ひとりぼっちだった魔女の薬師は、壊れた騎士の腕の中で眠る

gacchi(がっち)

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36.打合せ

午後のお茶の時間になってからノエルさんが戻ってきた。
謁見室の後、お世話になっていた騎士団に挨拶に行っていたらしい。

「もう一度魔剣騎士として任命されてきた。青の騎士だ。」

「それって、寵妃さまが言ってた?色付きの騎士に戻った?」

色付きの騎士。魔剣騎士の中でも特別な存在。
元に戻ったってことは、元の仕事に戻ってしまう?
騎士団にはその挨拶に行ってたってことなんだろうか。

「ああ。だけど、騎士団には戻らなくていいそうだ。
 このままルーラ付きの騎士で良いと。
 陛下から許可が出たから、誰も文句は言えない。」

「それって、いいの?魔剣騎士の中でも色付きってすごいんでしょう?
 王宮薬師見習いの私についていていいの?」

「ルーラは、ユキ様の後継に指名されるそうだ。」

「え?」

「王宮薬師長に育てる気らしい。」

「だって、まだ王宮薬師にもなってなくて。
 次の夜会で王宮薬師の任命はするって言われたけど、本当に?」

「くわしくはユキ様からまた話があるだろう。
 そうか、夜会か。それも出なきゃダメなのか。
 俺もまた侯爵になるから顔出ししないといけないんだ。」

「ユキ様が、ノエルさんと一緒に夜会出なさいって。」

「ああ。俺もそのつもりだ。護衛も兼ねてエスコートしよう。
 貴族に詳しくないルーラが一人でいたら、どうなるかわかったもんじゃない。
 俺がちゃんと守るから安心しろ。」

「うん。わかった。」

貴族たちが集まるっていうだけでも嫌だなと思ってしまう。
それに王宮薬師としても、フォンディ家当主としても認めてもらえるのかどうか。
不安しかないけど、ノエルさんが守ってくれるっていうなら大丈夫な気がする。
一度だけ出てしまえば、もう出なくていいって言われたし。



「ノエルは騎士服よね?
 じゃあ、ルーラはノエルの騎士服に色を合わせましょうか?
 ノエルは何か希望ある?」

ミラさんがさっきからドレスのデザインを見ては、
ヘレンさんとサージュさんとあれこれ相談している。
ドレスなんて着たことないから、私に聞かれても何もわからない。
全部お任せします、とは言ったのだが。ノエルさんの騎士服に合わせる?
一緒に出席するからなのかな?

「…希望ですか。では、青のドレスで。」

「あら。ふふふ。そうなのね、わかったわ!
 装飾品はどうする?こっちで用意していいの?」

「いえ、俺が用意するんでいいです。」


嬉しそうに笑うミラさんと、やる気を出したサージュさん、
次々とデザインを持ってくるヘレンさん。
もう何が何だかわからず、少しぬるくなってしまったお茶を飲んでいた。

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