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神の力
15.六か国条約
「六か国条約?」
「そう。このルリネガラに戦争をしかけてはいけない。
その代わり、ルリネガラは聖女の力をこの世界のために使うと。
実際には聖女が作る神剣を各国へと送ることになっている。
もし違反すれば、他の国すべてで違反した国へと制裁を加え、
神剣は手に入らなくなるという罰則がある。」
「聖女がいるから、この国は安全だということ?」
「そういうこと。
聖女がいるから、他の国から戦争を仕掛けられることは無い。
だからこそ、この国の王族よりも聖女は身分が上なんだ。」
「聖女と神官隊長が王政に関わることは無い。
ただ、唯一ともいえる強制権がある。
聖女を害するようなものは王族として認めない、というものだ。」
「……え?王族として認めない権利?」
「それって、聖女が国王が嫌いっていえば、
やめさせることができるってこと?」
「簡単に言えばね。
聖女がこの国に戻ってきて、瘴気が落ち着くまでの間、
ルリネガラ国では国王の交代と王太子の指名は、
聖女と神官隊長の許可なくすることができなくなる。
それと、神官宮から王族を認めない声明を出すと、
他国からの承認を得ることができなくなる。
この国の国王になるには他の五国からの承認がないとなれないんだ。
五国との約束を破ったり、
聖女を大事にしないようなものを王にするわけにはいかないからね。
この国は他の国から監視されているようなものだ。」
「…あまりにスケールが大きすぎて理解できない。」
「…私もちょっと。ゆっくり考えさせてほしい。」
美里が無理と考えるのをやめたのを見て、
私も今日はこれ以上は無理だと思った。
夜会の準備から始まって、緊張していた分疲れている。
あの騒ぎの後だというのもあるし、今日はもう何も考えないで寝たかった。
「わかった。後は気になった時に聞いてくれればいい。
キリル、俺とミサトは部屋に戻る。」
「あぁ、わかった。」
もう時間が遅いのもあるのか、
カインさんと美里はすぐに部屋から出て行こうとする。
考えすぎたのか、美里が頭が痛い~と言ったのを心配するように、
カインさんが抱きかかえて連れて行くようだ。
考えすぎて頭が痛いって言うのは比喩だと誰か教えてあげて欲しい。
美里はめんどくさがってその辺は流しているような気がする。
「あ、ちょっと待って、美里。」
「ん?どうしたの?」
カインさんが美里を連れて行ってしまう前に言わなきゃいけないことがあった。
「今日は助けてくれてありがとう。
一花にからまれて、ダメ王子に洗脳されているって言われて、
もうどうしようかと思った…。
美里がいてくれてよかった。ありがとう。」
「ふふふ。どういたしまして。
私も、ずっと一花に言ってやりたかったんだよね。
悠里を苦しめているのにも気が付かないくせに、
自分のもののように言うなんてバカみたい。
言いたいこと言えて、かなりスッキリしたよ。
悠里は?」
「私も…スッキリした。
ふふ。ありがとう。」
「ふふ。じゃあね、おやすみ~。」
美里が軽く手を振ると、カインさんもにっこり笑って出て行った。
足音が遠くに離れていく。
やっと今日一日が終わったんだと感じた。
「疲れた?もう寝ようか。」
「うん、もう限界。何も考えたくない…。」
「そうだね…お疲れ様。ゆっくり休んで。」
ソファにぐったりしていたら、
キリルが私を抱き上げてベッドまで連れて行ってくれる。
そのままパジャマに着替えさせてくれたから、
同じようにパジャマに着替えたキリルの腕に抱き着く。
ぽかぽかと温かいキリルの魔力に包まれるように、
すうっと心地よい眠りに落ちて行った。
「そう。このルリネガラに戦争をしかけてはいけない。
その代わり、ルリネガラは聖女の力をこの世界のために使うと。
実際には聖女が作る神剣を各国へと送ることになっている。
もし違反すれば、他の国すべてで違反した国へと制裁を加え、
神剣は手に入らなくなるという罰則がある。」
「聖女がいるから、この国は安全だということ?」
「そういうこと。
聖女がいるから、他の国から戦争を仕掛けられることは無い。
だからこそ、この国の王族よりも聖女は身分が上なんだ。」
「聖女と神官隊長が王政に関わることは無い。
ただ、唯一ともいえる強制権がある。
聖女を害するようなものは王族として認めない、というものだ。」
「……え?王族として認めない権利?」
「それって、聖女が国王が嫌いっていえば、
やめさせることができるってこと?」
「簡単に言えばね。
聖女がこの国に戻ってきて、瘴気が落ち着くまでの間、
ルリネガラ国では国王の交代と王太子の指名は、
聖女と神官隊長の許可なくすることができなくなる。
それと、神官宮から王族を認めない声明を出すと、
他国からの承認を得ることができなくなる。
この国の国王になるには他の五国からの承認がないとなれないんだ。
五国との約束を破ったり、
聖女を大事にしないようなものを王にするわけにはいかないからね。
この国は他の国から監視されているようなものだ。」
「…あまりにスケールが大きすぎて理解できない。」
「…私もちょっと。ゆっくり考えさせてほしい。」
美里が無理と考えるのをやめたのを見て、
私も今日はこれ以上は無理だと思った。
夜会の準備から始まって、緊張していた分疲れている。
あの騒ぎの後だというのもあるし、今日はもう何も考えないで寝たかった。
「わかった。後は気になった時に聞いてくれればいい。
キリル、俺とミサトは部屋に戻る。」
「あぁ、わかった。」
もう時間が遅いのもあるのか、
カインさんと美里はすぐに部屋から出て行こうとする。
考えすぎたのか、美里が頭が痛い~と言ったのを心配するように、
カインさんが抱きかかえて連れて行くようだ。
考えすぎて頭が痛いって言うのは比喩だと誰か教えてあげて欲しい。
美里はめんどくさがってその辺は流しているような気がする。
「あ、ちょっと待って、美里。」
「ん?どうしたの?」
カインさんが美里を連れて行ってしまう前に言わなきゃいけないことがあった。
「今日は助けてくれてありがとう。
一花にからまれて、ダメ王子に洗脳されているって言われて、
もうどうしようかと思った…。
美里がいてくれてよかった。ありがとう。」
「ふふふ。どういたしまして。
私も、ずっと一花に言ってやりたかったんだよね。
悠里を苦しめているのにも気が付かないくせに、
自分のもののように言うなんてバカみたい。
言いたいこと言えて、かなりスッキリしたよ。
悠里は?」
「私も…スッキリした。
ふふ。ありがとう。」
「ふふ。じゃあね、おやすみ~。」
美里が軽く手を振ると、カインさんもにっこり笑って出て行った。
足音が遠くに離れていく。
やっと今日一日が終わったんだと感じた。
「疲れた?もう寝ようか。」
「うん、もう限界。何も考えたくない…。」
「そうだね…お疲れ様。ゆっくり休んで。」
ソファにぐったりしていたら、
キリルが私を抱き上げてベッドまで連れて行ってくれる。
そのままパジャマに着替えさせてくれたから、
同じようにパジャマに着替えたキリルの腕に抱き着く。
ぽかぽかと温かいキリルの魔力に包まれるように、
すうっと心地よい眠りに落ちて行った。
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