王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!

gacchi(がっち)

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8.正気に戻って

「おーい、姫さん。そろそろ正気に戻ってもいいんじゃないか?」

「えっ。」


「ですね。姫様、もう夕方になりますよ~。」

呆れたように言うシオンとシーナ。
いやいや、なんであなたたちは普通なのよ。

「ね、ねぇ。なんでレオがここに来たの?」

「そりゃ、俺が連絡しといたから。」

「え。いつ?」

「ここに来た時。あ、夕ご飯、具沢山のトマトスープでいいか?
 姫さんが正気に戻らないから、あるもので済ますぞ。」

窓の外を見ると、もう日が落ちている。私、何時間ぼーっとしてたの!?
シオンは夕ご飯の準備だろうか、何か作業しながら答えている。
シーナは冷めたスコーンを焼き直しているようだ。


「…。もしかして、今回のことは誤解だったりするの?」

「そうだろうな。」「そうでしょうね。」

テーブルにすべて並び終えて、シオンとシーナが席に着く。
どこから話を聞いていいのかわからないが、とりあえず…。

「なんで、誤解だって私に言わなかったの!?」

「聞かれなかったから。」

「言っても、ダメかと思いました。」

「ええ~二人が何も言わないし、逃げる準備もしてあるから、
 本当のことなんだって思ったのに…。」

もう、早く言ってよ…。
こんなとこまで逃げてきて、レオも怒ってたみたいだし…。
それでも誤解だったことに、レオが裏切っていないことに、
あまりの安堵に、もう言葉も出ない。

「あぁ、でも、誤解とも言い切れないかと思いまして。
 実際に純潔を散らした跡はあるわけですし、
 それがレオルド様じゃなかったとしても、レオルド様の私室の寝台で、
 その令嬢が相手はレオルド様だと言い張っているわけですし。」

「そうだろうな。こうなった以上、側妃の話は出ているだろう。
 どうやら令嬢がそのまま居座っているようだしな。
 迎えに来るのを待ってろって言うのは、
 そういうのを全部片づけてくるってことなんだろう。」

「そっか…そうよね、その令嬢は相手がレオだって言ってるんだよね。
 相手は誰なんだろう…?
 でも、それはレオじゃない??」

「違うね。」「レオルド様はありえません。」

「はっきり言うのね。」

「レオが姫さん以外にいくとか無いな。」
「レオルド様、姫様のことしか興味ないですもん。」


二人そろって否定する。
そのこと自体は嬉しいんだけど…なにか引っかかる。
浮気相手はレオじゃない、でも、レオはその時どこに?

「でも、仕事でいなかったって、それは本当?」

「「…。」」

あ、黙った。やっぱり何かあるんだ。
浮気は誤解だった、でも、何かある。
レオが迎えに来るまで逃げるつもりはないけど…。このモヤモヤ。
それに…また王宮に戻ってあの毎日?
レオには会いたいけど、王宮には戻りたくないなぁ。

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