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43.精霊の力
「……どうしてそのように私が嘘を言ったと決めつけるのでしょうか」
悲しそうな王妃様の表情に、貴族たちから同情する声が聞こえた。
ああ、この人はこんな風に人を動かしてきたのか。
「アントシュには精霊がいるという話を聞いたことはありますか?」
「え?精霊ですか?いえ、私は聞いたことがありません」
「アントシュには精霊がいます。
そして、銀色の髪で生まれたものは精霊付きと呼ばれ、
精霊に力を借りることができると言い伝えられています」
「銀色の髪……?」
「そう、銀色の髪で生まれた私は精霊付きです。
精霊を見ることができるのです」
「その精霊が私を嘘つきだと言ったのですか?」
信じていないのか、王妃様がくすりと笑う。
それにつられて貴族たちの笑い声が続く。
「アントシュの姫は何を言っているんだ?」
「長い間、国を離れておかしくなったんじゃないのか?」
「自分で精霊が見えるだなんて言い出したんだ。もうおかしくなっているんだろう」
アントシュ国なら信じてもらえたかもしれないけれど、
ここ隣国のベルコヴァで信じてもらえるとは思っていない。
精霊の伝説すらない国に精霊がいるなんて思いもしないだろうから。
だけど、王妃様の嘘を暴くためには信じてもらわなければならない。
……どうやって信じてもらったらいいのだろう。
「さぁ、証明していただけますか?精霊がそう言ったのだとルーチェ様」
「……何が起きてもいいのですね?」
「ええ、お好きなようにどうぞ」
よほど自信があるのか、王妃様がにっこりと笑う。
見れば、アルフレッド様と陛下がうなずいている。
好きにしていいということかな……では、遠慮なく。
「精霊たち、もういいよ、力を使っても。ただし、相手は嘘つきだけにして」
精霊に許可を出したとたん、笑っていた王妃様とアキムの顔がゆがみ始める。
「え……な、なに?……ひぃ!?」
「な、な、な!?」
二人の周りにいた精霊たちが王妃様とアキムの顔を引っ張り出した。
顔だけでなく、髪や服もあちこちに引っ張られているのが見える。
ここにいる者たちは精霊は見えないだろうけど、引っ張られているのは見えるはずだ。
「あれはどういうこと!?」
「いったい何が起きているの!?」
貴族たちはのたうち回るような王妃様とアキムを見て、動揺しだした。
「精霊が二人にいたずらしているのよ。精霊は嘘つきを嫌うから。
本当のことを言うまで続くでしょうね」
「なんですって!?」
「まさか、本当に精霊が!?」
本来、精霊はいたずら好きだ。
他の者には手を出さないようにお願いしているせいで、
私とアルフレッド様、アズとリマはよくいたずらされている。
宮で花を育てるようになって、城や王都内で植物が増えていって、
精霊たちはかなりの数に増えている。
近頃はいたずらを抑えるのが大変になってきていた。
初めて私が許可を出したからか、嘘つきは嫌いだからか、
精霊たちがはしゃぎまわっている。
「ですが!この騒ぎが精霊の仕業だとは限りませんわ!
ルーチェ様が何かしているのではないの!?」
「そうです!ルーチェ様が何かしているのでしょう!
まさか、化け物なのですか!?」
苦し紛れのような王妃様とアキムの叫びに、貴族たちが反応する。
化け物というつぶやきと共に、私が疑いの目で見られている……。
そんな、そんな風に思われるなんて、どうしたら。
「おいお前ら何を」
「ルーチェ様は化け物なんかじゃありませんわ!」
「そうです!違います!」
貴族たちを止めようとしたアルフレッド様の声をさえぎったのは、
真っ赤になって怒っているダイアナとアラベルだった。
「ルーチェ様はシンディ様に嫌がらせされても悪口言われても、
仕返しせずにいたくらい優しい方なんです!」
「私たちが謝ったらすぐに許してくれるくらい優しいんです!
そんなルーチェ様が嘘をいうはずありません!」
前に出て私をかばってくれた二人に誰かが叫んだ。
「じゃあ、それを証明してみせろよ!」
「え?証明!?……ルーチェ様が正しいってわからせるには……そうよ!
コーム!試しに何か嘘を言ってみて!」
「え?俺が?……ちょっと待て」
「なんでもいいから!」
ダイアナが婚約者のコームを引っ張り出す。
コームは少し悩んだ後、大声で叫んだ。
「俺は女だ!」
その嘘にうきうきと精霊が寄っていく。
あっという間にコームも精霊に囲まれてしまった。
「わっ!ひゃあ!やめてくれ!ふあはははは!」
「え?コーム?」
「くすぐらないでくれ!あはははっ」
「精霊にくすぐられているの!?嘘を言うのをやめてみて!」
「ふははっ、ちょっと待って。俺は男だ!嘘をついて悪かった!」
謝ったからか、精霊がコームから離れる。
コームはぐったりして床に座り込んでしまった。
「ほら、皆さま!見ていたでしょう!精霊は嘘つきが嫌いなのよ!
それでも信じられないのなら、自分も嘘をついてみればいいんだわ!
本当のことなのか、嘘なのか、精霊じゃなきゃ知らないようなことを!」
ダイアナの言葉に、あちこちで嘘をついてみる者が続出する。
嘘をついてくすぐられる者、本当のことだけ言って無事な者、
確認の仕方はそれぞれだったが、皆が精霊を信じたようだ。
「どうなっているっていうの……」
他の者たちに精霊が行ったから、王妃様とアキムが少しだけ解放されていた。
だが、王妃様の髪はぐちゃぐちゃに、アキムは服が半分はだけてしまっている。
もう少しで王妃様のドレスも破られてしまうかもしれない。
「陛下、お助けください!」
悲しそうな王妃様の表情に、貴族たちから同情する声が聞こえた。
ああ、この人はこんな風に人を動かしてきたのか。
「アントシュには精霊がいるという話を聞いたことはありますか?」
「え?精霊ですか?いえ、私は聞いたことがありません」
「アントシュには精霊がいます。
そして、銀色の髪で生まれたものは精霊付きと呼ばれ、
精霊に力を借りることができると言い伝えられています」
「銀色の髪……?」
「そう、銀色の髪で生まれた私は精霊付きです。
精霊を見ることができるのです」
「その精霊が私を嘘つきだと言ったのですか?」
信じていないのか、王妃様がくすりと笑う。
それにつられて貴族たちの笑い声が続く。
「アントシュの姫は何を言っているんだ?」
「長い間、国を離れておかしくなったんじゃないのか?」
「自分で精霊が見えるだなんて言い出したんだ。もうおかしくなっているんだろう」
アントシュ国なら信じてもらえたかもしれないけれど、
ここ隣国のベルコヴァで信じてもらえるとは思っていない。
精霊の伝説すらない国に精霊がいるなんて思いもしないだろうから。
だけど、王妃様の嘘を暴くためには信じてもらわなければならない。
……どうやって信じてもらったらいいのだろう。
「さぁ、証明していただけますか?精霊がそう言ったのだとルーチェ様」
「……何が起きてもいいのですね?」
「ええ、お好きなようにどうぞ」
よほど自信があるのか、王妃様がにっこりと笑う。
見れば、アルフレッド様と陛下がうなずいている。
好きにしていいということかな……では、遠慮なく。
「精霊たち、もういいよ、力を使っても。ただし、相手は嘘つきだけにして」
精霊に許可を出したとたん、笑っていた王妃様とアキムの顔がゆがみ始める。
「え……な、なに?……ひぃ!?」
「な、な、な!?」
二人の周りにいた精霊たちが王妃様とアキムの顔を引っ張り出した。
顔だけでなく、髪や服もあちこちに引っ張られているのが見える。
ここにいる者たちは精霊は見えないだろうけど、引っ張られているのは見えるはずだ。
「あれはどういうこと!?」
「いったい何が起きているの!?」
貴族たちはのたうち回るような王妃様とアキムを見て、動揺しだした。
「精霊が二人にいたずらしているのよ。精霊は嘘つきを嫌うから。
本当のことを言うまで続くでしょうね」
「なんですって!?」
「まさか、本当に精霊が!?」
本来、精霊はいたずら好きだ。
他の者には手を出さないようにお願いしているせいで、
私とアルフレッド様、アズとリマはよくいたずらされている。
宮で花を育てるようになって、城や王都内で植物が増えていって、
精霊たちはかなりの数に増えている。
近頃はいたずらを抑えるのが大変になってきていた。
初めて私が許可を出したからか、嘘つきは嫌いだからか、
精霊たちがはしゃぎまわっている。
「ですが!この騒ぎが精霊の仕業だとは限りませんわ!
ルーチェ様が何かしているのではないの!?」
「そうです!ルーチェ様が何かしているのでしょう!
まさか、化け物なのですか!?」
苦し紛れのような王妃様とアキムの叫びに、貴族たちが反応する。
化け物というつぶやきと共に、私が疑いの目で見られている……。
そんな、そんな風に思われるなんて、どうしたら。
「おいお前ら何を」
「ルーチェ様は化け物なんかじゃありませんわ!」
「そうです!違います!」
貴族たちを止めようとしたアルフレッド様の声をさえぎったのは、
真っ赤になって怒っているダイアナとアラベルだった。
「ルーチェ様はシンディ様に嫌がらせされても悪口言われても、
仕返しせずにいたくらい優しい方なんです!」
「私たちが謝ったらすぐに許してくれるくらい優しいんです!
そんなルーチェ様が嘘をいうはずありません!」
前に出て私をかばってくれた二人に誰かが叫んだ。
「じゃあ、それを証明してみせろよ!」
「え?証明!?……ルーチェ様が正しいってわからせるには……そうよ!
コーム!試しに何か嘘を言ってみて!」
「え?俺が?……ちょっと待て」
「なんでもいいから!」
ダイアナが婚約者のコームを引っ張り出す。
コームは少し悩んだ後、大声で叫んだ。
「俺は女だ!」
その嘘にうきうきと精霊が寄っていく。
あっという間にコームも精霊に囲まれてしまった。
「わっ!ひゃあ!やめてくれ!ふあはははは!」
「え?コーム?」
「くすぐらないでくれ!あはははっ」
「精霊にくすぐられているの!?嘘を言うのをやめてみて!」
「ふははっ、ちょっと待って。俺は男だ!嘘をついて悪かった!」
謝ったからか、精霊がコームから離れる。
コームはぐったりして床に座り込んでしまった。
「ほら、皆さま!見ていたでしょう!精霊は嘘つきが嫌いなのよ!
それでも信じられないのなら、自分も嘘をついてみればいいんだわ!
本当のことなのか、嘘なのか、精霊じゃなきゃ知らないようなことを!」
ダイアナの言葉に、あちこちで嘘をついてみる者が続出する。
嘘をついてくすぐられる者、本当のことだけ言って無事な者、
確認の仕方はそれぞれだったが、皆が精霊を信じたようだ。
「どうなっているっていうの……」
他の者たちに精霊が行ったから、王妃様とアキムが少しだけ解放されていた。
だが、王妃様の髪はぐちゃぐちゃに、アキムは服が半分はだけてしまっている。
もう少しで王妃様のドレスも破られてしまうかもしれない。
「陛下、お助けください!」
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