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聖女としての働き
2.ダメでもいい?
「ここね…何の遺跡でもないんだ。」
「え?」
「この柱も、ただの石。
普通にどこかから運んできただけの白い石。」
「は?」
「遺跡でもなんでもなく、普通に神官隊員が作った場所なんだ。」
「えぇぇ?どういうこと?」
なぜ、石の柱でぐるっと囲むようなことを?
この中央にある石のステージはいったい何のために?
「どうしても魔力を神力に変換できない聖女がいたんだ。
半年たってもできなくて、いろいろと試行錯誤したそうだ。
それで、聖女が神聖っぽい場所でなら変換できるんじゃないかと言い出して。
当時はここは何もない原っぱだったそうだ。
聖女がイメージする神聖っぽい場所、という通りに作った。
結果、その聖女も神力に変換することができたそうだよ。」
「神聖っぽい場所のイメージぃ?」
え?ストーンヘンジとか、ギリシャ神殿とか、そういうのをごちゃまぜにしたの?
確かに神聖っぽいと言えばそうなのかもしれないけど、
神力って和なイメージじゃなかったっけ…。
ちょっとイメージ違うんじゃないだろうか。
だからその聖女は苦労したんじゃないかと思ってしまう。
「最初にこれを聞いちゃうと、この場所の神聖っぽさが無くなるだろう?
そのことを聞いた次の聖女は事実を言わないほうがいいって言って。
それ以降はこの場所は修行の場とだけ伝えることになった。」
「えぇ?そんないい加減でいいの?」
「そんなもんなんだ。聖女の力も解明できてないし、
修行のやり方もこれだと決められたことは無い。
何でも試すし、できるまで時間がかかろうが気にしない。
だから、ユウリも気にせずにいろいろ試して、ダメなら少し休んでもいいし、
そんな風に思い詰めたりしないで。」
「キリル…。」
ダメでもいいと言われて、急に迷子になったような気持ちになる。
出来なきゃダメだと思って、焦って、でもできなくて。
思いつめないでと言われても、もうすでに思いつめてた。
「泣かなくていい。焦る必要はないんだ。
俺がいるんだ。つらかったらつらいって言って?」
「私…何の役にもたってないって思って…。」
「うん。」
「せっかくキリルがこの世界に呼んでくれたのにって。」
「うん。」
「…キリルが呼んだのが間違いだって思ってたらどうしようって…。」
「そっか。思うわけないよ。
聖女にするために呼んだんじゃない。
俺はユウリに会いたかった。
こうして一緒にいられるだけでうれしいんだ。」
「役立たずなのに…。」
「俺は、大丈夫だって信じている。
だけど、もしこのままできなくても、俺はユウリと一緒にいる。」
「…。」
「大丈夫、間違いじゃないよ。」
そっと抱き寄せられ、頭を撫でられ、キリルの優しさに涙が出る。
ここにいていいって、確信が持てない。
聖女として役に立てたなら、キリルの隣にいていいって思えるのに。
まだ何もできていない。
後から来た美里ができているのに、私は何もできない。
そのことが悔しくて、心の中でもがき続けている。
一度泣いてしまったら、もう涙は止まらなかった。
苦しい…苦しい…泣けばなくほど追い詰められていく気がするのに。
キリルの腕の中で泣き続けて、そのまま眠りについた後も、
キリルはずっと離さないでいてくれた。
「え?」
「この柱も、ただの石。
普通にどこかから運んできただけの白い石。」
「は?」
「遺跡でもなんでもなく、普通に神官隊員が作った場所なんだ。」
「えぇぇ?どういうこと?」
なぜ、石の柱でぐるっと囲むようなことを?
この中央にある石のステージはいったい何のために?
「どうしても魔力を神力に変換できない聖女がいたんだ。
半年たってもできなくて、いろいろと試行錯誤したそうだ。
それで、聖女が神聖っぽい場所でなら変換できるんじゃないかと言い出して。
当時はここは何もない原っぱだったそうだ。
聖女がイメージする神聖っぽい場所、という通りに作った。
結果、その聖女も神力に変換することができたそうだよ。」
「神聖っぽい場所のイメージぃ?」
え?ストーンヘンジとか、ギリシャ神殿とか、そういうのをごちゃまぜにしたの?
確かに神聖っぽいと言えばそうなのかもしれないけど、
神力って和なイメージじゃなかったっけ…。
ちょっとイメージ違うんじゃないだろうか。
だからその聖女は苦労したんじゃないかと思ってしまう。
「最初にこれを聞いちゃうと、この場所の神聖っぽさが無くなるだろう?
そのことを聞いた次の聖女は事実を言わないほうがいいって言って。
それ以降はこの場所は修行の場とだけ伝えることになった。」
「えぇ?そんないい加減でいいの?」
「そんなもんなんだ。聖女の力も解明できてないし、
修行のやり方もこれだと決められたことは無い。
何でも試すし、できるまで時間がかかろうが気にしない。
だから、ユウリも気にせずにいろいろ試して、ダメなら少し休んでもいいし、
そんな風に思い詰めたりしないで。」
「キリル…。」
ダメでもいいと言われて、急に迷子になったような気持ちになる。
出来なきゃダメだと思って、焦って、でもできなくて。
思いつめないでと言われても、もうすでに思いつめてた。
「泣かなくていい。焦る必要はないんだ。
俺がいるんだ。つらかったらつらいって言って?」
「私…何の役にもたってないって思って…。」
「うん。」
「せっかくキリルがこの世界に呼んでくれたのにって。」
「うん。」
「…キリルが呼んだのが間違いだって思ってたらどうしようって…。」
「そっか。思うわけないよ。
聖女にするために呼んだんじゃない。
俺はユウリに会いたかった。
こうして一緒にいられるだけでうれしいんだ。」
「役立たずなのに…。」
「俺は、大丈夫だって信じている。
だけど、もしこのままできなくても、俺はユウリと一緒にいる。」
「…。」
「大丈夫、間違いじゃないよ。」
そっと抱き寄せられ、頭を撫でられ、キリルの優しさに涙が出る。
ここにいていいって、確信が持てない。
聖女として役に立てたなら、キリルの隣にいていいって思えるのに。
まだ何もできていない。
後から来た美里ができているのに、私は何もできない。
そのことが悔しくて、心の中でもがき続けている。
一度泣いてしまったら、もう涙は止まらなかった。
苦しい…苦しい…泣けばなくほど追い詰められていく気がするのに。
キリルの腕の中で泣き続けて、そのまま眠りについた後も、
キリルはずっと離さないでいてくれた。
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