ひとりぼっちだった魔女の薬師は、壊れた騎士の腕の中で眠る

gacchi(がっち)

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18.王家の神殿

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王城の敷地内の奥に神殿はあった。
隠し入り口というものらしく、ユキ様が入るまで入り口がわからなかった。
中に入ると、ガラスでできた廊下が続いている。
これ、ガラスじゃないかも?透明な何か。
足音が全くしないので、不思議な感じがする。

廊下の突き当り、ユキ様が何かつぶやくと、扉が現れた。
すーっと扉が開いた先に、まばゆい光が降り注ぐ、天井が見えないほど遠い、
祭壇以外は何もない空間が広がっていた。

「御用ですか?」

声をかけられて、初めて人がいたのに気づいた。
真っ白い服、神殿の人だろうか。顔が見えないように布で隠している。
男性なのか女性なのか、よく見てもわからなかった。

「魔力の共生の儀式を頼む。」

「そのお二人ですか?覚悟はよろしいのでしょうか。」

「確認してある。」

「承知いたしました。では、こちらへどうぞ。」

呼ばれるままについていくと、祭壇の下に宣誓台のようなものがあった。
ここに立てばいいのだろうか?
ノエルさんと一緒に立つと、祭壇から円柱の石が突き出してきた。

「その石の上に、二人の手を重ねて置いてください。」

言われたまま手を置くと、私の手の上にノエルさんの手が重なる。
大きい手だから、私の手は全く見えなくなってしまった。

「聞かれたことに答えてください。」

「「はい。」」

「相手を守りたい、助けたいと思いますか?」

ん?こういう質問?それは、そう。
ノエルさんに何かあれば助けたいって思うよね。

「はい。」「もちろん。」

あ、ノエルさんには助けてもらってばかりだけど、
もちろんって答えてくれるんだ。なんだか嬉しくなった。


「もう離れることができなくても、かまいませんか?」

「はい。」

私だけ即答してしまった。恥ずかしい…。

「はい。」

少し遅れてノエルさんが答える。大丈夫かな。無理してないかな。

「今後、どちらかが亡くなったとしても、他の者と結婚できなくなります。
 それでもいいですか?」

「「はい。」」

これは答えが重なった。
さっきユキ様から聞いていたし、問題ない。

「神殿よ…お聞きになられただろうか。
 この者たちの覚悟を受けて、魔力の共生の道を!」

石が急に光ったと思ったら、魔力が吸われて行く。
しばらく吸われたと思ったら、何か身体の中に戻ってくる。
温かな何か。光のようなぬるま湯のような…もしかして?
これが魔力だとしたら、ノエルさんの魔力なのだろうか?


光が収まったと思ったら、目の前に一枚の紙が浮いている。
何か文字が書いてあるようだけど、光の反射で上手く読めない。
これは?と思っていると、神殿の人がそれを取って、ユキ様に渡した。
ユキ様はその紙を見て確認すると、にやっと笑ってこちらを向いた。

「うん、これで儀式は成功したね。
 ノエル、ルーラ、お疲れさん。説明は部屋に戻ってからにしよう。」

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