれる。
私をおろすと出て行ったので、そのまま寝室に戻ったのかと思えば、
リマの部屋まで行って起こしてきたらしい。
「おはようございます、ルーチェ様。すぐに用意しますね」
「こんなに朝早くに起こしてごめんね、リマ」
「いえ、昨日湯あみせずに寝てしまったと聞いたので、
今朝は早く起きるだろうと思って準備していましたから」
「そうなのね、ありがとう」
さすがリマだと思う。
人をなかなか信用しないアルフレッド様が、
リマだけは宮の中に住むことを許してくれた。
優秀でよけいなことを言わないリマだから信用してくれたのだと思う。
髪を洗ってもらっていると、知らない間に笑っていたらしい。
「今朝はずいぶんと楽しそうですね」
「ふふ。そうね、いいことがあったの」
「まぁ、リマにも後で教えてくださいね」
「ええ!」
最近はリマとゆっくりすることも少なくなったけれど、
何かあった時に相談したいと思うのはやはりリマだと思う。
湯からあがり、髪を乾かしてもらいながら少しずつ話す。
昨日のことを聞いたリマは自分のことのように喜んでくれた。
「まぁ、まぁ!よかったですわねぇ、ルーチェ様」
「ふふ。ありがとう」
「これでもう心配せずに結婚できますね」
「そうね……」
心残りは、お父様とお兄様のことだけ。
私だけこんなに幸せになってもいいのだろうか。
着替えて部屋に戻ると、アルフレッド様も湯あみを終えていた。
一緒に朝食を取っていると、アズが遅れて来た。
寝坊でもしたのだろうか。めずらしい。
「アズが寝坊するなんてめずらしいな」
「私が寝坊するわけないじゃないですか」
「じゃあ、どうして遅れたんだ?」
「様子を見ていたんです。お二人が仲違いしていたらどうしようかと」
「ああ……そういうことか」
アズは私がアルフレッド様に聞くと知っていた。
だから、二人の関係がどうなるかわからなくて様子見していたらしい。
「俺たちのことはもう大丈夫だ。心配させたな」
「……アルフレッド様がそんなことを言うなんて。
ルーチェ様が魔法でもかけたのですか?」
「私がそんなことできるわけないでしょう?」
「いえ、わかりませんよ。ルーチェ様ならできるかもしれません」
「そうだな……ルーチェならできるかもしれない」
「アルフレッド様までからかわないでください」
「からかっているつもりはないんだがな」
じゃあ、どういうつもりだったのだろう。
遅れて席についたアズは急いで食事を口に入れていた。
もうそろそろ用意をして出なくてはいけない。
「じゃあ、私はそろそろ行ってきます」
「馬車まで送る」
「え?」
「送りたいんだ」
「わかりました」
いつもなら護衛の二人に任せているのに、
馬車まで送ってくれるらしい。
準備を終えた後、扉から出ようとすると手を差し出された。
「え?」
「エスコートしよう」
「ふふふ。ありがとうございます」
昨日までこんなことはなかった。
私を女性として好きだと言ってくれたからか、
きちんとエスコートしてくれるようだ。
アルフレッド様と手を重ねて、エスコートされたまま扉から出る。
扉の外で待っていたジルとルウイが目を見開いている。
「おはようございま!?っっす?」
「え!?」
「おはよう、ジル、ルウイ」
「今日もルーチェを頼んだぞ」
「あ、はい!」
「わかりました!」
アルフレッド様が一緒についてきたことに驚きながらも、
ジルとルウイが先導してくれる。
馬車への間、廊下ですれ違うために敬礼して待っている騎士たちも、
同じように目を見開いたままの顔になっている。
よほど見慣れないんだろうな。
馬車の前で待っていたメアリーも驚いていたけれど、
それほど顔に出すことはなかった。
「じゃあ、気をつけて」
「はい、いってきます」
手を離そうとしたら、きゅっと軽く抱きしめられ、
額に唇がふれた気がした。
「いってらっしゃい」
「あ、いってきますね」
驚いたけれど、そのまま馬車に乗る。
アルフレッド様は馬車が見えなくなるまで見送っていた。
「ルーチェ様!いったい何があったのでしょうか?」
興奮したままのメアリーに聞かれると、
ジルとルウイも首が取れるんじゃないかと思うくらい頷いている。
「えっとね?両想いだったってわかったというか……」
「まぁ!よかったですね!ルーチェ様!」
「おめでとうございます!」
「お二人とも思い合っていたのはわかっていました!
ついに告白できたのですね!」
「え?わかっていたの?」
「「「はい!」」」
三人そろった返事に知らなかったと思う。
私が好きだというのは以前に言った気がするけれど……。
アルフレッド様の思いはどうやってわかったのだろう。
最近は壁があったように思っていたのに。
「まぁ、でもこれで夜会は心配ありませんね」
「心配?」
「ええ。アルフレッド様はエスコート嫌いだと聞いていましたから」
「アズさんにも言われていたんです。
もし、アルフレッド様が拒否するようなら、俺たちでエスコートするようにと」
「そうだったの?知らなかったわ。
心配させていたのね、ごめんなさい」
「いえ、俺たちはそれでも光栄なのでいいですけれど、
やはりお二人が仲良く出席されるのが一番うれしいです!」
「俺とジルは当日は護衛としておそばにおりますからね」
「ありがとう、よろしくね」
え?と思ったら抱きしめられたまま。
まだ寝ているアルフレッド様は安心しきっているように見える。
そうだ……私、アルフレッド様に好きって言えたんだ。
アルフレッド様からも好きだって言われたの、夢じゃないよね?
思い出して一人あわあわしていると、
さすがに気配で目を覚ましたらしく、
アルフレッド様が笑う。
「……もう起きたのか?」
「は、はい」
「もしかして、お腹空いた?」
「……そうかも」
そういえば、昨日は夕食も取らずに寝ている。
湯あみもせず寝たはずと思ったら、ドレスは脱いでいた。
「……あ」
「わるい……夜、寝苦しそうだったから脱がせた。
ちゃんと見ないようにしたから……」
「……なるほど」
なんだか懐かしい会話。
この宮に初めて来たときもそんなことがあった。
あれは熱を出していたから脱がせてくれたはず。
「湯あみをするだろう。
ちょっと待って」
「え」
アルフレッド様はベッドから起き上がって、
私を毛布ごと抱きあげて浴室まで連れて行ってくれる。
私をおろすと出て行ったので、そのまま寝室に戻ったのかと思えば、
リマの部屋まで行って起こしてきたらしい。
「おはようございます、ルーチェ様。すぐに用意しますね」
「こんなに朝早くに起こしてごめんね、リマ」
「いえ、昨日湯あみせずに寝てしまったと聞いたので、
今朝は早く起きるだろうと思って準備していましたから」
「そうなのね、ありがとう」
さすがリマだと思う。
人をなかなか信用しないアルフレッド様が、
リマだけは宮の中に住むことを許してくれた。
優秀でよけいなことを言わないリマだから信用してくれたのだと思う。
髪を洗ってもらっていると、知らない間に笑っていたらしい。
「今朝はずいぶんと楽しそうですね」
「ふふ。そうね、いいことがあったの」
「まぁ、リマにも後で教えてくださいね」
「ええ!」
最近はリマとゆっくりすることも少なくなったけれど、
何かあった時に相談したいと思うのはやはりリマだと思う。
湯からあがり、髪を乾かしてもらいながら少しずつ話す。
昨日のことを聞いたリマは自分のことのように喜んでくれた。
「まぁ、まぁ!よかったですわねぇ、ルーチェ様」
「ふふ。ありがとう」
「これでもう心配せずに結婚できますね」
「そうね……」
心残りは、お父様とお兄様のことだけ。
私だけこんなに幸せになってもいいのだろうか。
着替えて部屋に戻ると、アルフレッド様も湯あみを終えていた。
一緒に朝食を取っていると、アズが遅れて来た。
寝坊でもしたのだろうか。めずらしい。
「アズが寝坊するなんてめずらしいな」
「私が寝坊するわけないじゃないですか」
「じゃあ、どうして遅れたんだ?」
「様子を見ていたんです。お二人が仲違いしていたらどうしようかと」
「ああ……そういうことか」
アズは私がアルフレッド様に聞くと知っていた。
だから、二人の関係がどうなるかわからなくて様子見していたらしい。
「俺たちのことはもう大丈夫だ。心配させたな」
「……アルフレッド様がそんなことを言うなんて。
ルーチェ様が魔法でもかけたのですか?」
「私がそんなことできるわけないでしょう?」
「いえ、わかりませんよ。ルーチェ様ならできるかもしれません」
「そうだな……ルーチェならできるかもしれない」
「アルフレッド様までからかわないでください」
「からかっているつもりはないんだがな」
じゃあ、どういうつもりだったのだろう。
遅れて席についたアズは急いで食事を口に入れていた。
もうそろそろ用意をして出なくてはいけない。
「じゃあ、私はそろそろ行ってきます」
「馬車まで送る」
「え?」
「送りたいんだ」
「わかりました」
いつもなら護衛の二人に任せているのに、
馬車まで送ってくれるらしい。
準備を終えた後、扉から出ようとすると手を差し出された。
「え?」
「エスコートしよう」
「ふふふ。ありがとうございます」
昨日までこんなことはなかった。
私を女性として好きだと言ってくれたからか、
きちんとエスコートしてくれるようだ。
アルフレッド様と手を重ねて、エスコートされたまま扉から出る。
扉の外で待っていたジルとルウイが目を見開いている。
「おはようございま!?っっす?」
「え!?」
「おはよう、ジル、ルウイ」
「今日もルーチェを頼んだぞ」
「あ、はい!」
「わかりました!」
アルフレッド様が一緒についてきたことに驚きながらも、
ジルとルウイが先導してくれる。
馬車への間、廊下ですれ違うために敬礼して待っている騎士たちも、
同じように目を見開いたままの顔になっている。
よほど見慣れないんだろうな。
馬車の前で待っていたメアリーも驚いていたけれど、
それほど顔に出すことはなかった。
「じゃあ、気をつけて」
「はい、いってきます」
手を離そうとしたら、きゅっと軽く抱きしめられ、
額に唇がふれた気がした。
「いってらっしゃい」
「あ、いってきますね」
驚いたけれど、そのまま馬車に乗る。
アルフレッド様は馬車が見えなくなるまで見送っていた。
「ルーチェ様!いったい何があったのでしょうか?」
興奮したままのメアリーに聞かれると、
ジルとルウイも首が取れるんじゃないかと思うくらい頷いている。
「えっとね?両想いだったってわかったというか……」
「まぁ!よかったですね!ルーチェ様!」
「おめでとうございます!」
「お二人とも思い合っていたのはわかっていました!
ついに告白できたのですね!」
「え?わかっていたの?」
「「「はい!」」」
三人そろった返事に知らなかったと思う。
私が好きだというのは以前に言った気がするけれど……。
アルフレッド様の思いはどうやってわかったのだろう。
最近は壁があったように思っていたのに。
「まぁ、でもこれで夜会は心配ありませんね」
「心配?」
「ええ。アルフレッド様はエスコート嫌いだと聞いていましたから」
「アズさんにも言われていたんです。
もし、アルフレッド様が拒否するようなら、俺たちでエスコートするようにと」
「そうだったの?知らなかったわ。
心配させていたのね、ごめんなさい」
「いえ、俺たちはそれでも光栄なのでいいですけれど、
やはりお二人が仲良く出席されるのが一番うれしいです!」
「俺とジルは当日は護衛としておそばにおりますからね」
「ありがとう、よろしくね」
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